異世界転移の話   作:三重のシェフ

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 タイトルと違って今日はまじめな話なのでおとなしくします。


第3話家族が増えるよ太郎君

 神様というのはこの世界では非常に特別な存在らしい。もっとも僕にとっては殴りたいものでしかないが。

  関係ないことを書いてもしょうがない、これまでの日記をつけるとしよう。

 

 

 

 

馬車を見つけるのに3日掛かったときは「神死ね!!」と思ったが捨てる神あれば拾う神あり馬車の主の好意で特別に街まで無料で乗せてもらうことができた。

 

 人情というのはどんな世界でも捨てたものではない。

 

僕もあの馬主さんのような大人になりたいものだ。

 

 

こうして、日々の日記を書くことができるようになったのも良い人との出会いに恵まれたおかげだろう。

 

 

 さて、今現在僕、田中太郎は街で働いて3か月目を迎えていた。

 

 

「おい太郎、今日は休みだろう、いつまでいるんだよ。」

 

 ああ、店長、今日記をつけていたんです。

  区切りもついたのでそろそろ出かけます。

 

 

「おお、行ってこい、いつまでもいるとコキ使っちまう。」

  一礼して外へ出る。

「それじゃ、本当にいきますよ?」

 

「早く行け。」

 

 拝啓

 お父さん、お母さん、友人の勇一、お元気ですか、僕は強く生きています。

今日は僕、異世界観光をします。

 

 

都は人々で溢れ、人の笑い声は絶えることはない、それがこの街だ。

この世界でもここほど発展し街はないらしく、観光の名所でもあるらしい。何もない僕を雇った店長には感謝してもしきれない。

そして今日は街に住んでいて観光もしないのは人生損してる。と店長(果物屋さん)に休暇をいただいたのだ。

 

 せっかくの機会だ、観光と元の世界に戻るための情報集めもするつもりで僕は出かけることにしたのである。

 

今日は観光の馬車で街を一周していろいろと見て回る計画だ。

 

「果実水一つちょうだい」

 

「へい」

 

 果実水を片手に持ち、もう片方には街名物の「リンゴまんじゅう」を手に取りゆっくり歩く。

現代では食べ歩きは行儀が悪いと母に言われたがここには母はいない、そう僕はいま、自由を手にしたのである。

 

これぞ贅沢、これぞ自由、ビバ異世界ライフ、と満喫しながら都巡りの観光馬車を目指して歩く。

 明るいうちに観光を済ませ、酒屋で情報収集、というPERFECTな計画を立てた僕に死角はない。

 

 

 そう思っていた時期が僕にもありました。

 

現代の友人が広場で怒鳴り散らしているのを目撃するまでは。

 

「この子の首輪をはずせ!!!!!!!!!!」

 

「冗談じゃない、おい、やめろ、こら!!??」

 

 思わず口に含んだ果実水を噴出した。

「うわぁ!?」前方の人が悲鳴を上げたがそれどころではない。

 

「すみません」謝りながらハンカチを渡して、友人のところへ向かう。

 

僕が帰りたい、もう一度会いたかった一人、友人の田中勇一がそこにいる。

 

街の人々が今は邪魔で仕方ない。

 僕は会いたかったのだ。小説の感想を言いたかったのだ。そしてもう一度遊びたい。

 

「だから、奴隷なんてかわいそうだろ、今すぐこの子を開放しろ!!!」

 

「無茶苦茶なこというなネ、これは大事な商品ヨ!!!」

 

どうやら奴隷をめぐる喧嘩らしい。

 このままでは喧嘩になりそうだ、そうなってはよくない。

 

「なあ、ちょっといいかい?」

 

「ナンネ、あんた」

 

 商人は面倒そうに振り向く、勇一は僕の姿を認めると信じられないモノをみたような顔をしている。

 

僕は奴隷に目を向ける。暴力でも振るわれていたのか、その体はあざだらけだ。

これを早く解決する手段は一つだろう。

 

「その奴隷、買わせて」

 

商人と勇一は「へ?」と間抜けな声を出す。

 

「ほら」と金貨を適当に握らせる。

 

「へへへ、まいど」さすが商人、金のことになると反応が早い

 

「首輪のカギ、よこせよ」

 

 「もちろんでさぁ」

 

「さあ、いこうか、歩けるかい?」

 

 うなずくあざ付き奴隷

 

勇一はボーっとした様子だったが僕が離れていくと慌ててついてきた。

 

「なあ、あんたもしかして」

 

「久しぶり、勇一。」

 

 

拝啓

 お父様、お母さま、僕は異世界で友人と再会しました。

それと、家族が一人増えました。

 

 




 今回はこれまでです。
ここから本格的に語り手の性格の違いが出ます







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