「いい勝負だったじゃない。やっぱりこいしって強い妖怪なのね」
なんで菫子が嬉しそうなのかは知らないけど、まあ弱い妖怪じゃないと思うよ。現に地底ではそんなに喧嘩売られることもないし…いやまぁ地底にはそもそも格上に平気で喧嘩売るやつばっかりで宛にならないけどね。
「やっぱりこう、強いキャラってのは力の誇示をしない方が強く見えるわよね。飄々としててここぞって時にね!」
すっごいテンション高いね。まあでも、本当に強い人はその事実だけで満足できるものよ。これはお姉ちゃんの言葉だけどね。
「あーたしかに。能ある鷹は爪を隠すけれど、優秀であればそこに価値があるって考えればわざわざ人に見せ付ける必要が無いもの」
自己顕示欲って言うのは常に余裕のない人が持ってるものだからね。
「あなたみたいな小さい子が深いことを言うと年季の差を嫌でも感じるわね。ロリババア?的な?」
悪口にしか聞こえないよそれ。
「それくらい思わないと、歩き煙草をしてる幼女なんて見てられないもの」
別に良いでしょこれくらい。いい加減慣れて欲しいなぁ。
でも昔は私も弱々しい妖怪だったけどね。
「本当に?生まれながらに強い妖怪は強いってイメージだけどなぁ」
そんなことないよ。生きた年月が長ければ長いほど妖怪は強くなる。ま、吸血鬼みたいに種として強い妖怪やお姉ちゃんみたいに弱い種族なのにとんでもなく強い妖怪もいるけどね。
「へぇ、あなたのお姉ちゃんは強いんだ?」
強いよ。お姉ちゃんが負けたの、見たことないもん。
「だからこいしも強いの?」
それはどうかな。でもサトリ妖怪の中では結構強い方だと思うよ。
むかしむかしある所に幼子の姉妹がいました。不幸なことに、彼女たちは人の心が読めてしまいました。心の弱かった妹はいつも姉に守られてばかりで、そのうち人の心を読むことに疲れて辞めてしまいました。それからというもの、世の中の全てのものが気にならなくなった妹は強い妖怪になりました。彼女がそれを望んでいたのかはもうわかりません。
「…それって貴女達姉妹の話?」
さあね?でも妖怪の強さは精神の強さなんだ。強い妖怪は強いと思ってるから強い。妖怪の思い込みの力は人間のとまるで違うのよ。
「ふぅん」
案外あなたも例外じゃないかもよ?人間にしては精神が妖怪寄り。
「えぇ、そんな訳ないでしょ。どこがよ」
夢の中で違う世界に行くことが出来ると思い込んでるところとか、超能力が使えると思い混んでるところとかね。
今回は小話なのでこのコーナーはおやすみ