飛行船支援母艦若宮   作:h.hokura

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綾は自分の秘密を清瀬から守れるか?・・・無理ですね(笑)。



星尾女子文化祭3

「えっと榎並先生?」

突然現れた清瀬に綾は動揺させられる。

「ふっどうしだんだい神城さん。」

そんな綾を見て目を細めて見つめる清瀬。

「い、いえ別に・・・」

何とか同様を押さえ様とする綾の隣に清瀬は並んで立つ。

「ところで神城さん、さっきの会話だが・・・あれって私の後輩とよくしていたものなんだが。」

同じ様に夕日を見ながら清瀬は綾に話し掛ける、いや追求してくる。

「それは偶然ですね、ははは・・・」

自分でも白々しいは思うが今の綾はそう言って誤魔化すのが精一杯だった。

「ほうまだ粘るか・・・だが相変わらずだな、誤魔化そうとする度に後頭部に手を当るのは、お蔭で君の嘘を見抜くのは楽だったよ、あの頃はね。」

「へっ私そんな癖あったんですか・・・あ!」

後頭部に当てていた手を慌てて目の前に持って来て聞き返した綾は失策を犯した事に気付く。

清瀬は顔を傾けて綾を見て勝ち誇った様に言う。

「ああ神城 薫君、その通りだよ、久しぶりだな。」

勝ち誇った笑みの清瀬に綾は負けを認めるしか選択肢は無かった。

結局綾は、中学時代に倒れた原因が実は女性であった為で、その後手術を受け神城 綾と名を変え横須賀女子海洋学校に入学し、今はブルーマーメイドで艦長をしている事まで全て話させられたのだった。

「なかなか波乱万丈な人生を歩んでいたんだな君は、しかし隠そうとしたのは納得できんが。」

「それについては申し訳ありませんでした、ただ薫の頃を知っている人に現状を知られるのは・・・」

屋上にあるベンチに座りながら2人は話していた。

「・・・それもそうだな、しかし美人になったものだな、まああの頃も十分綺麗だったが。」

昔見た意地の悪い笑みを浮かべながら清瀬は綾を見て言う。

「えっあの頃って中学時代ですか?」

「ああ、男のくせに美少女顔って事で君は女子の間では有名だったんだぞ。」

驚く綾を見て清瀬は肩を竦めて答える。

「知りませんでしたよそんな事。」

まあ確かに綾も男らしい容姿では無いと嘆いてはいたのだが、他人からもそう思われていたとは。

「でもまあ女だったんなら納得出来るな、よかったじゃないか。」

「何処かですか・・・自分が本当は女だと知った時は大変だったんですから。」

今まで男として生きてきた事が否定された様なものだ、しかも新たな世界に行く不安もあったのだから。

肩を落としその頃の事を思い出している綾に清瀬は気の毒と思いながらも何処か安堵している自分に気付く。

多分男女のままだったらその後に様々な問題にぶつかっていたかもしれなかったと清瀬は思う。

あの頃の関係は純粋なものだったと思っている、もちろん恋愛を否定するつもりは無いが、清瀬は薫との間にそんな物を持ち込みたくはなかったのだ。

「それは確かに大変だったな、だが女の人生も悪くは無かったんだろう?」

「・・・それは否定しません、この身体になって得たものもたくさんありますから。」

清瀬の問いに薫、いや綾は恥かしそうに答える、男として生きていたら出会えなかった事が多くあったのは否定出来なかったからだ。

「なら良かったじゃないか、男女の人生を両方体験出来るなんてめったに無いぞ。」

「別にそんな体験したくはありませませんでしたけど。」

男であれ女であれ平凡な人生を生きたいと綾は思う、まあ現状は当人の思いとは正反対であるが。

一方清瀬にとってはこれは願ったり叶ったりな状況だった、何しろこれからは歳の離れた同性の友人として付き合って行けるからだ、まあ女同士の間でも問題が起こるかも知れないが、それはその時考えれば良い話だ。

「おっとそろそろ京塚さんが戻ってくるな、薫いや綾、お前の携帯電話の番号とメールアドレスを教えてくれ。」

ちなみに清瀬がここに来れたのは志温が花名に用事が有って教室に来た所に偶然居合わせたからだ。

志温の話しから綾が屋上にいる事、そして花名への用事が長引きそうな事を知り、此処に来たらしい。

拒否する理由も無いので、と言うか教えないと後が怖そうなので綾は携帯を取り出し清瀬と電話番号とアドレスを交換する。

「言っておきますけど私はブルーマーメイドの任務で洋上に居る事が多いので陸に戻れるのは数ヶ月毎になりますけど。」

「構わせんさ、戻った時には一日たっぷりと付き合って貰うからな。」

それは大変そうだと今から深い溜息を付いてしまう綾だった。

「お待たせしました綾さん、あら先生と一緒だったんですね。」

「あれ榎並先生、こちらにいらっしゃたのですか?」

「あ本当だ榎並先生どうして?」

屋上に志温と栄依子、花名がやって来て綾と清瀬を見て驚いた声を上げる。

「ああ、彼女とちょっと話しをな、お互い知っている薄情な友人についてな。」

皮肉っぽい笑みを浮かべ言う清瀬にそれまだ続けるのかと綾は溜息を付く。

「それじゃ神城さん、京塚さんも今日は来てくれて感謝する、一之瀬、十倉片付け頼むぞ。」

清瀬はそう言うと屋上から出て行くのだった、後に困惑した栄依子と花名を残して。

 

こうして綾の星尾女子高校文化祭は終わった。

なおこの後、清瀬と再び交流が始まった綾が彼女に振り回される事になるのは言うまでもなかった。




スロウスタートの登場キャラで榎並 清瀬は結構好きな1人です。
ちょっと斜に構えたぶっきらぼうな女性は嫌いでありませんから。

清瀬と綾の話しは今後とも書いていきたいと思っています。

それでは。
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