小さなアイドルの歌   作:s@tou

8 / 13
一番、何に困るかって、言葉が特徴的なアイドル達の会話です。
そこら辺は、筆者が慣れるまでは違和感が残るかと思いますが、ご了承ください。

あと、前回の補足なんですが、森久保に関しては親友的なポジにする予定です。

これで、長い一日が終わる・・・?


蒼井プロデューサーの長い初日(午後)

一つ、ある事に気づいた。

それは、桃華の撮影現場まで電車で向かっている途中の事だ。

え?なんで電車かって?仕方ねぇじゃん、それ以外の足がねぇんだから。あのババアは忙しそうだし、それ以外に知り合いいねぇし。

で、電車乗っている時に、なーんか視線感じるなー、とは思っていたんだけど、窓に映った俺の格好を見て気づいた。

 

そいや俺スーツだったな。

そりゃあ、ゴールデンウィークの真っ只中にスーツ着た小学生がいたらみんな見るわな。

 

ってことがあったのを除けば、特に問題無く目的地に着いた。

場所は都心から少し離れた喫茶店。

なんでも、今回桃華はスペシャル回のゲスト扱いらしく、結構重要な役を貰っているらしい。

で、今日が最後の撮影らしい。たまげたなぁ・・・。

 

おぉ、人の群れが。わっかりやすいなぁ。

えっと、確か店の裏に行けばいいとか書いてあったが(例の万能書類に)・・・どうしろと?

警備員いるけど絶対こんな子供入れてくれないだろ。

ほら、めっちゃ怪しがってる。

 

「おーい、蒼井君ー」

 

ん?どこからか声が。

しかも聞き覚えのない声が?

 

「こっちー、こっちだよー」

 

窓か、っておいおい。あの人は流石の俺も見たことがあるぞ。

・・・いよいよ業界を感じるなー。

ともあれ、彼女のお陰で(怪しまれながらも)中に入り、監督等のお偉いさんに挨拶をすませる(なんか面白いものをみたような顔されながら)。

って無事、桃華のいる控え室に向かう。今はどうやら休憩時間らしい。

 

「おじゃましまーす」

 

ちなみに、今回は桃華以外にいるのはうちの事務所のアイドルが3人のみらしい。

って言っても、誰がいるかとかは聞かされてない。

・・・まぁ、一人はさっき見たんだけども。

 

「あら、拓斗さん。来てくださいましたのね」

 

って事で、よく見知った顔の桃華を見て安心しつつ部屋を見渡す。

で、そんな桃華と一緒にいる、ピンク色の派手な髪をしているJKっぽい人。

 

「やっほー、蒼井拓斗君」

 

「さっきはどーも、城ヶ崎美嘉さん」

 

まさか、カリスマJKがいるとはなぁ。

 

「知っててくれたんだ。アイドルのこと全く知らないって聞いてたから、意外だね」

 

「そりゃ、街中とかで大量の広告とか見ましたし。やっぱり本物の方が可愛いんすね」

 

「ふふっ、ありがと」

 

あー、これがカリスマの笑顔か。やばい、惚れそう。

 

「ねーねー、私は?」

 

と、更にその隣にいる、どことなく城ヶ崎さんに似ている顔の金髪の中学生がいた。

 

「・・・誰?」

 

「ちょっと!?なんでお姉ちゃんを知ってるのに、私を知らないの!?」

 

「あっ、妹さんでしたか。どうりで似てるわけっすね・・・。でー、誰?」

 

「城ヶ崎莉嘉!カリスマJC!」

 

「ほぉーん。カリスマ、ねぇ」

 

「何その顔!?馬鹿にしてるでしょ!」

 

「してないしてない」

 

この子、からかいがいがあるなぁ。

 

「・・・拓斗さん?」

 

「いたいいたい、いたいんで脛を蹴らないで頂けますかね、桃華さん」

 

「全く、ダメですわよ」

 

いつの間に俺の隣に来たよ、お前。

もしかして嫉妬?嫉妬ですか?あっ、本気な顔してますねこれは。

 

「ごめんって。・・・ん?」

 

心から(当社比)謝っていたら、ふと目に入った部屋の隅の椅子。

和服を着た、身長が俺とどっこいどっこいくらいの女の子が座ってる。

って、あれ?あの子どっかで・・・あぁ!?

 

「もしかして・・・神様!?」

 

「「「神様??」」」

 

三人が素っ頓狂な声を上げる。

 

「ほー。やはり、こういう運命なのでしてー」

 

やっぱり、この声神様だ。

 

「去年の12月、ありがとな。助かった、文字通り」

 

「それはそれはー、良かったのでしてー」

 

「しっかし、まさか神様がアイドルだったなんてな」

 

「神様ではないのでしてー。わたくしは、依田芳乃の、人の子でしてー」

 

「そっか、芳乃って言うのか。知ってると思うけど、俺は拓斗。蒼井拓斗だ」

 

「よく知ってるのでしてー」

 

「だろうな」

 

しっかし、やっぱり小さ、あぶねっ!?

間一髪で芳乃が投げた何かを避ける。って、あれって確かめっちゃ硬いって噂の煎餅じゃ・・・。

ってか、さらっと人の心を読まないでいただけますかね

 

「成長期でしてー」

 

「まぁ、確かに小学生だったら今くらいgあぶねぇって!?」

 

またあの硬い煎餅投げたな!?

 

「わたくしは、高校生でしてー」

 

「うそぉ!?」

 

驚いた瞬間、顔面に煎餅が直撃した。

いってぇ・・・、後ろから倒れたんだけど。

予備動作なしでめっちゃ早いの投げるとか・・・、マジで神様かなにかじゃねぇの?

 

『芳乃さん、監督が呼んでいますので来ていただけますか?』

 

ノックの後にドアの向こうからスタッフが声をかけてきた。

入ってこなかったスタッフさんには敬意を評したい。こんな姿見られたら、なんて勘違いされるか。

 

「わかりましたー。では皆様、行ってきますー」

 

って、おい、なんでこっちに来るんだ。そのコースだと俺の上を通rがぁっ!?

 

「うぐぉぁ・・・。今明らかにわざと踏んだろ。おい」

 

しかも、地味に体重掛けたな?

 

「ふんっ、でしてー」

 

怒ってんのかなんなのか分からん。ってか、可愛い。

 

「・・・あぁー痛かっtうぐっ、今度は桃華か・・・よ?」

 

んー、これはあのまゆって人の殺気とは別物の確実に俺にスナイプするように向いてる殺気ですわ。やっべ。

 

「拓斗さん?どういう事か教えていただけます?」

 

スカートの中見えてるとか、言ったら火に油なんだろうなぁ。

 

「・・・これが修羅場って奴?」

 

「・・・そう、なのかな?」

 

あの姉妹は何をこそこそ話していますかね。

 

「いや、どういう事って聞く前に、この状況が何って聞きたいんだけど。あと、そこのカリスマ姉妹はなんでさっきからスマホのカメラを俺に向けてんの?」

 

しかも、めっちゃ楽しそうに。くそう、可愛いなあの姉妹。って、おい桃華、今体重掛けたろ。

 

「気にしないでいいよー。みりあちゃんに頼まれてやってるだけだから」

 

「私は千枝ちゃんにお願いされたんだー」

 

「・・・なんて言われた?」

 

「『拓斗君が来たら、何をしてるか報告して欲しいなー』って。あんな顔のみりあちゃん、初めて見たよ」

 

みりあ、何してんの。

 

「私は『拓斗君が何かしたら報告して』って。なーんか、まゆちゃんと似ていたんだよねー」

 

千枝、お前もか。お前もなのか。

って、なんかライン来た。・・・倒れながらポケットのスマホ取り出すの辛いから桃華にはどいて欲しいんだけど。

 

『楽しいそうだね、拓斗君』

 

という、文章と笑顔の自撮り写真が二人から送られてきた。

凄いな、最近の技術って。まさか、殺気も添付出来るなんて。

・・・俺って愛されてるなー(棒)

 

「あのー、お二人さん?そのスマホを仕舞ってもらえると嬉しいのですが・・・。あと、桃華はいい加減どけ」

 

「やですわ」

 

「個人的に面白いからこのまま続けてるね~」

 

「同じく~」

 

クソァ!

 

『桃華さん、美嘉さん、莉嘉さん、そろそろ撮影を再開しますので準備をお願いします』

 

「あっ、はーい!」

 

「分かりましたわ。では拓斗さん、行ってまいります、わっ!」

 

「ぐふっ」

 

最後の『わ』で力入れやがった。

あ、やばい、目覚め・・・るかよ。

 

「終わったら、じっくりと聞かせてもらいますわね」

 

「りょ、了解・・・。頑張ってこいよ・・・」

 

桃華が出て行ったのを確認してから起き上がる。

俺スーツなんだけど、そこらへんを考慮してくれた嬉しかったな。

 

「大丈夫?」

 

「俺は大丈夫っすから、城ヶ崎さんも早く行ってください」

 

「あはは・・・じゃあ、行ってくるね」

 

「後で見に行きマース・・・」

 

あー、城ヶ崎さんは癒しだなー。

 

「で、妹さんは何をじーっと見てるんだ?」

 

「・・・ねぇ、君小学生なんだよね?」

 

「正真正銘、純度百パーセントの小学生だな」

 

「にしては、大人っぽいというかなんというか・・・」

 

「そうか?」

 

「うん。私のクラスの男子と全然違うもん」

 

それは初めて言われた。

っていうか、中学生と比較されてもねぇ。

 

「ってか、早く行けよ。待たせてるぞ」

 

「あっ、そうだよね。じゃあ、いってきまーす」

 

「おー」

 

なんだったんだ?一体。

 

 

ともかく、服装を正してから撮影現場に出た。

スタッフさんに今日の台本を貰って軽く目を通したが、どうやら城ヶ崎姉妹に関してはこのドラマの出演者らしい。で、桃華と芳乃がはスペシャル枠、と。

そういや、さっき桃華の事を監督さんがベタ褒めしてたな。あの人、ネットでも評判の良い人だよな・・・。

今俺はカメラの後ろから4人を見てるが、空気が凄い(語彙力皆無)。

あの、学校じゃ抜けてるお嬢様だったはずの桃華が全く別人に見える。

・・・うーん。でもなんか、もうちょっとこうしたらいいんじゃない、って思うのはアイドル以外の顔を知ってるからなのか?

それに、他の3人も、もうちょっとこうしてみたらいいんじゃないかーって思うんだけど。

まぁ、流石に俺に意見を求めてくるなんてないとは思うけども。素人意見だし。

 

あー、しっかし疲れた・・・、何に疲れたかよく分かんないけど。

帰ったら即効で寝てやろ。明日もあるしなー・・・ふぁ~。

 

「蒼井プロデューサー。今の所、どう思いました?」

 

「んー、そうっすねー。えーっと、台本のこの部分、もっとこうして見たらどうでしょうか」

 

「ふーむ、ですが、それだと・・・」

 

「大丈夫っす。むしろ、もっとこうしてもいいくらいです」

 

「なるほど・・・、分かりました」

 

あれ、今なんかさらっと聞かれた?

まぁ、いいか。

 

 

なんだかんだで、撮影も無事に終わった。

結構長かったが、空気にも慣れたし、なによりなんか楽しかった。見てただけだけど。

・・・ただ、何故か俺に意見を求められる回数が多かった気がするが。

 

「お疲れ様ー」

 

って事で、控え室。

明らかに疲れてる表情の4人に声をかける。

 

「今日は凄く疲れましたわ・・・」

 

「まぁ、結構長い時間やってたからなぁ」

 

本来終わる時間から、結構伸びたからな。

 

「いえ、恐らく今回長くなった原因は拓斗さんですわ・・・」

 

「何故」

 

なんかしたっけ。

 

「まぁ、確かに後半の台本がその場で変わるなんて普通ありえないからね」

 

「えっ、変わってたんすか!?」

 

そういや、監督とかスタッフがやけに動いてるとは思ってたけど。

 

「自覚なかったの?ってか、私達の方も何か言ってたみたいだけど、どうして?」

 

「んー、『多分こうじゃないかな』って思ったのを言っただけっす。どうせ素人の意見だから、聞き流されるもんだと思ってたんすけど・・・」

 

「凄いよ、初めて会ったのに私の魅力引き出してくれたから。これは、期待の新人ってだけはあるね」

 

別に意識はしてないんだがなー。ただ、イメージというか見た感じこんな風にしたらいいんだろうなーって思ったことを言っただけで。

 

って、あれ、電話掛かってきた。誰だ?

 

「・・・はい、もしもし?」

 

『どうだ、上手くやっているか』

 

・・・ババアか。通知見ずに出たから誰かと思ったわ。

 

「そうですね。まぁ、今日は初日なので、特にやる事ないって感じですけど」

 

『そうか。ところで、今どこにいる』

 

「今は、とある喫茶店です」

 

『櫻井の付き添いか、分かった。では、近くの公園まで車を回そう。その場にいる、城ヶ崎二人と依田も一緒に乗せていく』

 

「分かりました。では、失礼します」

 

・・・やっぱ、仕事してる時は威厳あるんだよな、あの人。

 

「って事で、近くの公園に車を用意してくれるらしいから、そこまで行く・・・って、芳野さっきから静かだとは思ってたけど、寝てたのか」

 

「芳乃ちゃんも、今日が初めてのドラマ撮影だったからね。地味にセリフも多かったし」

 

・・・そういや、後半、俺が思いっきりあれこれ口出した気が・・・。

 

「ごめんな、芳乃」

 

本当に申し訳ない。

 

「そういえば、芳乃さんとの関係をまだ聞いていませんでしたわね」

 

「私も気になるかも」

 

「私もっ!私もっ!」

 

「・・・そんなに気になるか?」

 

「えぇ!」

 

「うん!」

 

桃華と城ヶ崎妹、近い近い。

 

「じゃあ、歩きながら話すか」

 

「芳乃さんはどうしますの?」

 

「俺が運ぶ」

 

よい、しょっと。軽っ!?大丈夫かよ。って、あぁ、小さいからか。・・・なんか腕を抓られてる気がするんだけど、起きてないよな。

 

「うわぁ、お姫様抱っこだ・・・」

 

「おぉー、意外と力持ちなんだね」

 

「普段から筋トレはしてますからね。っていうか、これはむしろ芳乃が軽すぎるだけだと思います。あ、芳乃の荷物持ってくれませんか?」

 

「いいよー」

 

さて、さっさと公園に、ってあれ、桃華?。

 

「あ、あの、拓斗さん?何故お姫様だっこなんですの?」

 

「いや、だってこっちの方が持ちやすいし、芳乃を起こさずに済むだろ」

 

腕をすっと入れるだけだし。

 

「だとしても、何か解せませんわ・・・」

 

何を葛藤してますかね。

 

「・・・ねぇねぇ、桃華ちゃん。もしかして、蒼井君って無自覚でやってる?」

 

「・・・拓斗さんの場合、8割ほど自覚ありです」

 

「・・・本当に小学生?」

 

「・・・残念ながら」

 

なぁにをこそこそと話してるんだあの二人は。

 

「ねぇねぇ、そういう事するの、恥ずかしくないの?」

 

「え、これって恥ずかしい事か?」

 

「うーん、と。なんて言えばいいんだろ?」

 

「変な奴。ほら、行くぞ?」

 

「分かりましたわ」

 

「はいはーい」

 

「むー・・・、なんかもやもやするー」

 

 

ってことで、スタッフさんや監督に挨拶をしてから公園へと向かう。

・・・なんか、監督からは「これからよろしく」って言われたんだが・・・。

喜ばしいことなん・・・だよな?

 

「で、俺と芳乃の話だっけ。って言っても、今まで実質2回くらいしか会ってないしな」

 

「去年の12月とか言ってたよねー。もしかしてクリスマスの話?」

 

「去年の・・・12月・・・。拓斗さん、それってもしかして」

 

「桃華ちゃん?どうしたの?」

 

「あぁ、いえ。何でもないですわ、美嘉さん」

 

「クリスマスの前だな。まぁ、あんま詳しい事は言えないけど、去年の12月にちょっと・・・あー、大怪我をした事があって、そん時に助けて貰った訳だ」

 

まぁ、正確には死にかけたんだが。

 

「その前は、今から4年くらい前だった、はず。ちょうど俺が二年生の時に山でクマに襲われた事があって、そん時に」

 

まぁ、正確にはもっと合ってる気がするんだけども。・・・夢の中で。

 

「そんな事があったの!?」

 

いやー、我ながらよく生きてる。

 

「だから、神様?」

 

「まぁ、そういうことっす。でも、まさかアイドルをしてるなんてなー」

 

 

とかなんとか言ってる内に、目的の公園まで着いた。

まぁ、そんな距離なかったし。

 

「こっちだ」

 

お、この声と、今朝見たあの車は。

 

「遅かったな。何かトラブルでもあったか」

 

「いや、常務が早いだけですよ」

 

「もう仕事も終わったんだ、敬語はなくしてもいいぞ」

 

「・・・基準が分からん。って、みんな、どうしたんだ?」

 

なんか、固まってるけど。

 

「い、いや。まさか美城常務が迎えに来るなんて思ってなかったから・・・」

 

「ですわ・・・」

 

城ヶ崎妹に関してはもはや言葉を失ってるし。

 

「そんなに畏まらなくてもい良い。ところで、依田をその持ち方でここまで持ってきたのか?」

 

「ん?まぁな」

 

「・・・まぁ、今は何も言わないが、出来れば表でそれは避けてくれ」

 

「了解」

 

だめなのか。まぁ、だろうな。

とりあえず、芳乃を先に後ろの席に入れる。

 

「ほら、三人も入れ・・・どうすんの、これ」

 

そういや、この車、本来4人乗りだわ。

 

「む?お前の膝の上に誰か乗せればいいだろう」

 

「それはマズイだろ、流石に」

 

「そうか?」

 

はぁ~、仕方ない。最終手段だ。

 

「んじゃ、俺トランクに入るわ」

 

「あぁ、そうしてくれ」

 

「ちょちょちょ!?いいのそれ!?」

 

「どうした、城ヶ崎。何か問題か?」

 

「いやいや、問題なんじゃ・・・」

 

「大丈夫だろ」

 

「そうっすよ、城ヶ崎さん。じゃ、俺は先に入ってるんで」

 

「えぇ~、いいのかな、本当に」

 

「まぁ、拓斗さんが言うなら、大丈夫じゃないかと思いますわ」

 

そうそう。ってことで、トランクに入って蓋をしめる。

・・・暗っ。

あっ、走り始めt痛っ?!

ちょ、ここ思った以上に反dうぉっ?!

 

・・・これ選択間違えたか。

大人しく、芳乃を膝におけば良かった。

 

 

~~~~<一方、車の中>~~~~

 

「はははっ、やはりあいつが場を荒らしたか。流石だな」

 

あの美城常務が、あんないい笑顔で笑うなんて、初めて見ましたわ。

思ってる事は、莉嘉さんも美嘉さんも同じなようで、二人共意外そうな顔をしていますわ。

 

「あの、常務は拓斗さんとどんな関係ですの?」

 

「どんな、と言われてもただの叔母と甥の関係だ」

 

なるほど、繋がりましたわ、だから拓斗さんが入社できましたのね。

・・・だとしても、何かまだ腑に落ちませんが。

 

「あの、常務。蒼井君ってどんな子なんですか?」

 

「あっ、私も気になってました!」

 

「どういう子、か。それは私が知りたいくらいだ」

 

意外な返答ですわね・・・。

 

「あいつは、そうだな、言わばブラックボックス、もしくはパンドラボックスだ。中身が全く分からない。何を考えているのかが全く読めん男だ」

 

まぁ、言いたいことは分かりますわ。

 

「あの、蒼井君って小学生ですよね」

 

「の、筈だ。私も、たまに分からなくなるがな」

 

「あのあの、拓斗君って、本当は高校生だったりしないですか?」

 

そういえば、そんな漫画がありましたわね。

拓斗さんが大好きなようでしたが。

 

「私も、一時期疑ったことはあるが、ちゃんと小学生。12歳だ」

 

「そうなんだ・・・」

 

なんでがっかりしましたの?莉嘉さん。

 

 

~~~~<数分後、トランク>~~~~

 

俺は、純黒と紅、あとゼロが好きです(流れ的に)

 

「あ、開いた。着いたのか、桃華」

 

「えぇ、と言っても美嘉さんの家に、ですけど」

 

「なるほどね」

 

とりあえずトランクから出る。

肩が痛い。

 

「お疲れ様、二人共。なんか、今日は引っ掻き回したみたいでごめんな」

 

「ううん、いいよ。むしろ、いつも以上に楽しかった」

 

「それは良かった。って、城ヶ崎妹はなんでそんなこっちを睨んでるんだよ」

 

「なんかさー、私とお姉ちゃんと、反応違わない?あと、城ヶ崎妹って何?」

 

「城ヶ崎さんの、妹、だろ?」

 

「どうせなら、莉嘉って呼んでよ!」

 

「はいはい。分かった分かった。莉嘉、これでいいだろ」

 

「うん。よろしー」

 

子供かよ。可愛いな。

 

「私も、美嘉、でいいよ」

 

「ん、そうっすか?じゃあそう呼びます」

 

「・・・やっぱり私と反応が違う」

 

「自分の胸に聞いてみろ」

 

「なに、お姉ちゃんより小さいからって言う理由?」

 

「事実だが、違うわ」

 

「・・・変態」

 

「男だからな、仕方ない」

 

「う~、勝てない・・・」

 

何の勝負なんだよ。

 

「あははっ。やっぱり面白いね、蒼井君って。じゃあ、また明日。ほら、莉嘉帰るよ」

 

「ぐぬぬ・・・明日こそは・・・」

 

「また明日っすー」

 

「また明日ですわ」

 

なんだろ、莉嘉のあれはどことなくありすを思い出させるなぁ。

ともかく、さっさと車に乗る。

あー、やっぱ座席があるって良いなぁ。

 

「おーい、芳乃ー。おきろー」

 

「・・・んー?おや、いつもの間にか寝てしまいましたー」

 

「お疲れ様。もうそろそろ寮に着くから準備しろよ」

 

そういえば、桃華も寮だったよな。

あとは、ありすと、千枝もそうだっけ。

実際に見たことはないんだよなー、どういう所だろ。

 

「・・・あれが寮か」

 

ウチの会社ってもしかして、めっちゃ金持ってんのか?

でけぇな。って、それもそうか。3桁のアイドルの内の大部分が全国から来た人ばっかだからこれくらい大きくなるか。

 

「ではではー、みなさまー、また明日。でしてー」

 

「お疲れ様ですわ」

 

「おう、じゃあ、また明日だ」

 

「ちゃんと、寝るのですよー」

 

「分かってる」

 

「夜更かしは、行けませんよー」

 

「う、うん。大丈夫」

 

「それから、明日はしっかりと起きるのですよー」

 

「大丈夫だって。お母さんか」

 

「お姉ちゃん、でしてー」

 

え、それはそう呼ばれたいって事かい?

まぁ、確かに年齢的にはお姉ちゃんだけど、見た目が・・・。

 

「お姉ちゃん、でしてー」

 

「分かった、分かったから」

 

芳乃って、こんな性格なのか?

 

ともかく、無事長かった一日も無事終わりそうだ。

見慣れた家の前で車を降りる。

 

「私は帰る」

 

「なんだよ、寄ってけばいいのに。晩飯くらい食ってっても・・・」

 

「中にいるアイドル達に恨まれたくはないからな」

 

そーっすか。

ともあれ、走っていく叔母さんの車を見送りながら、今日の出来事を思い出した。

 

「・・・本当に疲れたー」

 

「お疲れ様ですわ、拓斗さん」

 

「お前こそな。お疲れさん」

 

こうして、波乱万丈な一日は終わりへと向かうのだった・・・。




『これで、長い一日が終わる・・・?』

と言ったな。もちっと続くんじゃ。

ちなみに、芳乃に関しては、拓斗のお姉さん的ポジションです。
フラグは立ちません。

というか、莉嘉と美嘉を差別化するのが難しい・・・。
いざ自分で書くとキャラが上手く固定できねぇ。
しばらく我慢してください。

あ、ゼロの執行人はマジで面白かったです。
初日に二回見たのはいい思い出。
何回も考えたけど、流石に主人公にスケボーは持たせない方向にした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。