果たして綾の運命は?
薫達の計画、それは綾を地味な容姿に変装させ合同演習期間を過ごさせると言うものだった。
その為にわざわざ三つ編みのウイッグを用意し、スカートも長めの物を調達したのだ。
先程の男子達の反応を見る限り薫達の思惑は当たった様だ。
「でもこんな格好でも完全に隠しきれないんだから注意が必要よ。」
そうこんな地味な容姿であっても綾の美少女の魅力は隠しきれていないと薫は思っている。
だから綾は男子生徒達との接触は出来るだけ避ける様にし、常に大人数で行動する事になっていた。
少々大げさではないかと綾は思うのだが、薫に言わせれば「貴女は状況を理解していない。」となる。
綾の事は横須賀女子の外でも結構有名だからだ。
それは例の実習風景の動画が横須賀女子関連の中では最高の視聴回数を記録している事でも分かる。
もちろん東舞鶴男子の生徒達だって知っており、願わくばお近づきになりたいと考えているだろう。
それだけに油断は出来ないと薫は気を引き締める。
そんな薫を見ながら綾は彼女はどうしてここまでやるのか疑問が尽きない、いや他の友人達もだが。
決意に燃える薫を見ながら綾はこの先どうなるか心配になってくるのだった。
そんな綾の心配を他所に合同演習は問題なく行なわれていった。
東舞鶴男子の生徒達も武蔵艦上では紳士である事を心がけていたのでこれと言ったトラブルも起きず済んだ。
一方薫の予想通り男子達は武蔵いや横須賀女子の最大の有名人(?)である『神城 綾』の事に関心があった様で、武蔵乗員の女生徒達から情報を得ようとしていた。
だが残念ながら男子達の思惑通りには行かなかった。
「私は所属科が違うから。」
「さあ私は興味ありませんから。」
乗員の女生徒達からはこんな反応が帰ってくるだけだった、中にはそんな質問に嫌悪感を露骨に示す娘さえ居たくらいだ。
そう言った事もあり男子達は綾が美少女過ぎる為、他の女生徒達から嫌われているんじゃないかと思ったらしい。
「女の嫉妬は怖いな。」・・・と。
だが彼らは勘違いしていたのだ、綾は他の女生徒達から嫌われてなど居なかった。
むしろ容姿に似合わない言動の綾を皆愛して(笑)いたのが本当なのだ。
つまり女生徒達の反応は、男子達と綾を接触させたくないからだったのだ。
「神城(綾)さんを愛でられる特権は私達女子だけのものです。」
言って置くがこれは全員で示し合わせたからと言う訳では無い、各自がそう考え結果的に艦長を含めた武蔵乗員の総意になったのだ。
そして薫達以外の者達にも守られている事に綾は最後まで気付くことは無かった。
こうして武蔵全乗員の庇護を受けた綾は何事も無く合同演習を終えられ・・・無かった。
厄介事は結局綾を簡単には逃がしてはくれなかったのだ。
それは合同演習最終日に起こった。
綾は結局過酷な運命からは逃れられないのです(笑)。
それでは。