邪パリパークとかふざけたセッションをして来ました。楽しかったです。まともなシナリオに立ち返ると、凄い真顔になりますね。
ウィジャゲーム、コックリさん、チャリーゲームなど簡単な準備と数名の人間で行う交霊遊びの様なものは世界各国に存在し作法に差異はあれどだいたい同じような儀式めいた行動をする。
この日本ではコックリさんと呼ばれ、10円玉と五十音表を使うものが主流だろう。それはある程度の間隔をあけて突如子供たちの間で思い出された様に流行ったりするのだ。
心霊的なものをとんと信じないコナンは、かれこれ二度目の小学生であるがコックリさんの流行を経験したことはない。
まさかここで初体験するとは思っていなかった。
コナンとしては先ほど見つけた遺灰らしきもの、姿を消した竹城、宮口正平の行方、明らかにおかしいな焼死体など調べたい事は山ほどある。それなのに、黒井に捕まってしまったのだ。
彼女の思惑としては、大変な惨事の中でじっとしていられない幼い子供の気を引いてじっとさせようというものなのだろうが…。
「本当にやるの?」
正気を失って笑い続ける死体と共に居た男と、弟の安否が気掛かりで落ち着かない絹江。そんな二人をなだめる大人たちから少し離れた位置で黒井とウィジャボードをはさんで向かいあっていた。
「怖いですか?」
「怖かねーけど…」
うっかり素がはみ出てきている。
「好きな子の気持ちでも聞いてみますか」
淡々と表情を変えずに訪ねられ、瞬時に蘭の顔が浮かび苦笑する。こういった類の交霊遊びは参加者それぞれの微妙な筋肉の動き、意識で制御できない僅かな振動が影響しあい勝手に動いたように見えるのが殆どだ。
無意識とはいえ、そこには参加者の期待も混じるので恐らく蘭について尋ねたら…と。
「黒井さんは好きな人居るの?」
そう聞きつつも、離れた所にいる加賀知に視線を送る。二人の言動を見る限りでは互いに特別な感情を抱いている様に見える。
性別に関してはそんな野暮な事は言わない。
「…人は見かけに寄らないものですよ」
「え…?」
「いえ。直ぐに考え付かない様でしたら僕が何か聞いて見ましょうか。『ヨグ=ソトースには何処で会えますか?』」
アルファベットで書かれたボードをするすると文字を辿る。コナンにしてみれば、勝手に引っ張られる感覚だ。恐らく黒井が子供を楽しませようと動かしているのだろう。
━basement
「地下…?」
「凄いですね。最近の子は普通に英語が読めるんですね」
「ちょ、ちょっとだけだよ。それよりヨグソトースってさっきの部屋で言ってた、アレ?」
「『地下に行くのに特別な手順は要りますか?』」
無視して黒井は次の問いを投げかける。
ボードの数字の羅列を順に示してみせた。
「君も何か聞きますか?」
もしや、黒井はこの旅館について何か知っているのではないか、と思い始めた。あのこけしの中の灰の正体や行方不明になった宮口正平についても。
僅かに躊躇い、少し含みを持たせて問う。ウィジャボードに、と言うよりも黒井に対しての疑心をぶつける様に。
「『宮口正平は…生きている?』」
『どこに』とは問わずにあえて生死を尋ねる。
また勝手に腕を引かれる様な感覚を覚える。
━NO
「黒井さん、あなたは何を知ってるの?」
「僕はここについてなにも知りませんよ。だから聞いているんです。なんなら聞いてみましょうか?」
相変わらずの真っ黒な衣装に、真っ黒な髪、真っ黒な感情の無い瞳がじっとコナンを見据える。視線を動かさず此方を真っ直ぐに見たまま問いを発する。
「『僕は今嘘をつきましたか?』」
━NO
視線も向けられない手が勝手に動く。
そして瞬きなく続ける。
「『ではコナン君は嘘をついていますね』」
━YES
闇のような混濁の瞳にざわりと寒気を感じたところで、旅館の外からサイレンの音が聞こえてきた。
黒井「僕は一切嘘を付いていませんから」