ロリてんっ! ~ロリコン勇者が転移して、幼女ハーレム作ります~   作:ナマクラ(本物)

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第三話「幼女を手に入れた!」

 俺の両腕には、守るべき2人の少女(ロリ)がいる。恐怖の涙を流し助けを求めるその様は、なんとも庇護欲をそそる。

 

 そして目の前には、倒すべき強敵(キングリザード)がいる。

 

 その巨大な体格は、白亜紀の恐竜を彷彿とさせる。日本にいた頃の身体能力だと、まず勝てない相手だ。ティラノサウルスに生身で挑んでも、美味しく頂かれてお終いだろう。

 

 だが、明らかに俺は強くなっている。今日この世界に来てぶっ通しで走り続けているのに、俺は一度も息が切れていない。

 

 さっきだって軽く飛んだだけで、人を抱えて数メートルの跳躍だ。

 

 この辺のモンスターは弱い、チュートリアル戦闘だとあのババアも言ってた気がする。恐らく俺が、あのババアの何らかの作用で強くなっているのだろう。

 

 だとすれば。キングリザードとやらはあの少女達にとって恐ろしい怪物なのだろうが、俺にとっては勝てない相手ではないと言うこと。

 

 ……まぁ、勝てない相手だろうと、幼女を守るためなら向かっていくんだがな。どちらにせよ、ここで逃げるという選択肢は無い。

 

 両脇に震える少女の体温を感じ、俺は戦う決意を固めた。

 

 

「悪いがトカゲさんよ、この子達を餌にさせるつもりはねーんだわ」

 

 

 恨むなよ、お前さんは捕食者だ。返り討ちにあうリスクも分かった上で、俺達に近付いてきたんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 男は、静かに抱えていた少女を地面に下ろした。

 

 腰が砕け立ち上がれず、震えながら逃げ出そうと四つん這いになった少女に、男は一声かける。

 

 

 

 

「ここを動くな。ここに奴を、近づけさせないから」

 

 

 

 そして男は、キングリザードと向き合った。

 

 少女はぽかんと口を開け、その言葉の意味を考えこむ。その間に、轟音と共に男は自らキングリザードへと突っ込んだ。

 

 それは、自殺に近い行動。

 

 彼女は目を疑った。少女は知っていたからだ。キングリザードの恐ろしさを。

 

 鋭敏な聴覚、噛まれたらもう助からぬ猛毒、呼吸音すら聞こえぬ隠密性、そして何より魔物の中でもトップクラスの俊敏性。

 

 あの男の死は、ほぼ確定だろう。

 

 少女は、これを好機だと捉えた。あの男がキングリザードに食べられてしまえば、逃げる時間を稼げるはずである。

 

 あの男は良い体格をしていた。キングリザードは獲物を丸呑みする習性がある。力一杯に男が抵抗すれば、消化までかなり時間がかかるだろう。

 

 悪く思わないでほしい、と少女は呟いた。彼女はまだ、死ぬ訳にはいかないのだ。

 

 恐ろしいモンスターに背を向け、気付かれぬようひっそりと一歩目を踏み出した瞬間、

 

 

「あーっはっはっは! 案外たいしたことないな、トカゲちゃんよ!」

 

 

 びくり、と背後から聞こえてきたその笑い声に、少女は思わず振り返った。

 

 ……少女には何も見えない。だが声だけはハッキリと聞こえ続けてくる。他には打撃音と、悲鳴のようなトカゲの鳴き声だけが、夜の闇に響きわたっていた。

 

 キングリザードは真夜中であっても、その聴覚で昼間の如く敵を探知できるモンスターだ。

 

 一方。夜の闇に紛れられると、人間である限りキングリザードを捕らえ続けることは不可能に近い。

 

 昼間でさえ見失いかねない俊敏性を持つ魔物が、音も無く夜の闇に隠れてしまえば、どうしようも無い。人間は、為す術なく捕食されるだけ。

 

 ────どうしようも無い、筈なのだ。

 

 

 

「俺は気配には敏感なんだよ!」

 

 

 

 だというのに男は、キングリザードを一度も見失わず、ボカボカと素手で殴りつけているらしい。

 

 胴体を殴られたキングリザードの甲高い悲鳴が、夜に響く。

 

 少女は混乱した。まさか、優勢なのか? あの男は、夜闇に紛れたキングリザードに勝てる存在なのか?

 

 

「足、貰ったぁ!!」

 

 

 嬉しそうなその声は、紛れもなく男の咆哮だ。

 

 その咆哮と共にブチッという鈍い音が暗闇に響き、やがて少女の目の前に、轟音を立てて重量物が飛来した。

 

 びしゃ、と血しぶきの音がする。少女は、自らの頬に冷たい液体がかかるのを知覚した。

 

 ────果たしてそれは、恐ろしきキングリザードの、千切れた足であった。

 

 

 

「ぎゃあああです!?」

「ひぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 

 

 少女2人の悲鳴を聞き、男は少女の安全を確認する。狙って、ちぎった足を少女たちの方へ投げたらしい。

 

 男は、まずは厄介な俊敏性を奪うべく、キングリザードの右の前足をもぎ取った。

 

 これは、正解である。

 

 いかに恐ろしいキングリザードといえど、足が無くては俊敏な動作は難しい。更に、足からの出血により飛沫音が夜の闇に響き、キングリザードの所在はより明確となる。

 

 そして遂に。

 

「尻尾を掴んだぜ?」

 

 打撃では無い。男は始めて、キングリザードの尻尾を掴み、その巨体の自由を完全に掌握した。

 

 そのまま男は叫びをあげ、キングリザードを思い切り振り回し始める。

 

 ────ジャイアントスイング。

 

 自分より遙かに大きな魔物を、ブンブンと力任せに振り回すその様子は、どちらが化物かわからない。

 

 少女からして、混乱するのも無理はない。絶体絶命の窮地と思っていたら、男によるキングリザード蹂躙劇が幕開けたのだ。

 

 呆然と。為す術も無く振り回されているキングリザードを、見えにくい夜闇の中で眺め続ける。

 

 勝ってしまうのか。あの恐ろしいキングリザードが、あんな変態染みたオッサンに討伐されてしまうのか。

 

 ────だが。流石にリザードの上位種族、キングリザード。そう簡単にやられはしなかった。

 

 

「って、尻尾が切れたぁ!!」

 

 

 ジャイアントスイングされながら、キングリザードは本能的に自らの尻尾を自ら叩き切った。そのままキングリザードは遠くへ投げ飛ばされ、そして。

 

 

「────み、見失った」

 

 

 見事。キングリザードは、この化け物から無事逃げおおせたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……つ」

「悪いな嬢ちゃん、逃がしちまった」

 

 冷静にやれば勝てたな、今の勝負。敵がトカゲ型だって言うのに、尻尾が切れる可能性を見落とすなんて。

 

 ああ、間抜けだとしか言いようが無い。もっとも、頭の出来が良ければもうちょいとマシな人生を送れてたんだけどな。

 

「つ、強いじゃないですかーっ!!」

「うおっ!?」

「何が“戦闘職じゃない”、ですか! バリバリの近接戦闘職ではないですか! なんで素手でキングリザードを圧倒してるんですか!」

「いや、その」

 

 目をつり上げて、文句をまくし立てる妹ちゃん。

 

 すまん。正直、自分の強さを把握できてないんだ。

 

 やっぱり俺、強いんだろうか。これが勇者パワーと言う奴かな。

 

「……そんなに、私を連れて行くのが嫌だったんですか?」

「ん? 何の話だ?」

「隣町まで送って、後はポイするつもりだったのでしょう? 私に強さがバレて、つきまとわれるのが嫌だったのでしょう?」

 

 じぃ、と何かを言いたそうに(エマ)ちゃんは俺を睨む。

 

「嫌だというなら、私は無理につきまとったりしませんよ。料理スキルがご入り用であれば、お役に立とうと思っただけです」

「……はぁ」

「貴方には、隣町まで送って貰うだけでとても助かります。私は、貴方にそれ以上の要求を重ねるような恥知らずではありません」

 

 いかん、なんか変に誤解されている。

 

 別に俺は、強さを隠していた訳では無い。と言うかむしろ、

 

「その、エマちゃん」

「はい」

「……俺についてきたいなら、止めないぞ?」

 

 少女姉妹(ロリたち)と旅が出来るなら、いくらでもお金を出すのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうですか? 調味料もないので、簡単な料理しか出来ませんけど」

「旨ぇ、この肉旨ぇ。エマちゃんは料理上手だなぁ」

 

 

 俺が食べているのは、先程切り落としたトカゲの尻尾と前足だ。

 

 食料の危機に瀕していた俺は、トカゲ肉と言うゲテモノ料理でも贅沢は言えなかった。

 

 料理スキルを持っていると豪語するエマちゃんは、てきぱきと血抜き、臓抜きを行う。

 

 俺が木の枝を擦って火をおこせた後、8割ほどを干し肉に、残りは焼き肉にしてその日の内に食べた。

 

 塩っ気が無いのが残念だが、ピリリとした味のする草をエマちゃんが取ってきて香辛料代わりに使ってくれたので、味は結構美味しかった。料理スキルは伊達では無いらしい。

 

 

「……どうです? 私は役に立つでしょう?」

「間違いない」

「では、改めて自己紹介を。私はエマと申します。マクロ教徒の家に生まれましたが、今は無宗教の身。詐欺に騙され一家は離散し、奴隷に身をやつし天涯孤独」

「……その年で凄く壮絶な人生送ってるね」

「貴方が宜しいのでしたら、旅のパーティに加えてください。戦闘行為は出来ませんが、その他の調理や雑事はお任せを」

 

 ふんす、と言う鼻息が聞こえる。

 

 (エマ)ちゃんは、俺をまっすぐ見つめて、そして頭を下げた。

 

 姉ちゃんは、俺が降ろした付近でしゃがみこんだまま動かず、葛藤の籠った目で俺を見ている。

 

 暗闇のせいで表情を正確に読み取るのは困難だが、何かを言いたそうにしているのは見てとれる。変態を取るか、身の安全を取るか、その二択に悩んでいるのかもしれない。

 

 

「オッケー。そんなに畏まらなくても、ついてきたいならついてくれば良いさ。俺って料理とか出来ないし、凄く助かるよ」

「ありがとうございます、オジサン。……あ、オジサンってお名前は何というのです?」

「オジサン……、いやまぁいいや。俺の名前は────」

 

 素直に名乗ろうとして、俺は少し考え込んだ。俺の名前は純日本人であり、この世界だとかなり浮きそうだ。

 

 変な名前を名乗って、勇者だと当たりをつける奴も居るかもしれない。あわよくば魔王討伐なんかに関わらず、幼女にモテるだけの旅を目論む俺にとって、本名を名乗るメリットは少ないのではないだろうか。

 

 ……待てよ。そうだ、良いことを思い付いたぞ。

 

「俺の名前は、あー、ペニッシーっていう」

「……変わった名前ですね」

「微妙に長い名前だしな。なぁ、エマちゃん……」

 

 エマちゃんは、見た感じ性の知識は無さそうだ。つまり、遠回しにセクハラをしても、バレない可能性が高い。

 

「俺に、渾名を付けてくれないか? エマちゃんの呼びやすい渾名をさ……」

「渾名ですか? 分かりました」

 

 ペニッシー。少し縮めれば、男の象徴(ペニ○)となる素晴らしい名前だろう。即座に偽名だと分からない程度には、自然な名前でもある。

 

  数年後ちょっとしたきっかけで淫語であると気づき、顔を赤らめさせるその日まで、エマちゃんはおれを男性器(ぺ○ス)呼ばわりを続けて貰う────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ペニーさん、何故がっかりされているのですか?」

「気にしなくて良いよー、俺が汚れきっていただけだよー、可愛いエマちゃん」

 

 

 世の中、思い通りに事は進まない。よく考えれば、よしんばうまくいったとしても姉に注意されて終わりだろう。

 

 いや、それ以前に。もし町中で、俺が幼女に生殖器(ペ〇ス)呼ばわりされてたら、いろんな意味で致命的だった。ロリコン警察的な何かに拘束されて、即座に縛り首もあり得たかもしれない。

 

 俺は何を考えていたんだろうか。ああ、何も考えてなかったな。

 

 

 

「じゃ、隣町とやらまで行くか。エマちゃん、案内をお願い出来るかな?」

「いいえ、干し肉が出来るまで少し待ちましょう。せめて火で水気を飛ばしてから、出発したいです」

「あ、そっか」

 

 ……この娘は、本当にしっかりしてるなぁ。

 

 一方、先程から姉の方が何も喋らなくなった。ぺたりと闇夜の草原に座り込み、無言で俺とエマちゃんを見つめている。

 

 その表情は読めない。 

 

 

 

 

「エマちゃんのお姉さんは、どうする気だい?」

「……っ!」

 

 

 

 まさか、彼女は俺についてこないのだろうか。だとしても、妹を引き留めるくらいはしてもいいだろう。まだ、警戒されているのだろうか────

 

 

 

 

 

「……そうですね。姉様も、ちゃんと供養してあげないといけませんね」

 

 

 

 

 エマちゃんは、俺の言葉を聞くと。酷く哀しげに、誰も居ない方向を向いて。

 

 静かに、何かに祈りを捧げ始めた。

 

 

「……」

 

 

 すぅ、と。

 

 音もなくエマちゃんの姉の姿が薄く光り、そして透明になっていく。

 

 

「旅人さん。かなり迷ったけど、殺さないでおいてあげる。エマを、任せるよ────」

 

 

 姉のその言葉に、エマちゃんは反応しない。ただ無心に、「姉様、見守っていてください」と夜闇に祈りを捧げていた。

 

 

 消えゆく姉が妖しく輝き始めたことで、ようやく彼女の表情が伺える。

 

 それは、笑顔だった。何かを諦めて、何かを愛おしむ、触れれば溶けゆきそうな儚げな笑顔だった。

 

 

「エマ。負けずに、強く生きてね────」

 

 

 直後、平原に紅い光が満ちる。長き夜を切り裂くように、上ってきた朝日が大地に照りつける。

 

 最後に俺が見たものは。目を丸くしたエマの姉が、苦笑しながらジュッと音を立てて、やがて消え去ってしまう姿だった。

 

 

 

 

「姉様は、私を庇ってリザードに食べられてしまったのです」

 

 

 

 エマは、朝日が昇る空に祈りを捧げながら、ポツリと呟いた。

 

「生きたまま丸呑みにされた姉様は、私が食べられている間に逃げて、私の分まで生きてと私に叫びました」

 

「誇りの姉です。私がその言葉を聞き、食べられる姉に、捕食するリザードに恐怖して、逃げ出しました」

 

「そしたら、笑ったんです」

 

「姉様を見捨てて逃げた私を、姉様は安心した表情(かお)で、笑って見送ったんです!」

 

 ぽた、ぽた、と。大地に涙が零れる。

 

 (エマ)は、声を震わせながら、祈りを捧げ続けた。

 

 

「姉様のためにも、私は死ねません。私は、姉様の魂を背負って生きているのです。あの気高い姉様が馬鹿にならぬ為にも、私は全力で幸せになります」

 

 

 

 

 ふと、先程まで姉が立っていた場所を見る。

 

 もはやそこに、何かが居た気配は無い。小さな白い花が、揺らいでいるだけだった。

 

 

「ごめんなさい、つい語ってしまいました。さて、お日様が照っている間はリザードも巣の中に隠れています。今のうちに休んでおきましょう」

「────ああ、そうだな」

「夜は危険が一杯です。干し肉が出来たら起こしますので寝ていて貰って良いですよ」

「……そいつは、助かる」

 

 

 俺は、エマの勧めに従って、たき火の横でごろりと寝転ぶ。

 

 

「夜はリザード以外にも、危険なモンスターがたくさんです。昼の間に休むのが吉です」

「因みに、リザード以外だとどんな奴が危険なんだ?」

「そうですね、この辺だと……」

 

 エマは、少し考え込む素振りを見せて。

 

「夜にしか出没しませんけれど、呪霊(ゴースト)等は誰にも探知できぬままに人を呪い殺すと聞きます。この辺は、よく呪霊(ゴースト)が出てくるそうですよ?」

 




次ちょっと遅れるかも……
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