漫画版ズ・メビオ・ダとほのぼの暮らす話   作:erif tellab

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自分はグロンギ冬眠説を提唱します。干し肉や塩漬け肉、燻製肉などの保存食を作って備蓄するビランの姿が思い浮かばないからです。


一期一会

 朝。メビオと同じように朝ごはんをガツガツ食べるガリマ姐さんの姿は、意外性があって新鮮だった。夕飯時ならまだしも、朝でも勢い良く食べるとは……。朝が弱い俺には真似できない。

  そうして、ガリマ姐さんとの別れの時間がやって来る。まだ訪れてみたい場所が他にもあるらしい。荷物は何も持ってはいないが、彼女もグロンギだから平気だろう。手刀で綺麗に薪割りができるならサバイバルナイフや金属具なんて要らなくなる。

 

「世話になったな」

 

  まだ朝日の位置が低く、肌寒さが残る中。家の前でガリマ姐さんが、晴れやかな表情で俺たちにそう告げる。名残惜しさは窺えなかった。

 

「しっしっ」

 

「コラ、やめろ。ガリマ姐さんに失礼だ」

 

  対してメビオは追い払うような仕草をガリマ姐さんに見せる。これはあんまりすぎるので、俺はその手を無理やり押さえた。寂しさがない分には構わないのだが、いくら何でも無礼千万だ。

  そうすると、メビオはたちまちむくれ顔になる。食事の時はあんなに仲良くできるのに……。

 

「そうだ、ガミオ。よかったら私の友達になってくれないか?」

 

  家から立ち去ろうとする寸手でガリマ姐さんは急に振り返り、どこかハッとしたかのような様子で申し出てきた。この掴み所のない彼女の独特さには既に慣れた。

  グロンギが友達を作るなど可笑しな話だが、俺たちに限っては今更だ。突然すぎても驚きはしない。俺は快くガリマ姐さんの願いを受ける。

 

「いいですよ。でも唐突ですね」

 

「唐突さならお前に負ける。ガミオ、お前が最初の友達だ」

 

  わりかし俺の心にグッサリとくる事実も述べつつ、柔らかく微笑むガリマ姐さん。到底、俺が一方的に知っているあのメ・ガリマ・バとは思えない柔和な雰囲気だ。

  その時、メビオが俺と腕組みしてきた。強く掴んでは離さず、ガリマ姐さんにギラギラとした鋭い視線を向ける。この威嚇に応じて、彼女の髪の毛が逆立っているような気がした。

  これにガリマ姐さんは何を思ったのか、メビオに手を差し伸べながら、優しく口調で語り掛ける。

 

「メビオも私と友達になるか?」

 

「ならない!」

 

  しかし一蹴。頑なに首を横に振るメビオに、俺とガリマ姐さんは思わず苦笑した。その間にもメビオは身を前に出して、ガリマ姐さんを俺に近付けさせないようにする。プクリと頬を膨らませているのか、不思議と可愛らしい。

  それからガリマ姐さんは特に何も言及せず、あっさりと自分の帰路へ戻っていく。あまりにも手応えのなさに、メビオは鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。

 

「ではな、二人とも」

 

  手を振りながら別れの挨拶を言った後は、そそくさと森の奥へと消えていく。俺はどうにか山場を越えられたと安堵すると同時に、昨日と今日の出来事に思いを巡らすのだった。ガリマ姐さんのあの笑顔は、当分忘れそうにない。

  次の機会があれば、今度は万全の態勢を整えて接待しよう。まずはお茶とお菓子のアテを探さなければ。

 

  かくして、日常は再び俺とメビオだけのものに戻った。メビオはガリマ姐さんが旅立ってせいせいしているようだが、少しそわそわしている。寂しいかどうかは、敢えて問うまい。

  それよりも今優先するべきなのは冬備えだ。基本的にメビオとの二人暮らしなので保存食の量は毎年よりもちょっと増える程度だが、マンパワーが深刻なのはいつも通り。なので最初から怪人態で作物の収穫や狩猟、その他諸々をこなしていく。ここが人里ではないからこそ、可能となる芸当だ。人手不足を補うために、ザクⅡも問答無用で動員する。

  保存食となるのは燻製、塩漬け、干物など。本音ではドングリは保存用で潰すのに手間が掛かる上に、食べられる部分も肉などと比べると少ないのでやりたくないが、生きるためには甘ったれてはいられない。せっかくだからドングリはザクⅡに任せよう。

  農作物は元より育てている量が少しなので、メビオと協力すれば収穫はすぐに終わる。規模を更に増やすとなると定住を完全に決め込まなければならないので、難しいところだ。バルバたちに対する身軽な夜逃げができなくなる。

  保存食作りは大した肉体労働ではないので、ここは一先ず人間態に戻っておく。狩りで捕った獲物を捌き、燻製、塩漬け、干物の三種類に分けておく。

  燻製は現代では馴染みがないが、焚き火から出る煙で串刺しにした肉を当てるだけで実は構わない。やってみた当初はガスコンロや冷蔵庫一筋だったので色々戸惑ったが、慣れれば容易い。

 

「ガミオー、火は当てないのか?」

 

「うん。やりたいのは燻製だからな。煙で菌とかを殺しておく寸法さ。やっぱりリントの叡知って最高よ」

 

「長い」

 

「一日でも長く腐らないようにする」

 

「なるほど」

 

  俺の回答に納得を示すメビオ。彼女と出会ってまだ一年も経っておらず、何度も間近で燻製を見ているはずなのだが、こうしてみると燻製をやる意義を教える機会はなかったな。メビオにとっては、調理の幅が広がる程度にしか感じていなかったのだろう。

  まぁ、この弥生時代の日本に燻製の概念があるかは微妙だけど。石鹸とかはどうなっているんだ? 俺の場合は貝と木を燃やした灰から作った。

  肉、魚と調理して、次にカゴを背負って採集へ向かう。もちろん、移動力などを高めるために怪人態で挑む。

  その時、耳障りなモスキート音が遠くから聞こえてくる同時に、一匹の小さな黄色の影が真っ向面から飛んできた。俺の人並み外れた動体視力で捉えると、その正体はスズメバチだとわかった。

 

「ヒャッハー! 人間どもがうろついてるぜー!」

 

「にゃっ!」

 

「ひでぶっ!?」

 

  刹那、メビオの強烈な猫パンチがスズメバチを襲う。スズメバチの声をアテレコすると、きっとこんな風に悲鳴を上げたに違いない。

  パシッという音を経てて、スズメバチは地面と激突する。身体の原型は保っているが、ピクピクと弱々しく痙攣するばかりだ。羽を動かす元気もなくなっている。まさしく一撃だった。

  スズメバチに死に際を見届けたメビオはめぐるましく態度を変え、目をキラキラと輝かせながら俺に迫ってくる。

 

「ガミオ、蜂だぞ! 近くに蜂蜜がある!」

 

「いや、こいつスズメバチだし。蜂蜜作らないし」

 

「へ? あ、でも食えるんだろ? よし」

 

  目の輝きこそ無くなれど、威勢の良さは衰えない。食べ物絡みであれば、多少の誤算はメビオに関係ないようだ。スズメバチがやって来た方向へ、すたすたと走ろうとする。

  その直前で、俺はメビオをギリギリ食い止めた。

 

「当てもなく丸腰で探そうとするんじゃない。仮に集めても割に合わないと思うぞ?」

 

「ふふん、私の疾さは知ってるだろ? 針なんか全部避けてやる」

 

「目に毒液ぶっかけられたら失明するけどな」

 

「しつめい?」

 

「何も見えなくなるって事」

 

  自慢気な表情からきょとんとした表情。そして、失明の意味を理解した瞬間に青ざめるという、せわしない変わりぶりを披露するメビオ。思い留まってくれて何よりだ。

  グロンギの防御力は、個体差がかなり激しい。打撃技のダメージを一切無力化させるギイガもいれぱ、紙装甲のジャラジ、ゴの癖して普通にクウガ・マイティフォームに負けたジイノとかがいる。ジイノは本当にどうしてゴに上がれたんだ。

  他にもザザルに中和弾が効いたりと、色々ちぐはぐだ。軒並み再生能力が高いなら、銃弾で負傷したメビオの片目も素早く回復していなければおかしいはずだし、それも個体差はあり得ると思う。目が繊細かつ重要な器官である事も回復の遅さに拍車を掛けているのだろう。

  やはりグロンギと言えど、血を流せるなら誰にでも仕留められる訳だ。特にギノガ。クローン体の大発生を恐れなくて良いのなら、ロケットランチャー一発で爆発四散できそうだ。ロケランが無理でも、個人携行型の四連装ミサイルランチャーやガトリング砲を担いでいけば余裕だろう。高周波ブレードは簡単に避けられるので、やめておくべし。

  つまり、丸腰で素肌を晒した怪人態で対峙していいほど、蜂退治は甘くない。全種類のスズメバチがそうするかどうかは忘れたが、奴らは針で刺す以外にも毒液を宙に発射する。この毒液が目の中に入ってしまえば、想像を絶するような痛みに襲われる事だろう。下手をすれば失明だ。曲がりなりにも毒が効くのは、ギノガがクウガで証明している。

  注意するべきは蜂の針ではなく、毒そのもの。ギイガは切断や貫通に弱そうなので怪人態でも蜂の針が刺さりまくるイメージがあるが、一先ずそれは置いておく。グロンギにも一長一短はあるさ。

  ところで、グロンギがアナフィラキシーショックを起こしたらどうなるんだ? 腹の中の石が作用して、大量の蜂が飛び交う現地で強制的に仮死状態になってしまうのか? ……うん、防護服の着用は絶対だな。

 

「……戻る?」

 

  そんな俺の提案に、メビオは有無を言わせない勢いで首を縦に振る。この様子だと、防護服なしに蜂退治をする事はなさそうだ。ザクⅡも連れて、防護服やその他の装備を完璧に整えた上で挑戦しよう。

  あ、蜂の巣を砕いてお茶にする手があるな。味は確かめなければならないが、良ければ客人が訪問してきた時に出せるかもしれない。苦いようなら、また探し直しだけど。

 

「思ってたけどさ、メビオって冬の時はどうしてたの?」

 

「春が来るまで寝てる」

 

「あ、やっぱり」

 

  森の幸の採集を終えた後の帰り道で、メビオと他愛ない話を交わしていく。越冬の手段は冬眠で全て片付けられる大半のグロンギはズルいと思うんだ。爬虫類や昆虫モチーフのグロンギたちは取り敢えず冬眠を選択するだろうな、楽だから。

 

 

  かくして、待ちに待った冬が訪れた。どこからともなく現れたバラの花片から「ゲゲルは冬解けまで中断」とのお達しが来たので、しばらくはゲゲルとおさらばできて嬉しい。

  この時期の竪穴住居は、しっかり暖を取ってさえいれば問題ない。気温二十度近くまで上がるが、火が消えると急速に寒くなるので注意だ。今日は外が大雪で特にする事もないので、メビオと一緒に家の中でのんびり過ごしていた。雪かきはまだ後でいいだろう。

  メビオは初めて冬眠せずにいるので、寒さに堪えかねて毛皮の防寒着をたくさん着重ねている。だめ押しに耳当てもしている。素材は羽毛で試行錯誤しつつ、ごり押しで完成させた。カチューシャの製作だけでも苦戦するとは……人類の叡知はいつでも侮れない。

 

「ほらほら、ガミオ! もこもこだぞ!」

 

「そうかぁ、嬉しそうで何よりだ」

 

「えへへ。もこもこぉ♪」

 

  メビオは耳当ての感触を楽しみながら、さりげなく俺の膝の上に座る。目の前には火を点けた囲炉裏があり、メビオの体温と一緒に熱が伝わってくる。この居心地の良さが堪らない。生きてて良かった。

  すると、何者かがぴっちりと閉じられた玄関前に近づく足音が聞こえてきた。外にはザクⅡを侍らせているので、ゴオマのような不審者が来たならとっくに鉄拳をかましているはず。ならば、こんな雪の日に限って客人? もしかしてバルバ?

  咄嗟にメビオを退けて、扉越しにいるであろう相手を警戒しつつ玄関口に向かう。メビオもひょっこりと付いてきた。

  ドンドンとノックされる扉。俺は勇気を振り絞り、扉を解錠してから開ける。

 

「はい! 今出ます!」

 

  外界より冷気がもたらされ、次第に人影が露になる。敵意や殺意というものは感じられない。あるとすれば虚無感だろうか。とにかく、ザクⅡが素通りさせた理由がわかる。敵ではない。

  それでも人影の全貌が明らかになった瞬間は、その人が漂わせる不気味なオーラと身なりのせいで叫ばずにいられなかった。俺とメビオの叫び声が不意に重なり、遅れて相手の判別がつく。

 

「「うわああぁぁぁぁ!?」」

 

  そこには、全身雪まみれのガリマ姐さんがいた。顔は生気を失いかけており、家の中に飛び込むようにして俯せに倒れる。

  突然の行き倒れに俺は即座に彼女の容態を確かめる。隣にいるメビオはその場で固まり、目を大きく見開かせながら絶句していた。

 

「ぅぅ……」

 

「いや、まだ生きてる! ガリマ姐さん、寝ちゃ駄目だ! 諦めないで! ザメハ! ザメハ! ベホマ!」

 

  この後、全身の雪をはたいたり、毛布を被せて囲炉裏の前で暖を取らせたりと、ガリマ姐さんの救護に勤しんだ。こればかりはさすがにメビオも協力してくれた。

 

 

 




Q.その頃のジャモルたちは?

A.

ジャモル「プリキュアとはダンスも踊らなければいけないらしい」

ガーゲ「そうなのか。では家に帰らせてもらう」

ジャモル「させるかっ! お前も道連れだぁぁぁ!! 前世はよくも見捨てやがってぇぇぇ!!」

ガーゲ「はなせぇぇぇ!?」


ジャモルはプリキュアの相棒妖精として及第点レベルまで成長していますが、ガーゲは案の定です。戦闘は大の得意なのにダンスは壊滅的の模様。この後、名乗りを考えるついでにミッチリと先輩妖精に鍛えられました。


ガーゲ「深緑の殺戮者、キュアリザード」

先輩妖精「怖いからやり直し」

ガーゲ「悪を血に染めし者、キュアリザード」

先輩妖精「残忍だからやり直し」

ガーゲ「……ワニムの髪の毛一本さえ、この世に残らない。キュアリザード」

先輩妖精「投げやりにならないの。やり直し」

ガーゲ「……」

先輩妖精「そんな悲愴な顔しないの。ほら、プリティでキュアキュアな名乗りを考えて!」

いやぁ、ガーゲは生き地獄に苦しんでいますね。仕方ないよね! これがアイツの贖罪ですから!


Q.冬ですね。武者修行の旅に出たガドラは今、どうしてますか?

A.真冬の海で、近海の主とバトルしています。全てはガミオに勝つために。最近は魔神拳を覚えました。


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