「あら?ここはザフトの船ではないのですか?」
開口一番に遭難艇から出てきたピンクの少女はそう言った。そしてその後に出てきた護衛の人であろう人物が少女の前に立つ。
「失礼ながら、まずは救助を感謝します。そして、厚かましいですが少しばかり休ませていただけないでしょうか?」
その申し出に困惑をする保安局委員を尻目にカナトはその避難艇に向かっていく。
「……あんた……」
カナトが腰のホルスターに付けていた拳銃を抜き護衛の人物に向けて構える。それを見ていた保安局委員がどちらに銃を向けていいか戸惑っていた。一方で護衛の人もカナトへ銃を向ける。
「……やっぱりな、『ミラ』」
「その顔、久しぶりね『カナト』」
「お二人共知り合いなのですか?」
ピンクの少女が不思議そうに声をかけてくる。その質問に答えるように護衛の人……ミラが話し始めた。
「私の幼馴染です。昔から機械弄りが好きだったんですけど……まさかこんな所にいるなんて」
「俺もミラがザフトの軍人になっていたのは知らなかったが……」
そんな2人に毒気を抜かれたのか保安局委員も銃を下ろして眺めているのだった。
「えっと、お話したいのは山々でしょうけど……ひとまずはこちらに来てもらえませんか?」
その後、遅れてやってきたマリューの勧めでピンクの少女とミラは専用の個室へと移動したのだった。
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「ラクスが行方不明ですか!?」
アスランは隊長であるラウに詰め寄っていた。
「本国からの情報だ、ラクスの乗っていた船が遭難したようでビーコンも何も取れていないそうだ」
「……そんな……」
「今のところ、捜索部隊を派遣したがつい数時間前に消息を絶ったらしい」
「まさか連合に?」
「まだわからない以上なんとも言えない。そこでた、君も捜索部隊に加われとの指令がきた」
「……分かりました」
アスランは心配そうな表情をしながら隊長の指示を仰ぐ。
「君も辛いと思うが、しっかりと励んでくれよ?」
「はっ!了解致しました!」
ラウに敬礼をするとアスランは部屋を出ていきラウが1人残った。
「さて……真面目な青年にはしっかりと働いて貰わなければな」
1人ラウは部屋で呟くのだった。
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ひとまずラクスとミラを別の部屋へと案内するカナトとキラ。2人は既にラクスやミラと打ち解けて他愛のない話をしていた。カナトとミラが幼馴染なのとラクスの人の良さに引き込まれた感じだ。
一方で、戦闘を歩くマリューは少しばかり顔を顰めていた。そして、個室へとたどり着くとキラとカナトに任せてそそくさとその場を立ち去るのだった。
「……それで、カナトはモビルスーツを作ったの?」
なんとも言えない雰囲気を払うようにミラがカナトに話しかけた。
「ああ、親父もお袋も死んでしまったからな……今思えば、ミラの所にでも声をかければよかった……」
「……まぁカナトが生きていただけでも良かったよ?でも今は一応敵同士だけどね……」
「……だよな……こんな戦争は早か終わってほしい物だ」
「ほんとだよね……」
2人でしみじみとそんなことを話しながら、カナトはキラの方をちらっと覗き見する。キラはキラでラクスとの話に照れながらもお話をしている。
「それにしても……ラクス様が楽しそうでよかったわ」
「遭難してるからな……」
「それでもよ、最近はなかなか婚約者とも会えなかったり、プラントでも仕事がかなり入ってきたり大変だから……」
そう言うミラは少し遠い目をしながら語る。話を聞く限りとても大変そうだ。
「……だが、いつ向こうに帰れるかも分からないんだ……これからどうするんだ?」
「そうね、出来ればこのままザフトに返して欲しいところではあるけど……」
ミラはため息混じりにそう呟く。そのため息はカナトにも事情を察することが出来るぐらいに聞こえた。
「間違いなく外交のカードにされるだろうな」
「だよね……下手したら処刑ものだから……ある意味カナトに会えてよかったよ」
「俺もだ」
そんなことを話しながら時計を見るとブリッジに戻る時間だと気づいたカナトはキラを連れてその場をあとにするのだった。
ブリッジにたどり着くと、何やらざわざわと少しだけ騒がしいことに気づく。
「どうしたんですか?」
「先遣隊が襲われてやがるってよ!!」
先にたどり着いていたムウが説明をする。どうやら、敵は既にこちらを捕捉していたようで接近してくる。
「モビルスーツ隊はただちに、戦闘準備!ブリッジ遮蔽、コンディションレッド発令!」
マリューの指示でアークエンジェルが戦闘準備が入る。カナトとキラはそれぞれの機体に飛び乗り機体を起動させる。
「キラ、行くぞ」
「行きましょう、カナトさん」
『ストライク、カタパルトデッキへ!』
ミリアリアのアナウンスの元でまずはキラのストライクがカタパルトデッキへ行き出撃する。それに続いてカナトのベルセルクもカタパルトデッキへ進む。
「……ミラか……」
『ベルセルク、発進どうぞ!』
「カナト・サガラ、ベルセルク、発進する」
そして、射出するGに耐えながら出撃するのだった。