遊☆戯☆王アズールレーン~记忆的幻觉~   作:ハンバート二世

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 デュエル構成って難しいんだなと思った(小並感)


ターン5――その懐疑は悲鳴

 目が覚めるとそこは見知らぬ廃墟、そして私が1年間眠り続けていたという信じられない事実に動揺を隠せないままフォックスハウンドとの決闘(デュエル)が始まった。

 どうやら、こうなってしまった世界で自分達と同じ姿をした『偽物』が存在しているらしく、私もソレだと思われているようだ。その誤解を解く為の決闘だが……

 

 

・フォックスハウンド

LP4000/手札0枚/デッキ34枚

フィールド:バージェストマ・ディノミスクス(守備表示)、伏せカード1枚

      王宮の勅命、王宮の鉄壁

 

・ハーミーズ

LP4000/手札3枚/デッキ34枚

 

 

「さあ、キミが本物なのかどうか、証明する決闘はまだ始まったばかりだ」

「私はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

「ぼくのターン! ドロー! スタンバイフェイズに勅命のコストとして700LPを支払う。

 ぼくは(トラップ)カード『バージェストマ・マーレラ』を発動! その効果により、デッキから罠カード1枚を墓地へ送る! 『バージェストマ・レアンコイリア』を墓地に!

 そして罠カードが発動した事で、墓地の『バージェストマ・ハルキゲニア』の効果発動! このカードをモンスターとして特殊召喚!」

 

 

・バージェストマ・ハルキゲニア

☆2 1200/0

 

・バージェストマ・ディノミスクス(守備表示)

☆2 1200/0

 

 

「ぼくはレベル2のハルキゲニアとディノミスクスでオーバーレイ! エクシーズ召喚! ランク2、『バージェストマ・オパビニア』!」

 

 

・バージェストマ・オパビニア(守備表示)

★2 0/2400

 

 

 バージェストマ・オパビニアはデッキから『バージェストマ』カードを手札に加え、手札から『バージェストマ』罠を発動できるようになるモンスター。そしてモンスター効果を受け付けない。

 動きを妨害する『バージェストマ』を手札に加えられると、じわじわこちらのフィールドが崩されていく。

 断ち切るならここだ。

 

「オーバーレイユニットを1つ使い効果発動! デッキから『バージェストマ』カードを――

「ここだ! 永続罠発動! 『幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)』! 相手モンスター1体の効果を無効化し、そのモンスターは攻撃できず攻撃対象にならない!」

「ならぼくは、カードを伏せてターンエンド」

 

「私のターン!」

 

 

・ハーミーズ

LP4000/手札2枚/デッキ33枚

フィールド:幻影霧剣、伏せカード1枚

 

 

「フォックスハウンド。どうしたら私を本物だと認めてくれるんだ」

「キミが決闘者(デュエリスト)なら、自ずと分かるよ」

 

 おかしい。

 何故こうまで言葉を濁すのか。

 彼女は何が目的で……集中しろ、彼女のデッキは罠デッキ。気を抜けば足元を掬われる。

 

 『幻影騎士団トゥーム・シールド』を使えば、『王宮の勅命』の効果を無効化できるが、アレを手札に加えるか墓地へ送る為に『幻影騎士団』の効果を使いたい。だがその為には除外しなければならず、『王宮の鉄壁』がそれを邪魔する。

 トゥーム・シールドはこのデッキに2枚入っている。だが、素で引くまでを待つのはあまりにも悠長すぎる。

 ライフコストを払えなくなれば勅命は自動的に破壊されるが、それを待つにしても不確定要素が多すぎる。

 

「私は手札から、『幻影騎士団ダスティローブ』を通常召喚――そして罠カード、『幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ』を発動! ダスティローブの攻撃力を600下げ、レベルを2にし、このカードをモンスターとして特殊召喚する!」

「ロスト・ヴァンブレイズのレベルは2……これでまたエクシーズ召喚か」

「そうだ――私はレベル2のダスティローブとロスト・ヴァンブレイズでオーバーレイ! ランク2、『幻影騎士団カースド・ジャベリン』!」

 

 

・幻影騎士団カースド・ジャベリン

★2 1600/0

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

「ぼくのターン、ドロー!」

 

 

・フォックスハウンド

LP2600/手札1枚/デッキ32枚

フィールド:バージェストマ・オパビニア(守備表示)、伏せカード1枚

      王宮の勅命、王宮の鉄壁

 

 

「ねぇハーミーズ。もし君が本物だとして、一つ訊きたいんだ」

「なんだ」

「共に戦い、笑いあった仲間と同じ姿をした偽物を、殺す勇気はある?」

「――っ」

 

 今まさに、フォックスハウンドがしようとしている事がそれなのだろう。

 どれだけ覚悟という言葉を並べ立てようとも、悲鳴を上げる心を偽る事ができる人間など、そうそういようはずもない。

 染み付いた愛着は銃口を逸らし、腕を鈍らせる。

 だが私達は生きた人間だ。兵器じゃない。だから束の間でもいい。楽しく、幸せに過ごせる時間が与えられてもいいはずだ。そう、そしてそんな時間が築き上げた絆を、たとえそれが幻影だったとしても破壊できるのかと、目の前の少女は私に問うた。

 改めて突き付けられたその問いは、言葉を詰まらせるには十分すぎた。

 

「ごめんね、こんな事聞いて。でもこれで分かったよ。あくまでぼくとしては、キミを偽物だとは思わない」

「それは、どういう――」

「ぼくはカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 やはり何かある。私が本物か偽物かを判断する手段があるんだ。

 この決闘はその為に必要なもの。

 ならば全力で行こう――!!

 

「私のターン! ドロー!!」

 

 

・ハーミーズ

LP4000/手札2枚/デッキ32枚

フィールド:幻影騎士団カースド・ジャベリン、幻影霧剣、伏せカード1枚

 

 

「『マジック・プランターを発動。フィールドの表側表示の罠カードをコストにドローするカードだ。効果は勅命で無効かされるが、コストによって幻影霧剣は墓地へ送らせてもらう。そしてカードを1枚伏せてターンエンドだ」

「ならぼくはエンドフェイズに罠カード、『バージェストマ・カナディア』を発動! 相手モンスター1体を裏側守備表示にする! そして、罠カードが発動した事で、墓地からハルキゲニアを特殊召喚! そしてぼくのターン!」

 

 

・フォックスハウンド

LP1900/手札1枚/デッキ31枚

フィールド:バージェストマ・オパビニア(守備表示)、バージェストマ・ハルキゲニア、王宮の勅命、王宮の鉄壁

 

 

「バトルだ!! バージェストマ・ハルキゲニアで裏側守備表示のカースド・ジャベリンを攻撃!」

「ダメージステップに罠カード、『幻影翼(ファントム・ウィング)』を発動! カースド・ジャベリンの攻撃力は500ポイントアップし、このターン1度だけ、戦闘・効果では破壊されない!」

「くっ、ぼくは1枚伏せてターンエンド――」

「私のターン! バトル! カースド・ジャベリンでハルキゲニアを攻撃!」

「ぐっ、うぅ……でも、王宮の鉄壁の効果で、ハルキゲニアは除外されない……!」

 

 

・フォックスハウンド

LP1200

 

 

「カードを伏せてターンエンド……!」

「ドロー!」

 

 

・フォックスハウンド

LP500/手札2枚/デッキ30枚

フィールド:バージェストマ・オパビニア(守備表示)、王宮の勅命、王宮の鉄壁

 

 

「くっ……カードを伏せてエンドだ!」

「私のターン、ドロー!!」

 

 次のターン、このままいけば勅命のライフコストを払えずに自壊するはず!

 フォックスハウンドは思う様に戦況を動かせないようだから、このままいけば――!

 

「どうやらこれで勅命が破壊できると思ったようだけど、甘いよ。ぼくは罠カード、『三位一択』を発動!! 罠カードの発動にトリガーして、墓地のディノミスクスを攻撃表示で特殊召喚!」

「三位一体か――エクストラデッキのモンスターの種類を宣言し、宣言された種類のカードが多いプレイヤーが、ライフを回復できる」

「そう、ぼくが宣言するのはエクシーズモンスターだ。ぼくのエクストラデッキにはエクシーズモンスターが14体いる」

「……私は13体だ」

 

 フォックスハウンドのエクストラデッキは……『バージェストマ・オパビニア』が残り2枚、『バージェストマ・アノマロカリス』が3枚。ランク2はこの二種類だけで、後はこのデッキでは使わなそうなバラバラのランクのエクシーズモンスターばかりだ。

 私の反応に気が付いたのか、フォックスハウンドは苦笑いしながら言った。

 

「いつでもカードが手に入る訳じゃないからね。拾ったカードで補強しなくちゃならないんだ」

「なるほど」

「だから、エクストラデッキが妙にしっかりしている君はあすます怪しいね」

 

 それは完全にとばっちりなのだが、聴く耳は持ってくれないようだ。

 

「さあ、決闘(デュエル)を続けるよ」

 

 

・フォックスハウンド

LP3500

 

 

「カースド・ジャベリンでディノミスクスを攻撃!」

「罠発動! 『ガードブロック』! 戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする! この発動に対し、墓地のハルキゲニアを特殊召喚!」

「その為にわざわざ攻撃表示で出したのか!」

 

 ダメージレースでは私が勝っている。

 だが、なんだこの麻縄で首を絞められる感覚は! フォックスハウンドは着実に、私を一撃で倒す為のカードを集めている!

 

「ぼくのターン――!」

 

 

・フォックスハウンド

LP2800/手札3枚/デッキ28枚

フィールド:バージェストマ・オパビニア(守備表示)、バージェストマ・ハルキゲニア(守備表示)、王宮の勅命、王宮の鉄壁、伏せカード1枚

 

 

「これなら……カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

「私のターン!! カースド・ジャベリンで再びハルキゲニアを攻撃! カードを伏せてターンエンド!」

「ぼくのターンだ!」

 

 

・フォックスハウンド

LP2100/手札2枚/デッキ27枚

 

 

「この繰り返しもそろそろ飽きてきた頃だろ? そろそろ終わらせよう」

「なんだと……!?」

「ぼくはカードを2枚伏せて、ターンエンド!」

 

 フォックスハウンドのあの余裕の表情、何か来る――!

 ならば決めるしかない!

 

「私はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!!」

「ぼくのターン!! ドロー!! 罠カード、無限泡影を発動! カースド・ジャベリンの効果を無効化する! そして墓地のマーレラを特殊召喚! 更に罠モンスター、『シェイブシスター』を特殊召喚、これによってディノミスクスを特殊召喚!」

 

 フィールドにはマーレラ、ディノミスクス、シェイブシスターの3体。

 レベル2のモンスターが3体――来るか、奴が。

 

「ぼくはレベル2のディノミスクス、シェイブシスター、マーレラでオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚! 現れろランク2、『バージェストマ・アノマロカリス』ッ!!

 アノマロカリスの効果発動! カースド・ジャベリンを破壊!」

「罠カード、『幻影剣(ファントム・ソード)』! カースド・ジャベリンの装備カードとなり、このカードを墓地へ送る事で破壊を無効にする!」

「まだだ! マーレラを特殊召喚し、手札から魔法カード、『エクシーズ・シフト』を発動! オパビニアを墓地へ送り、ランク・属性・種族が同じエクシーズモンスターを特殊召喚できる――特殊召喚するのは2体目のアノマロカリス! エクシーズ・シフトは特殊召喚したモンスターのオーバーレイユニットとなる! 再びアノマロカリスの効果で、カースド・ジャベリンを破壊する!! アノマロカリスでダイレクト――」

「罠発動! 『闇次元の解放』! 除外されている闇属性モンスターを特殊召喚! 帰還せよ! 『幻影騎士団ブレイクソード』!」

 

 

フィールド:幻影騎士団ブレイクソード(守備表示)

 

 

「ディノミスクスを墓地から特殊召喚! アノマロカリスでブレイクソードを攻撃!」

 

 まだ使うな! フォックスハウンドならまだ、もう一撃加えてくるはず!!

 

「ハルキゲニア、ディノミスクスでダイレクトアタック!」

 

 

・ハーミーズ

LP1600

 

「ぐっ……『幻影騎士団ダーク・ガントレット』でデッキから『幻影騎士団ミストクロウズ』を墓地へ送る!」

「マーレラでダイレクトアタック!」

「ダイレクトアタック時に墓地のミストクロウズの効果! このカードと墓地の幻影騎士団1体をレベルを4にして特殊召喚! サイレントブーツだ!」

「レアンコイリアを特殊召喚し、サイレントブーツを攻撃! 罠発動――『ワンダー・エクシーズ』! ディノミスクス、ハルキゲニア、マーレラで再びオーバーレイ! エクシーズ召喚! 3体目のアノマロカリスッ!! レアンコイリアを特殊召喚。レアンコイリアでミストクロウズを破壊! アノマロカリスでダイレクトアタック!」

「『リビングデッドの呼び声』! 墓地のブレイクソードを特殊召喚!」

「無駄だ! カナディアを特殊召喚し、アノマロカリスでブレイクソードを攻撃っ! そして3体目のアノマロカリスで――ッ!!」

 

 だがここで、水を差すような電子音が鳴り響いた。

 腕時計のアラームじみた軽快でキーの高い音だ。フォックスハウンドの決闘盤(デュエルディスク)から鳴っているように聞こえる。

 

「はぁ――はぁ――どうやら……ここまでみたいだ。ハーミーズが本物だって事は証明された、ぼくはサレンダーするよ……それにきっと、この決闘(デュエル)はぼくの負けだろうしね、ハーミーズ」

「私の最後のカードは『エクシーズ熱戦!』。エクシーズモンスターが戦闘で破壊された時、互いに破壊されたモンスターのランク以下のエクストラデッキのエクシーズモンスターを見せ、その攻撃力の差分のダメージを相手に与えるカード」

「ランク2でぼくのエクストラデッキにいる残りのカードはオパビニア。攻撃力は0だ」

「『No.45 滅亡の預言者 クランブル・ロゴス』。攻撃力は――2200」

「ごめんね。勝ち逃げしたみたいになっちゃって

「いいや、その決闘盤に装着した機械で確認していたのだな。それにサレンダーであれば消滅しない。どちらにせよ、とてもいい決闘だった――フォックスハウンド? どうした?」

 

 少女の肩は震えるように泣いていた。

 そんなに嬉しかったのか? いや、これは――

 

「ごめん……ごめんねハーミーズ。分からなかったとは言え、ぼくはもう少しでキミを殺すかもしれなかったんだ……」

「そんな事は気にするな。私だってそれは同じ事だったんだ」

「でも……!!」

「ああ、泣かないでくれ……よしよし」

 

 やっぱり、着丈に振る舞ってはいても、この仲間を仲間と思えない殺伐した状況。

 単純な戦場とは違うよりダイレクトに精神を攻撃するこの世界で、少女が生きるには辛すぎる。

 今も腕の中で泣きじゃくるフォックスハウンドもそうだ。

 今は、この世界を変える方法は分からない。

 だが少なくとも、一応年長者として、心の支えにはなれるはずだ。その中で少しずつでも、解決策を見つけていく事ができれば――

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