今回のお話は前話で書きました空から落ちた先……のお話から帰ってきたお話です。落ちた先でのお話は下のリンクから、是非読みに行ってみてくださいね!
『大人ピーシェが頑張る話。合同コラボ』
https://syosetu.org/novel/264627/
さて、「コラボのお話を読んだよ」又は「読んだけど最後まではごめんなさい」、「コラボのお話はいいから本編はよ」の読者様向けに恒例の、前回のあらすじ。
前回、電車で居眠りしていたらいつの間にか空から落っこちてた! 飛ばされた先は、なんとお姉ちゃんことピーシェが守護する国があるゲイムギョウ界! え? ピーシェが誰かって? それは前回のコラボを確認しましょう。この作品にもルナ視点でお話がありますよ。
そんなこんなで神次元、エディンにて様々な男女に出会い、そして別れてルナは帰ってきました。彼女の在るべき世界へと。
今回は彼女が帰ってきてからのお話です! 夏が旬らしいマスカットのパフェを食べながら、ごゆるりとお楽しみください。
──帰ってきた。そう分かったのは、何度か見た光景が目の前に広がっていたからで。
けれどそれは今までと違う色を付けていた。
「──綺麗……」
思わず見惚れたのは、満開の大樹がその枝に付けた桜の花びらを風と共に舞わせ、地面を緑色から桃色へと変えていく光景。まだ咲いたばかりなのか、地面は疎らに染められていた。
そよ風が頬を撫でる。暖かい、とは言えない気温。私が向こうへ落ちた日よりも少しばかり時間が経っていたのか、それともたまたまそういう気温だったのか、季節の移り変わりは感じられる程度には変化していて……けれど、桜の木が花を咲かせるどころか蕾も付けない季節だというのは分かる。
季節外れの満開の桜。私は不思議とその光景に見入られ、けれどそこに違和感はなく、むしろ既視感さえ感じていた。
──私はこの光景を見たことがある。
今までよりも強い、失った記憶に対しての感覚。きっと私は過去にこの光景を見ていた。それも暖かな季節だけでない。もっと違う季節でも見ていた。そう、確信とも呼べる感覚を持っていた。
──「何度見ようと、いつ見ようと、私はこの光景が好きだな。なあ、あなたもそう思わないか?」──
不意に聴こえた、幼い女の子の声。気付けば見上げていた視線を下へ、幹へと移すと、そこにいたのは星のように輝く、金色の髪を持つ幼子の姿。
彼女は幹へ触れ、見上げていた。そして後ろの私を見て、微笑む。どこか寂しそうな笑みを、そっと。
──「なあ、ルナ。あなたもいつか、立派な──になるんだろうな」──
「え……? 今、なんて……?」
きっと重要なんだろうその言葉が聞き取れなくて、訊き返すと同時に足を一歩踏み出す。
その瞬間、突風が吹き荒れ、花びらが舞い上げる。思わず目を閉じると、次に目を開けた時には記憶に確かにある光景のものへと変わってしまっていた。
緑が生茂る大樹。いずれその季節になれば花をつけるだろうそれは、今は付けていない。地面はどこを見ても桃色で染められていなくて、彼女の姿も消えていた。
今のは夢だったのか。そう思えてくる。けれど、じゃあどこまでが夢なのだろう。
不安を覚えるも、すぐに消える。自分の身に着けていた黒いマントが、私が別次元に飛ばされ、そこで様々な人達と出会ったことが夢ではないことを裏付けていたから。
なら今のは……?
少し考えて、一つの考えに辿り着く。今のはもしかすると、失った記憶の再生で、白昼夢を見ているような状態だったのでは、と。
考えてみれば今までの何度かそんな夢を見た気がしないでもない。それが今、起きている間にややぼんやりとしているものの見られて、新しく記憶出来ている。
向こうで自分の記憶に関して、新しい情報を得られたからか。もしかすると今のは記憶が戻る前兆なのかもしれない。
そう思うと、記憶が戻って欲しいような、どんな記憶を持っていたのかちょっと怖いから今のままでもいいような、どっちつかずの考えになる。
結局私は記憶を取り戻したいのだろうか。記憶を取り戻したら、何がしたいのだろうか。
分からない。だからこそ考えるのを放棄して、今までただ目の前のことに食いついて、頑張ってきて──
そう考えていたその時、ポケットに入っていたNギアが軽快な着信音を鳴らした。
「……? はい、もしも──」
「ルナちゃんっ! ルナちゃんだよね!? やっと繋がった……! 大丈夫? 怪我してない? ずっと連絡が取れなくて、電話をかけてもずっと圏外だったから……!」
言葉を言い切る前に聞こえてきたのは、久しぶりに聞くネプギアの声。けれどその落ち着きのない声は私を心配するものだった。
「え、えっと……ね、ネプギア……? あの、落ち着いて……ひとまず私はどこも怪我してないよ」
「本当に……?」
うーん、信用ないなぁ私。それも仕方ないか、これまで何度も怪我を負って、大怪我を負うこともあったんだから。どうやら私は音信不通の人になってたみたいだし。
そういえば前回ここで目が覚めた時も、ピーシェのいる次元から帰ってきたときだった。そのときは向こうにいた時間と同じくらい経ってたから……もしかして今回もそうだった……?
「本当本当。その……ごめんね、心配かけて。電話が繋がらなかったのにはちょっと深い事情がありまして……」
「事情……?」
そのまま私は事情を説明しようとすると、電話の向こうでアイエフさんらしき声が聞こえて、その言葉をそのままネプギアが私に訊く。今どこにいるのか、と。それに前に一緒にピクニックに行った自然公園と答えると、ネプギア達はプラネテューヌ教会にいるんだって。
なら直接会おうってなって、通話を終えた。
さて、事情を説明するのはいいんだけど……ちゃんと説明できるかな……?
『きちんとも何も、別次元に行っていた、と正直にありのままに答えればよいのでは』
「それはそうなんだけど、ほら……私はもう三度も行ってるからあんまり実感ないけど、別次元って存在は観測されてるけど、行き来する手段はないって前にネプペディアで調べたとき言ってたし……」
『信じていただけるか心配、と?』
「信じてもらえない説明をしちゃうんじゃないか、と不安なんだよ」
けど説明しないわけにも、逃げるわけにもいかない。そもそも逃げるくらいなら説明したくない理由を言えばいい。前はそれで言わなくてすれ違いが起きたんだから。
だから、ちゃんと説明しよう。それで信じて貰ったら……そうだな…皆のことを話してみようかな。
向こうで出会えて、仲良くなれた友達のことを、たくさん。心配かけていたのは申し訳ないけど、私は私で大変で、けど友達と再会して、新たに出会えて友達になれた人もいて、大変だったけど楽しかったよって。
道中何事もなく、そこまで時間をかけず、真っ直ぐに教会に着いた私はそのままプライベートエリアまで行き、インターホンで扉を開けてもらうと、そこにいたのはネプギア達三人とイストワールさんと、そして……
「──あっ……ルナちゃんきたーっ!」
「ぐぶぼぇっ!?」
開いてすぐ、部屋にいた一人の女の子が私に気付くとタックル……ごほん。抱き着いてきて、受け止めつつもその衝撃で私は後ろへと尻もちをついてしまう。
「いたた……ほへ? ラム……!? え、ここプラネテューヌだよね!?」
「ひさしぶり、ルナちゃん」
「アンタは相変わらずそうね、ルナ」
「ロムも……ってよく見たらユニも……え? なんで女神候補生が全員揃っているので……?」
まさか三人がいるとは思っていなくて、目をぱちくりと瞬きさせて周りへ問う。それに答えたのは更に予想外の人物で……
「ユニ達も協力することになったからだよ、ルナさん」
「お久しぶりです、ルナさん。お元気そうで何よりです」
「連絡が途絶えたって聞いてたけれど、何事もなかったようね」
「へ? 教祖も全員揃ってるんですか……!? というか協力って……もしかして……!?」
「うんっ! ユニちゃんも、ロムちゃんラムちゃんも、お姉ちゃん達を救うのに協力してくれることになったよ!」
「わぁっ……! そっかっ! ありがとう、ラム、ロム、ユニ!」
「わっ、ちょ…苦しいわよ~っ!」
教祖はイストワールさんだけでなく、ケイさん、ミナさん、チカさんもいる。女神候補生に教祖も全員揃った光景に驚きつつ、ケイさんの言葉に対してネプギアへ問うように視線を向けると、嬉しそうな笑顔で教えてくれた。それがただ協力してくれるようになっただけではなく、四人の仲が良くなったということも何となく感じられて、友達が嬉しそうなのも合わせて嬉しくなって、つい抱き着いていたということもあってラムを強く抱き締めて頭を撫でながら三人にお礼を言った。
「おっとと、ごめんごめん。えっと…それでもしかして、全員が揃っているのってその日が近いから、ですか?」
反省しつつ離して、立ち上がってイストワールさんへ訊く。守護女神救出作戦の実行日が近いからか、と。
そして私の言葉にイストワールさんが頷くと、口を開いて、実行日を教えてくれた。
「はい。作戦実行日は──明日です」
「ふひぃぃ……つっかれたぁ……」
『お疲れ様です、マスター』
「月光剣もお疲れ~。はふ……すっごく久しぶりの私の部屋、私のベッド~……全然使った記憶がないから、あんまり実感ないけどね」
『しかし今のマスターのお部屋も、前のマスターのお部屋も、同じような色で揃えられていましたよ』
「そうなの? …そっか。記憶を失くしても、好みとかは変わらないのかな……」
あの後私も作戦に参加することになって、作戦内容を頭に叩き込まれ……というほど難しい内容でもなかったけれど覚えて、自分が向こうに行く前に受けてた仕事を思い出してジンさんに連絡したら「ああ、分かってた。その件に関しては既に代わりの奴がやったから、心配するな」と、何故か私が別次元に行ってたことを知ってたみたいで、理由は話してくれず……
そんなこんなで色々終わった夜、後は寝るだけの疲れた体を休めるようにぼふりとベッドへ寝転がり、一日の終わりと言うような会話を月光剣とする。
…にしても記憶、か……
「ねえ、月光剣。昼間のあれって──」
昼間の白昼夢を月光剣は知っているのか。そう質問しようとしたとき、ノックの音が聞こえて、すぐに「ルナちゃんおきてるー?」とまだまだ元気そうなラムの声が。その後「ちょっとラム、もう少し声を抑えて。寝てたら起こしちゃうでしょ」とユニの声も聞こえてきた。ラム、ユニといるってことは、ロムとネプギアもいるんだろう。はて、四人が何の用で……?
疑問に思いながらも、身体は友達が来てくれたことで元気が湧き、「はいはーい、今出るね~」と起き上がって壁のボタンを押して扉を開け、何故かそれぞれ枕を持った四人を部屋へ招いた。
「ごめんね、ルナちゃん。すごく疲れてるのに……」
「大丈夫、平気だよ。それより四人が揃って、こんな時間にどうしたの?」
「ルナちゃんのおはなし、聞きたくて……」
「ルナちゃんはべつじげん? っていうのに行ってたんでしょ? そのおはなしが気になって来たのよ」
「あ、アタシは別にそこまで聞きたいだけじゃ……」
「じゃあユニちゃんはお部屋に戻ってていいわよ~。わたしたちだけで聞くから。ねー、ロムちゃん」
「え、えっと……う、うん……!(あせあせ)」
「ちょっ、誰も聞きたくないなんて言ってないじゃない! …あっ」
「あはは、ユニも変わらないようで何より。ネプギアもそうなのかな?」
「うん。あと、その……眠れなくて……」
「あぁ……うん、そっかそっか。なら眠れるまで、夜更かししない程度に話そうか」
昼間、ちょっとした行方不明になっていた理由を「ちょっと別次元に落ちちゃって……」と軽く説明して、それ以上はまた今度、今は明日の作戦内容を、となっていた話が気になって来たと言う四人に、なんだか嬉しいような、自分の話を信じて貰えていた喜びを感じながら、四人を好きに座らせて私もベッドに座る。残念ながら寝る前なのとキッチンまでは遠いから紅茶は用意できないけれど、まあいいだろう。
…ふふ、こういうとき紅茶を用意しようと真っ先に思ってしまうのは、彼の影響だろうか。
ならば、ここは彼のように。
「さて、それでは語るとしよう。此処とは異なる、神の名を冠した次元、楽園の名を冠した国にて綴られた、私と彼らの出会いと別れの物語を」
そうして語る、向こうでの日々。相も変わらず空から落ち、彼らと出会い、彼女達と再会し、それぞれの在るべき場所へ帰るまでの日々で絆を結び、悲しくも再会の約束をし、私が在るべき、帰るべきこの次元へと帰ってきたことを。
だがそれで全て語れたわけではない。私がいない間にこの次元が月日を重ねたように、私も向こうで月日を重ね、徐々に強い絆へと結んでいったのだから。
「ここからは一人一人語っていこうか。まずはそうだね……うん、彼を語ろう」
皺が出来ないよう、ハンガーで壁に掛けられた貴族服のマントを見て、初めに誰を語るかを決めた。
…うん、まだ語る時間はありそうだ。では……
「彼の名は『ズェピア・エルトナム』。私が向こうで最初に会話した相手で、紅茶を上手に淹れられて、料理も家事も凄く上手。それだけでなく物をその場に生み出すことが出来る万能な能力を持っている吸血鬼で、誰にも優しく礼儀正しい、まるで紳士のような人で……けどきっと、本当は普通。普通で、すごく優しい心を持つ人だよ」
ズェピアさんとは何度か一緒にいることが多かった。だからなのか、それとも自分達の相性が良かったのか。既に仲が良かった二人を除いて、あの日々の中で一番仲良くなれた人だと思う。ただ仲の深め方が少しずつ変わって、仲間や友達というより、どこか親子みたいになっていったけど、それもまた良かった。次会えた時は……うん。名前以外のあの呼称で呼ぼうかな。
「あのマントは元は彼の物。それを彼は私の旅の、苦難を乗り越えるための力として、離れていても寄り添ってくれるものとして贈ってくれた。もう一つ、机の上に置いたカメラも、彼からの贈り物なんだよ。思い出を切り取って、いつでも思い出せるように。例え忘れてしまっても、その思い出が自分の中にあったことが分かるようにって」
ほかにも私に似合う服を選んでくれたり。彼からは贈り物ばかり貰っていて、自分からは何もあげられていなかった。次会った時は、いっぱい贈り物をしようって決めている。
さて、次は……同じように物をくれた彼と、彼の大切な仲間だろうか。
「次は『愛月』君と『グレイブ』君。彼らは見た目は青年に見えるのに、実際にはまだ10歳くらいの子ども。最初は子どもらしくなかったのに、愛月君はいつの間にか年相応に、かっこよさより愛らしさが出てきて、グレイブ君は普段かっこいいのに、ちょっとしたところはまだまだ成長途中だな、と思える男の子。二人はゲイムギョウ界とは違う、そこで暮らすモンスターと共存が出来ている世界の住人で、モンスターはポケモンって呼ばれてて……なんだかルウィーのゲームみたいな世界で暮らしてるんだって。二人に力を貸してくれる仲間のポケモン達はどの子も可愛かったり、かっこよかったり、美しかったり。でも皆すごく強かったんだよ。グレイブ君は向こうの世界ではチャンピオンって、その地方での最強の称号を持っているって言ってたから、強いのも納得だよね。
──あ、それやっぱり気になる? それはね、別れ際に愛月君がくれた、彼お手製のぬいぐるみなんだよ。月光剣も再現してて、完成度が高くてすごいよね。本当に愛月君は手先が器用で、よく皆を見てるなぁと思ったよ」
さて、お次はそのお隣にある、この部屋に初めてやってきた、もう片方のぬいぐるみをくれた人物かな。
「その隣にある犬のぬいぐるみは、エディンの住人、『ビッキィ・ガングニル』がくれたもの。二人でお出かけした時、雑貨店で買ってくれたんだ。そのあとも色々と見て回ってね。途中、私がちょっとトラブルに巻き込まれちゃったんだけど、ビッキィがかっこよく助けてくれたんだ。その後ゲームセンターに行ったり、お茶したり。なんだか女の子同士のお出かけってあんな感じなのかなぁって思ったよ。
彼女への印象はね、最初は姉っぽいというか……年上のお姉さんっぽい……とも違う。…そう、年上のお姉さんっぽい振舞いをしようとして、結局妹枠に嵌まった感じの女性だったかなぁ。頭の撫で心地がね、なんだか毛がちょっと固いような、けどふわふわなような、また癖になる撫で心地だったんだ。うん、あれは犬っぽいんだと思う」
次にまた会ったら、いっぱい撫でるんだ! と決めてる。
「あとあの時初めましてだったのは、ネプテューヌと一誠かな。ああ、ネプテューヌって言っても、ネプギアのお姉さんじゃないよ? あくまでまた別次元のネプテューヌで……それでね、そのネプテューヌには一誠っていう弟君もいるの。なかなかに熱い青年で、さっき言ったグレイブ君と戦いに対する熱さに関しては相性がいいんじゃないかな。
ここのネプテューヌさんと同じで、ネプテューヌも女神で。一誠は人間じゃなくて悪魔なんだって。一般的に想像するような、邪悪な存在みたいな悪魔じゃなくて、元人間らしく、人間らしい悪魔さん。二人とはあんまり接する機会はなかったけど……それでも最後の最後でネプテューヌの力になることができて、役に立ててよかったと思ってる。うん…別次元で、また別の時を歩み積み重ねているネプテューヌだけど、絶対ネプギアのお姉さんのネプテューヌさんも良い人…良い女神様なんだな、って思えたよ。
それからね、一誠には恋人がいて……これが何と驚き、一誠達の世界の住人じゃなくて、今回私が飛ばされた次元の女神様で……そう、なんと彼と彼女は次元の壁に隔てながらも互いに互いを想う恋人同士なのだーっ、てね」
その話を知ったときは驚いたなぁ……しかも私がビッキィと仲違いしちゃった日に想いが通じ合ったみたいだし……ほんと驚き。
「うん、じゃあこのまま彼女……神次元ゲイムギョウ界、エディンの女神様、イエローハートことピーシェのことかな。彼女とはこれが二度目の出会いで……え? 前はいつだって? 前は確か……そう、ルウィーでの出来事が終わって、さあリーンボックスに行くぞーってやってたときだったよ。あのときも私、空から落ちて、ピーシェのいる次元に飛ばされちゃったんだ。なんだろう……空から落ちるのが私の基本なのか、それともゲイムギョウ界のお約束なのか……。
ともかく二回目。前回のときは…あれは本当に我ながらすごいと思ったよ。一日弱でピーシェとの仲が、私は姉のような存在として慕えるくらいになったんだから。ピーシェも私のこと妹として接してくれて……でもそれは、私のことを想ってのこと。まあそれに関しては詳細について話すのは恥ずかしいし、まだ未確定なところもあるから……君達に話すのはまた今度ね。
ピーシェとはいつかまた会いたいけど……そのときは、今回約束したことを果たせるようになってから会いたいな。もしかしたらその時は一誠とピーシェ、結婚してたりして……ふふっ♪」
二人が幸せになる未来を想像すると、自然と笑みが漏れてしまう。もし二人が結婚式を挙げるってなったら、姉として慕っていた者として、友達として招待してほしいなぁと思うけど……さすがに別次元だから無理かな? でも向こうの小さなイストワールさんが別次元と繋いだみたいに、こっちのイストワールさんと連絡取れたり……さすがにしないかなぁ。
さて、と。あと一人か……
「最後に語るのは、私が初めて別次元に飛ばされて、初めて尽くしの中で出会った女神様。名は『イリゼ』。彼女とも二回目の出会いで嬉しかったな。…あはは、うん。実は今回も前回も初めてじゃなくて、三回目だったりするんだ、別次元に行くの。もっとも最初のは意識だけ、みたいな感じだったらしいから、ちょっと特殊だけどね。
イリゼ…彼女もまた女神様で、彼女の次元のゲイムギョウ界の、原初の女神様の複製体なんだって。原初の女神様、というのはその名の通りそのゲイムギョウ界の最初の女神様で、イリゼはその女神様が作ってくれた女神様。なんだか皆と比べたら特殊な生まれ方だけど、皆と同じ。人間を愛する、優しい女神様。もちろん人間以外が嫌いってわけじゃなくて、最初に言った吸血鬼のズェピアさんとは、私達が向こうに滞在している間の食事を一緒に作ってて、仲が良かったみたい。同じ女神様のピーシェとはなんだかそれぞれが目指す音楽性…じゃない、女神性? が違ったみたいで喧嘩しちゃったこともあったけど、最後には仲直りして、二人で一緒にクレープを作って私達に振舞ってくれたんだ。向こうではよくイリゼのお菓子を食べてたなぁ。
そうそう、初めて会った時はそうは思わなかったんだけど、今回の生活の中でイリゼが食事を作ったり、他にもなんだかんだ家庭的なことをしていたからかな。どことなく母性があって……私含めて、何人かから『お母さん』って呼ばれてたんだよ。まあ本当にお母さんって慕っているわけじゃないし、私はイリゼには母親的立ち位置よりも、今のまま、友達として接していきたいけど……ほら、母性の強い先生のことをあだ名としてそう呼ぶ感じかな。うん、それくらい、イリゼは柔らかで優しい雰囲気の、実際優しい女神様なんだよ」
もし次出会えたら、またイリゼのお菓子が食べたいな。……って私、向こうで食べてばかりだったかなぁ。
「さて、他にも彼らとのお話があるけど……ここまでにしようか。そろそろ寝ないと、明日……もう今日だけど、支障が出ちゃうしね。
うん、それじゃあ今回のお話はここまで。続きはまた今度お話しするね。あ、ほらほら、ロムラム。二人とも眠いのは分かるけど、自分の部屋で寝ようね。っと、任せていいのかな? それじゃあお願い。うん、また明日、頑張ろうね。皆、おやすみなさい」
さて、と。それじゃあ寝ようか。
「おやすみ、月光剣。また明日、頑張ろうね」
『はい、マスター。おやすみなさいませ、良い夢を』
…夢。そういえば私、月光権に何か訊きたいことがあったような……いいや。思い出したら訊こう。ひとまず今は、おやすみなさい。
「作戦決行は明日……」
「あら、緊張して眠れないのですか?」
「ええ。…三年前、私が考案した作戦で、守護女神は捕まってしまった。今回の考案した作戦がもし敵に通用しなければ……もしかしたら、三年前の二の舞になってしまうのではないかと考えてしまいまして……」
「ここまで来たのだ、後はやるしかあるまい。それにお主の作戦に加え、我々のゲイムキャラの力も貸しているのだ。これで救えなければ、この世界に未来はない」
「ちょっと、あまりそういうこと言わないの。大丈夫よ、イストワール。彼女達は成長したもの。きっと守護女神達を救い出してくれるわ」
「それに彼女達には頼れる仲間がいますから。…そういえば明日は満月の日でしたね」
「ええ、今の月の様子からすれば、明日は満月となりそうですが……それがどうかされましたか?」
「いえ。ただ明日はきっと、彼女がより頼もしくなるのでは、と思いまして」
「…そういえば報告で上がっていましたね。彼女が普段より一層強くなっていた、と。それが前回の満月の夜……であれば、明日もまたそうである、と?」
「もしかしたら関連性はないかもしれませんが、可能性はあるかと。ほら、彼女の名前は
後書き~
はい、後半はコラボのエピローグのような形になりました。ちょっと他の方々の真似をしつつ書いてみました。ルナにとって向こうでの日々が楽しいものとなって、実にほっとしています。ほんと、ちゃんと終わってよかった……
さて、そして次回はようやく守護女神救出作戦です。ようやく彼女達が出せるのか……正直キャラ崩壊しないか不安で仕方ないですが、ネプギアのためにも、皆のためにも、ルナは頑張ります。
それでは次回もお会いするのを楽しみにして。
See you Next time.
・今回のネタ?のようなもの。
「母性の強い先生のことを~」
『ゆゆ式』のお母さんこと松本頼子先生。生徒からよくそう呼ばれているのです。きっと普段学校に着て行っている服装もそう呼ばれる要因の一つなのかもしれない、と私は思っていたり……。