法王は彼等を邪神の手先と呼んだ。田中太郎は佐藤勇一は大切な居場所を守るために勇者として戦うことを選んだ。
それでは第7話吠えろをお送りします。
第7話吠えろ
僕の名前は×××××この素敵な世界を父なる神の愛で満たすため人の神様を殺しに来たのだ。
ーーそれは人の耳には不快な音でしかなかった。こんな不快な音が有ってたまるかとその場に居る全員が思った。そして2匹の怪物は勇者に触手を伸ばした。
鋭利な触手が勇者に飛ぶ。けれどそれは勇者には届かず弾かれた。
「神の加護を受けた勇者にはその程度の攻撃は無意味だ。」法王が得意気に告げる。そして歌うように叫ぶ。
「さあ勇者よ約束通りに怪物の正体を暴いた。今こそ神に与えられた使命を果たす時です。おお、神よ我らに勝利の加護を与えたまえそして邪神には罰を与えくだされ。」
その叫びが戦いの合図となった。
怪物達は触手を伸ばす、先刻よりも早く殺意がにじみ出た一撃、勇者達は冷静に剣で触手を切り落とす。そして怪物を切るために一歩近づく。怪物は激しく複数の触手を伸ばすけれど触手は勇者の剣に切り裂かれ勇者には届かない。
勇者は一歩ずつ、ゆっくりと怪物へと近づく。勇者は初め怪物は人だと思った。けれどその顔は自分と友人にそっくりで怪物は自分達に成り済まそうとしていた。神様のいう通りコイツ達は倒すべきなのだろう。それが世界を守ることになる。
勇者はやがて剣が怪物に届く距離に近づき、怪物を切ろうと腕を振るった。
「よぉし!!」法王は歓喜の声を思わず挙げた。
勇者は怪物を切った。怪物からは緑の血液が溢れ出し苦しむようにうめき声を出している。
「さあ、うまこそ止めをさすのだ勇者よ!!」
法王はうっきうっきだった。もう子供のようにはしゃいで変な風に喋っていることにも気付いていない様子だ。
うめき声を上げた怪物が不意に人語で呟いた。
「なぁ、僕は誰なんだろうな?」
勇者勇一は「知らん」と答えた。
太郎は何も答えられなかった。
彼に出来るのは剣を振るい怪物を殺すことだけだ。彼らの問いに答えることは出来ない。ゆえに太郎は腕を上げる
ーー怪物達が突然爆発音を響かせる。勇者は思わず耳を手で塞ぎ、剣を落とした。
(しまった。)
勇者は後悔したがもう遅い。怪物達はは人の姿を取り法王を殴り飛ばした。
「ギャフン」
法王は結界にぶつかり煙を上げながら地面に倒れた。
怪物達は叫ぶ「ザマーみろ!!」
そして勇者に指を指し「今回はお前らの勝ちだ!!覚えてろよ!」と叫び部屋の外へと走り出した。
勇者達も慌てて怪物達を追いかける。結界の外へは出られない。けれど怪物はそんなのお構いなしで結界に向かって走り、叫んだ「核魔法!!」
それはこの世界で何よりも強い魔法、結界を容易く消し飛ばし怪物太郎はドラゴンに化け怪物勇一を連れ外へと飛び出した。勇者も追いかけるが追い付く所かどんどん怪物に離されていく。
そして田中太郎と佐藤勇一は叫んだ「「「「ふざけんな神ぶっ飛ばしてやる!!」」」」
ちなみにこの日都には2体の竜神を見かけたという者が多数いるという。一体は森から現れ、一体は街から現れ、そして出会った二体は互いに大声で叫んだという
「なんでいんの!?」と。
そして怪物太郎と勇一は竜神の背に花がいることに気付く。
花は言う「ご主人、勇一さん、助けに来ました。」
「えーと、そのありがとう?」
二人はお礼をいったが後の言葉に詰まった。花は僕らになついているが僕らは世界を滅ぼす使命を持ってしまっている。どうしよう。
怪物太郎と怪物勇一は二人とも目を合わせたが何も思い浮かばなかった。
やるせない気持ちで溢れたので二匹の怪物は月に向かって吠えた。
というかなんで竜神と花が一緒に居るんだろう。二人はとりあえず吠えた。
「やかましい」と竜神に怒られた。
太郎と勇一はしょんぼりした。そして落ち込んだ二人をしばらく眺めてから竜神は「あの辺の森で話でもするか」と誘いをかけた。
二人はとりあえず頷いた。
太郎は思った。
エルフの森が復活してる
どこか遠くでデッドウルフの遠吠えが聴こえた。
「ふむ、晩飯は焼き肉じゃな」
都での長い1日は終わりを迎えた。ここからは平凡な少年の物語ではない。
ーーここからは、怪物のお話だーー
いきなりですが最終回まであと二回となりました。応援している方、一緒に連載をしている方にやる気を貰って話を作りましたが終わりまであと少し、もう少しだけお付き合い下さると嬉しいです。
それでは次回でお会いしましょう