SAO×MH   作:メタルギア教の教祖オティヌス

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一年更新すみませんでした!大学生活が思ったよりキツい故に蔑ろになってました。暇があれば少しずつ書いているので、こんな小説ですがよろしくお願いします。


第5話

シノンの弓の性能に気を引かれている間に、ドスジャギィに逃げられてしまったキリト達。次を万全な状態で追う為に、腰のポーチに装備されている砥石を取り出して武器を研ぐ。しゃがんで切っ先を地面に、鍔を膝の上に乗せて砥石を根元から切っ先まで当てて研いでいく。初期の武器のせいか、ギャリギャリという耳障りな音が砥石を当てる度に響いてくる。その時、アスナはSAOの時代を思い出す。リズに剣を研いで貰う時、上質な鉱石を使った武器は澄み切った鈴の様な音が鳴る事を思い出したのだ。リズがこの世界に来たらまず狩りではなく鍛冶を始めるだろうなと話すと、皆揃って笑っていた。

 

切れ味を回復させた次は体力の回復だが、ストレアが呟いた。

 

「そういえば、この世界の回復薬はどんな味がするんだろう?」

 

「いきなりどうしたんだ、ストレア?」

 

「だってアタシこのゲームについて少し調べたんだけど、ハンターって体力が減る度に回復薬を何度も飲むんだけど飲んでてツラくないのかなー、なんて」

 

「それはまあ・・今は俺たちが本人の視点でやってる訳だから回復薬をダメージが受ける度に飲む訳だけどSAOとALOはポーションでGGOは注射で回復だからな・・このゲームの回復薬の味自体知らないしな」

 

「じゃあ、飲んでみればいいんじゃない?体力が満タンでもペナルティがあるわけじゃないし」

 

「それもそうだな。よし!皆、3、2、1で行くぞ!」

 

アイテムポーチから回復薬の瓶を取り出すキリト達。回復薬は青汁より少し明るい色をしていた。

 

右手に瓶、左手は腰に当てる、風呂上りスタイルで一気に飲み干すキリト達。口の中に広がったのは、抹茶を甘くした様な味だった。後味は無く、すぐに飲み干す事が出来た。飲む前は苦いと思っていたキリト達だったが、予想とは違った味に驚く事になった。

 

「見た目と違って、飲みやすかったな・・」

 

「プレイヤーの事をかなり考えているわねこのゲーム」

 

「SAOのポーションはレモンとお茶を混ぜた様な味だったからね・・」

 

「私もログインした時、ポーションを飲むの苦手だったな・・」

 

「かといって飲みすぎるといざという時に無くなってても知らないわよ」

 

この世界の回復薬の感想を言い終わったキリト達はドスジャギィが逃げたであろうエリア3へ向かった。あそこはジャギィ達の巣だったのでそこにいる可能性が高かったのだ。案の定、ドスジャギィはエリア3にいた。オマケに自分は寝ていて、その周りをジャギィ達が見張っていた。

これはチャンスだと思ったキリト達は一気に畳みかける事にした。

 

「よし、シノンは援護でリーファは護衛、俺とストレア、アスナで一気に攻めよう。これで大詰めだ!」

 

「ええ!」

「うん!」「了解!」「は~い!」

 

それぞれの武器を抜刀して寝ているドスジャギィに切りかかって行く。ジャギィ達がキリト達に気付いて周りを知らせる為に吠えているが遅い。キリト、アスナ、ストレアの三人はジャギィを無視してドスジャギィの方へ向かって行く。無視されたジャギィ達はシノンの矢によって倒されていった。ドスジャギィが騒ぎに気付いて頭をもたげた時には身体に無数の刃が食い込んだ瞬間だった。たまらずに悲鳴を上げるドスジャギィ。しかし瀕死の状態にありながらその目は生きる事を諦めていない目をしていた。渾身の力で体を時計回りにしてキリト達を払い飛ばす。

 

「ぐあっ!」

 

「きゃっ!」

 

「いたっ!」

 

勢いよく払い飛ばされ、体力を減らされた三人。すぐに立ち上がった時には怒り状態でキリトの方に噛みつき攻撃を始めていた。

 

「追撃か!くそっ!」

 

噛みつき攻撃を受け、体力を3割まで減らされたキリト。次の瞬間、急に視界が揺れ始め、動く事が出来なくなってしまった。モンスターからの攻撃を二回以上連続で受けてしまうと気絶状態になってしまい、しばらくの間は動く事が出来なくなってしまう。そして気絶が解けない内に更に噛みつき攻撃をしようとしたドスジャギィにアスナが攻撃して中断させる。

 

「キリト君、回復を!」

 

「助かったアスナ!」

 

もう少しで初乙を飾りそうだったキリトを救ったアスナ。しかし彼女の攻撃はそこで終わりではなかった。攻撃が当たると、システムが検知して次のステップに進めていく。アスナは空中へ飛び、ドスジャギィに急降下。落下していくスピードと共に片手剣を振り下ろす。次の瞬間、アスナがドスジャギィの背中に飛乗った。乗り攻撃。高い場所から大型モンスターに飛び降り攻撃を仕掛けると飛乗って剥ぎ取りナイフで攻撃し続け、モンスターが動けなくなると技を繰り出して大ダメージを与える事が出来る。

 

『グワアァァ!グワアァァ!』

 

「くっ!この!」

 

ドスジャギィは何とか振り下ろそうと体をむやみやたらに暴れるが、アスナは負けじとしがみついて剥ぎ取りナイフをレイピアの様に振るうかの如く突き刺し続ける。

 

やがて抵抗する動きが鈍くなり、ついに止まってしまった。

 

「これで・・終わり!」

 

盾と片手剣を交互にしてドスジャギィの頭部目掛けて攻撃し、最後に片手剣を一瞬のタメの後、突き刺した。

 

『ガアアァッ⁈』

 

体勢を崩したドスジャギィにすかさずストレアが駆け寄り、タメ切りのモーションを構える。

 

「やああっ!」

『ギャァァッ・・・ガァ』

甲高い声を上げて、一瞬の間を置いて力の無い一鳴きをすると地面にその巨体を落とした。次の瞬間、クエスト達成のBGMが鳴り響いた。

 

「良し!クエストクリアだ!」

「上手くいったね〜!」

「良いラストアタックだったわね」

「危なかった〜」

「ナイスアタックだったよ!ストレア!」

 

群のリーダーがいなくなったジャギィ達は一目散に逃げていき、残ったのはドスジャギィとキリト達だけになった。達成感に浸っているキリト達だったが、視界のタイムリミットを見ると慌てて剥ぎ取りを開始。完全に剥ぎ取った時は、15秒を切っていた。

 

「じゃあ、後は帰るだけだな」

「そうね。帰りが辛いのはこれで最後にしてほしいわ・・」

「まあ、正式版で最初からかもしれないけど・・」

「待って、アレは?」

 

リーファが指を指したのは、草に覆われたバスケットボールサイズの玉だった。さらに驚いたのは急に揺れたかと思えば、パックリと割れてアルマジロの様な姿をした生き物だった。

 

「な、なんだこれ・・」

「アルマジロじゃないよね・・」

「待って。また何か来るわよ」

 

シノンが言った先から、さらに5、6匹のアルマジロ改めクサマジロが勢いよく転がり、同じように開いていた。

 

「なんなんだコイツら・・」

「この子達もモンスターかな?でも可愛い!」

「まあ、ペットになりそうね」

 

敵意が無いと思いながら近づいたキリト達だったが、草むらからまた何かが居るのかガサガサと音がする。

 

「なんだ、まだ居るのか」

 

安心し切って草むらに近づいたキリトだったが、出て来たのは視界いっぱいの草の玉だった。

 

「へぶっ!?」

「キリト君⁈」

「キリト⁈」

「なんなのアレ⁈」

「お、大っきなクサマジロ⁈」

 

仲間の声を聞きながら、0になりつつある体力ゲージと共にキリトは初のリタイアをした・・・

 




こんな乙になってしまいました・・・
変な所があれば感想お願いします。

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