メリークリスマス!地底にサンタがやってくる〜!
「こいし、落ち着きなさい。何をそんなに喜んでるか知らないけどとりあえず部屋で暴れるのをやめて」
えぇ〜つまんないの。知らないの?クリスマス。
「知ってるわよ。西洋の祝日で誰だかの誕生日でしょ?それをどうして貴女が喜んでることに繋がるのよ」
やっぱり知らないんだ!クリスマスは偉い人の誕生日にかこつけて豪華な料理を食べたり人とプレゼントを交換したりするんだよ。
「そうだったの?詳しいのね」
フランが教えてくれたんだ!だからウチでもクリスマス、豪華な料理でお祭りしようよ。
「まぁ…別にいいけど、紅魔館の催しには行かなくてよかったの?」
私はお姉ちゃん達とお祝いしたいの。フランには悪いけど、こっちの方が落ち着くからね。
「そこまで言われちゃ動かない訳には行かないわね。お燐たちを呼んできてくれる?」
はーい!
地底にも雪が降る。なんで?とたまに思うけれど、雪が降るからという結論にしかならない。この世界には『そういうもの』が溢れてる。賢い人は納得する、幼い子は文句を言って喚くけれど喚くだけ。私は…私はどっちだろう。
「どうしたんですか?こいし様」
お燐に心配されたかな、変な顔してたかも。ううん、なんでもないよ。…お燐はさ、なんでクリスマスで私たちがお祝いするんだと思う?
「え?えー…そう言われてみればなんででしょうね」
私も答え知らないからさ、お燐の考えを聞かせてよ。
「うーん…私たちが楽しいからじゃないですか?」
苦笑混じりにお燐は答えた。ああ、そっか。そういう考えもあるよね。確かに、楽しいのはいいことだもんね。
「ちなみにこいし様はなんでだと思うんですか?」
わからないから聞いたのよ。でも、欲しかったものが少し貰えたかも。
「えっと…よくわからないですけど、お役に立てたなら何よりです」
うんうん、ありがとうね。それで、今日の豪華な夜ご飯は何?
「えー、それ聞いちゃうんですか?せっかく秘密にしようと思ったのに」
だって気になるじゃん!でも私でも当てられるよ。鶏肉の丸焼きでしょ!
「言い方…ろーすとちきん、ってやつですよ。さとり様の書庫にレシピ本があったので作ってみようかと」
あー、あれね。お姉ちゃんがこうやってお燐の作れる料理を増やすために置いてあるんだよね。そのくせ何も言わないんだから。
「まあ、さとり様はあんまり料理しませんもんね。別に嫌じゃないですし、私が気づかなかったら直接言われてたでしょうし」
図々しいことこの上なしだね。それともこれくらいが当たり前なのかな?レミリアもわがままだしね〜。
「そのぶんお世話になってますからね、もう少し自分の体に気を使っていただけるといいのですが…」
あー、まあちょっとやそっとじゃ死なんでしょ。むしろあれだけの外道が他人に心配されるなんて幸せ過ぎるよ。
「あはは…ま、人になんと言われようと私の恩人であることに変わりはありませんから」
眩しい。眩しすぎて失明しちゃう。お姉ちゃんの目も潰れちゃうからそれは本人の前では隠しておいてね。
「…?あ、そうだ。クリスマスのことは知ってるんですけど、メリークリスマスってどういう意味ですか?クリスマスの合言葉みたいなもんだとは思ってるんですけど」
あ、知らないんだ。特別に教えてあげようじゃないか、フランに教わった私が偉そうにしても仕方ないんだけどね。えっとね、ごにょごにょごにょ…。
その夜、食卓にはいつも見ないような大きな鶏肉や綺麗に彩られたサラダやシチューといった豪華な料理が並んだ。お姉ちゃんの提案で人型になれるなれない関係なしに、地霊殿に住むペットをエントランスホールに集めての大パーティだった。とっても広いエントランスホールだけど、さすがにペット全員だとぎゅうぎゅう詰めだ。
でも、やっぱり私はここでパーティをして良かったと思える。その方が楽しいもんね。
「「「お姉ちゃん(さとり様)、メリークリスマス!!」」」
私とお燐とお空とでプレゼントを片手にお姉ちゃんに抱きついた。当の本人は困惑気味に、けれど嬉しそうに抱きとめてくれる。けれど少し怪訝な顔になって、
「………『地獄で会おうぜ』?」
お姉ちゃんも知らなかったみたい。
登場人物
・古明地こいし
グローバルな思考をしているが基礎知識は日本的。
・古明地さとり
頭の硬い老人みたいに外の考えを取り入れられない。でも自分の利になることはなんでもやりそうでもある。
・お燐&お空
ええ子やでほんま…。そのうちお燐お空メインの話も書きたいね。