幸せになるのはとても難しい
だからこそ『生きる』んだ
自宅の玄関にて。
「リュックサックよし、バールよし、ハンマーよし、スコップも持った。ノコギリは・・・・・・一応持っていっとくか。それとメモ帳も持ってと・・・」
「水筒よし!カバンよし!おじちゃん早くいこ!」
「もうちょっとで終わるから待っててな」
物資調達に向かうため、前の現場で調達した工具を武器の代わりに装備して不備がないか確認をとっていた。るーちゃんも俺の真似をしているが、ほんの少しだけしか荷物を持たせなかったので速攻で終わる。子供ってこんな時でも無邪気で羨ましい限りだ。いや、むしろこんな時だからこそ無邪気でいようとしているのかもしれない。
「確認よーし。・・・るーちゃん、ちょっとお外にいるこわーい人達にお仕置きをしてくるからちょっと待っててね?」
「うん!おじちゃん頑張れ!」
道具の確認を終え、るーちゃんを玄関から下がらせる。
「・・・・・・今日は三人か。まぁ平日にしては少ねえな」
バールを持った右手に力が入る。
玄関からなるべく音をたてないよう扉を開けて外へ出た。
『ヴぁあぁぁ・・・・・・』
『あ゛ぁ゛あああぁ゛ぁ』
玄関の方を向いていた二人に気付かれた。しかし、その動きは鈍重でお世辞にも早いとは言えない速度で近づいてくる。残りのもう一体もこっちに気づいたがまだ距離がある。
「今日の献立はオマエらだ。再利用してやんだから感謝しろよ」
アイツらは理解していないだろうが、俺の自己満足による礼儀であるので特に気にする必要はない。それに昨日からお腹が空いてたまらない。俺はバールを持ち直して最近で日常となったソレを始めるために、まずは一番近いソイツの脳天目掛けてバールを振り下ろした。
「──イタダキマス」
▶▦◀
「出発進行ぉ〜」
「なすのおしんこー!」
家の周りのヤツらをお仕置き&野暮用を終わらせたあと、るーちゃんを自転車の後ろに乗せて出発した。近いと言ってもそれなりに距離があるため、自転車の方が何かと都合がいい。
目指すは巡々丘学院。そこにつくまでにヤツらがうようよしているだろうが、それを加えても今日中にはたどり着くだろう。
所々で襲ってくるヤツらの急所を粉砕し、ヤツらを見て怯えた表情を見せるるーちゃんを元気付けていたその時だった。ちょうど交差点を通るとき何かが目の前に飛び出してきた。
「うお!?」
「ふぇ!?」
「きゃあ!?」
驚いた声が三つ重なった。一人は俺、もう一人はるーちゃん。・・・・・・で、あと一人は?
視線を目の前に移すと尻もちをついている少女がいた。この独特な制服のデザイン・・・・・・もしかして巡々丘学院生徒?そのままとゆう訳にもいかず声をかけた。
「すまん、大丈夫か?」
「いたた・・・・・・、ハッ!す、すみません!あとお願いします助けてください!」
「は?いきなりなんの話──」
「お、おじちゃん!あれ見て!」
彼女に助けを求められ何事だと訪ねようとしたとき、ふと嫌な予感がした。・・・なんとなく彼女が走ってきた方角に顔を向ける。
なんと、ヤツらの大群がこちらまで押し寄せて来ていた。
「アイエエエ!?ゾンビ!?ゾンビナンデ!?」
「すみません!いつの間にかこんなについてきてたんです!」
ものすごく申し訳なさそうに謝る彼女だが、そんなことを気にしている暇はない。るーちゃんには悪いが予定を変更してダッシュで家に帰るしかない。この子も見殺しにするには目覚めが悪いし、なによりるーちゃんに無情な人なんて評価されたくないし。
「早く逃げるぞ!えっと・・・・・・そこのアンタ」
「
「わかったからとにかく逃げるぞ!俺の家まで案内するから着いてこい!」
「はい!・・・・・・あ、ごめんなさい。今さっきので足くじいたっぽいです。う、動けないです」
「ファァァァァッッック!!!!」
なんてこったい、逃げ道なんてどこにもなかったぜ(涙)
・・・・・・仕方ない、
「おい祠堂!このバール貸すから、それで自転車に乗ってるその子を守ってろ!ぶん回すくらいなら出来るだろ!?」
「え?でもアナタは・・・・・・」
「いいから自分とその子を守ってろ!!・・・俺は俺の切り札がある」
ヤツらの前で仁王立ちになって、腰に力を入れる。種から芽が出るイメージで固めてソレを外に放出した。
──次の瞬間、俺の腰からは筋肉のような紅くて太い二本の触手が生えていた。
「それじゃあ・・・・・・、バイキングタイムと行きましょうかぁ!」
そう吠えながら俺はヤツらへと駆け出した。
感想を下さった野獣さん、ありがとうございました。
ちなみにこの世界には喰種はいません。オリ主も喰種ではなく、それに近いナニカです。