桐ケ谷家 朝にて
「ねぇ、お兄ちゃん!これ見てよ!」
「どうしたんだよ、スグ。そんなに興奮して。新しいイベントの発表でもあったのか?」
「違うよ!ほらココ見て!ココ!」
朝食のさなか突如興奮し始めた妹、桐ケ谷直葉からタブレットを受け取った兄、桐ケ谷和人はモニターに目を走らせていくうちに驚愕をあらわにした。
「大手ゲーム会社カプコンがビッグタイトルのVRMMO化の緊急発表⁉ゲームタイトルはMHO【モンスターハンターオンライン】!狩猟ライフは画面から仮想空間へか・・・!」
一通り確認し終わったのか、タブレットを返すとコップに注がれた牛乳を飲み干し、呼吸を落ち着けると、ニマニマとニヤついている直葉に真剣な顔をして、
「お、おいこれは一体どういうことなんだ。こんなビッグニュース初めて聞いたぞ!」
「それもそうだよ!だって発表があったのは深夜の4時頃だもん、まだ誰も知らなくて当然だよ!」
今日の中で最大の出来事に驚きつつも、頭の中で整理しながら朝食を食べていく。
要点をまとめると
・2022年にモンスターハンターというタイトルをVRMMO化しようとする企画はあったものの、SAO事件が起こったせいで凍結状態になっており、アミュスフィアやザ・シードのおかげでVRMMOの人気が高まりつつあることを感じて再検討した結果、正式に製作する事が決定。
・しかし、初の狩猟ゲームのVR化ということもあって今のプレイヤーに受けいられるかが不明であり、そのためにベータ版のプレイヤーの募集を始めるということ
・ベータテスターに選ばれたプレイヤーは製品版の先行購入権が貰えるとのこと。
これを見逃さないゲーマーはいない。まして大手ゲーム会社のビッグタイトルのベータテストの募集なら、画面で遊んでいた元ゲーマーもたくさん食らいつくだろう。
「しかし、募集か・・当然皆と一緒にプレイしたい訳だけど、カプコンにコネがある知り合いなんて心当たりがないし・・こればかりは運で出してみるしかないかもなぁ・・・」
どうしたものかと頭を抱えていた二人だが、その問題は思わぬ展開となって解決することとなる。
「ん、スグ。電話鳴ってないか?」
「あっ、ホントだ。出てくる。・・ってお母さんどうしたの?」
『直葉!和人そこにいる?』
「え?どうしたの急に?」
『いいから替わって!一刻を争うわ!』
「え⁉わ、分かった。お兄ちゃん、お母さんが替わってだって」
「ああ、分かった。替わったぞ母さん『和人!カプコンのニュース見た?』おわっ!み、見たよどうしたんだ?そんなに慌てて?」
『今さっき、カプコンの件のゲームに関わっている人を取材してたんだけど、その人にVRMMOをしている人を紹介してくれないかって頼まれたのよ。今手元に抽選前のベータテスト権がいくつか残っているから出来れば、モンスターハンターをやったことが無い若い人を紹介してくれって。あなた達やお友達の皆はやったことがないんじゃないの?明後日には紹介しなくちゃいけないの!明日までに聞いておきなさいよ!それじゃ!』
一方的に話されたが、言いたいことは分かった。
「お兄ちゃん、お母さんなんて?」
不思議そうに聞いてくる直葉に和人は、
「スグ、明日奈達に連絡だ。モンスターハンターオンラインのベータテストに応募してみないかって」
ゲーマーならではの楽しみを浮かべた表情をしていた。
おかしい所、こうした方がいい所、アイデアがある方は遠慮なくお願い申し上げます。