魔法科高校の劣等生~双子の運命~   作:ジーザス

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なかなかお気に入りが増えない。やはり国語能力が低いから物語が面白くないのか…。


第七話 予兆

食事を終え食後のティータイムに達也が話し始めた。

 

「どうやら風紀委員の監視は生徒の反感を買っているようです。実は…」

 

 

 

達也の説明が終わると真由美と摩莉は微妙な顔をしていた。

 

「それは壬生の勘違いだ。風紀委員は単なる名誉職で進学のメリットになることはない。学校側も進学先も考慮しない規則を設けている。風紀委員を務めたと多少の評価を校内では得られるかもしれんがな」

「でも校内で高い権力を有しているのもまた事実。取り締まれた側としては風紀委員が自分の点数稼ぎのためにしたと思うこともあるの。正確には彼らを印象操作している何者かがいるんだけどね」

 

真由美の言葉に俺は黙っていられなかった。そこまで知っているのなら話は早い。

 

「正体はわかっているんですか?」

「ううん、噂なのよ」

「犯人側がわかっていればすでに行動を移しているさ」

 

真由美と摩莉の返答は俺の求めたものではなかった。

 

「そうではありません。そいつらの背後にいる者たちです」

 

深雪が俺を落ち着かせようと左袖を引っ張るが、ここで引き下がるわけにはいかない。

 

「例えば反魔法国際政治団体〈ブランシュ〉とかですか?」

「ど、どうしてそれを!?」

「どこで聞いたんだ?あれは情報統制されているはずだ!」

 

真由美と摩莉は驚愕を露わにしあずさにいたっては首を傾げている。魔法師であるなら知っていてほしいのだが…。

 

「情報の出どころをすべてふさぐことなんてできませんから」

 

そう言って情報提供者の名前を出さずに言葉を濁す。

 

「そうよね、情報を集団のトップが握りつぶしてはならない。でも情報を与えてパニックを起こしてもらっても困る。板挟みでどう対処すればいいのか考えたくないから逃げている」

「それは仕方のないことです」

 

真由美の苦渋の言葉に俺は救いの手を差し出しすと真由美は意外そうに見つめてくる。

 

「国家ぐるみで情報をつぶそうとしていることを会長自らの意思で渡すわけにはいきません。何より学校運営に関わる者が国の指示に従うことは仕方ありません」

 

真由美にそう伝えながら微笑を浮かべる。

 

「慰めてくれてるの?」

「で、でも会長。会長を追い込んだのも四葉君ですよ?」

「自分で追い込んで自分でフォローする。ジゴロの手口だな。真由美もすっかり篭絡されているようだし。克也君はなかなかの凄腕だな」

 

あずさの言葉に乗っかって摩莉も真由美をいじる。俺はそういう意図はなかったのに勝手に話を進めて真由美と言い争いをしている摩莉に頬を痙攣させていたが、隣からまた冷気が漂ってきた。

 

横をゆっくり見る。

 

「ジゴロ・・凄腕の・・」

 

深雪が呟いていた。こりゃ家に帰ってからの機嫌直しが大変だなと思ったのは言うまでもない。

 

あずさといえば深雪から冷気が流れ出した瞬間に、席から離れた場所まで逃げていた。怯える姿は持っている餌を奪われないように守る小動物のようで、笑いをこらえるのに必死だった。

 

 

 

その日の夜、俺はリビングにいる達也と深雪に編集したファイルを見てもらうことにした。

 

「キャビネット名〈ブランシュ〉オープン。」

 

俺の好きな音声認識で整理したファイルを呼び出す。

 

「お昼に名前が出た反魔法師団体ですね?私が見てもいいんですか?」

 

深雪が不思議そうに聞いてきた。

 

「情報はなるべく共有しといた方が何かと都合がいい。想定外の事態に遭遇した時に対処しやすくなるからね。それに他人事で済みそうな話ではないだろうから」

 

そう前置きしながら概要を説明し始める。

 

「達也は知ってると思う。彼らは市民運動だと公言しているが裏では立派なテロリストだ。一昨日、勧誘活動している生徒の中に下部組織〈エガリテ〉に参加していると思しき人物がいた」

「魔法科高校にですか?」

「深雪が疑問に思っても仕方がない。普通なら考えられないことだからな」

 

テレビ画面にいくつもの写真が同時に移しその一枚を拡大させた。それは〈ブランシュ〉の存在理由を説いた彼らのホームページだった。

 

「奴らのスローガンは魔法師と非魔法師の差別撤廃。ここでいう差別とは収入格差のこと。魔法師の平均収入が高いのは、この国に必要不可欠な特殊な魔法を持つ者たちがいるからだ」

 

魔法師と非魔法師の収入を表したグラフが現れる。魔法師の収入がわずかに高い。

 

「彼らの収入を一般の魔法師と同等の収入に調整すると非魔法師の方が高くなる」

 

非魔法師の収入平均が魔法師を超える。

 

「彼らがどれだけ危険な場所で勤務しているか。どれだけの激務にさらされているかを顧みず、優遇されているなどと都合のいいことを言っている」

「かなり虫の良すぎる話だと思いますが。魔法を使うためには長時間の修学と訓練が必要なのを知っているのでしょうか?」

 

深雪が許せないとでもいうように眼を俺に向けながら聞いてきた。

 

「いや、知っているだろうさ。知っていて言わない。自分たちに都合の悪いことは言わず、平等という美しい理念にとらわれているから、周りのことを考えている振りをして行動する」

 

俺も彼らの自分勝手な行動にため息をつきたくなる。達也も同感のようだ。

 

「しかし彼らは表立って魔法を否定していない。何故だ?平等を最終的に求めているなら魔法を撤廃すれば最短距離で目標に到着できるのに。彼らが求めているのは平等ではないのかもしれない。それを考慮するとしても答えは一つしかないだろう。それはこの国の魔法を廃れさせたい国、もしくは人物が奴らの背後にいるということだ。この国が魔法を失うことで得をするのは誰だ?」

「克也、お前まさか…。」

「彼らの背後にいるのは…」

 

達也と深雪は驚きを隠せない。

 

「まだ仮説の段階だが、おそらく大亜連合もしくは大亜連合に近い存在だな」

 

達也もこの国が弱体化することを望む何者かがいると考えていたのだろう。だが身近なそいつらとは思っていなかったようだ。

 

「何かをされるかわからないし何もされないかもしれない。現状相手の行動が読めない以上こっちも行動するわけにはいかない。だが注意だけはしといてくれ」

 

そう言うと2人は頷いてくれた。

 

 

 

入浴後真夜に電話を掛けた。現在時刻は九時半、真夜もプライベートスペースでゆっくりしているはずで何回目かのコールで真夜が出た。

 

『あら、克也から連絡してくれるなんてどういう風の吹き回しかしら』

 

楽しそうに笑う叔母に挨拶してから用件を伝える。

 

「最近校内で〈エガリテ〉に参加していると思しき生徒を数名見かけています。何が起こっているのか調べてもらえませんか?」

 

2人には話していないことを伝える。

 

『あらあら、仕事を押し付けるなんてあなたも偉くなったものね』

「別にそのようなことを言ったわけではないのですが…」

『冗談よ。あなたをいじって楽しみたかっただけですから。わかったわ早急に取り掛かります数日頂戴』

「ありがとうございます」

 

叔母の承諾にお礼を言って切ろうとすると引き止められた。

 

『ところで達也さんが面白いことに巻き込まれているようですね』

「…どこからその情報を得たんですか?」

 

叔母の言葉に驚くよりあきれた。

 

『それはひ・み・つよ気をつけなさい克也。あなた達なら遅れを取らないでしょうけど、面倒なことになるかもしれないから』

 

それだけ叔母は言うと電話を切った。そんなことにはならないだろうとその時は思っていた。

 

しかし真夜の言ったことは2日後現実になった。




駆け足な展開になりましたが書くことができました。
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