魔法科高校の超能力者 作:クローバー
「沖縄♪沖縄♪」
「悪いな、妹が騒がしくて」
「いや、気にしないでください」
理人の言葉に隣の無表情な少年は片手を降る。みた感じ年は近いよようだが、随分と大人びている。というよりは幼さがない、というべきだろうか?
どころか感情をあまり感じない。理人はその特異な力故に他人の精神に関しても鋭い感覚を持っているが、彼にはあまり働かない。まあ、記憶にないだけでこういう子も少なくないのかもしれないが。
自身の周りの環境を記憶できないというのは、つまり常識を記憶できないという事なのだ。
「なるほどなぁ……」
「覚えがいいな」
隣の理子が眠ってしまい、父親も簡単にすませられる書類仕事を行っているため暇だった理人は隣の少年に何か面白い知識がないか尋ねた。
もとより思い出は作りにくい代わりに、そこを補うために意味記憶と手続き記憶、それらと相手の言葉を介してその時の光景を脳内で再現しようとする想像力はだいぶ発達しているのだ。乾いたスポンジのように知識を吸収していった。
「と、付いたか。ありがとな龍起!」
「達也だ。縁があったらまた会おう」
「おろ?深雪じゃん」
「八星さん……?」
荷物を待っていると見知った顔を見つけた理人。彼が見知った人間というのはそれだけ親しい関係にあったという事だ。海里も理子もその少女を見る。
「深雪さん、知り合い?」
「あ、はい。クラスメートで魔法学科の八星理人さんです……」
「魔法学科……?そう……」
「んお?すっげー美人!お姉さん?」
深雪の後ろにいた女性が理人について尋ねると深雪は慌てて返答する。その返答、魔法学科に所属していることを明かすと女性は僅かな興味を理人に向ける。
その視線に気づいた理人も女性の顔の造形を見て感嘆する。
「……母です」
「母親?わっけーな。あ、こっちは俺の妹の理子と親父だ」
「あなたの父親も十分かと………」
「親父は今年で36だからな」
「………21歳で結婚を?」
見た目が若いのではなく実際若い海里に驚く深雪。
「八星とは、数字持ちなのですか?」
「よく言われますが私は魔法師ではありませんよ。数年前、才能を手にしましたが」
才能を手にした、という表現がよく解らないがおそらく魔法師の才能に目覚めた、という意味なのだろう。
「そう……」
女性はそういうと踵を返した。それほど興味が引かれなかったようだ。
「……早い再会だったな」
「ん?」
と、不意に少年が話しかけてきた。先程、理人に様々な知識を与え得くれていた人物だ。が………
「………誰だっけ?」
数分前のことでも興味が完全に知識のみに行っていた理人は首を傾げた。
「……ん?」
「あ、すまない。この子は昔の怪我のせいで、事故以降の記憶能力に難が出ているんだ。知識なら別なんだけどね……」
「知識……そういや何かCADに関する知識が何時の間にか……もしかして教えてくれたのお前?」
「ああ」
「そっか、サンキュ。名前は?」
「司波達也だ………」
「えっと……柴田通夜!昨日ぶりだな!」
次の日、ビーチで再び深雪を見つけた理人は訝しんだ後ケータイのメモと写真を確認に手を挙げ挨拶した。達也ははぁ、とため息をはくと理人からケータイを受け取り『しばたつや』と書かれた文を『司波 達也』と書き換えた。
「司波達也ね……解った。三日以内には何とか覚えてみせる!それよりまた何か面白い話聞かせてくれ」
深雪はクラスメートと兄が自分には解らない難しい話を始めてしまい、何となく疎外感を覚えた。
海里は理子と共に海に行ってしまったし。せめて理子がいれば同じ妹として何か話の話題ができたかもしれないのに………。
深雪はふて寝をする事にした。
「ありゃ寝てる」
「熱中症になりそうなら起こすか」
と、深雪が寝てることに気づいた二人は声の音量を少し落とす。が、何やら騒がしくなってきた。
「………喧嘩か?」
「のようだな……止めてくる」
どうやら喧嘩をする若者達がいたらしい。達也はチラリと深雪を見ると立ち上がり喧嘩している若者達に近付いていく。
「すまない、妹が寝ているんだ。喧嘩を続けるなら向こうに行ってくれ」
喧嘩を止めるでもなく、あっち行け発言。喧嘩で頭に血が上っていた彼等は邪魔者である達也に殴りかかろうとするが………
「ライズ………」
ゴ!と片方が吹っ飛び海の中にボチャンと落ちた。
誰もがその光景を唖然と見た後、吹っ飛んだ若者が居た方を見る。そこには足を振り上げた姿勢の理人が………
「溺れてる彼奴連れてさっさと失せろ。全員海の藻屑にすんぞ……」
喧嘩していた片割れも騒いでいた連れ達も大慌てで逃げ出した。
感想まってます。というか欲しい(素直)