遊☆戯☆王アズールレーン~记忆的幻觉~   作:ハンバート二世

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 逆恨みホモレモンおじさん蒼紫様すき。


ターン10――その決意は空洞

「ハーミーズ……結局君は、その器たる素質はなかったようだね。私の勝ち――いや、これは……!?」

 

 

・ハーミーズ

LP2600

 

 

「な、何故まだライフが残っているんだ!?」

「私は――罠カード、『ガード・ブロック』を発動していた。その効果により、戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローした……!」

 

 

 まだだ……まだ、こんな所で負ける訳にはいかない。

 消える訳にはいかない。

 私はフォックスハウンドの為にも、そして自分の為にも、ここから抜け出して指揮官に会うんだ!

 

「チッ……メインフェイズ2に手札から『神秘の中華なべ』を発動。ラーの翼神竜を墓地に送り、その攻撃力か守備力分のライフを回復する。そして、神が効果によってフィールドを離れる場合、私はその効果で払ったLPの数値分回復する」

 

 

・クリーブランド

LP5400

 

「これでターンエンドだ」

 

 

 次のターン、永続罠『死者蘇生の蘇生』の効果で『死者蘇生』を回収し、再びラーの翼神竜が特殊召喚される。

 だがクリーブランドのフィールドはがら空き。ライフも2800だ。1、2度の攻撃で決着が着く。

 しかしフィールドには伏せカードが1枚。

 守備モンスターを残したところでラーはあらゆる耐性を無視してモンスターを破壊する。高い攻撃力のモンスターを残しても無意味だ。仮に、何らかの方法で破壊を防げたとしても、『最終突撃命令』で攻撃力の低いモンスターは無防備を晒す事になる。

 更に『DNA移植手術』によってフィールドのモンスターの属性は『神』となり、自身以外の神の効果を受けないラーに大きな耐性を与えている。破壊するならまずはあのカードか……?

 

「私のターン!! ドロー!!」

 

 『死者蘇生の蘇生』はフィールドに存在する限り、そのプレイヤーは死者蘇生でしかモンスターを特殊召喚できなくなる。ラーの攻撃を防ぎ続けられるのであれば残しておいても問題はないがその手立てはない。しかも破壊されれば墓地のモンスターを特殊召喚し、死者蘇生を手札に戻せる。どの道、このターンの攻撃は防がれ、次のターンにラーを呼び戻される。

 

「どうしたんだいハーミーズ。難しい顔をして。また指揮官の事を考えてるのかな? でももう、指揮官は生きていないかもしれないよ? とっくの昔に、君の心の拠り所は消えているのかもしれない。それなのに、死にかけてまで頑張る意味、あるのかなぁ?」

「黙れ……偽物が知ったような口を利くな! 指揮官は生きている、生きているんだ!」

 

 そうだ、そうでなければ――

 

「その言葉を少し訂正しよう。『生きていなければ困る』? だろう? そうじゃないと、途端に戦う意味が消える。この事態を解明したいから、なんてフワフワした意思なんてないも同然だよ。特に君の様に、指揮官に依存していた子はね」

 

 依存……そう、依存。

 改めてそう言われると、そうかもしれないと思ってしまうその言葉。

 戦う事しか知らなかった私を支えてくれた指揮官。

 

 私に決闘(デュエル)を教えてくれたのも、あの人だった。

 あの人がいなければ、今頃の私はもっと早くに死んでこの場にはいなかったろう。

 

 それほどに私の中の指揮官の存在は大きいものだ。

 指揮官が死んでいる世界など、生きていない世界など、なんの意味もないと言えるほどには、大切に思っている。

 

 もし本当に指揮官が、もう生きていないのなら……?

 私はなんの為に……?

 そんな状況でフォックスハウンドの仇を取ったとしても、残るのは虚しさだけじゃないか!

 戦う事に意味はあるのか?

 この身を焼かれて迄、立ち続ける意味はあるのか?

 

「『闇』に惑わされるなハーミーズ!」

 

 この声は……ジャマイカ。

 

「意識が戻ったのか……」

「何故お前が信じない! ハーミーズ自身が信じる限り、指揮官は生きている!ハーミーズの意思は、『かもしれない』程度で折れるようなものなのか!? フォックスへの弔いは、鎮魂は、そんな程度のものなのか!!」

「ジャマイカ――」

 

 折れるくらい、自分の胸を叩きつけた。

 ああそうだ……私は何をやっていたんだ。

 心を覆う深い闇の霧に惑わされて、見るべきモノが見えなくなっていた。

 

「もう少しで、心の闇が浮き出るところだったんだけどな」

「ジャマイカのお陰だ。私は諦めない。この目で確かめるまで、決闘の行方も、指揮官の安否も何も分からない。そして私は信じる、指揮官の安全と、私自身の勝利を――!

 私は墓地の『幻影剣』と『幻影翼』の効果を発動! 墓地のダスティローブとラギッドグローブを特殊召喚する! この2体でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築――エクシーズ召喚! 『幻影騎士団ブレイクソード』!!

 ブレイクソードの効果発動! オーバーレイユニットを1つ使い、ブレイクソードとDNA移植手術を破壊する!」

「くっ……これで神の耐性は元に戻る」

「そしてブレイクソードが破壊された事で、墓地のダスティローブとラギッドグローブをレベルを1上げて特殊召喚! この2体でオーバーレイ! 『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!」

 

 

・ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

★4 2500/2000

 

 

「そして手札から魔法カード、『鬼神の連撃』を発動! ダーク・リベリオンのオーバーレイユニットをすべて取り除き、このターン2回の攻撃を可能とする!」

「2回攻撃……!」

 

 この攻撃が全て通れば、このターンで削り切れる……!

 

「行け! ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン! クリーブランドにダイレクトアタック! この時、『幻影翼』をリベリオンに発動する。これにより攻撃力は500アップ! よって3000の2回攻撃だ!」

「でも、そう上手くいくかな? 手札を1枚捨てて罠発動、『レインボー・ライフ』! このターン私が受ける全てのダメージは回復に変換される!」

「なに!?」

 

 

・クリーブランド

LP8400

 

 

「さあどうする? これで私のライフは8400。次のターンのラーの攻撃力はどうなるかな!?」

「まだだ! メイン2に『RUM-幻影騎士団ラウンチ』をダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンに発動! ランクアップ・エクシーズチェンジ! 『ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン』!」

 

 

・ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン

★5 3000/2500

 

 

「これでターンエンドだ!!」

「私のターン!! スタンバイフェイズに『死者蘇生の蘇生』の効果で墓地の『死者蘇生』は手札に戻る。魔法カード『不死鳥の宝札』! 墓地にこのデュエル中場に出したラーが存在するなら、デッキから2枚ドロー!!」

 

 不死鳥はまた蘇る、黄金の烈火を巻き上げて――!

 

「死者蘇生を発動! 甦れ、ラーの翼神竜!!」

 

 DNA移植手術がなくなった今、モンスター効果への耐性が消え、ラーの効果はダーク・レクイエムの効果によって無効にされ破壊される。だからここは効果を使わずにそのまま攻撃してくるはずだ。

 そも、攻撃通れば終わりなのだから。

 

「ラーの効果を適用! ライフを8399払い、その数値分ラーの攻撃力・守備力をアップする! そして死者蘇生の蘇生の効果で、手札1枚を裏側除外し次の自分のターンのスタンバイフェイズに死者蘇生を手札に戻す」

 

 

・クリーブランド

LP1

 

・ラーの翼神竜

☆10 8399/8399

 

 

「ラーの翼神竜、ダーク・レクイエムを焼き払え!! ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」

「罠カード『パワー・ウォール』! ダメージ500につき1枚、デッキの上からカードを墓地に送る事で、そのダメージを0にする!」

「まだ耐えるのか!! だが――闇のゲームによるモンスターへのダメージは受けてもらう!!」

 

「ギッ、ィア゛……ガ、はぁ――はぁ――」

 

 視界が暗い。

 音が遠い。

 焼けるように痛い肺が、呼吸を拒む。

 全ての事が私をこの世から殺そうと躍起になっている。

 カードを持つ、震える手。筋肉に力が入らない。このまま倒れてしまえば、どれだけ楽だろうか。

 

 だが――だが、

 

「ハーミーズッ!」

「大丈夫だ……まだ、まだ終わらない。私は何も諦めない――それが、それが決闘者(デュエリスト)だ!!」

「勇ましい限りだ。でももうボロボロじゃないか。そんな状態で神を打ち破れるのかな?」

「……ボロボロなのはお互い様だろう。たった1枚の手札で次のターンを耐えきれるのか」

「1枚あれば十分だ! この手札を伏せてターンエンド! 特殊召喚した神はエンドフェイズに墓地に送られ、払ったライフを回復する」

 

 

・クリーブランド

LP8400

 

 

 次のターンで決めなければ負ける。

 またラーを呼ばれて、今度こそ本当にこの身を焼き尽くされる。

 立っているのも辛いこの体は、もう次のターンが限界だろう。

 

「私の……」

 

 ――フォックスハウンドはクリーブランドとの決闘に負けて消えた。

 指揮官に会いたいという願いを殺された。

 

 私も今、同じ願いを抱いてこの場に立っている。

 このクリーブランドは偽物だ。だが、その心までは本当に偽物なのだろうか?

 自分が新しいクリーブランドになり替わったと言った。だとしたら、彼女の中の自分自身は紛れもない本物。彼女の中にも信じる者はあるはずだ。

 だとしたら私は、それを踏み躙って先に進む。

 同じ事だ。

 フォックスハウンドがされた事と同じ事だ。

 

 それでも私は会いたいと言えるか。

 指揮官の為に……いや、自分の為に他人の願いを踏み躙る事を許せるのか。

 

「私のターン!!」

 

 それでも、それでもやるしかない。

 私は会いたいんだ指揮官に……そう、私にはそれ以外がないのだから。

 

「ハーミーズ……どうやら心は決まったみたいだね。だが私も負けるつもりはない! スタンバイフェイズに速攻魔法発動! 『不死鳥輪廻(フェニックス・リンカーネイション)』! 墓地のラーの翼神竜を特殊召喚し、このカードを装備カードとして装備する! このカードが表側表示で存在する限り、ラーは戦闘と効果では破壊されず、私が受ける全てのダメージは0となる! そしてラーの効果!!」

 

 

・ラーの翼神竜

☆10 8399/8399

 

 

「さあどうする! 次の攻撃を防ぐカードを引けなければ、次のターンで私の勝ちだ!!」

 

 私が引いたのは『エクシーズ熱戦!』。

 パワー・ウォールで墓地に送った中にシャドーベイルやダーク・ガントレットの攻撃に反応して墓地から特殊召喚できるモンスターはいない。

 幻影霧剣をサーチしてもラーに罠は効かない。

 クリーブランドの言う通りだ。

 次のターン、私がラーの攻撃を防ぐ手立てはない

 

 だが――

 

「そんなもの必要ない。このターンで終わらせる!!」

「何を言ってるんだ。ハーミーズはもう既にダークリベリオンもダークレクイエムも使いきったはずだ。あの時私はエクストラデッキを見ている。残り1枚のブレイクソードで不死鳥輪廻を破壊しても、ラーの攻撃力は越えられない!」

 

 そうだ。確かにあの時、ジャマイカとグローウォームと話している時にクリーブランドも私のデッキを見ていた。

 

「それはどうかな――私はパワー・ウォールで墓地に送られた幻影霧剣と幻影剣を除外する事で墓地のダスティローブとラギッドグローブを三度特殊召喚! 

 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! 戦場に倒れし騎士達の魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ! エクシーズ召喚! 現れろ! ランク3、『幻影騎士団ブレイクソード』ッ!!

 ブレイクソードの効果により、ブレイクソードど不死鳥輪廻を破壊する!」

「これでダメージは通る。だが君のデッキの中で効果ダメージを与えるカードは『エクシーズ熱戦!』のみ。この状況では意味がない!」

「まだ……まだだ! 破壊されたブレイクソードの効果により、墓地のダスティローブとラギッドグローブを蘇生!! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!

 甦りし騎士達の魂よ、仲間の(むくろ)を越えその弦音(つるね)を響かせよ! エクシーズ召喚――ランク4、『幻影騎士団セヴェランス・ボウ』!!」

 

 

・幻影騎士団セヴェランス・ボウ

★4 2300/1000

 

 

「セヴェランス・ボウ……? なんだ、そのエクシーズモンスターは!?」

「『幻影騎士団セヴェランス・ボウ』の効果発動! 闇属性エクシーズモンスターの効果をこのモンスターの効果として発動する! 私は墓地のブレイクソードの効果を発動!! セヴェランス・ボウとラーの翼神竜を破壊する!」

「だがこの時、墓地に不死鳥輪廻の効果を発動! ラーがフィールドを離れる場合、代わりに墓地のこのカードを除外する!! 今度こそ――」

「まだだ!! 破壊され墓地へ送られたセヴェランス・ボウの効果発動! このカードと墓地の闇属性モンスター1体で、墓地の闇属性エクシーズモンスターをエクシーズ召喚する!!」

「なん……だと……!?」

 

「セヴェランス・ボウとダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでオーバーレイ! ネクロエクシーズ――煉獄の底より、いまだ鎮まらぬ魂に捧げる反逆の歌! 永久(とわ)に響かせ現れよ! エクシーズ召喚! 『ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン』ッ!!

 ダークレクイエムの効果――! このカードがダークリベリオンを素材にしている場合、オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手モンスター1体の攻撃力を0にし、その攻撃力分ダークレクイエムの攻撃力をアップする!! レクイエム・サルベーション!!」

 

 

・ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン

★5 11399/2500

 

 

「攻撃力……11399」

「これで終わりだ」

「はは……そうか、終わりか。私はハーミーズの手で、殺されるんだね」

 

 同情を決意の中にしまい込め。

 殺らねば、私が殺られるんだ。

 止まるな――!!

 

「ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴンの攻撃!! 鎮魂の――ディザスター・ディスオベイ!!」

「っ――あああああああああああああ!!」

 

 

クリーブランド

LP/0

 

 

「あ――が……ごぶっ」

「クリーブランド! いや、お前は……」

 

 ダークレクイエムの大顎に貫かれたクリーブランドの(はらわた)は抉り出され、鮮血がアスファルトを染めていく。

 決闘に負けた上に闇のゲームによる1万ものダメージを受けたのだ。まだ生きているのが不思議なくらいだ。

 

「そう……私、は偽物。でもそれは君達にとっての、だ。私にとって、私自身は私しかいない。私という存在は唯一無二だった。だから、死にたくはなかったな」

「だがお前はフォックスハウンドを殺した。彼女も死にたかった訳ではない」

「そうだね。その通りだ。ねぇハーミーズ……その様子だと、もしかしたら本当に知らないのか? 決闘者因子の本当の意味を」

 

 本当の……意味?

 

「知らないようだね……決闘者因子と呼ばれていたこれは、その名の通り決闘者の中にある『結晶』なんだ」

「それが……どうしたと言うんだ。そんなものはなかったのではないのか!?」

「決闘者因子を持つ者はね、決闘しないと消えるんだ」

 

 一瞬、耳を疑った。

 決闘をしなければ死ぬ――だと?

 

「偽物と呼ばれる二人目以降の私達もね、どうして生まれたかは分からないんだ。でも、戦わないと消える。だから決闘するんだ。まあ、負けちゃったけどね。はは……もう消えるのか……また次の私に会う事があれば、よろしくね」

「そんな……待ってくれ……」

 

 決闘に負ければ死ぬ……なのに、決闘をしなければそれでも死ぬだと……?

 そんな馬鹿げた、理不尽な話があってたまるか……!!

 

「ハーミーズ……今の話が本当なら、夕張はまだ1度も決闘をしていない……!」




今日の最強カード
幻影騎士団セヴェランス・ボウ
【戦士族/エクシーズ/効果】
闇 格4 攻2300/守1000
闇属性レベル4モンスター×2
このカード名の①、③の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:1ターンに1度、墓地または除外されている闇属性Xモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの発動条件を満たしている「X素材を取り除いて発動する」効果をこのカードの効果として発動する。
②:フィールドのこのカードを素材としてX召喚した闇属性モンスターは以下の効果を得る。
●このX召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。この効果に対し、魔法・罠カードは発動できない。
③:このカードが破壊され墓地へ送られた場合、墓地または除外されている闇属性Xモンスター1体を対象として発動できる。このカードと墓地の闇属性モンスター1体を選んで特殊召喚し、その2体のみを素材として対象としたXモンスターをX召喚する。
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