魔法科高校の劣等生~双子の運命~   作:ジーザス

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ようやくここまでこれました。


第二十一話 九校戦⑦

九校戦が最終日を迎え一層熱を発していた。夕方五時には九校戦が終了する。しかしこれは最後ではなくパーティーが夜開かれるため出場者たちは出席させられここで毎年何組かのカップルが成立する。

 

俺には関係ないと思っていたが鈴音に「参加しますよね?」と真顔で脅されては参加せざる負えないだろう。

 

抜け出せば後日何をされるか考えたくもない。

 

「達也君昨日よりスッキリした顔してるね。よく眠れたの?」

「ああ、お陰様でな。昨日は早めに寝かせてもらったし質のいい睡眠をとれたみたいだから九校戦での疲れが全部吹っ飛んだよ。」

 

エリカの勘の鋭い質問にぎこちない笑みを浮かべながら説明する達也の横で俺は暗い顔をしていた。

 

「で、何で横の人はそんなに暗いの?」

「どうやらこの後のパーティーが嫌らしいぞ。出場選手はほぼ強制参加だからよっぽどのことがない限り欠席は許されないらしい。」

「ふーん、じゃあ達也君も?」

「だろうな俺は参加する必要はないはずだが行かなきゃ誰かに何か言われそうだし行っとくべきなんだろうな。」

 

エリカと達也の会話にさらに行く気が失せていく俺だった。

 

「何で行きたくないの?行けばみんなからダンスを申し込まれそうなのに。あ、それともダンスが苦手だったの!?」

「…おいエリカ、ダンスぐらいはできるぞ家でやらされていたからな。行きたくない理由は断った時の女子の顔だよ。それを考えるだけで憂鬱だ。」

「うわ~ぜいたくな悩みだね。モテない男子を全員敵に回したよ今の発言。」

 

そう言いながら隣に座っているレオに意味ありげににやつきながら顔を向ける。

 

「なんだとこら。それは俺がモテないとでも言いてえのか?」 

 

レオも今の発言にむかついたようでこめかみをひくつかせていた。

 

「あら誰もあんたのことだなんて言ってませんよ~。それとも自分はモテてるとでも言いたいの?オホホホホホ。」

「このアマァ、黙っていたらいい気になりやがって。これでも山岳部一年人気ランキング二位なんだぞ馬鹿にすんなよ?」

 

エリカの挑発に乗ったレオは俺も知らない情報を持ち出してきた。

 

「…レオそれはいつやってたんだ?それに投票者数はいくらだよそれ。」

「克也が九校戦の競技練習中だよ三日間ぐらいいなかっただろ?その時やったんだよ。それに参加者は一年女子全員で顔写真付きで部長と副部長が走り回ってたぞ。なんでも毎年恒例行事らしいぞ。」

 

レオの暴露に開いた口が塞がらなかった。

 

「ちょ、ちょっと待てよ俺そんなの知らねえぞ。てか一年全員だと?ということはエリカも美月もほのかも雫も深雪も知ってたのか!?」

「ごめんね~黙ってて。」

「すみませんオフレコで頼まれたので…。」

「知ってましたよ。」

「知ってた。」

「もちろん私は克也お兄様に投票しました!」

 

約一名から違う返答が来たが全員知っていたらしい。俺は脱力してしまった。

 

「いつの間にそんなことが…。で一位は誰なんだレオ?」

「もちろん克也、お前だよ。」

「なっ!」

 

レオの報告にまたもや開いた口が塞がらなかった。

 

「いやあすげえよ、もちろん投票は無記名だけどよ全投票のうち六割以上持って行ったぞ克也。ちなみに二位の俺は二割だ。」

 

ある意味魂が抜けそうになるがなんとか抑えた俺だった。

 

「ちなみに私も克也君に入れたよ。」

「私もです。」

「わたしも。」

「ほのかと一緒。」

 

どうやらここにいる女子メンバー全員から指名されていたらしい。

 

「そういえば私の友人のエイミィとスバルも入れてましたよ克也お兄様。」

 

深雪の追い打ちにメンタルHPは赤ゲージに突入した。

 

「深雪これ以上克也をいじめてやるな。それ以上すれば後々面倒なことになりそうだ。」

 

達也が深雪だけでなく全員に注意を促す。

 

数日後、俺が魔法を適当に乱射しストレス発散させたのは別の話だ。その時の達也と深雪の引いた顔を俺は忘れないだろう。

 

 

 

本戦モノリス・コードは俺たちとは違い安心して見ることができるものだった。十文字先輩の『ファランクス』のせいなのかはわからないが存在感が桁違いで圧迫感が画面越しでも伝わってくるようで直接対峙すればどうなるのやら。

 

モノリス・コード決勝戦は一高VS三高で新人戦と同じような組み合わせだったが試合は準決勝以上の一方的展開になっていた。新人戦で将輝が八高にやったことをそっくりやり返されることになった。

 

『ファランクス』によって繰り出した魔法を無効化し自身に移動・加速魔法をかけ『ファランクス』を纏いショルダータックルを食らわせ全員をノックアウトさせた。

 

克人が画面越しに「俺はお前よりも強い」と言いながら不敵に笑った気がした。左拳を天に高々と掲げている姿は「王者」と形容してもおかしくない風格があった。

 

 

 

九校戦後のパーティーで達也と壁際で雑談していると将輝が深雪に話しかけているのが見えた。なぜ俺が達也と一緒にいるかというと女子生徒から話しかけられるのを避ける為である。

 

つまりは達也を番犬替わりにしていたのだ。それでも話しかける人物はいたが…。その中でもローゼンの日本支社長に話しかけられたのは驚いた。メインは達也だったが本心で達也の技術を褒めているようだったので鼻が少し高かった。

 

二人して将輝のもとに向かい

 

「「二日ぶりだな、将輝(一条)。」」

 

達也と同時に挨拶する。

 

俺たちが近づくと将輝以外のメンバーは離れていった。

 

「克也に司波か。」

「耳は大丈夫か?」

「心配ないし心配される筋合いはない。」 

 

将輝の素っ気無さに苦笑を浮かべてしまう俺だった。

 

「え、えーと司波?兄妹なのか!?」

 

将輝の驚きに俺はさらに苦笑してしまった。

 

「どうやら達也と深雪は将輝から兄妹と思われていなかったらしいな。」

 

俺の言葉に深雪がクスリと笑い達也も苦笑いを浮かべ将輝は顔を引きつかせていた。 

 

「深雪、将輝と踊ってきたらどうだ?一条の御曹司と踊れる機会はそうそうないからね。」

「わかりました、一条さん踊ってもらえますか?」

「…喜んで。」

 

深雪と将輝がダンス会場であるホールの中心に向かう途中将輝から視線の中に{感謝する}と含まれていた。その顔はすごく嬉しそうだったので俺はまたもや苦笑を浮かべていた。

 

達也と二人して壁際でドリンクを片手に深雪と将輝のダンスを鑑賞していると声を掛けられ振り返ると鈴音が立っていた。

 

「鈴音かどうした?」

「あの~…。」

 

聞くと顔を赤くしていたので何が言いたいのかわからず達也の方を見ると達也もほのかに声を掛けられておりほのかも同様に顔を赤くしていた。

 

「あの~お客様方?こういう時は男性の方からリード致しませんと…。」

「…エリカ何故こんな所にいるんだ?仕事はいいのか?」

「お困りのお客様にアドバイスをするのもホール係の仕事ですので…。」

 

エリカのセリフに頭を抱えたくなる俺と達也であった。俺は達也と眼を合わせ互いのパートナーに向かい合うがなんと声を掛ければいいのか迷っていた。

 

「お客様方そんなに難しくお考えになる必要はございませんが。」

 

エリカの言葉に俺達は覚悟を決めた。

 

「「鈴音(ほのか)踊らないか?」」

「「喜んで!」」

 

俺と達也の誘いに答えてくれるパートナー達であった。

 

俺と達也はその一人で終わると思っていたのだがそれは間違いだったようだ。その後ほのか、雫、会長など顔見知りと踊ったが顔は知っているが名前を知らない生徒とも踊らされる羽目になった。

 

特にきつかったのは会長で独特のステップで踊り演奏とずれているので合わせるのが重労働だった。しかし曲の流れからするとまったく外れているわけでもなくむしろ綺麗に思えた。

 

達也も合わせるのが難しかったと言っていたので俺がおかしいというわけではないだろう。一年前に一度踊らせてもらっているがその時は普通だったのでこの一年の間に何があったのか疑問に思った。

 

 

 

達也より数曲長く踊っていたので終わった後、飲食席に向かうと十文字先輩に連れられる姿が見えたので深雪と二人して追いかけた。

 

「達也、十文字先輩と何か合ったのか?」

「いや、特に何もないよ。」

「そうか。」

 

何か隠している様子だったが深追いしない方がよさそうなので話題を変えることにした。

 

「深雪、ラストの音楽が流れ始めたし達也と踊ったらどうだ?」

「克也お兄様はよろしいのですか?」

「さっき踊ったろ?それに俺は踊るより見ている方が好きだからね。」

「わかりました。達也お兄様最後の曲一緒に踊っていただけますか?」

「いいとも、正確さしか取り柄のない踊りだけどね。」

 

深雪のお願いに達也は快く引き受け踊り始めた。

 

二人の姿は不思議とそれが当たり前だと思えるほど自然な絵になっていた。俺はそのダンスを見ながら想子を熱で色を変え花火のように二人の周りに放つ仕事をしていた。

 

想子によって作り出された仮想の花火は匂いや熱は感じないので触れても気にならないもので深雪からお礼を会釈で返された。

 

花火に照らされた深雪はとても美しくしかしどこか儚げに見え達也は穏やかな歳相応の少年の雰囲気だった。




九校戦無事に終わりました。ここまでよんで下さった皆様ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
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