お姉ちゃん、それなに?   作:えんどう豆TW

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金髪の子かわいそう

 

 

 

この場所に名前はない。この場所は誰も知らない。この場所は誰にも見つからない。そんな嘘みたいな異界に私達は迷い込んだ…。

 

「そりゃ今作ったからね。何を詩的に語ってるんだか」

 

そんな夢のないことを言わないでも。今日は定期的に行われる妖怪達の会議。当然無作為に呼ばれるわけじゃなくて、お姉ちゃんとかレミリアとか、大きな勢力の上に立つ者が呼ばれる。

 

「いや、貴女を呼んだ覚えはないけれど」

 

隙間おばさんは無視。気を取り直してここにいるメンバーを紹介しよう。

紅魔館の主、レミリア・スカーレット。地霊殿の主にして地下の女王、私の最愛の姉、古明地さとり。

 

「さとりの扱いが私と比べて尊大過ぎない?」

 

お子様吸血鬼も無視。続いては天狗達の長、天魔さん。この人は初めて見るかな。それから隙間おばさんと手下の狐さん。

 

「雑!私の扱いが雑…待って今おばさんって言った?」

 

言ってないよ。うんうん、これで今回のノルマも達成。みんなのすばらしさが伝わったんじゃないかな?誰にかは知らないけど。

 

「こらこら、みんなを貴女のペースに巻き込んじゃダメでしょ。今日は大事な会議なんだから」

 

誰だろうこの人。猫をかぶるってこんなことになる?普通。もっとも家で見せるようなクズさを外に出すわけにもいかないか。

 

「ていうか、本当に呼んでないというか来てはいけないのだけれど?さとりもなんで連れてきたのよ」

「え、行きたいって言ったから…」

「え、そんな軽いノリで連れてきたの?もしかしてこの会議軽く見られてない?」

 

もはや威厳の欠片もなく狼狽える隙間おばさん。周りの妖怪はその様子を見てそれぞれ笑ったり無関心だったり。

 

「いやぁしかしお前が出てくると聞いて驚いたけど、これが目的?私だって咲夜を置いてきているのに、それはずるいと思わない?」

「思いませんね。どうして?」

「この会議は従者の付き添いも禁止だ。だから天魔も私も単身でこの場にいるというのに」

 

レミリアの言葉に天魔さんも頷く。

 

「ならば毎度狐の式神を連れてきている主催者から咎めるべきでは?」

「わ、私!?私はこの会議の提案者でしょ!」

「主催者が規則を守らない会議が成立すると思っているのですか?」

「それに藍にはいざと言う時に私の代わりを務めてもらう必要がある」

「ならば私も同じ。地霊殿にいるのは私とこいし以外にペットだけ。いざと言う時にはこいしに代わりを務めてもらわなければ、どうです?」

「ぐっ…」

 

勝手に名前を使われてるけど、私はお姉ちゃんの代わりにはなれないのでなんとも複雑な気分。一方のレミリアは可笑しそうにくつくつと笑っている。

 

「いやぁ面白い。確かに咲夜では私の代わりにならないしフランドールには任せられない。一本取られたってやつだね」

「どいつもこいつも呑気に…。はぁ、もういいわ」

 

ついには隙間おばさんが折れてこの問答は終わりを迎えた。お姉ちゃん顔に出てるよ、私に口で勝てるとでも思ったかって。

 

 

 

 

 

会議というからにはもっとすごいものを想像してたんだけど、蓋を開ければ大したこと無かった。こう、人間の里を侵略したり幻想郷を支配したりみたいなのを想像したんだけどな。つまんないの。

 

「じゃあ、次の議題に…」

 

そうだ、イタズラしちゃお。

 

「そういえばこいしちゃんが見えないけど」

「あら、飽きてどこかに行っちゃったかしら」

「いやここさっき私が作った会議場だからどこか行くなんてありえな…なにこれ」

 

部屋の真ん中に黒電話。

 

「これは…こいしちゃんの?」

「まあ恐らく」

 

ジリリリリリン。ジリリリリリン。

 

「鳴ってるけど…」

「出てあげたらどうです?」

「嫌よ、なんで私が」

「この会議のまとめ役でしょう?進行の妨げを取り除くのも役目かと」

「貴女の妹でしょうが!はぁ、なんで私がこんなこと…」

 

「もしもし」

『私メリーさん。今貴女の近くにいるの』

「あのねこいしちゃん、お願いだから会議の邪魔だけはしないでくれる?ていうか飽きるくらいなら来なければよかったじゃない」

『えー、だって経験って大事でしょう?』

「はぁ…今回は許してあげるから次からは」

『私マエリベリー・ハーン。今どこにいるのかな』

「なっ!?なんでその名前を知って…!?」

『あはは。私、今

 

貴女のうしろにいるの」

 

その後聞こえた悲鳴で私は満足した。まるで少女の悲鳴みたい。おばさんなのに。

 

 

 

 

「このクソガキ!今日という今日は許さないんだから!」

「まあまあ八雲殿、童の悪戯なんぞに目くじらを立てるでない。くくく、せっかくの美人が台無しだぞ?」

「うるさいわね!あんたも止めるの手伝いなさいよジジイ!」

「取り乱すなよ八雲紫。いつもの冷静さはどうした?」

「あんたも黙ってなさいクソガキその2!散々コケにしてくれちゃって!」

「貴女らしくないですよ?こいしの悪戯なんかに腰を抜かして」

「元々はあんたのせいでしょうが!!!」

 

いやー面白い面白い。楽しい会議になってよかったね隙間おばさん。

 

「良くないわよ!出禁!次から出禁だから!」

 

仲間はずれは良くないと思いまーす。

 

「何が仲間か!後からみっちり事情聴取するから覚悟しなさい!」

 

結局、その日の会議は解散になった。約1名を除いてみんな楽しそうだったから多分大成功。

 

 

 

「ところで、なんで八雲紫はあんなに狼狽えてたのかしら」

 

さあ?この前会った外来人の名前を言っただけなんだけど。

 

「…ふーん?」

 

 




登場人物

・古明地こいし

みんなのムードメーカー。みんなを大混乱に陥れてその場を盛り上げる。

・古明地さとり

爆弾を持っていった張本人。満足した。

・金髪の隙間おばさん

いつもかわいそうな目にあう。

・その他の妖怪

今回ちょっと多すぎ。全然喋れてないね。
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