【完結】先人紅葉は一般人である   作:兼六園

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一柱(ひとはしら)=神の数え方。

この世界の友奈って高嶋は神だし赤嶺は遺伝子操作の勇者モドキだし、一番まともに人間やってるのが結城だけってどう言うことなの……?


あとさもい用のアカウントと匿名でリクエスト出来るお題箱をツイ○ターに作りましたので、気になる方は探してみてください。




祝福 高嶋友奈は一柱である

 

 

 

 

 

「さて、どうすれば私とぐんちゃんが無事結ばれるかについての会議なんだけど。」

 

「もう既に話が進んでる前提で突然会話を切り出してくるのやめてもらって良いっすか。」

 

 

バン!と机を叩き、政治家のように無駄に暑苦しく、高嶋友奈はそんな言葉を切り出してきた。 いや、お前が千景の事をめっちゃキモいぐらい好きなのは知ってるけど、そんな会議は一度もしたことねぇよ。

 

「……あれっ、今日で第173回目じゃなかったっけ?」

「本日で1回目ですわよ高嶋さん。」

「あっれ~?」

 

 

あっれ~?じゃないが。

 

俺の部屋に使ってない紅茶の茶葉があることを知った夕海子と紅茶を淹れるのに勤しんでいた所に押し掛けてきたと思ったら、なんやねん173回目って。 172回は誰と…………あっ、ふーん。

 

「ところでなんで夕海子ちゃんが居るの?」

「紅葉さんのお部屋で紅茶の茶葉が腐るところだったのを救助する為ですわ。」

「あー、紅茶ね、紅茶。 私はミルクティーの方が好きだなぁ。」

「わたくしもミルクティーは好きですわ。 高級茶葉を使ったロイヤルミルクティーなんて、優雅足る弥勒家のわたくしに相応しいですもの。」

 

 

清々しいまでのドヤ顔を披露しているところ悪いのだが、ロイヤルミルクティーは高級茶葉のミルクティーという訳ではない。

 

「ロイヤルミルクティーって、お湯じゃなくて牛乳で煮出した紅茶の事だからな?」

「え゛っ」

「このなんちゃって貴族め。」

 

 

ドボドボ角砂糖を紅茶に入れまくってる友奈を叩いて止め、お茶請けのクッキーをつまむ。 …………で、なんだったっけ。

 

「ああそうだ、どうやって千景とくっつくか、だったな。」

「そうそう。 なんか良いアイデアとか無いの?」

「逆に聞くけど俺とこいつから良いアイデアが聞けると思ったのか? 無理でしょ。」

「だよねぇ。」

 

 

無理だよねー。 と言いながら、カラカラ笑ってクッキーを数個纏めて口に放り込む。

 

だが、そんな事は想定の範囲内だったのか、ふとスマホを弄って誰かに連絡をしていた。

 

「誰かに連絡を?」

「ん? あー、うん。 夕海子ちゃんと紅葉くんじゃアレだし、少なくとも私たちよりはマトモなのを呼んだんだよ。」

 

 

誰がアレだよ。

 

数分後、俺の部屋に入ってきたのは、モコモコの髪の毛を揺らした少女の――――。

 

「お、お邪魔します……。」

「君もう帰って良いよ!」

「えぇっ!?」

 

 

杏だった。 出たな恋愛小説妖怪。

 

「俺と夕海子よりマトモなのってこいつかよ、一番この手の話題に混ぜちゃ駄目なのをなんでピンポイントで連れてくるかなお前は。」

「何故私は呼び出されて早々にディスられてるんでしょうか。」

 

 

ともあれ来てしまったものは仕方がない。

 

杏の分の紅茶を淹れに台所へ立つと、女子二人と神一柱がやいのやいのと話をしていた。

 

「やっぱり友奈さんは千景さんが好きなんですね。」

「いやぁ好きにならないと寧ろ失礼なくらいでしょ、あれは。

元の世界の私なんて、何処に目を付けてるんだって言いたくなる程に鈍感だったし。」

 

 

少し温くなった紅茶を啜ると、二人に聞こえないように友奈は呟いた。

 

「いや、人の感情を学びきれてなかっただけか。 3年で覚えきるには、複雑過ぎる。」

「なにか? 高嶋さん。」

「え? ぐんちゃんが可愛いって?」

「いえ、言ってませんわ。」

 

 

ふぅん? と言った友奈はカップを置くと、ベッドの下に入れてあるケースに気付いた。 おいちょっとそれは開けるんじゃ……あーっヤカンが!

 

「なんだこれはぁ~?」

「なんでしょう、厳重に保管されてますね。」

「男性の部屋のベッドに隠されてる保管されているモノと言えば……まあ、詮索は避けた方が良いと思いますが。」

「ふーん、開けちゃえ!」

「貴女、人の話を少しは聞きましょう?」

 

 

止める前に沸騰したヤカンのお湯に四苦八苦している俺を余所に、友奈はケースを開けた。

 

「……なにこれ。」

「これは……。」

「銃器に銃器、これも銃器、それに弾薬に爆弾、これは閃光手榴弾ですわね。 良くもまあ、これだけのモノを集めていますのねぇ……。」

 

 

アタッシュケースの中にピッタリ収まるように設計した窪みに填められている、クレー射撃用の上下二連式散弾銃に手を伸ばした夕海子を追加の紅茶を淹れて戻るついでに止めておく。

 

「触るな。 オモチャじゃないんだぞ。」

「おっと、これは失礼しました。」

 

 

ティーポットをテーブルに置いて、ついでに閃光手榴弾でジャグリングしているアホの脳天をぶん殴り取り返してケースに入れ直す。

 

「いったぁ!?」

「アホ。」

 

 

男の俺が強めに引かないとピンが抜けないから暴発の心配は無いが、こいつに限っては俺の5倍は力あるからな。

 

「…………まだ、そんなものを持ち歩いていたんですか。」

「癖みたいなもんだ、寧ろ手元にないと落ち着かん。」

「アンちゃん……まあ、ここに来る前に一悶着あったしねぇ。」

 

「何があったんですの?」

 

 

夕海子の言葉に杏は苦い顔をして、友奈は気まずそうな顔で頬を掻く。

 

「……聞かない方が宜しかったようですわね。 西暦はなにかと物騒だったと聞きましたもの。」

「そうしてくれ、脱線しすぎだが今日の目的は…………大変嫌だが友奈の恋の成就だしな。」

「今嫌だがとか言ったよね。」

 

 

ええまあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず、友奈さんは千景さんのどの辺りが好きなんですか?」

「全部。」

「はい解散。」

「冗談だよ! いや冗談ではないけど。」

 

 

杏に問われた友奈は仕切り直して、咳払いを一つに語り出す。

 

「先ず髪の毛じゃん?」

「ああ。」

「で、ふとしたときに見えるうなじじゃん?」

「……ああ。」

「あとは……おっぱい?」

「オッサンみてぇな主観だな。」

 

 

なんか俺みたいだなこいつ。

 

俺の言葉に不思議そうにした友奈は、あっけらかんとした態度で言った。

 

「そりゃ私は()()()()()()()()からね。」

「……友奈さん?」

「……おっと失言。 とにかく、具体的に何処が好きかって聞かれても困るんだよねぇ。」

「なるほど……では遠回しに行くより、直球勝負の方が良いかもしれませんね。」

 

 

人間の感情と性欲を俺から勝手に学んでる神が、特に恋愛経験があるわけではない、それも最近になってロリコン疑惑が出始めてるメルヘン少女に教えを乞うってわりと地獄絵図だな。

 

「千景さんも友奈さんに対しては好感触な筈だから、例えばお洒落をしてデートに誘うとか、自室に誘ってムードを上げてそのまま……とか。」

「私がお洒落かぁ……なんだっけ、『タマゴにはコショー』みたいな事にならない?」

「はい?」

 

 

唐突な卵焼き談義に、頭の上に疑問符を浮かべた杏。 俺は少し考え、友奈が何を言いたいのかを理解する。

 

「…………『馬子にも衣装』じゃね。」

「あー、それそれ。」

 

 

手を叩いて納得した様子の友奈。

 

「あと卵焼きには醤油だから。」

「は? 普通はソースでしょ」

「ケチャップじゃないんですか?」

「何故マヨネーズを推しませんの?」

 

 

テーブルの四方に座る俺たちは、それぞれを見合せる。 いや、やめておこう。 この好物談義は間違いなく死人が出かねない。

 

「……そういえば、ぐんちゃんの好きなところと言えば、紅葉くんもうなじが好きだよね?」

「話題の変え方下手くそかお前…………悪いかよ、人間誰しもうなじ好きだろ。」

「いえそんな、人類誰しもがうなじ好きと言う訳ではありませんでしょう。」

「じゃあ何処が好きなんだよ夕海子よぉ、言ってみろよ。 つまんねぇ回答したらグループメールで全員にお前の性癖バラすからな。」

「わたくしだけ対応が鬼過ぎませんこと!?」

 

 

性癖暴露大会になりだした話題に巻き込まれた夕海子は、考えを巡らせているのか顎に指を当てて俯くと、絞り出すように呟いた。

 

「ふ…………腹筋」

「……で、杏は?」

「無視ィ!?」

「私は特に無いです。」

「つまらん……んお?」

 

 

後ろのベッドにだらりと凭れると、壁に引っかけてあるカレンダーに目が行く。

 

本日は1月10日。

 

「……お前明日誕生日じゃん。」

「えっ今さら?」

「そ、そう言えば……!」

「ご友人に忘れ去られる誕生日とはいったい……。」

 

 

もっと早くに気付いていればこの時間をより有意義に使えていたのでは……?

 

と思ったけどそうでも無いわ。 0にどれだけ数字を掛けても0だし、三馬鹿に一人助っ人が入った所で馬鹿な事に変わり無いわ。

 

「誕生日かぁ……プレゼントはまぁ、千景じゃん?」

「そうだねぇ……。」

 

「そうなんですか?」

「そうなんでしょう。 わたくしには分からない世界で生きてますわねこの二人。」

 

 

俺が友奈とプレゼントの話に花を咲かせている横で、杏と夕海子はお茶請けのクッキーとカステラとワッフルとかいう分からん組み合わせのお菓子を紅茶と共に嗜んでいる。

 

「あっ、このカステラ美味しい……紅葉さん、これどこで勝ったんですか?」

「大赦本庁にひなたの付き添いで行った時に置いてあったの持ってきた。」

「えぇ……。」

 

 

 

口角を痙攣させるようにドン引きする杏を余所に、友奈がまるで天啓であるかのように声高らかに提案してきた。

 

「ぐんちゃんをラッピングして部屋に放り込むとか!?」

「よし来た!やるぞォ!」

 

 

深夜に酔っ払ったみたいなテンションになりつつあるが、俺はそのまま友奈と一緒に千景の部屋へと突撃するべく部屋から出ていった。

 

「あれ放っておいても大丈夫なんでしょうか。 若葉さん辺りに連絡しておきます?」

「無駄でしょう、どうせ後で談話室に並んで正座させられている姿を拝めますわ。」

 

 

 

そんな事を言っているのを俺と友奈が知る由もないのだが、この後めちゃくちゃ若葉と千景に怒られた。 あと友奈にだけ説教が甘いのは差別だと思います。

 

 

 






ところで最近ゆゆゆ二次のR-18ssが増えているみたいですが、つまり私もやれと言うことですか。


高嶋神
・恐らくこの作品で最もフリーダムな奴。
性欲・愛情の判断基準は近くに居る人間(基本的に紅葉)を参考にしてるため、その考え方は男に近い。 くっそシンプルに言うと千景と濃密にスケベしたいと思ってる。 初詣の時は振袖の千景のうなじをガン見してた。

紅葉
・うなじ、鎖骨、大きい胸が好き。 加えて東郷さんとかひなた様みたいな大和撫子感がある人なら尚良し。 高嶋神の性欲、性癖のモデルになってるから結構罪深い。 初詣の時は振袖のひなたのうなじをガン見してた。


夕海子
・現実での趣味は四国八十八ヶ所巡礼。 車は甘え、基本徒歩かママチャリ。 この作品においてはニボシと城プラモの過酷な訓練に着いていけてたのは暇さえあればしょっちゅう巡礼してて無駄に体力と筋力が付いてたからという理由がある。 別に腹筋フェチという訳ではない。


・恋愛小説を読み漁る妖怪。 得意分野で饒舌になるタイプ。 百合は間に入るより見てる方が有意義と思ってるので応援は積極的にやる。 別にロリコンという訳ではない。

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