小さなアイドルの歌   作:s@tou

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ってことで、新人小学生プロデューサー編(今考えた)のその1です。


新人プロデューサー『蒼井拓斗』、事務所へ行く。

蒼井拓斗こと、俺はアイドル六人とかなりディープな関係を築いているが、彼女達のアイドル事情はそこまで知らない。

いや、正確に言うと彼女達のCDは買うし、彼女達のユニットとか知ってるけど、彼女達が売れているのか人気の度合いとかあんまり知らなかった。

理由としては、心底どうでも良かったし気にもならなかった。

っていうのもあって、最初の『事務所』のイメージは失礼ながらビル街の片隅の日陰にある小さなビルかと思っていた。

 

 

それがまさか、ビル街の日向に位置する、めっちゃデカイビルだとは一ミリも思わなかった。

 

 

「・・・本当にここか?」

 

「ここだ。行くぞ、時間が押している」

 

と言って入っていくが・・・、正直最初のインパクト強すぎて足がうまく動かねぇ。最初に感じたこのスーツのキツさとか全く感じねぇ。

叔母さんが歩くたびに左右から『お疲れ様です!常務!』って聞こえてくると、本当に凄い人なんだな、この人って思う。

化粧濃すぎてババアだけど。

 

叔母さんについて行くと、エレベーターで結構高くまで上がった。

 

「彼女達はこの階にいるが、私が行くと恐らく怖がらせてしまうだろう。この先の案内は彼女に頼んである」

 

自分がどう思われているか客観的には考えてるんだな。

ってか、彼女って誰のことだろうか。

 

「常務、彼が例の少年ですか?」

 

『俺あんな緑色のスーツ見たことねぇ』

っていう感想が真っ先に来たけど、結構な美人さんが来た。

・・・美人だから許されているんだろうか、あの格好。

 

「初めまして、この346プロダクションで事務員を勤めている千川ちひろです」

 

この人がアイドルじゃないとか、どういうことなの。

歌ったら絶対いい声していそうなんだけどなぁ。

 

「どうも、新人プロデューサー・・・(でいいんだよな?)の蒼井拓斗です」

 

自分で言うのなんか恥ずかしいな。なによりも実感湧いてないし。

 

「では後は頼んだ。千川」

 

早々にエレベーターへと戻る叔母さんに、軽くお礼を言う。

 

「んじゃ、叔母さん。ここまでありがとうな。色々」

 

「ここでは叔母さんではない、常務だ」

 

確かに、流石に会社まで叔母さんはないか。

 

「常務、ここまでありがとうございました」

 

呼び方だけじゃなくて、言葉遣いも改める。

あれ、叔母さんが少し笑った?

 

「良い結果を期待している、蒼井プロデューサー」

 

常務からの言葉としては重すぎるなぁ・・・。

 

「では、アイドル達の元へ案内しますね」

 

「お願いします、千川さん」

 

って、あれ?そういえば、あいつらは俺が今日来ることを知らないよな・・・って事は、まさか。

 

「千川さん、今日俺が来ることはアイドルの皆さんは知ってるんですか?」

 

「ふふふ、そんなにかしこまらなくてもいいですよ。本当にしっかりしているんですね」

 

あ、そう?じゃあ、ちょっと崩す。

 

「実は蒼井君の事はアイドルの皆さんには伝えられていないんです」

 

「え?なんで」

 

だと思っていたけども。

 

「常務が言うには『そちらの方が面白いだろ?』とのことです」

 

あんのババア・・・完全に私欲じゃねぇか!

気持ちは分からなくもないけどさぁ!

 

「あ、それと、今のうちにこれを渡しておきますね」

 

書類?と、カード?

 

「この書類、もしかしてアイドル達の?」

 

「はい。武内プロデューサーから、渡して欲しいと」

 

結構分厚いな・・・。

しかも、データが細かい。

 

「武内?前任のプロデューサー?」

 

「そうですね。とは言っても、あの子達の専属では無かったので、だからこそ蒼井君が起用されたのでしょうけど」

 

っていう事は最近になって専属が必要になったのか。

あいつら、売れ始めたんだな。

 

「会ったらお礼を言っておかないと。武内プロデューサーは今どこに?」

 

「今は担当のアイドルと地方ロケに出ているので、今日一日はいないですね。確か、明日に帰ってくる筈です」

 

「そうですか・・・分かりました。で、このカードは?」

 

カードには俺の名前と写真、そしてよくわからない情報がいくつか書かれてる。

 

「それは蒼井君の社員証ですね」

 

・・・いつの間に用意してた、これ。顔写真とか普通の奴だけどさ、いつ撮ったよ。

とりあえず、社員証は財布に、書類はカバンに入れとくか。

あ、ちなみに俺は普通にリュックを背負ってます。

何かと便利なんだよ、こっちの方が。両手使えるし。

 

 

こんな感じで色んな情報のあれこれを聞いていたら、体感時間早めに目的の部屋の前に着いた。

しかし、外から見て思ったけど広いね、ここ。

まぁ、大体の構造は把握したけど。

 

「ここがアイドル達がいる部屋です」

 

なんかガヤガヤしてるなー。

明らかにあの六人だけじゃないだろ。

入っていいのか?俺。

 

「では、私は別の仕事が入ってますのでここで失礼します」

 

「あ、はい。案内ありがとうございました」

 

「いえいえ」

 

ちひろさんを見送ってから、息を整える。

今からはアイドルとプロデューサー。

極端に態度を変える必要はないけど、それでもいつも通りの接し方は自重したほうがいいか。

 

 

「えー、って事で、お前らのプロデューサーになった蒼井拓斗だ」

 

部屋に入って、例の六人を呼んでさらっと話す。

しっかし、目の前の六人がそれぞれ全く違う表情してて、面白いのなんのって。

・凄い笑顔で喜んでるみりあ。いつ襲いかかって(抱きついて)くるか分からない。

・何が起こっているのか分かっていない顔の梨沙。とてもファンにはお見せできない。

・ギャグマンガだったら間違いなく白目だろうなって感じのありす。いつも通り。

・頭がオーバーフローしたのか、真顔で固まっている晴。シュール。

・普通に喜んでいる千枝。意外にメンタル強いのかしら?

・何故か心配そうな顔をしている桃華。何を考えてるんでしょうか?

俺は笑いをこらえつつ、挨拶を続ける。

 

「まぁ、なんか色々と言いたい事があるようだが、これからよろしく!」

 

ちなみに、そんな彼女達をちゃんとスマホで撮ったのは言うまでもない。

そしてその後、その写真を巡って(主に一番酷い顔の梨沙と)ひと悶着あったのも言うまでもない。




武内Pを出した理由は、個人的に好きなキャラクターだからってだけです。

ちなみに、U149のPは出したいなぁ・・・と思っている程度です。
だって、小学生みたいなプロデューサーと小学生のプロデューサー・・・いいじゃない。

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