FFXV 泡沫の王   作:急須

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※メディウム・ルシス・チェラムがシガイこそが神であり六神は邪神であると信仰する危ないやつ設定。
泡沫の王には確実にない設定。

本編とは一切関係ありません。

・概要
六神は邪神だと一刀両断。シガイこそが神であり六神こそが病であると断言する。
シガイ化することは人間の至高の喜びではあるが広める側のメディウムは半シガイ化にとどまっている。
シガイの王であるアーデンは神様。それはもう神様。愛してる。LOVE。
アーデン側は懐いてくる同じ存在として大事にしているがうるさったいと思う方が強い。

・メディウム
バハムートに止められることなく自殺するに至った。
レギスが救うこともできず意識不明の重体で発見され数日後に息を引き取る。
もともと知名度が低いのも相まってノクティスの生誕でその存在ごと葬り去られた。
墓所はレギスの一存で王城の中庭に作られた。
遺体を燃やすなど考えられなかったレギスは土葬をしている。
イフリートにメディウムの存在を教えられたアーデンによって遺体は後々ひっそりと持ち去られる。

死体のシガイ化実験の第一サンプルとして半シガイ化蘇生。
記憶はあるが心底どうでもよく、愛すると誓ったアーデンの手駒として生きる。

ノクティスのことは名前しか知らない。


ボツ設定 神父は進む

嗚呼、神よ。

どうか見守っていてください。

私は貴方のために人々を導き続けます。

 

「さぁ!脚を切り落としましょう!腕をもぎましょう!目をくり抜きましょう!舌を切りましょう!腹に風穴を開けましょう!神に導かれるために!死を!苦しみの死を!」

 

神父服の男は慈愛に満ちた微笑みで王城を鮮血に染め上げる。

足元に積み上げられた肉塊は無残にバラバラにされ、原型も残っていない。

せめてもの救いなのか、息の根を止められてから解体されたようで鉄錆の匂いが吐き気がするほど広がっていた。

 

ルシス王家の王城。

ニフルハイム帝国との調印式当日。

自らが心酔する"神"に命じられて神父は懸命に王を守らんとする兵を脆いおもちゃのように殺していく。

その歩みは着実にルシス王へと近づいていた。

 

「ああ!こんなにも素晴らしい日は久しぶりです!入信者なんて、オモチャ達しかいないと思っていました!知能生物も改宗するのですね!」

 

明るい口調で朗らかに笑う男は、魔法で立ち向かった王の剣の頭を引き抜く。

胴体と別れを告げた頭は何処へと放り投げられ、胴体は男とのすれ違いざまに肉塊へと変わる。

飛び跳ねた血潮で男の頬か染まっても、歩みは緩めない。

 

「ば、化け物…!!」

 

誰が男を糾弾しても包み込むような微笑みを崩しはしない。

男は異教徒にも優しく接する。

彼らは信ずる道を迷っている子羊に過ぎない。

全ての迷える者に道を示し、共に歩み方を学ぶことが男の務めなのだ。

 

「恐れることはありません。痛みは一瞬です。我らが神が、貴方達を素晴らしき地へ導いてくれます。」

 

男が通ってきた道に所狭しと並べられた肉塊はいつのまにか真っ黒な液体に覆い尽くされ、徐々にその形を成していく。

ある者は強靭な肉体を持つ獣へと変容し、ある者はその身を蛇へと変えた。

ある者は下等な夢魔となり、ある者は他のものと交わり未知の生物と成り果てた。

まさに地獄絵図。

 

そうとしか言い表せない様を、男は導きだと微笑んだ。

 

「さぁ。信徒達。全ての者に神の素晴らしさを説いて差し上げましょう。これは遥か昔から続く聖戦。我らの誇りを掲げるのです。」

 

シガイと言う名の病魔。

さあ、我らが王に喝采を。

我らが憎悪に祝福を。

 

「神を名乗る邪神共に我らの道を示すのです!」

 

半身を病魔に捧げた本物の屍は高らかに叫ぶ。

神のためなら男は地獄の釜にその身を投げ入れることも厭わない。

迷える者を"導き"ながら最も導くべき者の元へと歩みを進める。

いくつもの命を踏みにじって男は晴れやかに笑う。

 

「ほら。幸せでしょう。」

 

高らかに笑う男の後ろにバケモノが並んだ。

 

 

 

 

 

 

 

男がたどり着いた頃には様々な出来事が同時に起こった後だった。

 

「おかしいですね。ここに居るはずなのですが。グラウカ、逃したのですか?」

「逃げた。これから追う。」

 

調印式の場は数々の死体があるのみ。

導くべき相手はどこにもいなかった。

この場を任されていたグラウカ将軍が一点を見つめて立ち止まっているのを発見し、男は状況を問う。

逃げられることは想定済みなので追いかけようと、逃亡に使われたのであろうエレベーターに近づく前に死にかけのレイヴスを発見した。

 

彼の片腕が炭になっている。

痛みのあまり気絶したのだろう。

なぜそんなことになったのかはどうでもよく、こいつをどうしたらいいかに男は迷った。

神は生かしておいた方が何かと便利だと言っていた。

神の意思を汲むならば安全な場所に持って行かねばなるまい。

 

「そこに倒れているゴミの処理はどうするべきでしょうか。運び出すべきですかね。」

「背後に並ぶ"信徒"にでもやらせたらどうだ。」

「彼らではうっかり殺してしまいますよ。…致し方ありません。指示を仰ぎます。」

 

仮にもニフルハイム帝国将軍のグラウカを、まるで同格のように扱っているが男の軍事的な立場は将軍に匹敵する。

背後に引き連れる現地調達の軍勢がその要因。

男は生物兵器No.〇一"生ける屍"と呼ばれている。

橙色の左目と黒い右目のオッドアイと毛先の赤い黒髪が特徴的。

元は全て黒色だったらしいが実験段階で変質したようだ。

 

意思を持つ兵器としてニフルハイム帝国で地位を確立しており、どのような場所でも命令であれば嬉々として出撃する。

グラウカからすれば自らが身につける鎧、魔導インビジブルと同じような兵器とはとても思えない。

男はどのような状況でもにこやかに微笑むのだ。

 

耳につけていたインカムから状況説明をして、一言二言返事をした男はグラウカに向き直る。

 

「グラウカ、後方まで運搬をお願いします。それまで私がお相手しておきますので。」

 

グラウカが返事をする前に男はエレベーターの扉をこじ開ける。

問答無用で開かれた扉はひしゃげ、内部を晒す。

エレベーターのボックスが最下階で停止している。

 

シガイ達を置いて迷いもなく飛び降りた男はボックスを破壊してふわりと降り立つ。

最上階近い場所から地上まで生身のまま降ってきたにもかかわらず、傷ひとつ付いていなかった。

再びエレベーターの扉をこじ開け、その先を進む。

 

悠々と歩みを進めた先は円形状のホール。

駐車場へと続く道なのだが、その真ん中に杖をついた人物。

第百十三代目ルシス王国国王、レギス・ルシス・チェラム。

そしてその奥に続く道に魔法で作られたのであろう氷が引き返すことを阻んでいる。

氷の向こう側に王の剣なのであろう男とニフルハイム帝国のご令嬢、ルナフレーナ・ノックス・フルーレがいた。

 

「御機嫌よう、皆さん。そんなに急いでどちらに向かわれるのですか?」

 

にっこりと微笑んだ男は丁寧にお辞儀をし、三人に問いかけた。

グラウカではない別の人物の登場に戸惑うが敵であることは雰囲気でわかる。

返事をすることもなく、レギスが男に向き直った。

 

「おや、フルーレ嬢ではございませんか。逃げるならば今すぐの方が良いですよ。」

 

微笑む男をルナフレーナはどこかで見た覚えがある。

フルーレ嬢と呼ぶことで、彼が帝国軍のものであることを証明したが名のある階級のものではなかった。

さらに、逃げた方がいいのは理解できるがレギスをおいてはいけない。

側に控える王の剣の男も同じ思いなのか動こうとはしなかった。

 

動かない二人を見て肩をすぼめ今度はレギスに声をかける。

 

「お久しぶりです。私のことを覚えておられますか。」

「…君のような人に会った覚えはない。」

「そうですか。それは残念です。ああ、申し遅れました。正式な名前はありませんが、便宜上生前の名を使わせていただいております。"メディウム"という者です。」

「メディウム…?」

「ええ。貴方がその罪を覚えていらっしゃるのであれば、聞いたことのある名かと。」

 

忘れるはずもない。

二十年前、この手で救おうとした自らの子供の名前だ。

親として未熟であり、寄り添うことをしなかったことで失ってしまった小さな命。

その名を忘れたことはない。

自らが救えなかった子の命の罪は忘れることなどできない。

あまりにも重い罪。

 

しかしあの時、たしかにメディウムはその命を落としたはずなのだ。

今この場に成長して立っているはずがない。

 

「私は一度死んであの中庭の土の中へと埋められましたが…二十年前に文字通り"生き返った"のです。」

「そんなことがあり得るはずがない!死んだ人間が生き返るなど!」

「おや?喜ばないのですか?子供が生き返って成長しているのですよ?」

「喜べるはずがない!そんな馬鹿なことはありえない!」

「ふむ。私もそう思います。なので、わかりやすい付け足しをしましょう。」

 

にこやかに微笑んだままの男の左半身が奇妙な音を立てて変形する。

赤黒いクリスタルのようなものが半身を覆い、額に角がつく。

橙色の瞳から赤黒い液体を流し、血の涙のように男の頬を濡らす。

 

「改めまして自己紹介を。メディウム・ルシス・チェラム。二十年前自殺し死亡しましたが屍をとある方に回収され、シガイになりました。今はニフルハイム帝国、生物兵器No.〇一。初代ですね。」

「そんな…ことが…。」

「土葬など愚かなことをするからです。火葬で本当に燃やし切ってしまえばメディウムという人間は完全にいなかったことにできるでしょうに。」

 

メディウムの姿を消し去るなどできなかったレギスは中庭に土葬した。

しかし毎日欠かさず花を供えていたあの場所に侵入し、あまつさえ遺体を運び出すなど不可能に近い。

ニフルハイム帝国の者ならば王都に入ることすらままならないはずなのに。

 

"お父様"。

お母様は私が自殺し後に病がたたり、亡くなったそうですね。

葬式は華やかだったことでしょう。

弟は男手一つで育てられたと聞きました。

大変でしたでしょう。

 

まるで生前のように語りかけてくると男にレギスは一歩下がる。

失った子供が化け物になって帰って来た。

にこやかに微笑みながらこの王城に住む者しか知らないことを並べていく。

間違いなくメディウムだと認めざるをえなかった。

これが罪だと言うのか。

これが罰だと言うのか。

 

レギスは悟った。

これは贖罪なのだ。

あの時救えなかった父親に、子供が神罰を与えに来たのだ。

 

男は話を一旦区切り両手を広げる。

全てを包み込む慈愛に満ちたその微笑みは、どこまでも深い愛情。

そして、全てを憎み嫌う憎悪。

愛憎は狂気へと。

 

「私は"お父様"を救済しに参りました。」

 

共に死にましょう。

何もない暗闇にその身を落として。

私の愛するお父様が、神に導かれんことを。




狂人信者メディウム君設定。
明らかにひどい結末しかないのでボツとなりました。
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