名探偵と探索者でいあ!いあ!   作:犬(ゆきいろ)

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最近のセッション
推奨PC、頭の良いPCでお願いします。

PC1立ち絵黎明卿、新しきボンドルド「製薬会社の研究員です。SAN値が90有ります」
PC2立ち絵悪夢の主、ミコラーシュ「研究費を出して貰えずささくれ立ってる大学教授です。啓蒙(神話技能)38です」

KP「絵面が最悪過ぎるんだが????お前らちゃんと体にHP有るか????」

どうしてもINT、EDU高いキャラ限定だったので数値の入れ替えでAPPが犠牲にされ、仮面と檻を被ったくそ不審者探索者でした。

とてもお久しぶりです…。


黒き地母神に奉げるいあいあ!11

バスを降り、嫌な汗を感じたまま林の中を大回りして進む。

しばらく進めば硬く閉ざされた門扉に、『黒のゆりかご園』と随分と新しい名盤が出て居たのだが、小学生低学年と女子中学生二人では超えるのは難しそうだった。

 

幸い、その門扉から伸びた塀は敷地全てを囲う様な事は無く、林の中で途切れて居た。

 

「物凄くひロいねー」

「…そうだね…」

 

バスを降りてすぐに交わした話題を、敢えて避けるかの様にリートは呑気に呟く。コナンとしてはその辺りの事情をもっと詳しく聞きたかったが、今起きて居るこの事件も『ソレ関係』という事では、話して居る暇は無いのかもしれない。

 

「何処まで敷地なんだろう…」

 

本当に、郊外に有るにしてもあまりにも林の面積が大きすぎる。自然の多い環境での養護施設だとしても、林はあまり手入れがされていない。

そもそもここに来る為のバスの本数も少なく、子供が生活するには学校に通うにも不便だろうに…。

 

今起きて居る誘拐事件以前に、何かこの施設はおかしい。

 

「コナン。あれ」

 

手入れもされずに、なかなかに歩きにくい林の中で僅かに開けた所にでる。そしてリートが前方を指さす。

そこにはそれなりに大きな納屋が有った。

林の手入れは疎かなのに、その納屋はそれなりに綺麗だったが…何か違和感を感じる。その納屋ではない。その周囲。

 

何てことはない、ただの、周りに比べて大きな樹木が数本あるだけだ。黒々とした硬そうな『樹木』が…。

 

ざらり、とコナンの脳内を何かが過った気がしたが、それについて思考を巡らせようとすると、これまでの人生全てが覆されてしまいそうな、不安定な気分になってしまう。

 

「あれって、黒のゆりかご園のものかな…?」

「あーソッチ?うんまぁそっちはそっちで良いケど。うん。大回りして、門の位置と同じトコまではきたかな?」

「そっちって?」

 

最初から、妙な事しか言って無かったリートだが、殊更に妙な事を言う。

 

「"SENSE LIFE"」

「え?」

 

そっちとは何のことか、と見上げたリートがいつにない真顔で、なにか、耳に馴染まない言葉を紡ぐ。ごく短い、まるで『詠唱』なんて表現がしっくりきそうになる、音。

馬鹿げてた発想だと思いながらも、何故かそんな考えが浮かんでしまう。

この前から、自分はどうしてしまったのだろうか…と若干不安になる。疲れて居るのだろうか。

 

「うっわぁー…」

 

そして大仰なまでのリアクションで目を覆う。ぼそぼそと6体とか無理ダーと言う言葉はコナンには届かなかった。

 

「ねえ!?さっきからどうしたの!?」

「ンーーーーー。待って、今考えテる。なぁにこれ。帰りたい。ちょっと無理。コナンこれは無理だ。お姉ちゃんに迎イに来て貰ウ」

「だから、どうしたんだよ!?」

 

余りにも深刻そうな顔のまま、本当に困った様に嘆くのに一切事情を語らないリートに、どういう事だと詰め寄ってしまう。

何か、そんなにとんでも無い事が起こって居るのだろうかと焦りが増す。

 

「取り合えず、あの小屋?人間が二人いルね」

 

何故それが分ったのかよりも、慌ててそちらへ視線を戻す。先ほど、納屋を確認した際に気づいたのだが、あの納屋には閂が外から掛けられている。

内から開けられない納屋に、人が!?

 

「それ、子供…?」

「え、さあ?」

 

そこまでは分かんない。とリートは首を振る。

 

「…行って見よう。こんな奥まった出れない納屋に、人何ておかしいよ」

 

えぇー…と今までがんがん進んでいたリートが明らかに及び腰になって居るが、コナンはそっと納屋へ進む。

周囲に『人』の気配はない。

 

納屋の側面に回り、気配を殺して窓からのぞき込もうとして、厚い遮光カーテンに視界を遮られていた。

耳を澄ますと、中からは弱々しい、謝罪の様な言葉が聞こえる。

 

その言葉にはっとし、急いで入口へ戻り一瞬躊躇ってからそっと閂を、外す。

 

ゆっくりと扉を開く。

 

「ひっぃいぃっ……!!!」

 

夕方に傾き始めた日が、納屋の中をオレンジ色に照らす。その光は扉を開けたコナンも照らし、照らし出された小さな少年の影に納屋の中に居た人物が引き攣った悲鳴を上げる。

 

「ねぇ!!違うのよ!!私達だって!!仕方なかったの!!!あなた達に意地悪したかったわけじゃないのよぉお!!本当よ!!仕方なく、仕方なくなのよぉお!!」

「ごめんなさい、ごめんなさい…!おねがい、あの化け物たちを何処かにやって…!ひぃい、あ!!あああ!!!居る!あいつらが!化け物が見張ってる!こっち見てる!!」

 

リートが言ったとおりに、納屋の中には二人の女性が居たが、コナンを認識した瞬間に恐怖のままに叫ぶ様に言い訳染みたものに、謝罪に、バケモノ等と常軌を逸した狂乱の叫びを上げる。

様々な事件に遭遇し、その中では存在しない祟りを心底信じ怯える人も居たが、目の前のソレは何かが違う。本当に、すぐ後ろコナンの後ろにバケモノが佇むかのように叫んでいる。

 

二人ともすっかり草臥れ、埃っぽく汚れた服に明らかにやつれた風体だ。片方は高齢の女性で、もう片方はコナンに見覚えの有る人物だった。

 

あの、探偵事務所の前で声を掛けて来た、妙に怯えた風の女。

しかし彼女はコナンに気づく事は無くただただ、何かに…『子供』と『バケモノ』とやらに酷く怯えパニックに陥って居る。

 

コナンが話しかけても、己の恐怖のままに叫び、謝罪し、言い募る。

完全な狂気に陥った人間。人を殺めた人間の言葉とも異なる、異様さ…その異様さに思わず半歩後自さってしまう。

 

その瞬間、背後に気配を感じばっと振り返るが、そこには何も無い…。

ただ黒々した大きな『樹木』が大きく揺れただけ。

 

閉じ込められていた筈なのに、怯えた様に納屋の奥へ後じさり逃げ込んでしまった二人は出ようという様子もなく、ただただ狂乱に陥って居る。

 

「警察と…救急車を、呼びますから…」

 

『大人』が狂っていると言う現状に気おされ、コナンはさらに数歩後退する。外を恐れる彼女達の為に扉を閉める。ただし閂は横へ置いて。

 

身勝手な理由や怨嗟で人の命を奪う『大人』も数多見たが、その実、コナンの…新一の周りには余りにも高スペックな『できた大人』が集い過ぎて居た。

大層聡明な20に満たない『子供』の言葉を尊重し、その能力を認め、思う存分活かせる環境を提供し続け、守る大人が居た。

確かに両親や自身を取り巻く環境に感謝をしては居たが、それを本当の意味で理解しては居なかったのかもしれない。

 

得体の知れない何かを目の当たりにして、思わずたじろいでしまった。

 

相変わらず、しかめっ面で潜んだままのリートの横に戻ったコナンはただ、この得体の知れない背を這いずるナニカを理解する為には、早急にこの事件を解明するしかない。

 

と、半ば無理やり、こじ付けの様に言い聞かせ、いつも通りを取り繕うしか無かった。

 

 




小夜林「僕の兄弟をいじめないでくださいね?」
リート「勝てルかぁぼけぇええ~…」
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