ロリてんっ! ~ロリコン勇者が転移して、幼女ハーレム作ります~   作:ナマクラ(本物)

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第二話「幼女が出た」

 何故俺は走るのか?

 

 それは、目の前に夕日があるからだ。 

 

 俺は紅く、朧気に輝いている夕日に向かって、大きく手を振りながら突き進む。

 

 もうあの醜い女神(ババア)の声は、聞こえなくなった。無事、悪魔(ババア)は祓われたらしい。

 

 悪霊から解放され肩の荷が降りた俺は、自由に、気の赴くままに走り続けた。

 

 ……こうやって無我夢中に走っていると、若い情熱を思い出すな。俺にも昔は何かを目指し、ひたむきに走り続けていた時期があった。まさか異世界に転移させられて、こんな青い感情を思い出すことになるとは。

 

 ふと空を見上げると、この世界の太陽が大地に沈み始めていた。

 

 空は赤みを帯び、一面に夜の帳が訪れる。

 

 日暮れのようだ。

 

 

 

 

 

「うーん。俺は何処に行けばいいのだろう?」

 

 日本は、明るい街だった。真夜中であっても、何処かに人工的な光がある。

 

 いつしかそれが常識になってしまっていたらしい。俺は、光のない夜を舐めていた。  

 

 

「思った以上に、何も見えんなー」

 

 

 本当に、何にも見えない。月と星の光で、それなりに見えるだろうと思っていたのだが、それは大きな勘違いだった。

 

 現状は、空に浮かぶ星々以外は一面真っ黒である。目が慣れてきてやっと、ぼんやりと近くが見える程度だ。

 

 確か、夕日が沈む前に見た景色では、この先暫くは平地が続いていた筈。だから、このまま真っ直ぐ走り続けても問題ないとは思うのだが……

 

「動くと獣に見つかるかもしれん。今日はここで休むかな」

 

 少し走って疲れたのもあり、俺は比較的見晴らしの良い小高な丘で、月の光の元に野宿することにした。

 

 異世界の月を眺めながら、今夜は休むとしよう。

 

 眼前に広がる星空は、日本のモノではない。知っている星座が、一つも見当たらない。

 

 ここは、本当に地球ではないらしい。

 

 布団も無く冷たい土の寝床で、青臭い自然の香りに包まれながら、俺は微睡みを覚え、やがて意識を手放した。

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 数時間は眠っただろうか。

 

 無意識に張り巡らせていた俺のセンサーが、甲高く鳴り響く。何かが、近づいてきているらしい。

 

 幸いにも覚醒出来た俺は、狸寝入りを続けたまま、息を潜め近づいてくる何かの気配を探る。

 

 ────居る。

 

 風で揺れる草木の音に混じって、何かが俺に近付いてきている。

 

 俺が寝入るのを、待っていたのだろうか。

 

 

 しゃり、と砂を踏む音が耳元で響く。

 

 

 

 

 ────このまま、不意打ちして落とすか。

 

 俺は静かに寝息を立てながら、全身の感覚を研ぎ澄ました。

 

 そいつはソロリ、ソロリと俺の傍でしゃがみ込み、俺の方向へ手を伸ばす。

 

 その手が、俺の腹へ触れるかどうかと言った瞬間に。

 

 

 

 ────背筋を全力で引き絞り、バネのように俺は飛び起きた。

 

 

 

「ひっ!?」

「……っ!」

 

 随分と、勘が良い。

 

 俺が飛び上がりそいつを捕縛しようと手を伸ばしたが、まるで煙を掴んだように俺の腕は空を切り、襲撃者達はヒラリと距離を取る。

 

 その影は、二つ。どうやら臨戦態勢らしい。

 

 俺は固まった身体をほぐすべく、闇夜でゴキゴキと体を鳴らし、襲撃者に向き合った。

 

 

 

「あら、起きるなんて勘が良い。でも可哀想、寝てたまんまの方がきっと楽だったわよ?」

「こっちは武器を持っています、勝てると思わないことですね」

 

 僅かな月の光に目が慣れ、徐々に襲撃者の姿が露わになってくる。

 

 俺の寝込みを襲ってきたのは、なんと2人の痩せた少女だった。

 

 姉妹だろうか。くすんだ茶色の髪の毛の、顔つきがよく似た年齢差のある少女達。

 

 何か光ってるモノを握り締め、カチカチと震えながら冷静に振る舞っているのは、中学生くらいの少女。

 

 同じく俺を囲み、尖った何かを突き付けて敬語調で話しているのは、小学生くらいの少女。

 

 よほど飢えているのだろうか。2人の頬は痩せこけ、目には隈が浮き出ている。

 

「貴方は良く肥えています。つまり、貴方が食料の類を持っていることはお見通しです」

「無残に殺されて何もかも奪われるか。私達に全てを差し出して、大事な命は守り抜くか。け、賢明な判断をお願いするわ」

 

 ────嗚呼。どんな事情があるのだろうか。

 

 察するにこの娘達は、飢餓に耐えかねこうやって強盗じみた真似をしているに違いない。

 

 飢え死にするか、強盗するか。そこまで追い詰められた矢先に、堂々と平原で野宿する俺を見つけ、食いついたのだろう。

 

 可哀想に。こんなに、こんなに────

 

「黙ってないで、死にたくなければ早く跪きなさい。食料の入っている荷物はどれかしら?」

「食べられるものなら何でも構いません。おとなしく差し出してください」

「……ふふふ」

 

 俺はニタリと笑い、ゆっくりと起き上がる。

 

 こんなに俺好みの少女(ロリ)が、堂々と襲ってきてくれるなんて。

 

 ああ、エクスタシィィィ……。

 

「な、何がおかしいのよ!」

「何で笑っているのです、何を企んで────」

 

 俺は堪らず、欲望のままに全裸になった。

 

 

 

 

 

 

「イヤァァァァァァ!!?」

「にゃぁぁぁぁぁあ!!?」

 

 少女達の叫び声が木霊し、凄まじい快感で全身が震える。

 

 そうか。これが、自由……

 

「何なの、何なのよ変態!! 気持ち悪い、何考えてるのよ!!」

「変態さん! 襲った相手は変態さんでした!? ねねね姉様助けてぇぇぇぇ!!」

「いやぁぁぁぁ!! 戦闘態勢になってるぅぅぅぅ!?」

「姉様ー!! 姉様ーっ!!」

 

 幼女2人に全てを見られている状況に興奮し、俺は恍惚の表情でポージングを取る。見ると、姉らしき方は顔を手で覆いしゃがみ込み、妹は俺に背を向けて泣き叫んでいた。

 

 いきなり成人男性が服を脱ぎだしたのだ、混乱するのも無理はないだろう。とは言え、俺は謝るつもりはない。強盗を仕掛けてきたのは、彼女達なのだ。

 

 じっくり♂反省してもらわないと。

 

「さぁ、可愛い子猫ちゃん達? お腹が空いているなら、オジサンの美味しい棒♂を食べて見るかい?」

「ぎぃぃやあぁぁぁ!! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃぃぃぃ!!」

 

 姉の方は戦意喪失した様だ。俺のビックマグナム(7cm砲)に恐れを成したに違いない。

 

 一方、妹の方はガッツリ食いついてきた。

 

「……棒♂って何ですか? 食べられるのですか?」

 

 まだ、性の知識は無知なご様子。そうか、食べたいのであれば仕方が無い。

 

「ほほう、お嬢ちゃんは棒♂に興味があるのかい? 試しに1本、咥えてみるかね?」

「ダメぇぇ! エマ、食いついちゃダメ! とっても卑猥なモノなんだからぁぁ!!」 

「え、えっと。毒とかではないのですね?」

「もちろん、むしろ栄養価たっぷりさ。ほぅーら、美味しい棒♂を食べないかい?」

「私、お腹空いて──」

「この変態! 変態! エマになんて卑猥な事させる気よ、犯罪者ー!」

犯罪者(ごうとう)はどっちかな? グフフフフフ、ではお望み通りに、美味しい棒♂を食べさせて上げよう」

 

 深夜、開けた平原の真っ直中に、姉妹の叫び声が響き渡る。哀れにも性犯罪者に手を出してしまったのが運の尽き。

 

 飢えに負けて、ロリコンに捕獲され、棒を咥えさせられる羽目になった少女。果たして、その未来は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいしい、おいしいです!」

「…………本当に食べ物なんだ」

「すまんな、1本しか無い。ソレで許してくれ」

 

 無事に少女2人を制圧した俺は、宣言通りに棒♂を彼女達に食させていた。

 

「それは空腹状態だとしても1本食べれば満足できると言う、不思議な棒だ。5時ごろに食べると良いらしい」

「甘くて、美味しくて、こんな食べ物初めてです」

「……本当に、これ以外に食料はないのですか?」グゥゥ

 

 異世界に飛ばされる時にたまたまポケットに突っ込んでいた、明日の朝飯用の1本満〇バー。

 

 俺の手持ちの最後の食糧だが、腹を減らした少女が目の前にいるのであれば譲るのに躊躇いはない。子供とは、何にも代えがたい人類の宝である。

 

 俺が手渡した一本を姉妹二人で分け合うのかと思ったが、姉は黙って妹へ全て譲った。成長期だから、だとか。さすがは姉。

 

「すまんな。俺の手持ちの食料は、本当にそれで最後だ」

「……だとしたら、どうやって旅をしてるのですか?」

「ん? ああ、俺は今日旅立ったとこでな。この辺で食べられるようなモノ、俺に教えてくれないか?」

「それを知っていたら、私は飢えていませんよ」

「ごもっとも」

 

 しまったな。明日からの食事の事とか、何も考えていなかった。

 

 女神の奴は、本当に不親切だ。食料くらい、旅の初めに渡しておけば良いモノを。

 

 ……その時、クイクイと俺の服が引っ張られる感触。見ると、1〇満足バーを食べ終わっていた妹ちゃんが、俺を見上げていた。

 

「……ねぇ、変態さん。変態さんは、強いですか?」

「俺か? うーん、肉体労働はしてたけど……」

「戦闘職ではないという訳ですね、了解です」

 

 背の小さな敬語少女は、ハァ、と溜息を零した。

 

「この辺の魔物に勝てるのでしたら、私は料理スキルを持ってますので、ついて行こうと思ったのですが」

「ちょっとエマ!? こんな変態について行く気!?」

「────貴方は、唯一手元にある食料を私達に分けてくれるようなお人好しです。私は役に立つスキルを持っています、なので売り込んでみました。まぁ、貴方が強ければ、の話でしたけど」

 

 エマちゃんと呼ばれた年下の子は、残念そうに唇を尖らせる。

 

「こんな危険な平原で堂々と寝ているので、それなりに強いのか考えました。本当に、旅の初心者さんだったんですね」

「そもそも旅人とすら自覚してなかった。そうか、俺は旅人か」

「がっかりだわ。この辺りで野宿するのはは危険だって、今まで誰にも教わらなかったの? 上位魔物に襲われて死んでも知らないわよ、あなた」

 

 おや? そんなこと、女神(ババア)は言ってなかったぞ? むしろこの辺の魔物は弱いから楽勝だって言ってたような。

 

「やっぱり、何も知らないのですね。そうですね、このあたりの魔物ですと、リザードが特に危険です。気配を消したまま素早く動き、いきなり噛みついてきます。毒も持っていますので、厄介極まりない。気付いたら仲間が全員死んでいた、なんて事が良くあるそうです」

「何それ怖い」

「体も大きく、私達なんかじゃ体当たりされただけでも死んじゃうわ。そんな危険な場所だからこそ、逆に私達に追っ手がかからないんだけど」

「そんな危険な所に、君達はなんで居るのさ?」

「この平原を越えないと隣町に行けないからです……」

「私達は逃亡奴隷なのよ。山の麓の村に戻れば捕まっちゃう」

 

 改めて、彼女たちの身なりを薄闇の中で目視する。ぼろい布切れを、雨合羽のように身に纏っただけの、質素で汚い姿だった。

 

 そうか。彼女達は奴隷で、それに耐えかねて自由を求め、町の外へと逃げ出したのか。

 

「隣町までの距離を舐めてましたね。魔物の気配に怯え、道案内も無く飲まず食わずで旅をして、辿りつけるような場所では無かったです」

「……でも、他に方法も無かった。私達は逃げ出すだけでせいいっぱいだった」

 

 ノープランで逃げ出したはいいが、この平原のど真ん中で食料を得ることが出来ず、空腹に苛まれ欲に負けて俺を襲ったと。

 

 ……なんとも、可哀そうな境遇じゃないか。

 

「俺は、麓の村に用は無い。良かったら隣町まで一緒に旅をしないか? ちょうど案内が欲しかったところだ」

「ありがとうございます。変態さんでも、大人の人が一緒に居てくれるのは有難いです」

「はぁ、本音ではこんなのと一緒に旅したくないんだけどなぁ。よし、肉壁と考えるか」

 

 姉からの評価が、低すぎる。うっかり全裸になっちゃったからしょうがないけれど。

 

 今も警戒心を剥き出しに、姉はヨシヨシと妹を撫でつつ、全身で俺を威圧している。

 

 俺的に、姉もギリギリストライクゾーンなのだ。そう警戒されると哀しいな。

 

「では、夜は交代で見張りをしましょう。一人で旅して夜に爆睡とか、襲ってくれと行っているようなモノですよ?」

「そうね。じゃ、私達が────」

「ああ、俺は気配に敏感だから、別に見張りとか要らない」 

「そういや、そうでしたね」

「それに、お前ら起きてたとして、こんな真っ暗だと何か居ても分かんねぇだろ? 俺に任せとけ」

「いえ。流石に何かが近付いてくれば、分か……」

「エマ? 急に固まって、どうし……」

「ほら、分かってなかったろ」

 

 

 リザード。成る程、名前から想像したとおりの生物が、彼女達の背後に居た。

 

 鱗を纏った硬そうな皮膚。舌をシュルシュルと伸ばし、カサカサと4足歩行で静かに忍び寄ってきている、数メートル程の大きさの、真っ黒な化け物。

 

 夜の闇に完璧に溶け込んでいた、初めて見るモンスター。成る程、本当に異世界に来たんだなと実感する。

 

 実は俺が気付いたのも、ついさっき。こんなに静かに近づいてくるんだな。

 

 そりゃ、危険すぎてこの辺に人は近付かん訳だ。

 

「アレがリザードって奴かぁ」

「あばっあばばばば!?」

「ち、違うよ、これはリ、リ、リザードじゃないよぉー!?」

 

 ……え、コイツはリザードじゃないの? めっちゃめちゃトカゲっぽいのだが。見るからに爬虫類的な……

 

 

 

 

 

「き、き、キングリザードですぅぅぅぅ!?」

 

 

 

 

 

 それは心の底からの叫び声、恐怖に支配された(エマ)ちゃんの絶叫。

 

 エマの悲鳴を敵対行為ととったのか。ドでかいトカゲは、シュルリと舌なめずりをして。

 

 夜の闇に潜んだまま目にもとまらぬ速度で、俺達に突っ込んできた。

 

 

 

「いやあぁぁぁ!?」

「死ぬぅぅぅぅ!?」

 

 

 反応して咄嗟に、動く。

 

 俺は2人の少女を抱えて間一髪、超速度で突っ込んできたトカゲを躱し事なきを得た。

 

 ……何だ、この跳躍力。俺はふわり、と数メートル程の距離を一息に飛び終えた。

 

 異世界では、重力が小さくなっているのか?

 

 それともあの女神(ババア)がほざいていた、これが祝福の効果なのか?

 

 

「ひっ、ひっ、ひっ」

「もう駄目です……お終いです……、姉様ーっ!!」

 

 何にせよ、この世界だとモンスターとの戦闘は必須行為の様だ。

 

 ここは一丁、チュートリアル戦闘と行こう。ここで姉妹にいいところを見せれば、俺への好感度が上がるかもしれない。

 

 泣き叫ぶ姉妹を抱え、俺は夜の闇に溶けゆく強敵(キングリザード)を、静かに見据え笑うのだった。

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