飛行船支援母艦若宮   作:h.hokura

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知名 もえか編完結です。

彼女と綾は何を語り合うのでしょうか。



知名 もえか6

初めて出会ったあの時の笑みを思い出すもえか。

絶望に陥っていたもえかを救い出してくれたその笑みを・・・

「はいそのお陰で横須賀女子にも入学出来ました。」

夢を、ブルーマーメイドになると言う夢の第一歩を達成出来たのだからともえか。

「いえそれは貴女自身の努力の結果でしょう、私は大した事してませんから。」

あの時の事を思い出す度に綾は恥かしかった、まだ学生の身で偉そうな事を言ってしまったと。

「第一あの言葉は私の母親がよく言っていたものですからね。」

自身の言葉でなく他人の言葉なのだからと綾は思う。

「誰の言葉でも、あの時神城艦長が言ってくれたからこそ私が今此処に居られるんです。」

絶望の淵にいた自分を引き戻してくれたのは他ならない綾だったのだからともえかは確信している。

「まあそう思ってくれるのなら・・・言った甲斐がありますね、そう言えば貴女は武蔵に?」

綾の問いに彼女は武蔵の事件をどの程度知ってるんだろうかともえかは緊張する。

「はい艦長として・・・」

俯いてしまうもえか、何を聞かれるのか、そして答えによっては綾を失望させてしまうのではないか。

心中を様々な考えが巡る、自分の身体が緊張に震えるのが分かるもえかだったが。

「そうですかご苦労様でした知名艦長。」

微笑みつつ綾は唯労いの言葉を掛けるだけだった。

今のもえかにとってそれだけで嬉しかった、そしてこの人は本当に優しくて気配りの出来る人なんだと再び感激に包まれる。

「ありがとうございます神城艦長。」

 

その後暫らくお互いの最近までの話をしていた2人だったが。

「そろそろ私も行かないと・・・知名艦長も早く戻って休んで下さい。」

艦長用の懐中時計を見て綾が言うのを聞いて、もえかは結構長く引き止めていた事に気付く。 

「すませんでした神城艦長、つい時間を忘れてしまって。」

現役の艦長として忙しいだろう綾に時間を取らせてしまったともえかは後悔する。

「気にしなくても良いですよ知名艦長、私も後輩の娘と話せて嬉しかったですし。」

「・・・はいありがとうございます神城艦長。」

何でも無い様に言う綾、こんな艦長だったら若宮の乗員達は何処までも付いていこうと思うんだろうなと、同じ艦長として羨ましくなってしまったもえかだった。

「それじゃ戻ります、あ、あの失礼でなければまたお話を聞かせて下さい。」

綾も承諾してくれて、2人は電話番号やメールアドレスを交換する。

「では今日はありがとうございました神城艦長。」

「こちらこそ知名艦長、またお会いしましょう。」

2人は敬礼を交わすと、綾は司令部へ、もえかは宿舎へ向かうのだった。

 

その後、もえかは事件の状況説明や報告書の作成などで基地に缶詰状態になり、開放されたのは2ヶ月後だった。

そこでようやく明乃と再び会う事ができたのだった。

再会を喜び合うもえかと明乃は事件の事や会えなかった間の出来事を話し合ったのだが、ここで意外な事が分かった。

そう2人共綾と接点があった事だった、もえかと明乃は互いに驚いたものだった。

明乃はもえかが呉の施設に居た時に綾と初めて会い、あの事件後に再会した事を。

もえかは明乃が体験学習で乗艦した若宮で綾に出会った事に。

「尊敬出来る人だよね、私もあんなブルーマーメイドになりたいと思ったよ。」

「確かに、それに私達が目指すべき理想の艦長でもあると思ったわ。」

もえかと明乃は顔を見合わせて微笑みあう。

「それにしても神城艦長が古庄教官の同期で親友でもあったなんて不思議な縁を感じるわね。」

明乃から綾と薫の関係を聞きもえかはそう思わずにはいられなかった。

「今後は神城艦長からどんどん学びたいと思うな、そしてブルーマーメイドになっら一緒に働きたい。」

「うん私も・・・神城艦長とならどんな事でもやれる気がするから。」

新たな目標がもえかと明乃に生まれた瞬間だった。

 

こうして綾は自分の知らない所で将来有望な2人の敬愛を得る事になったのだった。




今回の様に主人公がほとんど出てこない話は始めてでした。
まあ新鮮と言えばそうだったのですが。

今度はもえかと明乃の2人と綾の話を書いてみたいですね。

それでは。
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