私は実はこういった海のミステリーものが好きでした。
某三角海域の本は未だに読んでいるくらいですし、幽霊船の本も昔はよく読んだものです。
時々動画を見たりもします。
ソファに座る明乃と秀子を見ながら綾はどうしたものかと考えていた。
彼女達の聞きたい事は何となく察している綾だったが、納得してもらえる話が出来るか自信が無い。
「・・・取りあえずコーヒーでも飲みますか?」
綾は立ち上がると艦長室に持ち込んでいるコーヒーメーカーに向かう。
「えっ、神城艦長にそんなお気遣い無く・・・」
明乃が慌てる、学生の身で現役ブルーマーメイドの艦長にそんな事をさせる訳にいかないと思って。
「気にしないで下さい、ああ2人共コーヒー大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫ですけど・・・」
「私も・・・」
明乃と秀子は恐縮しながら答える。
「2人共気にしなくても大丈夫よ、神城艦長にとっては趣味みたいなものだから。」
横目で見ながら薫は何処か楽しそうに言う。
「まあそんな所です。」
綾は苦笑しつつコーヒーの準備を始める、まあ確かに間違いでは無いのだが。
ちなみにこれは若宮が立ち寄った港にあった街で偶然知った喫茶店の影響だったりする。
そこのコーヒーがまた美味しかったのだ、だから綾は無理を言って豆を貰ったのだ。
綾はその時知り合ったウィトレスでありマスターの娘さん、まだ中学生だったを思い出す。
ブルーマーメイドを目指していて来年受験したいと言っていたが・・・そう言えば頭に乗せていた生き物はなんだっただろうかと綾は思い出す度に考えてしまう。
「さあどうぞ、砂糖とミルクもありますよ。」
入れたコーヒーを3人の前に置くと綾も自分用に入れたものを手に席に座る。
「あ、はい頂ます。」
「い、頂きます。」
緊張した明乃と秀子はそう言って、砂糖とミルクを入れて口を付ける。
「あ、美味しいです。」
「本当だ。」
明乃と秀子は笑顔を浮かべる。
「うん、何時飲んでも美味しいわね。」
薫もコーヒーに口を付けると綾に微笑んで言う。
「古庄教官は前に神城艦長が入れたコーヒーを飲んだことがあるんですか?」
明乃が香りを楽しみつつ飲んでいる薫を見て聞いてくる。
「ええ、綾、いえ神城艦長が私の部屋に来た時にね。」
お互い休暇が合った時に、綾が薫の部屋を訪ねる度にわざわざ豆を持って来て入れているのだった。
本当に2人は仲が良いんだなと、感心すると共に何だか羨ましい明乃だった。
「さて岬艦長に山下さん、お2人が私に聞きたい事とは一連の対応と・・・何を見たかですね?」
コーヒーを一口飲むと綾は明乃と秀子に問い掛ける。
「はい、その一応は古庄教官にお聞きしたのですが、ああ何を見たかについては・・・」
薫の顔を見て明乃は答える。
「古庄教官の言われた通りですよ、私は山下管制員が職務を果たし、貴女が見た事は間違いないと判断しました。」
薫の言った事を肯定して綾が明乃と秀子に答える。
「もしかするときつい言い方だったかもしませんが・・・その点は許して下さい。」
明乃と秀子に頭を下げつつ謝罪してくる綾に2人は慌てた様に答える。
「いえそれは気にして・・・いや気になりましたが古庄教官に言われたし。」
秀子はそう言って薫を見る。
「そうですね神城艦長ならそう判断すると思いましたから。」
どや顔(?)をする薫を見て綾は苦笑する。
「まあそういう事です、そしてお2人がもっとも気にしている、何を見たかですが・・・何だと思いますか?」
表情を引き締めると綾は明乃と秀子を見て質問してくる。
問われた明乃と秀子はお互い顔を見合わせる。
「・・・ここには私達しか居ませんから、言っても構いませんよ。」
躊躇している明乃と秀子はその視線を薫に向けると、彼女は頷いて見せる。
「その・・・幽霊船ですか?」
恐る恐る明乃は綾に答える、それが海に生きる者達にとって禁忌である事は学生の身でも知っているからだ。
「正確には識別不明船と言いますけどね、まあおうむねそれで間違っていません。」
綾は肩を竦めて言うと艦長室に深い沈黙が落ちのだった。
本文中に何だか見たことのある某喫茶店が出来ますが、多分それです(笑)。
出来ればクロスさせた話を何時か書いてみたいものです。