飛行船支援母艦若宮   作:h.hokura

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お泊り会第2話です。



お泊り会2

それは少し前の話、たまたま英語のリスニングテストとレポート提出が重なってしまった事があった。

だが頼りにしていた志温が所用で出かけてしまい花名はパニック状態になってしまった。

そんな花名に綾が声を掛けて来てくれたのだった。

まあ花名が自分の部屋の前で奇妙な踊り(笑)していたのを見かねてだったのだが。

事情を聞いた綾がそれならお手伝いしましょうと言ってくれてのだ。

「綾さん英語の発音も正確で分かりやすかったし、論文の方も的確な指摘があって、テストやレポートの評価が結構良かったんです。」

「そう言えば花名、それで榎並先生に誉められていたわね。」

その時の事を思い出し栄依子は言う。

『今回は一之瀬ががんばったな、中々良かったぞリスニングもレポートもな。』

めったに誉める事の無い清瀬がそう言って花名を誉めたのだから。

花名の話を聞いて綾はあの時の事かと思い当たった、実はあの後清瀬に会った時に、

『お前教師でもなったらどうだ、私より教え上手じゃないか。』

と散々からかわれたものだ。

「だから今回もリスニングテストとレポート提出があるからどうかなって。」

英語のリスニングテストにレポート提出が重なっている為に綾にまた助力を頼もうと言う訳だ。

ちなみに志温は今回も用事があり手伝えないらしい。

「そうなんだ・・・だったら綾さんお願いしても良いですか?」

そうであれば綾に教えてもらうのも良いかと栄依子は考える、何より彼女と色々触れ合える。

清瀬同様栄依子にとって綾は気になる存在だからだ。

「なるほどそれは名案ですなあ・・・綾お姉さん私からもお願いします。」

「うんお願い綾。」

たまてと冠も異存無い様だった。

「まあそれでしたらお手伝いしますが。」

綾も皆からこう言われれば断りきれない、結局手伝う事になった。

てまりハイツに到着後、栄依子達は花名の部屋に、綾は着替える為自分の部屋に向かった。

そうして勉強会が・・・始まらなかった。

普段着に着替えてきた綾に栄依子のファッションチェックが入った為だ。

「駄目ですよ綾さん、そんな組み合わせじゃ・・・」

即座に綾の部屋に戻され、栄依子による着せ替えが始まってしまった、その為勉強会開始が30分送れた。

綾は始まる前から疲れを感じてしまったのだった。

 

その後、勉強会は順調に流れ時は夕方になった。

「つ、疲れました・・・」

「お腹減った。」

机に突っ伏してぼやくたまてと、栄依子に身体を預け呟く冠。

そんな2人を見て栄依子は苦笑を浮かべつつ言う。

「本当にそうね、でも思ったより進んだわね、これも綾さんのお陰ですね。」

「そう言ってもらえると手伝って良かったと思えますね。」

栄依子に着替えさせられた服、白のブラウスと青のフレアスカート姿の綾が微笑んで答える。

そんな4人の元に花名がやって来て言う。

「お風呂溜まったよ皆。」

勉強会が終わったので皆風呂に入りその後食事と言うスケジュールになっていた。

「それじゃあ私はこれ・・・」

綾としては勉強会にだけ参加の積もりだったので、そろそろお暇しようとして声を上げ様として・・・

「そうだ、私入浴剤持って来たんだけど、入れても大丈夫かな花名?」

カバンを開け入浴剤を取り出した栄依子に阻止(笑)されてしまう。

「うん大丈夫だよ、じゃあ綾さんからお風呂どうぞ。」

阻止されたうえに入浴する事になっている様だった。

「いえ・・・私は別に・・・」

自分の部屋の風呂が有るので綾は断ろうとしたのだが。

「どうぞどうぞ、1番風呂行っちゃって下さい綾お姉さん、色々お世話になりましたし。」

たまてにそう言われて上に・・・

「じゃあこの入浴剤お願いしますね。」

入浴剤を栄依子に渡され結局綾は断れ切れず入浴してゆく事になったのだった。

 

「何ゆえ私は花名ちゃんの部屋のお風呂に入っているんでしょうか?」

風呂場のシャワーで身体を洗いながら綾は悩んでいた。

とは言えせっかくの好意なのだからと納得する事に綾はした。

「そう言えば入浴剤入れないと。」

風呂につかろうとして綾は栄依子から貰った入浴剤の事を思いし浴槽に入れる。

するとお湯が白くなりとろみが増してゆく。

「えっとこれって?」

躊躇しつつとろみの増した浴槽に入る綾。

「ひゃああ!?」

全身を包む何とも言えない感覚に綾があげた悲鳴が風呂場に響いた。

次に入浴したのは栄依子と冠。

「美味しそ。」

と冠が言って栄依子の指を舐めたり。

その次に入った花名が「1人風呂はそこまでです!」と言われてたまてに乱入されたりして全員の入浴は終わったのだった。

そして冠待望(笑)の夕飯の時間。

とろみ風呂に因んで、たまて特製八宝菜・・・とろみがたっぷりが振舞われる。」

もちろん皆の評判は良く、花名が八宝菜の人生に思いをはせたり、黙々と冠がお代わりを連発したりした。

「本当に美味しいですねこれは・・・でも私がお相伴に預かって良かったでしょうか?」

美味しさに綾も感動したが、元々夕食までご馳走になる積りではなかったので気になって聞いてしまう。

「どうぞお気になさらずに・・・綾お姉さんのお陰ですっごく捗りましたから。」

「ええ、それにしても綾さんはやっぱり凄い人なんですね。」

たまての言葉に栄依子も続く。

「まあ、英語もレポートも仕事のうちですからね。」

ブルーマーメイドにとって英語は公用語扱いだし、艦長としてレポートの作成や確認は必衰なのだから。

その後5人は花名達の高校やブルーマーメイドの話題で盛り上がりつつ夕食を終えるのだった。




こう言う時の女の子達はどんな話をするんでしょうか、おじさんは気になります!(笑)

どれでは。

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