ついこの間来たような気がしなくもないけど、またもや魔法の森に来ているこいしちゃんです。今日は最後の魔法少女に会うべくここに来ている訳なんだけど、生憎というか私と同じでフラフラ色んなところに飛んでっちゃうかと思えば家に篭もりきりだったりと会おうとすると会えない子なのだ。
「ふむふむ、それを私の前で言う必要はあるのか?」
何故か言わないといけない気がしてね。最近人に会うと妙に誰かへの紹介文を考えちゃうんだ。
「なんだそりゃ。ま、お前が変なやつなのは知ってるけどな」
失礼じゃない魔理沙。人を指しておいて変なやつはあんまりだと思わない?
「ほう。ならお前は私の事をどう思ってるんだ?」
変なやつ。
「おかしいのは私の記憶とお前の頭とどっちなんだろうな」
そんなことは置いといてさ、魔理沙も魔法少女なんでしょ?変身してよ、変身。
「突然何を言い出すんだ…。化け物にでもなれって言うのか?」
そんなわけないでしょ!ヒラヒラの可愛いコスチュームに変身するの!
「生憎そんなものは持ち合わせてないな、他を当たりな」
えー。いいじゃない魔理沙だってかわいい服着てみたいでしょ?女の子は1度くらい私みたいなフリルだらけの服とかを夢見るものだと思うけど。
「まるで私がそんな服を着たことがないとでも言いたげだな」
ないでしょ。今日も真っ黒な服着てるし、喋り方も男勝りだしなぁ。
「まあ、わざとだからな。もっとも今じゃ板についたけど」
へぇ、その理由は?
「なんで言わなきゃいけんのだ。私も乙女だから秘密の一つや二つはあるってことだよ」
確かに。私は霊夢と魔理沙だったら怖いのは魔理沙だしね。
「それは私が霊夢より強いってことか?やっと私の強さに気づいたか!」
いや、普通に考えて人間で霊夢より強いっておかしいでしょ。女に強い人間他に見た事ないもん。
「なんだよ…じゃあなんだって私の方が怖いんだ?」
貴女が一番人間っぽいから。
「ますますわからん…」
「それで、なんで私のところに?最近話題だぞ、色んなやつがこいしと会ってるってな。少し前まではそんなこと聞かなかったけどな」
そうかな、あんまり意識してないけど。思い返してみればそうかも、無意識の制御が少しずつできてるからかなぁ。
「それは、良かったのか?おめでとう?」
うんうん、祝ってくれていいよ。
「あ、お前が書いた本読んだぜ。まさかそんな壮絶な過去があったなんてな」
信じてないでしょその言い方。まあフィクションなんだけどさ。
「当たり前だろ。なまじお前をモチーフにしたやつが本物だったとしても、姉役があまりにもかけ離れすぎてるぜ」
でもあのお姉ちゃんを小説に出しても、って思わない?
「それは超思う」
でしょー?まあお燐は信じちゃったけどね。
「おいおいマジかよ。主人への理解度が足りないんじゃないか?」
理解度が足りないのは果たしてどちらだろうね?外面だけとても強そうで、家で泣いてるかもしれないじゃん。
「家で泣けるようならもう少しマシな性格してるぜ」
そりゃそうだ。
「話が逸れたな、私のところに来た理由だ」
うーん、無いね。なんとなくかなぁって。
「ま、そんなことだろうと思ったぜ。残念ながら客人をもてなす程の豪華なものは無いから我慢してくれよな」
いやいや、いっぱいお話出来たし私は結構満足してるよ。でもそうだなぁ…せっかくだから、1回だけ女の子っぽい喋り方してみてよ。
「はぁ?なんでまた…まあいいか。そうだなぁ…」
少し考えたあとに魔理沙は咳払いをした。
「今日はお越しいただきありがとうございます、またいらしてくださいね?」
にこり、と薄っぺらい笑いを貼り付けて掠れそうな声で鳴いた。
おー、とっても自然な仕草とお店の人みたいな挨拶。また遊びに来るね。
登場人物
・古明地こいし
空っぽな女の子。お腹を満たすために人とお喋りがしたい。
・霧雨魔理沙
キャパオーバーな女の子。子供時代にどんな子だったかとても気になる。