実際に回してみてからですが、これも×名探偵コナンに使えたらなぁ…とも考えましたが無理ですね。きっと。この内容は絶対に探偵さんには相いれない。
と思っている今日この頃です。
現代日本では浮きまくり悪目立ちする格好に騙されるが、その顔立ちは間違いなく絶世の美女である加賀知の目をしっかりと見つめながらコナンは思考する。
果たして、宮口正平の件やこけしの中の遺灰など。
彼女の言葉に嘘は見られない。誰かに頼まれてこの旅館の機密を探りにきたという。正直、自分で言うのも虚しいがこんな子供に打ち明ける事ではないだろう。
いや、子供だからこそ話したからと言って何も影響はないだろうという驕りか。
それならば、加賀知の提案通り『協力』するのはありかもしれない。警察がきてしまった以上、大人である彼女の目があるという建前で行動の制限も減るのではないかと考えた。
…黒井よりも得体の知れなさが無い、というのも理由なのだが。あわよくば彼女との会話から黒井という人物につて探りを入れられれば、という事も。
そう考え、子供らしく無邪気さをいっぱいに浮かべて元気良く頷いて見せる。
「うん!」
加賀知が、出会いの様に、どこか蛇を思わせる様な笑みを浮かべるのに僅かにうすら寒いものを感じながらも彼女へ問う。
「加賀知さんが他に聞いたことってないの?」
ふむ。と彼女は僅かにだが考える風にして顎を引く。
「あいつは、こちらが困ってるのを愉しんでいる節があるからね。私たちに指示だけ寄越して『何が』とは一切教えずさ」
「それ…すっごく怪しくない?」
よくもそんな大雑把な話、しかも相手は自分たちを困らせて楽しんでいる事を確信しながらも頼みを聞いてやってくるなんて余程親しい仲なのか、弱みでも握られているのか。
「ああ、そうだろうね。なんせあいつ自身が胡散臭さ10割みたいな存在だ。まぁ、そういう訳さ。私の分かっている事なんてほぼない。…君は何かここの妙な事に気づいたかい」
一瞬躊躇ってから、宮口正平の事、こけしの中の遺灰の事、風水師と名乗った竹城の事を話す。
その三つを聞いて加賀知は一つ頷いてから、喫茶店のスペースで警察や救急隊員と言葉を交わす数人を眺めてからコナンの手を握って引く。
その手の異様な冷たさに一瞬怯むが、向かう先がロビーのカウンターだと気づきそのまま付いている。
不思議な事に、加賀知が警察の目の届かない所へ向かうのに咎めはしない。
「ねえ…加賀知さん、ボクの話を信じるの?」
「おや、『嘘つき』なのかい?」
「…!嘘じゃないけど…」
もう一度、警察と人々、特に支配人の様子をみてから、どうどうとカウンターないの帳簿を漁り、コナンに渡してくる。
黒井の『嘘を付いている』という言葉と重なる。
それでも渡された帳簿を捲り、宮口正平の失踪日まで遡りつつ、竹城という名前を探す。
支配人の言う通り、宮口正平が『宿泊した』という記録がないが、ちょうど絹江にメールを送った日付に赤松隆二という人物の名前が残っていた。
「ところで小夜林は、何か言っていたかい?」
「加賀知さん、黒井さんと仲良しなんだから直接教えてもらえないの?」
「あー…小夜林は、ちょっと謎が多くてね。私にも教えてくれない事が多いのさ。それでどうだい?君の知りたい事は分かったかい」
少し意外なものを感じる。彼女たちはまるで友人以上の様に接しあっているの様に見えたが案外お互に未知の部分が多いようだ。
「うん。少し気になった事はあったけど…これといった決め手は…」
「よし。じゃあ次だ」
「次?」
再びさっと、コナンの手を引きカウンターの奥の扉へ向かう。スタッフルームとプレートが掛かっている。
さも当然といった様にノブを数度回し、
「やはり施錠されているか」
そして当然の様に装飾過多なネクタイピンを外し鍵穴に差し込む。
「ちょ、ちょっと加賀知さん…!」
コナンも捜査の為と、うっかりすれば違法な侵入を果たしたことも有るが、正直現在の子供の姿という事を免罪符に使っていた節がある。
それを、成人した人物がこうも堂々と錠前破りを決行する事に驚いた。
「ふふふ。良い子はマネしてはいけないぞ。生き延びるためにこういう事が必要だったりするのさ」
がちゃり。
とネクタイピンであっさり解錠してしまい、愕然とする。
「さぁさぁ、無能共が騒いでいる内に早く済ませてしまおうか」
加賀知に促されるままに、スタッフルームに踏み込む。
そこは小さなキッチンがついた、下手をすれば生活する事も可能な一室だった。実際に生活感も感じる。
「私はここで見張っていよう。好きに調べるといいよ」
…なぜ子供に対して、加賀知がここまで放任してくるのか些か引っかかるが、利用させて貰えるならば利用しよう。
先ずは、と押し入れに手をかけた。
そこに数冊の本や、ノート、おそらくこけしを作る為の工具、そしておびただしい数の時計、特に腕時計が多い。
あの飾られたこけしが支配人が作ったと言うのなら、『中身』も彼が『作った』可能性が高い。
そして一冊のノートを開く。
「これは…!」
西暦と月日に人名、そして時間と1000度付近の温度が記されている。
一番最近の物に、宮口正平の名前が確かにあり、そしてコナンの記憶が確かならばこの日付はこけしの底に書かれた日付に一致する。
やはり…宮口正平は、支配人は…、と思うところで、ふと、目に入る。あのコナンと黒井の前に現れた風水師を名乗る男、竹城の名前が記されていた。
「なるほど…」
見上げるといつの間にか加賀知が背後からのぞき込む形で見下ろし、あの蛇を思わせる妖艶な笑みを浮かべる。
「黒は彼か」
加賀知「SAN値盾を手に入れて」
黒井「鍵開け45でよく失敗しませんでしたね」