小さなアイドルの歌   作:s@tou

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何やら迷走した感が半端ないですが、最初の注意事項に『俺(作者)のやりたい放題』って書いてあるからいいよね!答えは聞いてない!

そういえば、ふと思ったんだけども千枝ちゃんの一人称って「千枝」だった気がする・・・。

あ、ちなみに桃華ちゃんの「私」は「私(わたくし)」ですのでご注意を。

ではでは、第3話お楽しみください!


日常編に突然組み込まれるシリアスは避けては通れない道

教室の席で一番人気といえば、窓側一番後ろの席だろう。

だが、俺のいる教室ではその席の一つ前が大人気である。

特に男子に。

 

 

まぁ、俺の席の事なんだけども。

 

 

何が人気なのか、って話の前にその本来の人気席には誰がいるかというと、絶賛気持ちよさそうに就寝中の結城晴だ。

んでもって、その右、俺の右斜め後ろにいるのは、そんな晴を一生懸命に起こそうと奮闘している的場梨沙。しかし効果はなさそう。

そして、その前、俺の隣にいるのは、寝てこそいないもののうつらうつらしている佐々木千枝である。たまにやばそうな時は俺が起こしてる。

さらにその前、俺の右斜め前にいるのは、優等生というよりは優雅に授業を受ける櫻井桃華。まぁ、別に普通なんだけども、雰囲気がね。

その隣、俺の前にいるのは、たまに後ろを向いてくる赤城みりあ。よく隣の櫻井に注意を受けている(俺も一緒に)。

これが俺の席が人気の理由。

え?橘?あぁ、あいつなら俺の席から4席前、つまるところ一番前だ。

とは言ってもこれ、くじ引きの結果だから。仕方ないんだよ。

と、なんとなくで現在の席を解説してみたが、本当にヤラセ無しでこれだからな。

なんか運命感じるわー、これ。

 

 

・・・暇だなー。

 

 

っとと、また佐々木が寝かけてる。おきろー。

 

「んっ・・・ふわぁあ。ありがとう、拓斗くん・・・」

 

でも眠そうね、あなた。

眠そう繋がりで言えば、さっきまであれこれやってた的場が静かになってるな。

晴、起きたのか?

少し後ろを向くと、そこには疲れきった顔をした的場がノートを取っていた。

俺の目線に気づくと、疲れた声を発してきた。

 

「こいつ、ぜんっぜん起きないんだけど。助けてくんない?」

 

だろうなぁ・・・。あいつ、最近やけに夜の通話(正確にはスカイプなのでテレビ電話だ)をしてくるし、日に日に時間が伸びてる。

昨日も日をまたいだからなぁ。

でもこれを言ったら火に油だろうなぁ。

 

「・・・無理。まぁ、どうせもうすぐで授業終わるし、終わってから叩き起せばいいんじゃね?」

 

「・・・それもそうね。全力で叩き起してやるわ」

 

・・・うん、まぁこれは寝た晴が悪いってことで。

っていうか、さっきから晴の寝言が俺にぎりぎり聞こえる声の大きさで聴こえてくるんだけど・・・。

なんか、俺が出てきているらしく、どことなく甘えた声で名前を呼ばれてる。

これ、俺に聞こえてるってことは隣の梨沙にも聞こえてるんだよなぁ・・・。

それも疲れの原因だろうなぁ。

 

っと、いつの間にか板書する所が増えてる、書かないと。

 

「ねぇねぇ、拓斗君」

 

と、赤城が俺のノートを覗き込んでちょうど板書した所を指さした。

 

「ここ。ここが分からないの」

 

「ん?ここはだな・・・」

 

向こうを見てる先生が怖いけども、まぁ、別に変な事はしてないからいいか。

 

「・・・ってことだ。分かったか?」

 

「うん。ありがとー。やっぱり拓斗君の教え方は上手いね」

 

「それ、橘の前では言うなよ」

 

「あー、ありすちゃん、人に教えるの下手だもんね」

 

実は赤城も真面目な方なんだよな。

たまに、俺から聞きに行くこともあるくらいだし。

ちなみに、橘が一番真面目なんだが、教え方が一番下手。

なんていうか、変に難しくするんだよ。

だけど、それを指摘すると機嫌悪くするから橘には聞かない方がいいってのが俺達の中にある。

まぁ、本人もちゃんと下手だって事を理解してるらしいから、あまり言わないけども。

 

・・・櫻井が静かなんだよなぁ。

とは言っても、邪魔するのも気が引ける。

仕方ない。この手元にたまたまあるノートの切れ端を丸めた物を先生が向こうを見てる間に、前に飛ばす。

 

「っ!?」

 

おっ、丁度頭に当たった。

狙ったのは俺から三つ机を超えた先の机。そう、橘大先生だ。

案の定辺りをキョロキョロしてますな、可愛いことで。

ただ、あまり挙動不審だと前の席だから目立つ・・・あ、こっちに気づいた。

おぉ、睨んでる睨んでる。次は何をしてやろうかなぁ・・・んぉ?

 

『キーンコーンカーンコーン』

 

げっ、もう終わったのかよ。

楽しいと時間が過ぎるのは早いなぁ。

ぐーーっと腕を伸ばして一息つk、って痛ァ!?

 

「真面目にやってる人の邪魔をしてはいけませんわよ」

 

後頭部に強烈な一撃ぃ!?

しかも、地味に力入れたね!?

 

「全くです。私も一発殴りたい所でしたが、桃華さんが私の代わりに殴ってくれたので許します」

 

うわっ、前からいい顔した橘がきやがった。

いやぁ、でもこれ多分、そういうことじゃないだろうなぁ。

 

「いえ、別にそういうわけではありませんわ」

 

ほら。

 

「えっ!?違うんですか、桃華さん!?」

 

「真面目にやってる人と言うのは、私の事ですわ。まったく、あなた方は楽しそうにしてらしたのに、なんで私だけ仲間外れでしたの?」

 

「いや、真面目にやってたでしょうあんた。だから邪魔しないようにな」

 

うん、このお嬢様分からない。

お母さんみたいな行動をする時が多いけど、たまにこうやってボケるんだよなぁ。

 

「あんなに楽しそうにしてらしたら、真面目にやってても集中できませんわよ」

 

あ、橘がギャグマンガよろしく崩れた。

どんまい。

 

 

ちなみに、この間に俺の後ろの席では・・・。

 

「はぁ~るぅ~・・・」

 

「ぐぅ・・・へへっ・・・ひろとぉ・・・」

 

「起きなさいっっ!!」

 

「ぐっはぁっっ!!??」

 

「お、お前・・・なにしやがる・・・」

 

「授業中起こしても全く起きないどころか、拓斗との甘い夢の寝言を私にしか聞こえない声の大きさでずっと囁かれた私の気持ちが分かる?」

 

「そ、そんな夢は見てねぇ!」

 

「あんた、嘘つくの下手でしょ」

 

「見てねぇったら見てねぇ!!あ、あんな・・・拓斗と・・・へへっ」

 

「あんた、否定しておいて、顔は嬉しそうだけど、なんなの?私を怒らせたいの?」

 

「ちょちょちょ、ちょっと待て!その拳を下ろせって!怒ってるだろお前!二発目は勘弁!」

 

「気のせい気のせい。あんたが夢の中で拓斗といちゃいちゃしてるのが気に入らないとか・・・まっっっったく関係ないからっ!!」

 

「ぐほぁっ!?」

 

この間、佐々木はぐっすり寝てた。

その寝顔は素晴らしく可愛かったという。

そして、赤城はというとのカオスな空間を見て笑顔で見ていた。

もちろんだけど、クラスで浮いていたのは言うまでもない。

 

 

こんな感じのを繰り返して、昼休み。

俺達は人気のない校内の隅っこの空き教室に集まっていた。

 

「じゃあ、早速だけど色々と決めていくわよ」

 

「まぁ、ここで決めとかないと大変なことになるからな」

 

「その時は、ここのメンバーでなんとかできるんじゃない?」

 

「確かにこの二人なら、って思ったけど、今日のあの休み時間みたいに、ちょっとずれてるところがあるから安心できないぞ?このお嬢様は」

 

「あら、酷いことを言いますのね」

 

「事実だろ」

 

黒板には大きく『蒼井家 お泊まり会計画』とデカデカと書かれている。

教室の教壇に立つのは櫻井、的場、俺の三人。

 

「・・・いいんですか?ここ使っても」

 

「いいんじゃねぇか?別に。職員室からも遠いし、バレないだろ」

 

「この教室に来るまで、誰にも会わなかったもんね」

 

「で、でも本当に大丈夫かな?」

 

そしてその前の机には橘、晴、赤城、佐々木の4人が座っている。

ちなみに、ちゃんと教室を使う事については許可をもらっています。

 

「じゃあ、まずは日程についてだけど」

 

「いや、日程もなにも6日間あるGWの中の真ん中、一泊二日だろ?」

 

今更何言ってんだ・・・え、なにその変な顔。

おい、櫻井どこから取り出したそのテレビのバラエティでよく見るフリップボード。

上に『蒼井家の泊まろう!』っていう謎の題が書いてあり、その下にめくってくださいと言わんばかりに端がめくれてる謎の空白がでかでかとある。

なんで無駄に凝ってるんだよ。

 

「では梨沙さん。めくって下さるかしら?」

 

「りょうかーい」

 

勢いよくめくられたボードには大きく『七泊八日』と書かれて・・・はぁっ!?

 

「ちょっと待てどんな変化があってこんなおかしな日数になるんだよ!?え、七泊?・・・え、どゆこと?」

 

やばいやばい、頭が混乱してきた。

 

「では説明をお願いしますわ」

 

なんだこれ、ドッキリ企画とかやられる方はこんな感じなんだろうなぁ。

 

「えーっとね、最初は二日間だけっていうのもって話があったんだよ」

 

十分でしょ。

 

「ちなみに、この話はお泊まり会自体の決定のときに話し合ったんだよ」

 

えっ、さらっと言うけどさ、それあの日(前回)だよな。

・・・って、あぁ!?あの日やけに俺から離れて話し合ってると思ったら、これか!

 

「で、私がならGWを全部使えば長く泊まれると話したんです」

 

橘ァ・・・。

 

「言っとくけど、オレは何も言ってないからな」

 

せめて否定してくれ、晴。

 

「という事よ、分かった?」

 

「分かんねぇから困惑してんだ」

 

「なによ、何か不満でもあるの?」

 

「不満はねぇよ。ただ、本当に良いのかよ」

 

俺の言葉にみんなが首をかしげる。

 

「俺なんかとそんな長い期間居て」

 

いくら仲がいいとは言っても、男と女。

加えて、家には基本、両親はいない。

つまるところ、俺しかいない。

女の比率が多いとはいえ、俺が間違いを犯さないとも限らない。

 

「それとも、俺を男して見てないなら・・・」

 

「それはないわよ」

 

的場が被せ気味に言う。

 

「そうですわ。あの日から、私はあなたを男としか見ていませんわ」

 

・・・櫻井。

 

「そうだよー。私がいつも拓斗君と一緒にいるのは、ただの幼馴染だからってだけじゃないんだよ?」

 

・・・赤城。

 

「最初の出会いこそ最悪でしたが、今ではあの時、拓斗さんに会わなかったらこんな気持ちを知ることはなかったと思います」

 

・・・橘。

 

「最初、一目惚れした時から、拓斗くんをそういう風にしか見てないよ」

 

・・・佐々木。

 

「全く、あんたのせいでパパの事を考えられなくなる日が増えたわよ。どうしてくれるのかしら?」

 

・・・的場。

 

「・・・オレは、お前を親友だと思ってる。でも、最近足りないって、思い始めたんだ」

 

・・・晴。

 

 

一応言っておくが、俺は朴念仁ではない。

彼女達の俺に対する見方の変化なんてすぐ気が付く。

だからこそ、信じられなかった。

 

あまりにも変化が早すぎた。

 

俺はそこらの小学生よりも考え方が特殊だ。

でもそれは、こいつらも同じだ。

特に櫻井とかは良い例だ。

だから、俺の考えが違っているだけだと思っていた。

俺はただの小学生に対して向こうは全国的アイドル。

しかも六人。

信じられないのも仕方ないだろう?

だけど、ちょっとだけ信じてもいいか。って今思えた。

 

「・・・はぁ、分かった。七泊八日、許してやるよ。んでも、さっきのお前らの言葉の意味は考えねぇからな」

 

前の少女たちから「えー」と声がする。

 

「えーじゃねぇよ。お前ら小学生のくせに何を色気づいてやがる。まだ、今は友達だ」

 

まだ、ってところを強くする。

そう、まだだ。まだなんだ。

 

「仕方ないですわね。ですが、女を待たせるのは良くないですわよ?」

 

「早すぎるのも問題だろ?」

 

「ふふふ、それもそうですわね」

 

ちなみに、意味深な話ではない。

やっぱり櫻井は理解が早くて助かる。

 

「っていうか、それ、ほぼ答えてるようなものよね」

 

「安心するだろ?」

 

「否定はしないわよ」

 

的場もなんだかんだ言って話が分かる奴。

櫻井がお母さんなら、こっちはお姉さんだな。

 

「ねぇねぇ、これって『はーれむ』って言うんだよね?」

 

「おい赤城、どこでそんな知識をつけたんだ」

 

「どうじんし?って言うのを書いてる比奈さんに教えてもらったよ」

 

「おk、今度説教してやる」

 

会えたらの話だがな。

 

「というか、この国って重婚を認められてませんよね」

 

「橘はもうそこまで視野に入れてたか。そうか、結婚か。俺はまだ考えられないなぁ」

 

「えっ、違っ、違います!ただ、倫理的にどうなのかって話です!」

 

さっき見せたあの恋する女の子思考はどこへ行ったのか、いつもどおりの橘がそこにはいた。さっきみたいな乙女橘は俺に聞くからやめてほしい。

 

「私は愛人でもいいよ」

 

「佐々木、お前意味分かって言ってるのか?」

 

「ふふふ、どう思う?」

 

佐々木は、一線を越えるタイミングを見極めないと大変なことになりそうだな・・・。

 

「あー、何かスッキリした。なぁなぁ!拓斗!サッカーに行こうぜ!今ならすげーシュート打てる気がする!」

 

「お前は、なんというか・・・。まぁ、晴は晴らしいというか」

 

「なんだよ。さ、さっきの言葉は、ほ、本気だからな!」

 

「分かってる」

 

と、他5人が何やらこっちをじーっと見ていた。

 

「そういえば、なんで晴だけ名前で呼んでるのに私たちだけ苗字?」

 

・・・そういえばそうだった。

 

「じゃあ梨沙」

 

「い、いきなり言わないでよ!は、恥ずかしいじゃない」

 

そういうものだろうか。

 

「私も、もちろん読んでくださるのよね?」

 

「良いのか?」

 

「もちろんですわ」

 

「桃華」

 

「はい、拓斗さん」

 

やべぇ、思わず抱きしめたくなった。

なんだ?この感覚。

 

「私も私も!」

 

「分かった分かった、みりあ」

 

「えへへ~」

 

そういや、昔から赤城・・・みりあの事はずっと赤城だったな。

どうでもいいけど、頭の中に名前を呼んで一回鳴く元気な犬が出てきたのは分かってくれるだろうか。

 

「拓斗君、私は?」

 

「いや、この流れで言わないのはないでしょ。千枝」

 

「はい、あなた・・・じゃなくて、拓斗君」

 

何をどう間違えた!?

恍惚とした表情をしたけども!?

 

「・・・」

 

「ん?どうした橘」

 

「んんっ・・・」

 

「いや、どうしたんだよ」

 

「名前」

 

「いやお前、名前で呼ばれんの嫌ってたろ」

 

「いいんです!拓斗さんなら!」

 

・・・どういう意味なのかなぁ。

 

「分かったよ、ありす」

 

「っ!・・・はい」

 

なんだろ、距離が大分近くになってる気がする。

それも、見えるところから目の前まで見たいな。

本当に、変化が早すぎる。

 

「っと、もう昼休みも終わるな。みんな、帰るか?」

 

「そうですね。次の時間は・・・理科です」

 

「って事は、一回教室に戻らないといけないね」

 

「ここって校内の外れの方よね」

 

「という事は、急がないといけませんわね」

 

「じゃあじゃあ!みんなで競争しようよ!」

 

「おっ、やるか?オレは早いぞ?」

 

「みりあだって負けないよー!」

 

「私も今は気分が良いから走りたいわね。今の私は早いわよ?」

 

「あら?梨沙さん。私もそれは同じでしてよ」

 

「わ、私も、今日は走れる気がする」

 

「お前ら、怪我すんなよ・・・って、もう行きやがった。はえぇ・・・」

 

見えなくなった後ろを見ながら、俺はゆっくりと歩いた。

 

GWはすぐ先。

さてさて、楽しみでしかないな。

ただ・・・理性が持つかなぁ。

あんな会話しておいて・・・。

 

 

 

ちなみに、次の時間は見事に遅れた。

 

 

 




迷った結果、千枝ちゃんの一人称は、アイドル以外の日常では『私』という事で統一します。
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