名探偵と探索者でいあ!いあ!   作:犬(ゆきいろ)

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とっても久しぶりです。今年は花粉少な目で嬉しい限りです…。
忙しくて文字を書いたり、実際にセッションをする機会が余りないのは悲しいです…。
最後にやったのは1月に、午後1時位から、翌日朝六時までぶっ続けでやっていたやつです。何か変な境地に達してました。
ずっと謎時間で進んでいた部分の一部が本編に合流します。


黒き地母神に奉げるいあいあ!10

「ねえ。どうして貴女は何もしないでここに居るの?」

 

妹とは違い流暢な日本語で金髪に青い瞳の女が不思議そうに問いかけてくる。

大きな画布に向かっていた女が振り返り、さらりと流れた金色の髪を耳にかけながら首を傾げた。ぞわりと寒気のする程に美しい女だ。

窓から差し込む斜陽が、金色の髪を煌めかせまるで後光の様に輝かせる。

 

「どうして…と言われても、あなたがあの子にお使いを頼んだから、私はやる事もないし…」

 

宮野明美は目覚めて…いや『りっちゃん』がいう所の、怪物に成り代わってから超常的な力で黄泉還らせた当人である『りっちゃん』と彼女の姉のもとに居る。

もっと正確に言えば、『りっちゃん』の姉に付いて回って雑用をしている事が殆どだ。彼女は芸術家であり、宗教家であり、非常に多忙だ。付き人の需要は高いようだ。

 

「そういう事じゃ無くてね?何で貴女、せっかく生き返ったのに大人しく私達の元に居るの?あれだけ散々騒ぎ倒したのに、逃げ出そうとする様子もないじゃない」

 

筆をおいて、自分自身が芸術作品の様な女が真正面に向き直った。

家族とか恋人とかに会いに行かないの?と、まるで感動ヒューマンドラマでも期待している様な顔で尋ねて来る。

 

「……だって私はもう死んだ人間だし、ニュースにだって成ってるのよ?帰る場所があると思う?」

 

家族や恋人に関しては言及しないで、それだけを告げる。

しかも本人の死体はしかりと回収されとうに荼毘に付されている。埋葬された先は、分らないが。

 

「え。そうなんだ。私ニュースとか見ないからなぁ…日本物騒ね。大きな事故にでも遭ったの…?私も適当な魂を捕まえていただけだから、貴女が元々誰かとか分らないし」

 

美しい女は『魂を捕まえる』などという。

そもそも物騒なのは彼女自身だ。明美を黄泉がえらせた当人は『りっちゃん』だが、そのために使われた大量の人間を集めたのは目の前の美女だ。

どうやってそんな事を、と問えばうふふ、と微笑むばかりで無いも言わない。

 

明美が居たあの組織が、利益と武力で力を持っていたのならこの女が属するモノの力は信仰だ。ある意味それは暴力や権力から来る力よりも数段厄介だ。

 

「あら?」

 

まるで彼女自身が崇拝対象だと言う程の美貌で見つめて来た女が小首を傾げる。筆やバケツ、パレットに紛れて存在して居たスマホを持ち上げた。

 

「ねえ、暇ならお使いを頼まれてくれる?ずっと私を眺めて居るだけじゃないの」

 

おつかい。つまり外出だ。

先程も言った通りに宮野明美は10憶円強盗の犯人であり、死亡したと報道されている。そんな人物が、堂々と外出出来るものだろうか。件の組織に関しても…死体を晒して居ても未だに安心が出来ない。

それをこの『ただの宗教家』である女に説明する事は憚られる。

 

「あの子が迎えに来いって言ってるのよ。姉を呼びつけるなんて生意気。ねえ、車のキー貸すから、行って来てよ。結構な郊外みたい」

 

その言葉に少し複雑な思いが浮かぶ。

最初14歳位かと思っていた『りっちゃん』は、あの見た目で19歳。目の前の美しい姉は24歳。丁度明美と彼女の妹と同じ位の姉妹。その姉妹の酷く砕けたやりとりはどこかチクリと刺さる感覚がある。

お互いにぞんざに傲慢に、身勝手に振舞う。それでもソレが出来るのは互いが互いの存在を大切に思って居る事を知って居るから。長く傍に在った家族を信頼して居るが故に、取れる同性の兄弟の気心された気安さ。

 

彼女は自身の妹とそんな風に接した記憶がない。

 

最終的に、命令には逆らった。妹がどうなってしまったのか知る術がない。

一度失った命であり、『りっちゃん』に怪物と称された身で有りながらそれを確認しようと行動する気概も無い、臆病な姉…。

 

「ねえ?聞いてる?」

 

「あ…、ええ。聞いて居たけど、でも…」

 

お願いね?そう言って女神の様な顔の『姉』は晴れやかに微笑み車のキーを握らせる。

 

「人間なんてそんな他人に興味ないものよ?車から降りる必要もない。ねえ、なんなら、このまま好きな所に行ってもいいよ?私は追わない」

 

やんわりとだが、有無を言わせずに明美の手に鍵を握り込ませる。手を握ったまま真摯な瞳で見つめる。青い海の様な瞳にも赤い夕陽が差し込み血の湖を湛えた目だ。

それは傾国の美貌にか、何とも言えない雰囲気にか、妙な怖気が沸き上がり頷いてしまう。

 

「…分かった」

 

そう答えればほっそりとした手を解き、お願いね。と笑った。

 

「ああ、そうだ。多分ナビに居れても出ないと思うから、ここで大体の場所を地図で見て行って」

 

そう言って再びスマホを手に取り、操作する。

 

「ここ、らしいんだけど」

 

こちらに向けられる画面には、郊外にでた自然公園のさらにその奥。地図上では林しかない場所だ。ここから結構な距離がある。来るまでも今から出たら陽が沈んでいる頃だろう。

 

「地図には載って居ないけど、『黒のゆりかご園』というところみたい。表はしまって居るけど名前は出てみたいだから」

 

「『黒のゆりかご園』ね分かったわ」

 

頷いた所で、ぽん、と軽い音がして再びメッセージを受信した事を告げる。持ち主が確認する素振りを見せたので

礼儀として、覗き込んだ体勢から身体を離した。

 

「…ねえ、明美。一つ注意事項。『そこ』で何を見ても、手出しは厳禁。決して関わっちゃダメ。きっとそれは彼らの悲願だから。そしてあなたは出来れば何も見ない事。考えない事。偽物の命でも失いたく無ければ守って。ね?」

 

内容を確認し、酷く真面目に、温度のない声でそう指示される。

表情の抜け落ちた美しい顔とはこんなにも恐ろしいものなのかと、頷いて了解の意を伝える事しかできない。

その温度の無い視線から逃れる為に、車の鍵だけを握りしめてその場から逃げ出した。

 

「……は…あはははははっ!ああ、何て幸運!何たる行幸!我が主の伴侶たる女神が降臨成される!ああ我が主よお喜びくださいますか!?彼の女神をこの目にする栄光に与ることが出来、あなたの下僕はこんなにも高揚しております!!」

 

背後から聞こえる、空気を震わせる様な狂笑を足を動かす事で振り払おうとした。響く声に先程まで会話して居た美しい女の気配は無く、唯の狂人がそこに居るのだと伝えていた。




姉「よっっしゃああ!!!生のお嫁様画像が増えるぅうう!!!啓蒙がたかまるぅううう!!!!次の新刊のネタ提供だわっほおおおおい!!!!!」

某ドラマー「ニグラス×ハスター解釈違いです死んでください。むしろハスター信者死んでください」

某ベース「えっ公式はニグイグじゃないんです??」

某ボーカル「なんだかすいません」
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