超次元ゲイム ネプテューヌ XVII   作:心折れた男

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あるすごい知人達がネプテューヌのオリ主小説を書かれていたので、私もやってみたい!作ったろ!ということで書き始めようと思った次第です。
不定期に更新していくので、どうぞよろしく...
ネタの発言とかそこらも時折入れると思います!多分!





報復の産声

 

 

 

凍えるような寒い風が、地面を這いずり、我が物顔で堂々と人がいない地を闊歩する、静寂の空間。

 

人呼んで『夢見る白の大地』、ここはその大地の中でも、一際人気のない場所で、人が住む為の整備など一切行われていない、謂わば自然の縄張りだ。

 

身を凍て付かせ、生きる温もりを根刮ぎ剥いで、生き物をやがて雪に埋もれる屍へと変えてしまう極寒に、夢も希望もありはしない。

 

いや、凍え死んで来世へ直ぐに逝ける、という希望だと言ったら、それはあまりにブラックな皮肉だと名付けた者に言い返されてしまうだろうか?

 

 

そう考えれば、緑の木々から色を奪う、上から落ちる白の暴力も、また別のものに見えてくるかもしれない。

 

 

 

だからこそ、名付けた者は、この絶望するような自然の脅威に、どこか光の糸を見出したのか。

 

その者が何処にいるのかなど、今は到底知りようがないことではあるのだが...それを言ってしまっては、人間の探求など始まりようもないのである。

 

 

ああ、そうだ、探求といえば、今ここには『探求心』すら塗り潰すような、とんでもないものが彷徨っているのだが。

 

ここら一帯に生き物がいないのは、決して気候が悪いわけでもない...そもそも、『この程度』の寒さなら、適応できる生物は胡座をかいてでも適応してみせるだろう。

 

 

なら、なぜいないのか。

 

 

前述の通り、ここに『とんでもないもの』がいるからに他ならない。

 

 

 

 

 

 

 

歩く雪でできた地面を、踏むごとにドス黒く蝕み、ただ呼吸するだけで、空気は吸う気も起きないほどに澱んでしまう。

 

この世界の悪意を凝縮したかのような、存在自体がどこまでも不快で、悍ましい化物。

 

生気のない足取りで全高はわかりにくいが、おそらく、成人の男性よりも少し高い程度のものだろう。

 

辛うじてその型は人を留めているが、全身に不規則に生える、歪に捻じ曲がった棘と、ところどころの肋骨などが見えるほどに肉のない異様な身体に、黒々としたタールのような気味の悪い肌─その質感は、人肌というより、獣の刺々しく厚い毛皮に近い─こんなものが、人だとは到底思えない。

 

おまけに、肉の一部には、まるで部位自身に意志があるように脈動している。

 

 

絶えず全身を見ているだけで心が病んでしまいそうな深淵に穢れきった黒い煙で覆い、吐き出し続け、付近の白い雪達を濁ったグレーへと変えていく。

 

恐らく背部から吐き出しているのだろう凝縮された濃霧は、まるでこの怪物が漆黒のマントを纏っているかのようにすら見えてしまう。

 

 

顔の部分はひときわ黒い霧が濃く包まれ、見えるのは、射止めた者を『たかが』自然の猛威など比ではないほどに凍えさせる、どこまでも冷たい一対の紅だけ。

 

 

 

全てにおいて生理的な本能が、けたたましく警笛を鳴らす程に異常な『化物』。

 

だが、しんしんと振り続ける白のカーテンが、どこへ行くのかも不明瞭なまま、混沌とした痕跡を残して過ぎ去っていく彼を覆い隠し切るには、そう時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『夢見る白の大地』市街地──様々な娯楽があり、住む者達を心から楽しませるこの大陸では、今、ある噂が小さな子供から、腰の曲がる老人まで幅広く伝わっていた。

 

 

「おい聞いたか?最近、街の外におっかない化物がいるらしいぜ」

 

「ふーん...?」

 

「そんなどうでも良さそうな顔するなよ、確かにロムちゃんラムちゃん特集を読んでる最中に呼びかけたのは悪かったけどさ」

 

「いや、すごく真面目に見ながら聞いてる」

 

「あ、そう?じゃあ教えてやるよ、その化物ってやつがな──」

 

 

 

 

 

──誰もがあり得ないと言った。

 

 

これは犯罪神向けだと言われた。

 

 

今は平和なこの状態で、存在する筈も、ましてや精製する事すら無理だと言われた。

 

 

...だが違った──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなもの、存在していい筈が無いわ」

 

 

 

 

 

 

特徴的な帽子に、前を開けた青白のジャンバーの下に黒と白で作り出された西洋風な装飾が目を惹くワンピースを着た、茶髪のショート、あどけなさがまだそこかしこに残った少女。

 

 

 

いまだ降り続ける雪の中、もう少し厚着した方がいいのではないか、とツッコミが入りそうな服装であるにも関わらず、彼女の表情は、そんな事御構い無しに真剣である。

 

 

少女の視線の先には、様々な暗色が絡み合い、言葉に出来ない程の不気味な色合いになった雪を踏みつけた跡があった。

 

普通の足跡ならば、さっさと降り積もる雪の中に埋もれてしまっておさらばとしか言いようがないのに、この痕跡だけは、明らかに異様。

 

今でようやくその『残り香』はなりを潜め、周囲を汚染するような気分の悪くなる瘴気は薄まり、残る跡の深みも和らいできているものの、付近にある雪をドス黒く汚染していくそれは、どうあがいても『自然ごとき』で隠しきれるものではない。

 

この世の黒い部分を一緒くたにしてぶちまけたかのような、存在するだけで身の毛のよだつその感触に、少女の目つきは更に険しいものとなっていく。

 

 

 

 

「まるで闇鍋の出汁ね」

 

 

 

吐き捨てるように言い切った少女。

 

その後ろから、防護服の代わりとでもいうのだろうか、少女とは真逆に寒さ対策というにはあまりに過剰な厚手の服と手袋、マスクを纏った数人の人物が、痕跡を定着に、刃物で付着した雪と原液を削ぐように取り、小さな瓶へと回収した異物を入れて、決して力無しでは開かないように栓を占める。

 

 

 

「それにまともに触れてはダメ、絶対に」

 

 

 

少々早口で、回収した全員に目配せしながら少女は告げる。

 

今この場で、彼女だけが、異常な痕跡に残された『汚染』の正体を見抜いていた。

 

 

 

「それは...恐らくだけど、『毒』だから」

 

 

「身体に作用するものではなく、『心』の毒よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──痕跡についての研究レポート

製作者 特設研究所職員一同

 

 

解析...

後述するが、どうやら『シェアエネルギー』との関連があるらしく、投与してみた結果、強烈な『中和反応』を起こした後、投与したシェアエネルギーと痕跡が、ほぼ同濃度、同量(即席でシェアエネルギーを液状化した為、確実とは規定できない)蒸発するように消えてしまった。

また、数滴マウスへの投与を行なった際、初期はマウスに変化は見られなかったものの、数分後、マウスは極めて性質の悪い錯乱を起こし、何かから逃げるように目まぐるしくケージ内を走り回った跡、心臓麻痺で死亡した。

ブラン様の言っていた通り、神経毒などとは違う類の『猛毒』ではないかと仮説、精神面に強い負荷を与えるものと一同の意見は、現在一致している。

 

採取した痕跡の原液の実験...

純水への混入:

初めのうちは底に澱むだけだったが、またもや数分後に変化、急速に純水を汚染、全てが痕跡と同種の液体へ変貌してしまった。

濃度を測定したが、なんと『研究材料の痕跡と同じ』に...つまり、量だけが増えてしまったことになる。

シェアエネルギーの投与:

我々の独自の技術でシェアエネルギーをある程度液状に近いものとし、凝縮したものを同量投与したのだが、前述の通り塩が残ることも無く、一滴残らず消し飛んでしまった。

また、多少の違いならば全て『中和』してしまうようだが、片方に量が偏ると、どちらの場合でも、多少の液が残ることがあった。

これを見るに、恐らくこの液体は信仰などと言った女神様の力の源となる『シェア』と相反する性質があるのではないか、と我々は見ている。

他にも色々な液体や物質に投与したが、基本的には純水と同じように、数分後に元々の溶媒の性質を乗っ取られてしまったケースばかりで、その例外は、シェアエネルギーの投与のみ。

 

だが、腐食などのような、固形のものを汚染するかといえば否で、液体のように混入するようなものが、主にこの痕跡の餌食となっていた。

 

火で炙ったりもしてみたのだが、量、濃度変わることなく、ただただ時間経過で昇華(気体になるならこの恐ろしい性質も広がるかと思われたが、実験した部屋でマウスを放ってしばらく立っても何も起こらなかった。しかし、『痕跡場所の瘴気』には異常が見られた為、液体が蒸発した場合は時間経過で存在と性質ごと消えてしまう?)するだけだった。

 

 

第一となる初回のレポートだが、この実験物質の性質は、魔法などが普及した現状でもかなり危険で、未知の塊ということしか判断できなかった。

 

科学関連が発達しているリーンボックスならば他の事を更に解明できるかもしれないが、勿論この先も研究していくものの現在の我々ではここまでが打ち止めではないか、と推測している。

 

 

また、このレポートと研究資料は特級の極秘に指定し、ブラン様の管理の下に置くのを推奨したい。

 

その上で、この物質の危険性をブラン様が直々にルウィー国民に告げるべきだと思われる。

 

 

 

追記

 

 

痕跡場所を研究した結果、足跡の種類こそ判別できませんでしたが、その行動範囲は極めて不確定で、もしかすると、痕跡を残した存在は、ルウィーだけではなく、他の大陸へと足を運ぶ可能性があります。

 

これを告げるかは、ブラン様に全てを委ねます。

 

 

 

 

 

 






記念すべき第一話を読んでいただき、誠に感謝します。
私の短編とか読んでもらってる方なら知っているかもしれませんが、私はブランちゃんが特に好きです。でも、みんなも好きです(わかるマン理論)

ところで、XVIIって『私は死んでいる』という意味を持つ忌み数でもあり、1の『始まり』、7の『探求者』、様々な意味があるらしいですよ。

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