人からの目など、私には無縁なものだと思っていた。否、無縁なものにしたかったのだ。他者からの嫌悪が、憎悪が、あらゆる黒い感情が私に向けられているような気がして私は瞳を閉じた。しかしそんな私にもとある理由で人の目が集まった時があった。その時の高揚感は未だに忘れられない。宗教戦争だなんだと言っていたが私にはそんなことどうでもよかった。ただ人に応援されるということがこんなにも嬉しいことかと心動いたんだ。とどのつまり何が言いたいかというと。
「いや~~~~私の方が先に出ちゃってごめんねお姉ちゃん!!!!」
「・・・何の話かわからないのだけど」
いやいや、いやいやいや。とぼけても無駄ですよ奥さん。ついに私も出演となりましたじゃないですか。
「・・・なんのことかしら」
いや~~~~もう姉妹一緒に出られたのもよかったけどプレイアブルキャラクターとしては私が一足先だったようでね。ええ、それはもうほんとに残念というかぜひとも姉妹一緒に実装してほしかったというか先に実装された優越感というか。
「人気投票も私の方がいつも上だもんね」
「口を慎め・・・」
おっと逆鱗に触れたみたい。まあまあ落ち着いてよ、ゆーて一桁でしょ?7位?8位?まあ下なんて見てないから刹那で忘れちゃった。
さて万年8位のお姉ちゃんのサードアイがエンペラーアイに変わる前に機嫌を直さないと。
「お姉ちゃんがゲームのキャラになったらどんなタイプかな?やっぱり妨害系?」
「やっぱりって何よ。まあ力で押すよりも策で圧倒する頭脳タイプでしょうね」
「自己顕示欲が強すぎるあまり言葉から溢れてきてるよ」
圧倒するて。まあ非力といえば非力ではあるけども、こう、なんだろうね。面の皮が厚いというか図太いというか物怖じしないというか。
「ブチギレてる勇義の前に平然と立ってるんだもんね」
「暴れられたら堪ったもんじゃないでしょうに。地底のリーダーとして止めに入るのは当然よ」
「それでも本気の鬼の四天王の前に涼しい顔で立ってるの見たら失神するよ」
ちなみに私はお姉ちゃんが死んだと思って本当に失神した。ショックで1週間寝込んでたらしい。
「起きるなり大泣きするわ抱き着いて離れないわであの時はすごかったわねぇ」
「心配するこっちの身にもなってよね」
「あんたが言うか」
心配の種類が違うじゃん。目の前で肉親が、しかも大好きなお姉ちゃんが殺されるかもしれないっていうのに。
「私は目の届かないところで死んでるんじゃないかって毎日気が気じゃないのよ」
むむむ、じゃあおあいこで。
「おあいこじゃなくてこまめに連絡を寄こしてほしいのだけれどね」
忘れちゃうんだよね~。ていうかどうやって連絡するのさ。スキマのおばさんにでも頼む?
「なんのためにペットを与えるんだと思って。って置いてけぼりにしたんだっけあんた」
「そうかも」
「泣いてたわよあの子たち。帰ってる時くらい接してあげなさいね」
「はーい」
「ってことがあったんだよ」
「お前は私に何を伝えたかったんだ?姉と仲がいいことなら知ってるし、もし仮に出演したことか人気投票のことを自慢しているようなら今すぐ弾幕勝負だ」
「うーん今すぐ弾幕勝負だね」
「よしよし今日こそボコボコにしてやるから覚悟しろ」
終始無表情で私の話を聞いて無表情で喧嘩を吹っかけてきたこの子はこころちゃん。私の友達でお面の妖怪だ、多分。無感情で表情豊かな私と真逆で感情豊かなポーカーフェイスなのがこころちゃん。面白いね。
「あ、弾幕勝負の前にさ」
「なんだ?」
「もし自分を心配してくれてる人がいて、でもその人に迷惑をかけてばっかりの時ってどうすればいいかな?」
「そんなの今すぐやめろとしか言えんだろ」
「やめれない時は?」
「なんだそりゃ。そしたらもうごめんなさいしかないな」
「ごめんなさい、か。確かにね」
「なんだなんだ変なやつだな」
「え~貴女にだけは言われたくないなぁ」
「なんだと!」
ごめんなさいお姉ちゃん。私はお姉ちゃんに心配させてばっかりで迷惑かけてばっかりだけど、そのおかげでこんなに友達いっぱいできたよ。次帰った時はこう言おう、覚えてたらだけど。
・古明地こいし
当たらないんですけど(半ギレ)
・こころちゃん
無表情ロリ的なそんな感じの需要だと思います