遊☆戯☆王アズールレーン~记忆的幻觉~   作:ハンバート二世

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 クリーブランドの声を担当されている堀籠沙耶さんは、遊☆戯☆王ZEXALにて表裏徳之助の友人(多分回想で出てきたサメトレかなんかしてくる奴)の声を担当されていました。


ターン9――その力は禁忌

「なら教えてあげるよ! もっと面白いものをさァ!!」

 

 フォックスハウンドが死んだ。

 冷めきる事のない怒りのまま、取り残されたクリーブランドの下へ駆けつけた。

 そこには倒れるクリーブランドだった。だが本当にソレはクリーブランドなのか?

 今こうして、凶笑を浮かべる少女は本当に、本物なのか?

 

「どういう事だ! お前は本物ではなかったのか!?

「本物? 誰それ。鈍いなぁ、私が本物のクリーブランドだよ。前のクリーブランドは既に死んだよ。だから、次の私が本物なのさ」

「だが――決闘者因子(デュエリストファクター)は本物にしかないはずだ」

「まだ分からないのか……決闘者因子なんてものは最初からなかった。会ったんだよね、私の偽物に。なのに因子の反応はあった。おかしいと思わない? その機械を作ったのは誰だと思う?」

 

 その言葉で、私はクリーブランド自身の言葉を思い出した。

 夕張とクリーブランドの二人で、因子の感知を行っていた。

 

「今明かされる衝撃の真実! ソレを作ったのは夕張と私。作成にあたって色々と”助言”をさせて貰ったよ。そう、ソレがずっと感知していたのは”駒”の反応。反応しなかったのは”殻”だったからだよ。さっき君達が戦った私も駒だったんだ。いやぁ本当に苦労したよ……ずっと味方のふりをして半年も協力してさぁ」

「貴様――」

「楽しかったよ、君達との友情ごっこ!! でもこれでやっと終われるよ」

 

 やけに静かだ。

 私の心は変に静かだった。

 怒り? 悲しみ? 憎しみ? もう、そんなものはどうでもいい。

 

「どうしてこんな事をした!」

 

 フォックスハウンドは指揮官に会いたがっていた。

 よく指揮官に懐いていたし、一緒に遊んでいたのを覚えている。本当に指揮官の事が大好きだった。

 

「誰でもよかったんだ。とりあえず誰かが消えればそれでよかったからね」

 

 会いたいと願っただけだった。

 

「そうか――」

「いいね、いい顔だよ。私の事が憎くて憎くて仕方がないって顔をしてる。自分の手で殺してやりたいんだよね? フォックスハウンドの仇を取ってあげたいんだよね? それで、指揮官には自分が代わりに会ってあげたい? でもさ、もうフォックスハウンドはこの世にいないんだ。もう二度と、指揮官とは会えないんだ。君がどんなに思い込んでも、フォックスハウンドは死んだんだ。

 私に負けて、ね」

「御託はいい。構えろ決闘盤(デュエルディスク)を……!! そして聴け! 鎮魂の歌を――報いの声を!!」

 

 この心を支配するものは抑えきれない怒りの塊だ。

 だがそれでいい。

 怒りが心を支配していなければ、この心はきっと崩れてしまう。

 

「デュエル――!!」

「私の先行だ」

 

 

・クリーブランド

LP4000/手札5枚/デッキ35枚

 

・ハーミーズ

LP4000/手札5枚/デッキ35枚

 

 

「モンスターをセット、カードを3枚伏せてターンエンド」

「私のターン、ドロー!!」

 

 

・ハーミーズ

LP4000/手札6枚/デッキ34枚

 

 

 セットモンスターが1体、伏せは2枚。

 私の手札はブレイクソードを出せるだけの準備がない。この手札ならまずは長期戦を見据えた戦略を立てるべきか。

 気になるのはあのセットモンスター。

 リバース効果モンスターならリリース素材に使われる可能性を懸念してここで戦闘破壊しておいた方が得策だろう。リクルーターだった場合、厄介なモンスターを呼ばれて不利になる可能性もある。戦闘破壊せずに相手のリズムを崩せる。

 どちらも等しく可能性がある。

 伏せが2枚ある事も考慮してここは慎重に行く。

 

「私は『幻影騎士団ダスティローブ』を通常召喚。ダスティローブのモンスター効果発動。自分フィールドの闇属性モンスターの攻撃力を800アップし、このカードを守備表示にする。私はダスティローブ自身を選択。そしてカードを4枚伏せてターンエンドだ」

「やけに消極的だね。ロングアイランドやフォックスハウンドとの決闘(デュエル)はあんなに楽しそうだったのに」

 

 ロングアイランドとの決闘の事を知っているだと……?

 

「驚いたかい? 私達はオリジナルの記憶を継いでるんだ。その意思も全てね。少しは劣化するけど、私の場合はかなり色濃く残っているよ。今もこの心の中では、妹達を案じているんじゃないかな」

「黙れ――クリーブランドはあのような事をする人間ではない!」

「どうかな? 心の奥底ではみんな、他人を蹴落としてまで平穏を手に入れたいと願っているかもしれないよ。こんな異常な事態なんだ。そうなるのも仕方がないと思わない?」

 

 正論だ。

 それ自体は間違っていない。

 人間の心が、私達の心が芯まで綺麗だとは限らない。必ずどこかに”闇”はある。

 

「私は、今の私はただ、クリーブランドの中にあった”心の闇”を開放してみただけの話。誰かの為にならなければならない、人よりも優れていなければならない、妹達を守らなければならない――そういった自分に課した鎖を全て断ち切った、より人間らしい姿なんだ。私は今の私が、自分自身が一番が生きていると感じているよ」

「生きる為に他人の生を奪う者を、人間だとは思わない」

「言ってくれるね。まあ、それはこの決闘で分かる事さ。私のターン! ドロー!」

 

 

・クリーブランド

LP4000/手札2枚/デッキ34枚

 

 

「さて、このターンはどうしようかな。そうだね――永続罠『最終突撃命令』を発動する!」

「最終突撃命令!? フィールドの表側表示モンスターを強制的に攻撃表示にするカードか――」

「そう、このカードでダスティローブは攻撃表示になる。そして私は裏側の『シャイン・エンジェル』を反転召喚。バトルだ、シャイン・エンジェルでダスティローブを攻撃」

 

 シャイン・エンジェルは戦闘破壊される事でデッキからモンスターを特殊召喚できる。

 自ら戦闘破壊されに来たか――!

 

「だがダメージは受けてもらう!」

 

 

・クリーブランド

LP3800

 

 

「シャイン・エンジェルの効果発動、このカードが戦闘で破壊された事で、デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスターを1体、特殊召喚する。来い、『ラーの使徒』!」

「まさか……!?」

「ラーの使徒が特殊召喚に成功した時、ラーの使徒を2体まで特殊召喚できる。これで私のフィールドには3体の生贄が揃った訳だけど……もう分かるよね?」

 

 決闘開始時から異様な気配を放っていた、クリーブランドのあの手札。あのカード。

 黄金に輝く不死鳥の息遣いが、ここまで聞こえてくるようだ。

 

「メインフェイズ2、私は3体のラーの使徒を生贄に――『ラーの翼神竜』を召喚!」

 

 烈火を巻き上げ地を削る。

 輝きは直視するものを焼き払う。

 その神々しき姿は正に神――3体の神の頂点に君臨する不死鳥。

 

「                           」

 

 クリーブランドがカードを翳し、聞き取れない言語で何かを唱えている。

 これはまさか――ヒエラティックテキスト!?

 

「これでラーの翼神竜は、私の僕としてフィールドに存在できる――そしてラーの攻撃力・守備力は、生贄に捧げたモンスターのそれぞれの数値を合計した数値となる。よって――」

 

 

・ラーの翼神竜

☆10 3300/1800

 

 

 ラーの翼神竜……効果は未知数だが、今はメインフェイズ2だ。

 このターンは終わる。次のターン、幻影罠でエクシーズモンスターの攻撃力を上げて攻撃すれば――

 

「私はターンエンド。だがエンドフェイズに速攻魔法発動! 『闇からの奇襲』! このターンのエンドフェイズ、もう1度バトルを行える!」

「なに!?」

「ラーの翼神竜よ、ダスティローブを焼き払え!! ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」

「永続罠『幻影霧剣』! 相手モンスター1体の効果を無効にし、そのモンスターは攻撃できない!」

「神に罠は通用しない!!」

 

 まずい、これは闇のゲーム。あんな攻撃をまともに受けたら――そうか、フォックスハウンドの火傷の痕はこれが……!!

 

「ガッ、アぁああああああああああああ!!」

 

 肌が焼かれる。

 全身の神経がチェーンソーで撫でられるような痛みで包まれる。

 脳がこれ以上生きる事を拒もうとするが――ここで、死ぬ訳には……!!

 

「ぐっ、うぅ……あああ!!」

「耐えたか。なら、これでターンエンド。君のターンだよ?」

 

 痛い痛いもう立っていたくない楽になりたい助けて助けて助けて――!!

 

「私のターン!! ドロー!!」

 

・ハーミーズ

LP2600/手札3枚/デッキ33枚

 

 腕を振る度に風が刃のように傷付いた肌を撫でる。

 削り取られる神経が悲鳴を上げる。

 

「自分フィールドに表側表示で存在する永続罠を墓地に送り、『マジック・プランター』発動! デッキから2枚ドロー!! 墓地の幻影霧剣の効果、このカードを除外し、墓地のダスティローブを特殊召喚! そしてラギッドグローブを通常召喚――レベル3のダスティローブとラギッドグローブでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!

 戦場に倒れし騎士達の魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ! エクシーズ召喚! 現れろ! ランク3、『幻影騎士団ブレイクソード』!」

 

 このままラーを場に残しておいては、私の精神と体が保たない。まずはラーを破壊する!

 

「ブレイクソードのモンスター効果発動! ブレイクソードとラーを破壊する!」

「ラーは最上位の神、ラー以外の神の効果は受け付けない」

「何を言っている。ブレイクソードは神ではないぞ。どういう事だ!!」

 

「こういう事だ!! 永続罠発動! 『DNA移植手術』!! このカードの発動時、属性を1つ宣言する。このカードが存在する限り、フィールドに表側表示で存在する全てのモンスターは宣言した属性となる! 私が宣言するのは『神』属性!! よって、ラーはブレイクソードの効果を受けない!!」

「馬鹿な――くっ、だがブレイクソードの効果発動! このカードが破壊された場合、墓地の幻影騎士団2体をレベルを1上げて特殊召喚! レベル4となったダスティローブとラギッドグローブでオーバーレイネットワークを構築! 『NO.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル』! その効果で、オーバーレイユニットを1つ使いフィールドのカード1枚を対象とし、このカードが存在する限り、そのカードは破壊されない!」

 

 効果は効かずとも、戦闘で破壊すればいいだけの話だ!!

 

「バトルだ!! マスター・キー・ビートルでラーの翼神竜を攻撃!」

 

 

・NO.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル

★2500/800

 

 

「ラーの攻撃力は3300だ!」

「ダメージステップ開始時に、『幻影剣』を発動! これでビートルの攻撃力は3300!! そして幻影剣を墓地に送る事で、装備モンスターは破壊されない!」

「なるほど……確かにラーは戦闘では破壊できる。なんとか返した訳だね」

「私はカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 ラーを失ったというのにあの余裕の表情……再び召喚する算段があるのか……? だが手札は0だ。戦況は私に傾いている。

 

「私のターン、ドロー!」

 

・クリーブランド

LP3800/手札1枚/デッキ30枚

フィールド:最終突撃命令、DNA移植手術、伏せカード1枚

 

「手札を一枚セットし、命削りの宝札(原作効果)を発動!」

 

 手札を補充してきたか……

 

「くくっ、引いてしまったよこのカードを。刮目せよ、不死鳥が不死鳥たる所以を!! 魔法カード、『死者蘇生』!!」

「死者、蘇生……」

「蘇れ、ラーの翼神竜!!」

「だが、生贄召喚でないラーの攻撃力は0のはず――」

「それはどうかな? ラーの翼神竜の特殊召喚時の効果発動! 任意のライフを支払い、その数値分ラーの攻撃力・守備力をアップする! 私が支払うのは2700!! 更に永続罠! 『死者蘇生の蘇生』! 死者蘇生が墓地へ送られた場合に発動できる、手札を1枚裏側表示で除外し、次の自分のスタンバイフェイズに死者蘇生を墓地から手札に加える!」

 

 これでまた次ターン、ラーは蘇る。

 永続罠という事はこれが毎ターン使われるという事……このままではまずい。

 

 

・クリーブランド

LP1100

 

・ラーの翼神竜

☆10 2700/2700

 

「そして、ライフを1000支払う事で相手フィールドのモンスターを全て効果を無効にして破壊する!!」

「だがここで、『幻影翼』をビートルに発動! このターン、ビートルは破壊されな――

「無駄だァ!! ラーの効果は全ての耐性を無視する!! 神の前に全ての小細工は無効!! ゴッド・フェニックス!!」

「なん、だと……!?」

 

 

・クリーブランド

LP100

 

 

「行け、ラーの翼神竜! ハーミーズにダイレクトアタック!! これで終わりだ!!」




今日の最強カード
ラーの翼神竜
【幻神獣族/効果】攻?/守? 神 星10
このカードは、古代神官文字を唱えたターンでなければ効果を発動する事ができず、コントロールを得る事ができない。古代神官文字を唱えず召喚・特殊召喚したこのカードは「ラーの翼神竜-球体形」(幻神獣族・神・星10・攻/守0)として扱い、攻撃対象にならずリリースできず他の効果を受けない。
このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。
①:このカードの召喚・特殊召喚は無効化されない。
②:このカードの召喚・特殊召喚成功時には、相手は魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。
③:このカードは「ラーの翼神竜」以外の神属性モンスターの効果及び攻撃力を増減させる効果以外の罠カードの効果を受けず、1ターンに1度、魔法カードの効果を受けない。
④:このカードの攻撃力は、このカードのアドバンス召喚に使用したモンスターの攻撃力の合計分となる。
⑤:このカードが特殊召喚に成功した場合に任意の数値のライフを払う。このカードの攻撃力は払った数値分となる。この効果を適用したこのカードが効果でフィールドを離れる場合、払った数値分のLPを回復する。
⑦:特殊召喚したこのカードは以下の効果を得る。
●1ターン1度、自分のメインフェイズに発動できる。このカード以外の自分フィールドのモンスターを任意の数リリースする事で、そのモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力をアップできる。
●1000LPを払い発動できる。相手フィールドのモンスターを全て効果を無効にして破壊する(破壊されない及び効果を受けないモンスターの効果を無視して適用する)。
⑧:このカードが特殊召喚されている場合、エンドフェイズに発動する。このカードを墓地へ送る。
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