月光の迷い人   作:ほのりん

38 / 57
前書き~

これは第三十六話だとどこに入れるべきか、と悩んだ挙句、「いっそ別にしてしまえ!」と投稿したものです。ネプギアの視点で進みます。
とっても短いです。なんで三十六話と一緒にしなかったのだと言われそうなほど短いです。とっても久々な1000文字代です。
補足のようなものですけど、せっかくなのでさらりとお楽しみください。


第三十六・五話『次の目的地へ』

 結局戦いが終わって、ダンジョンから戻ってきても、そこにルナちゃんの姿はなかった。

 ルナちゃん達を残してきた場所に戻っても、そこにいたのはロムちゃんとラムちゃんの二人。それからミナさんが手配してくれたのだろう、ルウィー軍の人達だけだった。

 今回援軍に来てくれた部隊の隊長さんに話を聞いたら、後ろに下がった後、そのままどこかへ消えてしまったと話していた。

 それからルウィーの教会へ戻ると、ミナさんからルナちゃんが先に戻って来ていて、その足でプラネテューヌに帰る。私たちによろしく伝えてほしいって言っていたと聞かされて、安堵した。これでもうルナちゃんを巻き込むことも、振り回すこともなくなるって。

 でもそれと同時に、少し寂しく思ってしまう。今まで一緒にいた友達と、少しの間離れて、会えなくなってしまうから。

 そう思ったのは私だけじゃなくて、アイエフさんとコンパさんも同じ。

 

 それでも、ルナちゃんが傷ついたり、二度と会えなくなってしまうよりはいい。

 

 ルナちゃんの分まで頑張って、絶対にお姉ちゃん達を救う。そう気持ちを切り替えて、私たちは次のゲイムキャラを探しに次の国に…リーンボックスに向かうことにした。

 リーンボックスは他の三ヶ国と違って島国で、行くには海を越えていかないといけない。

 まずはラステイションに戻って、そこから出ている船に乗るのが一番早いというのがアイエフさんの情報で、私達は一晩宿で寝た後、急いでラステイションの港へ向かった。

 

 その途中、ルウィーのバス停でバスを待っていると、隣に並んでいた女性が一緒にいた女性に、興味のあるお話をしていて、そのことを口にしたら、女性がいろいろと話してくれた。

 

「ねえ聞いてよ。前に面白い伝承を読んだのだけど、遥か昔に犯罪神を倒すための剣が作られたって」

「ふぅん」

「もうっ、全然興味なさげね」

 

「犯罪神を倒すための…もしその剣があったら……」

「あら? もしかしてあなた、今の話に興味があるの?」

「へっ!? えっと、まあ…すこしだけ……」

「ならあなたが話し相手になってちょうだい。実は前に教会の図書館へ行ったのだけど、そこで見つけた伝承では、遥か昔に犯罪神を倒すための剣が作られたらしいのよ。私、その話が本当かって気になっちゃって。色々調べたのだけど、実際にその剣が使われたって伝承はなかったの」

「使われてないんですか?」

「多分ね。けどどうしてその剣が作られたのに使われなかったのか。もし使われていたとしても、どうしてその伝承や記録が残っていないのか。余程の使えないわけが…犯罪神を倒したとしても割に合わない何かがあったのか。あるいは誰にも伝えられない秘密が隠されているのか……。そう考えてたら、興味が湧いてこない?」

「たしかに。ちょっと興味ありますね」

「そんなの、その伝承が嘘で、剣自体存在しないって事じゃないの?」

「それはどうかしら。ほかにもこの剣を指してるのか分からないけど、はっきりと女神様が作ったって言われてる神剣がこの世界の何処かにあるって伝承はいくつもあったんだもの。そんな剣ぐらい実在していてもおかしくないんじゃないかしら?」

 

 女性の話にアイエフさんが否定しても、女性は嫌な顔をせずにその剣への興味を語ってくれた。

 でもすぐにバスが来てしまって、私達の乗るバスと女性の乗るバスは違って、そのまま女性とはお別れした。

 女性は別れ際「あなたと話せて楽しかったわ。ありがとう」と言って、私もお礼を言って、私達はルウィーを後にした。




後書き~

今度こそ次回、別次元へ飛ばされたルナのお話です。
ではまた次回もお会いできるように。
See you Next time.

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。