ロリてんっ! ~ロリコン勇者が転移して、幼女ハーレム作ります~   作:ナマクラ(本物)

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第八話「魂の救済を」

 子供の体温は、成人に比べて高い。

 

 成人では37度を超えれば発熱として扱うが、子供においては37.5度までは平熱と定義されている。これは、子供は基礎代謝が高く、熱を産生しやすい生き物だからだ。特に、子供は寝ている時に体を冷やさないようにポカポカと熱を高く保つ。

 

 つまり、何が言いたいかというと。

 

 

「……すぅ、すぅ」

 

 

 平原のど真ん中、二人で一枚の毛布にくるまって俺に抱き着き眠るエマちゃんは、すごく暖かくてプニプニして良い匂いのする生き物だということだ。

 

 

 

 

 

 

 

 一昨日のことだったか。首都ぺディアへの旅の下準備を進めていた俺達は、中年の商人にエマが逃亡奴隷であることを告げ口をされ絶体絶命の窮地に陥った。

 

 辺りの野次馬どもは好き勝手に自分の正義を並べエマを言葉の暴力で殴り続けた。今思い起こしても腹が立つ。

 

 そこで俺は罵倒され蔑まれながらも、目に涙を浮かべ真実を訴えるエマの話を聞いた。だがその話を信じるものはおらず、一方的な正義を振りかざした商人にエマが傷つけられそうになり、とうとう俺は堪忍袋の緒を切り捨てる。

 

 俺は衝動的に勇者の力を使ってひと暴れし、そのままエマを抱いて逃げ出した。そして俺達は再び、危険なリザードの住む危険な平原へと舞い戻る。

 

 のうのうと生きているエ・コリ司祭という巨悪をぶっ殺すべく、山の麓の村へと向かう事にしたのだ。

 

 エ・コリの教会には被害者の遺産や無実の女児が監禁されており、奴の悪事を明るみにするのには苦労しなかった。そして俺達はエマの両親の被った汚辱を雪ぎつつ、見事ヤツを血祭りにあげるのに成功したのであった。

 

 更に司祭の悪事の証拠を整理していたエマは、自身の家族の所有していた旅用具や衣類を倉庫の中から見つけ出す。

 

 それらを回収し、ついでに司祭があくどく溜め込んでいた資金の一部をちょろまかし、その窃盗行為がバレる前に俺達は手早く村を脱出した。

 

「……だいぶ減ってしまいましたが、ヤツの財産はもともとは父様母様の蓄えたお金です。あの村の強突張りどもに分配を任せるときっと横領されてしまいますし、受け取れるまでに時間もかかるでしょう。旅を急ぐのでしたら、黙って失敬するのが妥当かと」

 

 とは、エマの弁。

 

 詐欺で奪われてしまったエマの両親の財産を回収しただけとはいえ、村民にバレてしまえば角が立つ。そう判断した俺達は、風のように逃げ出したのである。

 

 そして、夜。

 

 疲れてしまったのか、エマはウトウトと目を瞬かせ始めたため、俺は平原のど真ん中で小さく火を焚いてそこでエマと毛布にくるまり就寝した。こうして、なんとも長い一日は終わりを告げた。

 

 ……まぁ、リザードが危険だから俺は夜明けまで起きるつもりだが。1日徹夜するくらい、どうってことはない。

 

 さぁ来るなら来いキングリザード、次こそぶっ殺してエマちゃんのお洋服代にしてやる。

 

「……いや、別に寝ずの番とかしなくてもリザード達は近寄ってこないと思うよ?」

「え、そうなの?」

「うん。キングリザードが逃げ出した後、仲間にあなたの情報を共有したみたい。さっきから、リザードが焚き火に釣られてこっちを見ては、あなたを見つけて一目散に逃げ出してるわ」

「……焚き火って、魔物よけになるかと思ったけど。ひょっとして逆効果なのか?」

「あら、てっきりリザード狩り目的で焚いてるのかと思ってた。火なんか焚いたら、そこに人間がいますよって宣言しているようなものじゃない」

 

 そうだったのか、知らなかった。そうだよな、火くらいで魔物よけになるなら逃げ出したエマちゃん姉妹もやってる筈だ。

 

 これは良いことを聞いた、次からは気を付けよう。

 

 ……ところで、俺ってば誰と話してるんだ?

 

 毛布にくるまったエマを抱きしめながら、俺はゆっくりと声のする方に振り向いて。

 

「こんばんは、変態さん」

 

 ニパっと笑顔を向けるエマの姉(お化け)と目があった。

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、あんた。エマに声掛けてやらないのか?」

「私がいると知ったら、エマはきっとここから離れようとしないわ。それに私はモンスターだから、いずれ退治されるもの。辛い思いをさせるだけよ」

「そっか。いいお姉さんだったんだな」

 

 俺の言葉を聞いて、にこりと嬉しそうに微笑むエマの姉。そういや、初めてエマと出会ったのもこの近辺だったっけか。彼女が化けて出てくるのも、当然の帰結かも知れない。

 

「……成る程、なんで戻ってきたのか疑問だったけど、あの教会から私達の遺産を取り返してくれたんだね。うん、迷いに迷ったけどアナタにエマを任せて正解だったみたい。早くもエマに懐かれてるみたいだし」

「寂しいだけだよ、エマちゃんは。家族を一度に失っちゃったんだ、俺みたいなしがない中年のオッサンであろうと、人の温もりってやつが欲しくて仕方ないだけだろうさ」

「何言ってんの、ウチの妹は人見知り激しくて全然懐かない猫みたいな娘なのよ? 同世代のお友達になってくれそうな子にまで、ずっと他人行儀に敬語使って距離を置いたりしてたわ。見知らぬ他人と同じ毛布にくるまって眠るなんて、考えられないんだけど」

 

 そう言うと、エマの姉は眠っているエマの額を指でなぞり、すぅと光を放ち始める。

 

「ねぇ、変態さん。呪霊ってね、死んだ人の人格が残ってるのって数週間だけなんだよ。私はエ・コリへの恨みで呪霊になっちゃったけど、やがて記憶は薄れて『司祭』だとか『宗教者』とか、果ては『人間』を無差別に呪い殺す存在になっちゃうんだ」

「……」

「呪霊を退治する方法はただ一つ、呪霊を大人しくさせた後に女神へ祈りを捧げて、その女神の下へと魂を送るの。……今のうちに、私が私でいるウチに、私を退治してほしいな。前は迷ってる間に夜明けがきちゃって出来なかったんだけど」

 

 微かな光を放って、夜闇で笑う茶髪の少女。

 

「本当にいいのか?」

「良いも何も、私はもう死んじゃってるんだよ。あなたが今からやるのは、ただのモンスター退治。罪悪感とかそんなのは要らないから」

「そうじゃない。……エマには、本当に一言もなしに逝っていいのか?」

「もう死ぬ間際に、全部伝えたもの。一番大事なことを、私はエマを愛していたよって、ちゃんと伝えられたから」

 

 ボロボロの奴隷服を着た幼きエマの姉は、そこまで言うと静かに俺の前に佇んだ。よく見ると腕は血がにじんでいるし、足は血腫が幾つもできている。

 

 死んだ直前の姿なのだろうか。

 

「そりゃ、アンタの都合だよ」

 

 そんな、健気なエマの姉の姿に堪えきれず、俺は小さく溜息をついた。

 

「……変態さん?」

「なぁ、そうだろ? 俺は、ちょっと身勝手が過ぎると思うぜソレ。可愛い妹なら、死ぬ間際に声くらいかけて逝ってやれよ。なぁ、エマちゃん?」

 

 

 

 

 俺は気づいていた。エマの姉が現れて会話をし始めてから間もなく、エマちゃんの寝息がなくなっていたことに。

 

 毛布にくるまって俺に抱きついていた少女が、息を押し殺してかすかに震えていたことに。

 

「……そこに、居るのですか姉様」

「げ。何で、私の声は聞こえないはずなのに!?」

「俺の声は聞こえるんだろ。会話内容から、今の状況は大体察したんじゃないか? さてどうする、こんな状況でもアンタはエマに黙っていくのかい?」

 

 別に俺は、エマを起こすつもりはなかった。エマの姉の意を汲んで、静かに会話をしていたつもりだ。

 

 エマは眠っていながらも、かすかな姉の気配を感じ取り、目を覚ましてしまったのだ。

 

「……姉様」

「たははー、バレちゃったかぁ。死に際に散々格好つけたくせに、怨念で魔物になりましただなんて恥ずかしくてねぇ」

 

 幼き家族を失った少女は、その姉の言葉に目を見開いて。茶髪を揺らして振り向き、姉の呪霊へと向き合った。

 

「本当に、居る……」

 

 エマの姉は、姿を妹に認識できるようにしたのだろう。家族を失った妹は、二度と会えぬはずの肉親に奇跡の再会を果たしたのだった。

 

「ごめんね、エマ。私はその、もう魔物だからさ。今日ここで祓ってもらうつもりだし、会っても辛い思いさせるだけかなって」

「あ、ああ。姉様、ああ」

「それに、厳密には私は私じゃない。私の魂を糧に生きる呪霊って魔物が、私の姿かたちを借りて顕現しているだけ。だから、ここにいるのはただの魔物なの」

 

 姉は苦笑しながら頬を掻き、はらはらと涙を垂らす妹へ笑いかけていた。

 

「いざ再会してみても、話すこともあんまり無いでしょ。ごめんね、二回も辛い思いさせちゃって。うん、でも折角だからエマも一緒に祈ってくれるかな? 私の魂を送る祈りにさ」

「ちが、私、待って」

「待たないよ。私はもう、死んだ存在なの。エマの傍にはもう居てあげられな────」

「違うだろ、エマの姉ちゃん」

 

 彼女は彼女なりに、妹へ気を使ったのだろう。その結果、妹に存在を隠し、一人で逝こうとした。

 

 でもそれは、結果としてエマを傷つけ続けるだけの結果になる。姉はどうやら、それに気が付いていない。エマの目は赤く腫れながらも、くしゃくしゃに顔を歪ませながらも、確実に強い意志を持った顔をしているというのに。

 

「違うって、何よ」

「せっかくの姉妹の時間に、口をはさんで申し訳ないがな。姉はそこで喋らず、ちょっと待機しててくれ。エマちゃん、ゆっくりでいいから言葉を出すんだ」

「……はい、わ、私は」

 

 先ほど姉は、こういった。『自分の伝えたいことはもう、エマにすべて伝えている』と。それはつまり、裏を返せば。

 

「……エマ?」

「私はまだ!! 姉様に何も伝えられていません!!」

 

 エマちゃんが伝えたかったことを、彼女はまだ聞いていないのだ。彼女は一方通行に、自分の遺言を彼女に聞かせただけなのだ。

 

「私は姉様が大好きでした! 一緒につまみ食いしたのに、姉様一人が罪を被ってくれたり! 手伝いの合間に読み書きを教えてくれたり、私が高熱出した時にはつきっきりで看病してくれたり、私が寂しくなったときは夜に一緒に寝てくれたり!」

 

 エマの、告白。

 

 それは、姉への好意だった。姉が妹へ伝えただけで満足してしまい、妹から姉へは伝えられなかった、大事な掛け替えのない想いだ。

 

「姉様の意地っ張りなところは嫌いでした! でも、喧嘩してもいつも謝りに来てくれたのは姉様でした! 私はいつも姉様に甘えて、許してもらって、また遊んでもらって。服は姉様のおさがりばかりでしたけど、姉様は私のために服の寸法を夜鍋して合わせてくれたり、自分の小遣いで私の小物を買ってくれたり」

 

 姉は、目を見開いている。

 

 彼女は、大粒の涙を浮かべ頬を濡らす妹の独白に、ただただ唖然と聞き惚れていた。

 

「私は、姉様が大好きでした。なのに、あの日、私は逃げたんです。姉様が食べられている最中、一人逃げ出して今ものうのうと生きているのです」

「エマ、それは」

「ごめんなさい! 姉様、ごめんなさい。私は、私は悪い妹です。ごめんなさい、ごめんなさぃぃ!!」

 

 ────エマは、ずっと気に病んでいた。

 

 姉を見捨てて逃げた自分を、ずっと責め続けていた。姉に自分の気持ちを伝えられないことを、伝える機会を永遠に失ったことを、心の底から悔いていた。

 

 それは。こんな奇跡でも起きない限り、取り返しがつくものではない。

 

「聞かせてやれ、姉ちゃん。今こそ、アンタの言葉を」

「……うん」

 

 エマの姉は頷いた。

 

 エマの慟哭を、罪悪感を、自責の念を。救えるとしたらこの世にただ一人、彼女だけなのだ。

 

「許すわ、エマ」

 

 彼女は慚愧して頭を下げるエマの前に立ち、そう微笑んだ。

 

「馬鹿ね、エマ。そんなこと言われるまでもなく知ってたわよ。貴女が私を大好きだったことくらい」

「姉様」

「────謝るのは私よ。ごめんね、私一人先に逝っちゃって。もう、エマが寂しい時に添い寝はしてあげられないけれど」

 

 エマの姉は、言葉を紡ぐ。その声は、かすかに震え始めていた。

 

「私はずっとエマと一緒よ。貴女が死ぬまでずっと、私が教えたことはエマの中で生きているはず」

「……はい」

「月並みな言葉でごめんなさい。エマ、強く生きなさい。そして幸せになりなさい」

 

 そこで言葉を切り、場に静寂が訪れる。

 

「あは、は」

 

 

 ────そして空虚な笑い声が、夜闇に響いた。

 

 

「知ってたわよ。エマ、貴女が私を好きなことくらい。聞かせないでよ、そんなこと」

 

 呪霊である彼女の涙は、光の粒子となって蒸発する。しかし確かに、エマの姉は頬を赤く染め上げて、大泣きしているエマと同じ表情にっている。

 

 姉妹の泣き顔は、非常によく似通っていた。

 

「必死で目を背けてたのに。もう私は助からないんだって、生きる事は出来ないんだって、納得してたのに」

「……姉……様」

「聞かせないでよ、最期の最期にそんな言葉。私が生きてる時には、一回も言ってくれなかったくせに。嫌だ、消えたくないよ! 死にたくないよ! 一人になりたくない、エマと一緒に生きていたい。悔しい、悔しいよぉ」

 

 少女たちの慟哭が、月夜に響き渡る。彼女達は十数分、無言のままに二人向き合って泣き続けた。

 

 本当にこれでよかったのだろうか。僅かな焦燥が頭をよぎる。俺はひょっとして、また間違えたのではないだろうか。

 

 エマの心の傷を救うには、本物の姉と話をさせる他になかった。だが結果的に、覚悟を決めたはずのエマの姉の魂を苦しめただけじゃないか?

 

 何が正解だったのだろう。何をすべきだったのだろう。

 

 この場でただ一人の大人である俺は、お互いに向き合っておいおいと泣く二人の少女を前に、立ち尽くすことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やがて落ち着いて頃合いを見計らい、俺は彼女に声をかける。

 

「敵は討った。あの司祭はもう地獄に落ちてるよ。すまん、俺にはそれしかアンタに言えることはない」

「……エ・コリの事? そっか、あの外道は死んだのか、少しだけ胸がすぅとした」

 

 エマの姉は目を赤く泣き腫らしたまま、蒸発する光の涙をぬぐい去った。

 

「あーあ。あー……結局こうなるのよね。カッコよく死んだはずなのに。妹を庇って、クールにエマと死に別れたはずなのに。結局私は情けなく泣き叫んで、恥ずかしいところを妹に見られて」

「馬鹿言え。姉ちゃんほどカッコいい奴、俺は今までの長い人生で一人も見た事ねぇよ」

「そっか、ありがと」

 

 そう言うとエマの姉はゆっくりと立ち上がり、俺たちに背を向けた。光を纏った茶色のミドルヘアが、夜の風に靡いている。

 

「私、そろそろ行かなきゃ」

「姉様」

「夜明けも近い。明日の私は、まだ自我を保てているかも分からない。私が私である間に逝きたいのは、本心なの」

「……そうかい」

「エマ、変態さん。私をここで祓ってほしい。本音を言うと未練とか色々あるけれど、きっとそれが一番幸せな選択肢だと思う。大好きな妹に看取られて、女神さまの下へ送ってもらえるんだから」

 

 彼女は結局、自分だけで自らの未練を律した。

 

 俺が余計なことを言って苦しめてしまったけれど、彼女は泣き叫びながらも自分の力で打ち勝った。

 

「贅沢を言うと、女神マクロへ祈るのだけは止めてほしいかな。出会っちゃったら、ちょっと平静を保てる自信ない」

「無論です姉様。私はもう、マクロ教徒じゃないですし」

「あー、なら良かった。そんじゃ頼むね。……さよならエマ」

 

 やがて覚悟を決めた彼女は、静かに俺たちの前で目を閉じる。

 

 強い女性だ。小柄なその体躯に宿る、強靭で誇り高いその魂に敬意を表しながら。俺とエマは、静かに祈りを捧げ始めた。

 

「「天におわします我らが女神よ。この誇り高き迷える魂をお導きください」」

 

 祈りの言葉なんて知らない俺は、ただエマの祝詞を復唱するだけだが。心だけは十分に込め、彼女の死後の冥福を祈りながら、無心に祈り続けた。

 

「……今までありがとう、エマ」

「「女神の広き厚き慈悲の心をもって、我らが家族たる魂をお導きください」」

「そして、あとは任せたよ変態さん。いや、ペニーさん────」

 

 

 

 

「「偉大なる幼女神ロリータ様のお導きと共に……」」

「────ん!?」

 

 

 

 その祈りの言葉を唱え終わると。

 

 エマの姉の身体は静かに、涙と同様に光の粒子となって溶け行き始めた。

 

「ちょ、ちょっとタンマそんな女神聞いたことない! え、嘘、私送られてる!? その変な名前の女神、マジで居るの!?」

「最近生まれたばかりの女神様だそうです。そして、今の私の信仰する女神様です、姉様」

「にしてもその名前おかしくない!? 幼女神って何!? なんの神様なの!?」

「幼女の神様だと思う、エマの姉よ」

「どんな神様だぁぁ!! うわ、消える、私消えちゃう!! 怖っ!! その神様のもとに送られるの怖っ!!」

 

 しまったな。そういえば俺が適当に作り上げた女神をエマちゃんは信仰してるんだった。

 

 でもなんかうまくいったみたいだし結果オーライかな? それともまさか本当に、幼女神ロリータは存在するのかもしれん。

 

「ではさようなら姉様」

「本当にその女神、大丈夫なんだよね!?」

「大丈夫だと思う、うん。なんかスマン」

「目を合わせろやこの変態! 覚えてろぉぉぉ────」

 

 最後の最後に悲鳴のような断末魔を上げながら。俺達の目の前でエマの姉は無事に成仏?したのだった。

 

「見守っていてください、姉様」

 

 エマが涙声でそう呟いた直後、朝日が赤く大地を照らし始め。涼やかな風が平原を吹きすさび、光の粒子は霧散してしまった。

 

 そしてまた、俺の異世界での新たな一日が始まろうとしていた────

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、天界にて。

 

「はっ! ここは……」

「いらっしゃいませなのですー」

「成る程、出たわね……。アンタが幼女神ロリータッ!!」

「断じて違うのですー」

 

 そんな会話と共に、安らかに輪廻転生の輪に戻った魂が居たとか居ないとか。




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