ロリてんっ! ~ロリコン勇者が転移して、幼女ハーレム作ります~   作:ナマクラ(本物)

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※ 読 み 飛 ば し 推 奨
※ シ リ ア ス 注 意



男勇者の過去編です。
読まなくても本編を読み進めるに当たって一切影響しないので、暗い話がお好きな方以外はマジでスルーでおkです。同時公開の次話へお進みください。

何故この話を書いたかと言えば、自己満足ですごめんなさい。
勇者君が剣に拘った理由とかの補完です。


閑話「蒙昧勇者の哀れな生涯」

「おめでとうございます!! いやぁ、実にめでたい!」

 

 死んだ魚のような目をした少年の目の前に現れたのは、金色に輝く少女だった。

 

「貴方は、選ばれました! 世界を統べる者、あらゆる生命の頂きに立つ者、最強にして最高の存在に!」

 

 少女は金色の髪を振り撒き、猫のような丸い目を細め、少年を祝福した。

 

「貴方には、我々の世界で勇者としての君臨する権利があります! どうぞ、我が異世界においでませ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────少年は、いわゆる引きこもりと言う奴だった。

 

 社会に馴染めず、友人もいない。だが学業の成績は悪くなく、むしろ好成績と言えた。

 

 孤独な少年は考えた。周囲のレベルが低いのだと。周囲が自分を理解しないから、自分はこんなに苦しんでいるのだと。

 

 そして少年は心を閉ざし、誰とも仲良くせぬまま成長していった。

 

 ……少年は、何故引きこもりになったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 ────中学に入る前。少年の父親は、蒸発した。

 

 理由はわからない。ただ、母親は何かを知っているようだった。寂しそうな顔をして、父親の私物を全て処分していた。

 

 そして少年は、母親に引き取られ。収入源を失った少年の一家は、辛く貧しい暮らしを強いられることになる。

 

 少年の幼い心は、人を気遣う余裕を失っていった。

 

 

 ────中学では、虐めにあった。

 

 といっても、ソコまで激しいものではない。喋りかけても無視されたり、たまにモノを盗まれたりする程度だった。

 

 だけど、少年の心を更に閉ざすにあたり、十分な仕打ちだった。

 

 

 

 ────そして少年は、ついに現実から目を背けた。

 

 部屋から出ることがなくなり、母親を怒鳴り散らしながらネットサーフィンに勤しむ、人間の屑へと成り果てた。

 

 こんなありきたりな理由が、少年を引きこもりに仕立てあげた。

 

 少年は自覚している。

 

 このままでは不味い事くらい、分かっている。だが、どうすれば上手くいくのか分からなかった。

 

 いっそ、死のうか。二十歳になる前にして、少年は死出の覚悟を固めてしまった。

 

 決心した彼は行動が早い。その日にネット通販で練炭を購入し、ガムテープで部屋の隅を敷き詰め、届いた荷物を確認して、いざあの世へ行こうと遺書をしたため終わったその時。

 

 

「やっほーー!! 暗い顔して、どうしましたかお兄さん!」

 

 

 場違いに能天気な、少女の声が部屋に響きわたった。

 

 

 

 

 

 

「僕は、その世界に行くとどうなるんだ?」

「申し訳ありませんが、魔王と対決していただくことになります! そこは、その、私の加護を与える代償的なアレだとご理解頂ければ!」

「別に僕に、世界を救ってやる義理なんて無いだろう!」

「いやー、そう言わずそこをなんとか! 貴方ほどの逸材は、そうそういないのです!」

 

 少女は、満面の笑みで少年へ笑いかけた。生来、女性と親しくして来なかった彼にとって、効果は抜群と言える。

 

 少年は照れ隠しに、あれやこれやと強気に少女へ突っかかった。だが、それも全て女神である少女にはお見通しなのだが。

 

「お前、名前は何て言う?」

「私はカルバ、女神カルバと申します」

「何で、僕の前に現れた?」

「では、順を追って説明しましょう! 実は、私以外にも4柱ほど女神って居るんですよ。で、何百年を周期に勇者は女神達に召集され、その都度魔王を打ち倒して来たのです」

「それで?」

「実は、自慢じゃないんですけど、私の選んだ勇者が常にエースとして活躍し続けて来ていましてね! 今回も勇者候補の中でぶっちぎりのスペックを秘めた貴方に、最初に声をかけに来たと言う訳です!」

「そ、そうか。僕がぶっちぎりなのか」

「ええ! 尋常ではない魔力値、鍛えれば鍛えるほどに強くなる肉体、ゲームで限界まで研ぎ澄まされた反射神経とその戦略眼! 貴方は、戦士としても魔法使いとしても超一流の器を持って、頭脳明晰であり咄嗟の反応速度も良い。まさに、欠点なしの化け物です!」

「ほ、ほー。それで、異世界に行くとしたら僕は、具体的に何をすれば良い?」

「まずは暫く旅をして、仲間を募ってくださいな。大概、勇者同士は惹かれ合うのですぐ他の勇者と合流出来る筈です」

「……仲間か」

「まぁ、貴方が一番ハイスペックなので、強さにはあまり期待してあげないでくださいね。そして、旅の最中に魔王の情報を集め、戦闘に慣れて貰い、いよいよ本番。魔王軍と戦争していただきます」

「ふんふん」

「で、魔王をぶっ倒したらそれでハッピーエンドです。こっちに戻ってきたければ戻して差し上げますし、異世界に居座ったとして勇者たる貴方は英雄としてモテモテの人生を歩めるでしょう」

「……そうか。分かった」

 

 少年は、半信半疑だった。

 

 これは性質の悪いドッキリなのかもしれない、とすら疑っていた。

 

「では、うかがいましょう。貴方は、私の勇者様になっていただけますか?」

「ああ、受ける。僕は勇者になる」

 

 だが。既に少年は、自ら死を選んだ身である。もし、本当に異世界に飛ばされるなら、それに越したことはない。

 

 僅かな期待と、どうしようもない諦感を混ぜ合わせ、少年は女神の誘いに乗った。

 

 

 

 

 ───そして、目の前に一振りの黒剣が光に包まれて顕現した。

 

 

 

 

「ならば勇者よ、貴方にはこの剣を授けましょう。我が女神カルバの名において、汝に祝福を授けん……」

 

 女神は微笑みながら、少年の額に口付けをする。やがて、体にうっすらと光が纏い始め、少年は思わず自分の体を見つめ続ける。

 

 その、非現実的な光景を前にして。少年は初めて、異世界転移が現実の話なのだと自覚した。

 

 

 

 

 

「なぁ、女神様。最後に、一人だけ挨拶をしていいか?」

「挨拶ですか?」

 

 少年の心の歓喜は、言葉に出来ようもない。

 

 自分は英雄になれる。自分は最強の存在になる。そんな、夢お伽話の様な現実に、小躍りしたい気持ちだった。

 

 だが、一つだけ。気掛かりがあるとすれば、それは母親である。

 

 自分が急に居なくなれば、母親は混乱し泣き叫ぶだろう。今の今まで、どうしようもない自分の面倒を見てくれた母親に、一言挨拶をして異世界に旅立ちたかったのだ。

 

 ……そして。

 

「母親なら、ソコにいるでしょう。まさか、女神ともあろう者が、老いた親を一人置き去りにするなんて非人道的なことはしませんよ?」

 

 きょとん、と。まずはその女神の言葉を、少年は吟味する。

 

 やがて有頂天だった少年は、知りたくなかった現実に気付いてしまい、顔を凍りつかせた。

 

「あ、本人は納得済みなので気にしなくて良いですよ! 息子が自殺を考えているってお伝えしたら、涙を流して納得してくださいました!」

 

 少年の鼓動が早くなっていく。

 

 まさか、そんな、有り得ないだろう。少年は冷や汗を垂らしながら、今受け取ったばかりの黒剣を見つめて。

 

 その柄に刻まれた紋様が、母親の愛用していた服と同じものだと、気付いてしまう。

 

「貴方のお母様は、貴方が勇者に選ばれたと知って、なんと剣になってくださいました! 異世界から連れてこれる勇者ってのは各自一人だけって協定なんですよねー。でも、こういう裏技を使えば、実質二人分の戦力を、こっちに連れてこられる訳ですよ!」

 

 茫然。

 

 少年は、茫然とその剣の柄を見据えている。耳を済ませば、少年の家にいつも居る筈の母親の気配が、確かに消失していた。

 

「あ、お母様からの遺言を預かってますよ。『貴方が生きていてくれるなら、どんな世界にも行ってきなさい。私は貴方の味方です』ですって。ああ、実に素晴らしい親子愛ですね!」

 

 女神は満面の笑みを崩さず、少年へ語りかける。少年は表情を消して、一人静かにその剣に呼び掛けた。

 

 何やってるんだよ、何てバカなことをしたんだよ、と。

 

 

 

 ────黒剣は、何も答えない。

 

 

 

 

 

 

 

 少年は、女神と契約する。

 

 全て終われば、母親を元の人間へ戻すようにと。

 

 ────そして魔王を倒すため、少年は異世界を駆けだした。

 

 

 

 




※まとめ

女神セファの勇者選定基準
・最低限の倫理観さえあれば、後は実力重視

女神マクロの勇者選定基準
・無条件で他人を愛せて、慈しめる人

女神カルバの勇者選定基準
・本人の実力の高さに加え、周囲に本人の為に命を投げ出せる存在が居ること

女神テトラの勇者選定基準
・不明

女神キノの勇者選定基準
・不明
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