俺tueeeがしたい?ならば、課金しろ!   作:nyasu

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迎えに行くなら誰か、もちろん余だよっ!姫、パスで

空中庭園バビロン、それはこの世界をどこよりも見渡すことの出来る場所。

それは黄金で荘厳で、現実味のない建造物である。

大小様々な岩石を周囲に侍らせ、その中心に巨大な一枚岩の地面がある。

その上に、どうやって作ったかも分からぬ黄金と宝石で出来た城がある。

成金主義の塊のように見えるその建物に、俺はユグドラシルで作らせた黄金の空飛ぶ船に乗って移動した。

名をヴィマーナというが、やっぱり英雄王と言ったらヴィマーナである。

ヴィマーナが何なのか、それは空飛ぶ黄金の玉座である。

玉座である、大事なことなので二回言った。

 

「フハハハ、我が帰還したぞ!」

 

ヒューと風が吹き荒ぶ。

俺の心にも来るものがあった。

えぇ、なんで誰も迎えに来ないの?

一抹の寂しさを懐きながら俺は歩むことを忘れない。

泣き崩れるとか、そんなの英雄王じゃないから。

俺は泣き崩れても良いんだよ、でも英雄王は泣き崩れない。

英雄王的にはどうかな、これが大事である。

 

そのまま歩みを進めると城の中央には籠のような物がある。

これは入り口、この籠のような物体は俺をバビロンへと連れて行くエレベーターのような物だ。

因みに、中は異空間になっていて巨大な風呂とか私室がある。

 

「風呂あったけぇ~」

 

何故か薔薇だらけの風呂場で、俺は寛いでいた。

二次元が現実になったのに、嫁がバビロンから出てこなくてつらたん。

実はNPCは転移してないのではないだろうか。

悲しい、鬱だ死のう。

 

「ぶくぶくぶく~」

「ハッハー!アレは誰だ、美女だ!いや、ローマだ、もちろん」

「そ、その声は!」

「余だよ!」

「FOOOOOOOO!」

 

英雄王ムーブでいるから素は出さないと言ったな、嘘だよ!

そんなん我慢できるわけ無いだろ!

外国人四コマのように立ち上がり、雄叫びを上げる俺。

その目の前には、ガイナ立ちつまりは仁王立ちのようなポーズで登場した水着のネロである。

水着である、しゅごい。

 

「長く苦しい戦いであった。しかし、余は勝った!そして来た、ならば後は迎えるのみ!よく来たな奏者よ」

「我が生涯に一片の悔い無し」

「うむ!余に会えたことで昇天しそうになるとは、だが死ぬな奏者よ!余達の冒険はこれからだ」

「了解」

 

何十時間も費やし、細部まで作り込んだ女体がそこにあった。

もう欲情とか通り越してより精巧に美しさだけを追求したそれが動いていた。

そのせいで、俺は動けないでいた。

下半身がお湯に隠れていてよかったぜ。

 

「むっ……」

「どうした、セイバー」

「いや、真顔で……流石の余も言葉にすることも憚れるのだが……」

「どうした、セイバー」

 

俺は一歩踏み出した。

それも腰に手をやって、ドヤ顔である。

我が英雄王の肉体に恥じるような部分はない、デザイン監修の俺の言である。

俺が一歩進むと、ネロが顔を伏せる。

いつもの自信満々なネロが耳まで真っ赤にしてクソ可愛い。

やっぱり、俺の嫁は最高だぜ!

 

「取り敢えず、服を着るのだ」

「えっ?」

「皇帝特権である、服を着ろ!」

「あ、ハイ」

 

この後、急いで着替えた。

 

 

 

常に音程の外れる鼻歌を響かせながら、目の前でネロが道案内する。

赤い絨毯の敷かれた廊下、白亜の壁と黄金の柱、時折配置されている調度品は下品でないそれなりの物だ。

 

「結局決着は着かなかった。しかし、政争において余に勝てるものもなし!余の素晴らしい作戦が実を結び一番手と相成ったのだ、どうだすごかろう!褒めよ、奏者よ」

「流石、でどうやったの」

「企業秘密である。しかし、一部公開するのであればマシュを使ったのだ。あやつに強く出れるものはいないからな、ハーハッハッハ!」

 

大股で、後ろに手をやりながら歩くネロが、語りながら後ろを振り向いたりする。

ちゃんと着いてきてるか確認しながら、後ろ歩きで常に此方を見ながら、先導するのだ。

何が楽しいのか常に笑顔、そして全身から溢れる喜びの態度、子供っぽかった。

だが、それこそが俺の作った天真爛漫設定、流石俺である。

 

「しかし、第一特異点より先には余はいけぬ。それが約定であるとは言え、余は寂しい。早く会いに来るのだぞ」

「ぐはっ、こ、殺しに来てやがる!」

 

イチャコラしたかったが、それは俺に効く。

物言わぬ置物だった存在が、理想的な生きた存在になるだけで、夢が広がりんぐ。

ありがとう幼女、お前のことを信仰する準備が俺には出来ている。

 

 

「次は、余の階層、第一特異点、黄金帝国ローマを案内してやる故、楽しみにしておるのだ奏者よ!」

「あぁ、ありがとうセイバー」

 

最後に抱きつくネロ、むぎゅーって効果音が聞こえてきそうだった。

もう死んでもいいや。

そのまま名残惜しいが、俺は新たなラダーに乗って移動する。

次は風呂には入らなかった。

 

 

 

俺の作ったバビロンは、七つの階層と一つの玉座で構成されている。

それぞれ守護者のような存在がおり、フロア一つが彼女達の部屋である。

異空間となっており、金に物を言わせてキャラの趣味に合わせた世界を構築している。

防衛面もばっちしで、中にはいったら攻略は中々に難しいだろう。

だからといって、とっくり堪能する前に外から攻撃して爆破しようとしないで欲しい、ナザリックの奴らは俺が解説するとすぐに爆破しようとしてくる、ぐう畜である。

 

「ここが第二特異点、絶対封鎖都市ニホン」

『いらっしゃ~い、出口は向こうで~す』

「刑部姫か、どこから声が出てるんだ?」

 

ラダーを出て最初に聞こえたのは、横断歩道の人を急かす音だった。

規則的に聞こえる音、点滅する横断歩道。

周囲にはガラスとコンクリで出来たビル群があり、行き交う人々は様々な人種に様々な年代であった。

ネロの場所が王宮であったならば、ここは町中だ。

一応賑やかしとして、ネロの所も人がいるのだが俺はちゃんと王宮に移動していた。

つまり、町中に移動するのは設定を間違えたみたいだ。

 

『あっ、ラダーの位置間違えた臭い』

「えぇ……」

『しょうがないなぁ、本当は出たくないんけどマーちゃん迷子になっちゃうからね。迎えに行ってあげる系女子って奴ですよ』

 

ほらやっぱりと思った。

あれ、でもデフォルトでちゃんと自分の住処になってるはずだ。

だって、移動が面倒だし……あれ?

 

「あー!マーちゃんだ!久しぶりっ、もう姫寂しかったぁ~」

「チェンジで」

「なんでぇぇぇぇ!せっかく姫が迎えに来たのになんでぇぇぇ!」

「いや、なんか絶対コイツ狙ってるだろ感が……」

 

間違えて急遽迎えに来た癖に、バリバリメイクして気合入った服装で姫ムーブ。

ダウト、コイツァ嘘の匂いがプンプンするぜぇ!

 

「ぐ、ぐぬぬ、バレてる……」

「で、どうしてこんなことを」

「そ、それは……姫のキャラ設定とか知ってるくせに言わせるとか、いや乙女ってしまったと言えばいいか、なにこれ公開処刑!?姫、現在進行系で黒歴史作ってる感じ」

「キャラ設定とかメタい、いや事実だけどさ」

 

どこでそれをとか思ったけど、コイツ自力で自分がゲームのキャラだったと辿り着いたのか。

流石、姫!頭が良いけどポンコツって設定が活かされてやがる。

因みに、姫の設定の中にはサーヴァントとして全盛期の状態なので、乙女脳なのも全盛期という記述がある。

 

「で、デートしたかった……あーあー今のなし!無しで」

「えっ、俺ってば攻略されてる感じですか?まぁいいけど」

「えっ、いいの!やったー、姫さん大勝利ィー!ねぇねぇ、姫買いたいものがあるんだぁ〜買い物しよう、買い物ぉ~」

 

俺の腕に抱きつく刑部姫、可愛い。

流石姫モード、可愛い。

大事なことなので二回言った可愛い。

 

「えへへ、マーちゃん。もう寂しかったなぁ、姫も寂しかったなぁ」

「ごめん」

「どうして外に行っちゃうかな、まったくもう!まったくもうだよ、まったくもう!」

「たまには外に出ようよ、俺も引きこもるの好きだけどさ」

 

わざとらしいくらいスリスリしてくる刑部姫と東京のような町並みを歩く。

リアルは汚染されて煙が充満し、ガスマスク着用でメカメカしい店しか無かったがここは違う。

俺の前世の記憶を元にNPC達が一つの世界を構築し、一つの生活を構成し、一つの人生を送っている。

 

「いらっしゃいませ」

「予約してた刑部ですけどぉ~」

「刑部様ですね、お待ちしておりました。此方になります」

 

つまり、NPCが店を経営してたりもするのだ。

俺は刑部姫が予約したおしゃれなカフェに来ていた。

ふぇぇぇ、俺にはレベルが高すぎるよぉ。

 

「ここはチーズがすごいんだよ。チーズフォンデュだよぉ」

「昼間からチーズフォンデュ……」

「嫌なの!?」

「俺はいいけど、カロリー」

「あーあーあー聞きたくなーい!」

 

この後、滅茶苦茶チーズ食べた。

 

ほわんほわんほわんおさかべ~。

 

 

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