小さなアイドルの歌   作:s@tou

10 / 13

って事で、プロデューサー業二日目です。
正直「プロデューサーって何すりゃいいんだ?」って思ってるアイマスPなので、色々おかしいとは思いますが、気にしない方向で。
気分的にはデレマスSSとかニコマス的ノリ。


二日目ってなんか一日目より疲れる

朝、自分たちのアイドルと共に事務所に来た俺は、6人と別れ武内プロデューサーに会いに行った。

場所は346カフェ。

ちなみに、この事務所全体には別で食堂はあるらしいが、アイドルは全く利用しないらしい。だろうな。

 

「昨日、例の書類が役に立ちました。本当にありがとうございます」

 

丸テーブルを挟んだ向こうにいる、めっちゃガタイの良い『いる場所間違えてませんか?』って言いかけた大男。この人が武内プロデューサーらしい。

昨日思い出したが、おばs常務が少し前に愚痴ってきた時によく聞いた名前だ。良く常務と衝突する事があるらしい。まぁ、だからこそ常務に信頼されているようだが。

今回は顔合わせ、んでもって昨日貰った書類の礼を言いに来た。

 

「・・・あの」

 

ただ、武内プロデューサーがさっきから信じられない物を一生懸命信じようとしている様な顔をしている。

 

「小学生、でよろしいのですか?」

 

「まぁ、そうですね。戸籍上、事実的に俺は小学六年生ですね」

 

あ、顔をしかめた。

まぁ、この人凄く真面目だって聞いてたから色々受け止められんのだろうな。

 

「蒼井プロデューサーは、何故プロデューサーを引き受けたのでしょうか?」

 

・・・ふむ。これ、どう答えよう。『建前』の方は事実だけど流石に常務にヘイト行くのは避けたいし、あまり表だって言いたくもない。

まぁ、ちょっと誤解されそうだけど『本音』を言うか。この人には結構助けられそうだし。

 

「面白そうだったから、ですかね」

 

さて、どう反応する・・・?

ってあれ?意外そうな顔されたんだが。

 

「・・・赤城さん達から、あなたの事は良く聞いていました。皆さんは、あなたの事を『自分よりも他人を優先する人』だと聞いていましたので、彼女達の為にかと。少し意外でした」

 

そう捉えられたか。

ってか、まさか既にあいつらが話しているとは・・・。

 

「俺、善人ではないですからね。それに、誰かの為なんて俺に向いてませんし。なにより、俺は自分さえ面白けりゃなんでも良いって思ってる人間ですんで、もしその過程で誰かを助けたとしても俺は知ったこっちゃないですからねぇ」

 

「・・・」

 

あら、唖然としてしまった。

やっちまったか?

 

「最後に一つ。よろしいでしょうか」

 

「はい」

 

「あなたの言う、面白いとはなんなのですか?」

 

「まぁ、そうですね・・・少なくとも、こうして小学生の身でありながら、社会人、しかもアイドルのプロデューサーになってるのは最高に面白いですね」

 

「・・・そうですか」

 

あれ?心なしか笑顔に・・・。何故?

・・・っと、時間がもう結構過ぎてる。

 

「では、今日は挨拶に来ただけですし、このあとあいつらのレッスンを見に行かないといけないので、これで失礼します」

 

「分かりました。私に出来ることがあれば、仰ってください。お力を貸します」

 

俺は、「ありがとうございます」といって、その場を離れた。

 

さて、あいつらのいる場所に向かいますか。

 

 

 

ちょうどレッスンの始まる10分前にレッスン室についた。

 

「おーっす。さっきぶりの6人と初めましての13人」

 

しっかし多いな、このメンバー。

しかも、今回は何故かリトルマーチングバンドガールズに入ってない筈の晴までいる。

なんでも、入れた方がいいのでは?というファンの声が少なからずあり、事務所内でもそういう声が上がっていたから、じゃあって事でお試しで入れる事になった。

 

とりあえず、初めての13人に挨拶しておく。

 

「初めまして、って言っても多分俺の事はもう知ってるんだろうけど改めて。蒼井拓斗、12歳の小学生だ。よろしくな」

 

ちなみに、俺の事は結構どころかかなり知れ渡っているらしい。

なんでも、この事務所のアイドル専用のSNSが存在しているようで、一昨日から話題が上がっていたらしい。

・・・しかも、何故か俺の隠し撮り写真が出回っていたようで。どこのどいつだ、マジで。

 

ともかく、彼女達と無事打ち解けることができた俺は、始まったレッスンを部屋の隅から見ていた。

『マーチングバンド』と、書いてある通り楽器を演奏しながら行進する。

前の時に評判が良かったため、ゴールデンウィークの最終日のライブでもやるようだ。

まぁ、とは言っても全員楽器が違うため合わせる以外は個人レッスンになるようだ。

 

ちなみに、今回初参加の晴はと言うと、カスタネットらしい。

打楽器組の中でうんたんうんたんしてる。可愛い。

 

しかし、マーチングバンドとは言っても楽器はTHE小学生だな。

だからこそ小学生らしくて人気なんだろうけど。あ、一応言っとくけど男性以外にもちゃんと人気はあるからな。

 

「拓斗君、ちょっと良いかな?」

 

と、鍵盤ハーモニカ担当の千枝がこっちに来た。

 

「どうした?」

 

「うん。ちょっと教えて欲しくて」

 

あれ、トレーナーさんは・・・あぁ、別の子を教えてるのか。

 

「りょーかい。じゃあ、とりあえず楽譜見せて」

 

ふむふむ。これは少し指の運び方が難しいかもな・・・。

 

「ちょっと貸して」

 

千枝から鍵盤ハーモニカを受け取る。

ちなみに、千枝は卓奏用のホースを使っている。

 

「これは・・・」

 

と、少しテンポを落として吹く。

 

「こうやってやってみると良い」

 

「おぉー!!拓斗おにーさんはうめーなー!」

 

「うわっ!?って、仁奈?」

 

元気の良い声が耳に痛いくらい入ってきた。

見ると、うさぎの着ぐるみを着た市原仁奈が目をキラキラさせて見ていた。

そういや、この子も鍵盤ハーモニカだっけ。

 

「仁奈は大丈夫か?」

 

「もちろんでごぜーます!」

 

何故か、同じ小学生なのに『おにーさん』呼ばわりされている。

理由を聞いたら、『おにーさんはおにーさんでごぜーます』だ、そうだ。

どういう意味だろうか。

 

「それより、仁奈おにーさんの演奏、もっと聞きてーです!」

 

「あー・・・今?」

 

「今でごぜーます!」

 

ちらっと千枝の方を見る。

『いいよ』と目で言ってくれた。

いいんか?まぁ、いいか。

 

「分かった」

 

楽譜無しだと・・・あれがいいかな?

息をしっかりと吸って、鍵盤を叩く。

 

ちなみにだが、楽器はある程度は弾ける。

元々音楽が好きだってのもあるし、親父が無駄に集めた楽器コレクションを適当に扱っていたからだ。

楽譜のある曲から、耳コピした曲まで、結構色々弾いた。

その中で、今回は最近めっちゃリピートして聞いてた『他愛も無い二人の博物誌』を弾いてみる。

まぁ、多分これ分かる人ここにはいないと思うけど。

この曲、結構跳ねるから、楽しくて仕方ないんだよなぁ。

 

ざっと吹いて3分強。

途中からかなり気持ちよく吹いてしまった。

やはりええ曲やで・・・。

 

「あれ、仁奈?」

 

ふと、仁奈がこっちを向いて固まっているのに気づいた。

 

「どうしたんだ?おーい、になー」

 

「ふぇっ?あっ。す、すげーでごぜーますっ!!」

 

・・・?

 

「あんた、何してんのよ」

 

と、梨沙がジト目でこっちを見ていた。

 

「何って、仁奈になんか吹いてって言われたから。何か悪かったか?」

 

「悪いもなにも、あんたの演奏のせいでみんな手が止まっちゃったじゃないの」

 

そういや、何か視線が痛いなぁとは思ってたけど、そういう事か。

そりゃ悪いことをした。トレーナーさんも、言いたいけど言い出せなかったって感じの顔してるし。

ん?それは下手だったからか?それとも逆?

ともかく、であればさっさと楽器を返す。

 

「すまんなみんな。千枝、これ返す」

 

「うん。ありがと。・・・えへへ」

 

・・・なんでちょっと喜んでんの?この子。

あれ、電話掛かってきた。誰だろ。

 

「じゃ、邪魔しそうだから俺はちょっと外すわ。しばらくしたら戻ってくる。頑張れよ」

 

電話に出ながらレッスン室を出る。

 

 

 

「誰だ」

 

今回はちゃんと発信元を見たが、非通知だった。

 

『にゃはは、初めましてだね蒼井クン。お友達、いや、愛しい彼女達との会話を邪魔しちゃったかにゃ?』

 

声は女性のものだが、かなり飄々としていて掴みどころがない。

そして、微妙にイライラさせる声をしてきやがる。

 

「俺は誰だって言ったんだ」

 

『クールだねぇ、やっぱり。私が誰か知りたいなら、エレベーター前まで来ること』

 

「おいっ!待て!・・・くそっ、切られた」

 

仕方ない。

言われた通りに従ってやるか。

 

 

 

エレベーター前で待つこと数分。

白衣を来た、美人なお姉さんが来た。

 

「お待たせ~、蒼井クン」

 

「・・・あんたは?」

 

見た目的には、多分大学生。美人でミステリアス。

そして明らかに、その女はヤバイ雰囲気を出していた。

 

「にゃはは~、そんな警戒しなくても大丈夫。ちょ~っと、実験を手伝って欲しいだけだから」

 

「実験?」

 

・・・嫌な予感しかしない。

 

「そうだよ~」

 

なんだこいつ、と思っていたら突然雰囲気が変わった。

 

「不思議な不思議な小学生を隅から隅まで知るための実験だよ~」

 

瞬間、悪寒を感じた俺は後ろへ飛び、そのまま方向を変えて走った。

 

「にゃははは~、すっごい早いね。世界レベルだよ、あれ。・・・でも、簡単には逃がさないよ」

 

 

 

ある程度走って、遠くまで来た所で止まる。な、なんだったんだあれ。

こう、マッドサイエンティストというか、狂人というか・・・。

ってあれ?なんか、音が聞こえる。

こう、何かが走ってくる音。

人じゃなくて、こう車輪が地面を滑る音。

後ろから?・・・なんだあれ。

 

「どうやら、驚いてくれているようだなぁ!」

 

真っピンクのセグウェイが目の前で止まった。

乗ってるのは白衣を来た・・・中学生?

 

「私は池袋晶葉。君には興味があってね。大人しくここで捕まってくれないか」

 

「・・・お前もあの女の仲間か」

 

「志希さんか?仲間、というよりは協力をしているだけだ」

 

つまり仲間だな。おk。

では、逃げる選択だ。

セグウェイといえど、そんなに速度は出ないだろ!!

 

「サラダバー!!」

 

「ふむ。では、私も本気を出させてもらおう。さて、どこまで逃げ切れるかな?」

 

突然、後ろからバイクのような凄いエンジン音が少し聞こえたかと思ったら、セグウェイがおかしい速度でこっちに走ってきた。

 

「おいぃっ!?その速度、おかしいだろ!?」

 

「何を言う!君のその異常な足の速さに比べたら現実的だろう!!」

 

「誰が非現実的じゃごらぁっ!?ってかそんなもん、どこで使うんだよ!!そもそも日本はセグウェイ禁止だろ!!」

 

「法律など!変わる!いや!私が変える!」

 

「かっこいいこと言ってるつもりかぁ!?」

 

ダメだ、会話が通じない・・・。こうなったら強攻策だ。

俺は、目の前に見えた十字路を曲がった。

案の定、セグウェイは通り過ぎていってくれた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・。なんなんだよ、本当に」

 

荒く呼吸をしてから、数回深呼吸をして落ち着かせる。

あいつら、探してまた来るかもな。

さっさとこの場を離れよ・・・そういや、ここどこだ?

十字路を曲がったと思ったけど、なんか廊下の雰囲気が違う気が・・・。

 

『ふふふ、蒼井君、君は入ってしまっているのだよ。私達の管轄に。簡単に出れるとは思わないことだ』

 

突然、さっきの晶葉とかいう奴の声が聞こえてきた。天井のスピーカーからか。

管轄?そんな場所あったか?

気になってスマホに入れたアイドルフロアの見取り図を見てみる。

俺、大体は把握してた筈なんだが・・・あ、それらしき場所があった。

アイドルフロアの端っこの一区域全体に『ラボ』って書かれてる。ここか、今いるの。

って事は、多分俺の居場所とか分かってんだろうなぁ。そこら中にある監視カメラで。

ここってアイドル事務所だよな。悪の秘密結社の本拠地とかじゃないよな。

あのババア、良く許したな、これ。

 

はぁ、付き合ってられるか。

そこに出入り口あるんだからさっさと逃げるさ。

 

『おぉっと、そんな簡単に逃げられるとでも思っているのか?』

 

と、晶葉の声と同時に、目の前の出入り口が天井から降りてきた分厚い鉄板で塞がる。

うっそだろ。

 

『にゃはは~、そこで大人しくしててね~。って言っても、今は障壁が下がってるから出れないと思うけどね~』

 

今度は、志希って人の声。あの二人一緒にいるのか。

ってか本当にあのババア許したんか!?やりすぎにも程があるぞおい!?

それとも、知っててOKだしたんか!?

 

「・・・とりあえずは、こんな場所からおさらばするのが先決だ」

 

って事で、早速カバン内の筆箱から、興味本位で買った製図用のシャーペンを取り出して、ダーツの要領で天井にぶら下がっている監視カメラに投擲。

ちなみに、この時点で常務には『事前報告:アイドルフロア、ラボ内の監視カメラが一部壊れます』ってメールしといたから問題ない(謎理論)。

投げたシャーペンを回収したら、その場から次へと投擲。

それを淡々と繰り返す。

 

『ちょ、何をしているんだ!?あぁ、次々監視カメラが壊れていく・・・』

 

『面白い事をするね~。自分の位置を探らせないつもりかな?でも、障壁はどうするのかにゃ~?』

 

まぁ、問題はそこなんだけど、突破するのは面倒だ。

とりあえず、どこかに操作パネルか遠隔操作装置とか、探しに行きますか。

もちろん、その場その場で見えるところ全ての監視カメラを壊しながら。

たまに変なマジックハンドみたいなのが壁から出てくるんだけど。

この魔改造しすぎじゃない?まぁ、ちゃんと一つ一つ丁寧に壊して回ったけど。

 

とかやってる間に、また別の出入り口に着いた。

やっぱり障壁は下がっている。

 

「これ、改めて見ると本格的な障壁だな。ここをシェルターにでもするのか?」

 

周りにはやっぱりなにも無い。

ここに来るまで、色んな部屋を回ったが、そもそも空いてなかったり、空いてても何もなかったりで、結局進展は無し。

しかも、地味にあの二人も動いているらしい。ここまで見つからずに来るのも一苦労だ。

早く、この障壁を上げて逃げないと。

どんな実験をされるか分かったもんじゃない。

 

「待ってて、今開けるね・・・」

 

と、障壁の向こうから女の子の声が聞こえたと思ったら障壁が上がっていった。

 

「こっち・・・」

 

お、女の子が持ち上げてる?これそんなに軽かったのか?

 

「はやく・・・」

 

「あ、あぁ、分かった」

 

なんだろこの子。

金髪のショートなんだろうけど、以上に長い前髪で顔が良く見えないし、服装は多分ワンピース、だと思うけど、風もないのにヒラヒラしてる。

俺よりも身長があんま変わらないって事は、多分小学生か中学生だと思う。

ともかく、ラボフロアから脱出する。

はぁ・・・疲れた。

 

「ありがとう、助かった。俺は蒼井拓斗だ」

 

「知ってる・・・」

 

「あー、まぁ、もうこの事務所のアイドルには名が知れ渡ってるらしいからなぁ・・・」

 

「私、アイドルじゃないよ・・・」

 

「そうなのか?可愛いのに?」

 

「かっ、可愛い・・・?」

 

「あぁ」

 

「あ、ありがと・・・」

 

顔を真っ赤にしてもじもじし始めた。

ほら可愛い。

 

「んじゃ、俺はもう行くわ。本当にありがとな」

 

「あ、まって・・・」

 

あら、袖を掴んできた。ビックリ。

実は俺、こういうシチュエーション好きだったり。実際に起こるとか、ちょっと感動。

って、あれ?なんでこの子が驚いてるの?

 

「え?あれ?なんで触れられるの・・・?」

 

「いや、そりゃ触れるだろ。なんなら、ほれ。ちょっと失礼」

 

掴まれた方と逆の手で頭を撫でる。

 

「んっ・・・。は、初めて撫でられた・・・。気持ちいい・・・」

 

おー、さらっさら。

この子がアイドルじゃないとか・・・。

あっ、そうだ、いっそ俺がこの子をプロデューs

 

「あっ、居た!」

 

「ん?なんか言った?」

 

突然、目の前の子の声が聞こえた。・・・少し遠くから。

 

「わ、私じゃないよ・・・」

 

あれ?てっきりこの子かと思ったんだけど。

空耳か?

 

「あ、あれ。なんで撫でられて?」

 

「こ、小梅・・・!?」

 

・・・目がおかしくなったんでなければ、目の前の子が二人いるんだが。

かなり瓜二つ。強いて違うとすれば、前髪の長さと服装くらい。

 

「んっと、二人はもしかして、双子?」

 

「違う、よ・・・」

 

これは俺を掴んでいる子。

 

「にしては似てる気が・・・」

 

「違う、この子が勝手に私の姿を真似してるだけ」

 

これは今来た子。

・・・面倒だな、これ。

 

「とりあえず、二人の名前だけ教えて。あぁ、一応言うけど俺は蒼井拓斗。よろしく」

 

今来た子に自己紹介。

 

「君が・・・。私は、白坂小梅だよ」

 

「小梅か、分かった。で、こっちは・・・」

 

「黒坂。黒坂梅子・・・」

 

名前が逆なだけじゃ・・・。

ってか、小梅が梅子を一瞬睨んだ気が。

 

「・・・本当に双子じゃ」

 

「「ないよ」」

 

おぉう、謎の気迫が・・・。

 

「で、小梅は梅子を探してたんだろ?」

 

「う、うん・・・。突然居なくなったからどこに行ったのかと」

 

「だって、拓斗君が危険だったから・・・」

 

そもそも、どうやって俺が危険って知ったのだろうか。

危険って言っても抜け出す方法はあったんだがな

まぁ、危険な事はしたかもしれないけども(窓から一旦飛び降りて再入場)。

 

「ねぇ、蒼井君。なんでこの子に触れられるの?」

 

「そういやさっき梅子もそんなこと言ってたな。そりゃ触れられるだろ。幽霊じゃあるまいし」

 

・・・。

・・・。

・・・あれ。何故否定しない。

え、マジで?

 

「この子が幽霊?」

 

「「・・・」」

 

「いや、なんか言ってくれ」

 

だって、こんなにはっきりしてるし、触れるのに?

 

「んっ、くすぐったい・・・」

 

ほっぺをツンツンしてみる。

あぁ、確かに体温低いな。

低いどころか、むしろ冷たい。

って、小梅が何か複雑そうな顔してる。

 

「私と同じ顔で、そういう事されるのはちょっと」

 

あぁ、そういう事ね。

じゃあ、と手を退けたら・・・

 

「もっと、してもいいんだよ・・・?」

 

梅子が何か甘えてきましたね。

そういえば、梅子はいつの間に俺の事を知ったんだろ。

なんか、結構俺に懐いてる気がするけど。

俺、幽霊に会った事あったっけ?

 

「あっ、もう行かなきゃ」

 

「ん、そうなのか。だってよ、梅子」

 

「また、会える・・・?」

 

「そりゃ会えるだろ。俺も梅子もこの事務所にいるんだし。それに、梅子の事もっと知りたいし」

 

「分かった・・・」

 

あ、嬉しそう。

 

「すまんな、小梅。手間取らせて」

 

「ううん、いいよ。あの子のあんな楽しそうな姿、久しぶりに見たから」

 

「そうか。なら良かった」

 

こうして、俺は幽霊の知り合いを持つのだった・・・。

 

・・・この事務所、本当に驚くことばかりだな。

さっきのラボといい・・・ん?ラボ?

あ、そういや俺逃げてたんだった。

 

「まさか、障壁を破壊せずに出るとは・・・」

 

「にゃはは~、私も流石に想定外だったよ」

 

いつの間にか障壁が開いていたラボの入り口には、俺を追いかけていた二人がいた。

 

「・・・俺、仕事があるんでこれで」

 

「逃すと思うかっ!」

 

「にゃはは~。君には興味が沸いて仕方ないんだよ!」

 

やっべぇっ!?今回は距離が近すぎる!

晶葉が白衣の中から大量のマジックハンドを俺に向けて放ってくる。

こうなったら、最終手段を・・・!?

 

「やっとぉ、見つけましたぁ・・・」

 

俺の目の前で、マジックハンドが粉々になる。

そして、俺の横に、見たことのある人が何故か包丁を持って立っていた。

 

「お仕事の時間なのにだぁれも来ないから、プロデューサーさんが慌てちゃってぇ・・・」

 

ま、まゆさん?こ、このプレッシャーは一体・・・。

絶対これ、霊圧放ってるって。押しつぶされそうだもん。

 

「ダメじゃないですかぁ。私のプロデューサーさんを困らせるなんてぇ。志希さん、晶葉ちゃん」

 

と、次の瞬間突然目の前の二人が、糸の切れた操り人形みたいに地面に倒れる。

恐ろしく早い手刀。俺でなきゃ見逃しちゃうね。

・・・どうやってここからあの二人の後ろに行ったんだろうか。

 

「じゃあ、私はこの二人を迎えに来ただけだからぁ」

 

「アッハイ」

 

「ふふふ、プロデューサーさんと仲良くしてねぇ」

 

「了解っす」

 

・・・すげぇな。晶葉はまだしも、結構身長の高い志希さんをいとも容易くもつなんて・・・。足は引きずってるけど。

 

「・・・さーて、あいつらの所に戻りますか」

 

まゆさんが見えなくなるまで見送った後、俺は何事も無かったかのようにレッスン室に戻り、彼女達のレッスンを見守った。

 

そういえば、明日はみんな休みだったっけ。

 

 




という訳で、次回は日常回、の予定です。

キャラがめっさ増えそうな気がしますが、基本はあの6人ですのでお忘れなく(自分に言い聞かせる)。

ちなみに、『あの子』をちょっと表に出したくて白坂小梅を色々反転して、黒坂梅子というキャラが出来ました。まぁ、名前が付くぐらいなので、そこそこ出すつもりです。

あと、ここで主人公のプロフィールを書いときますね。

名前:蒼井拓斗
年齢:12歳
身長:平均より上
体重:平均以下
誕生日:8月15日
血液型:AB型
出身地:東京
趣味:主に本を読む(種類問わず、参考書とかも含まれる。特に好きなのは数学の参考書)
好きなこと:自分にとって面白い事(過程がどうであれ、結果的に面白ければ良い)
嫌いなこと:自分にとって面白くない事(結果として自分の好きな人間が悲しくなる出来事がこれに当たる)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。