【完結】先人紅葉は一般人である   作:兼六園

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仮に紅葉の相手がみーちゃんだったらゆゆゆい時空で歌野までゲットしてるとか魔性の女過ぎるでしょ。



その日の内にお気に入りが増減するのなんか面白いっすね。

あと若葉様の誕生日回はちゃんと投稿するけどFGOとゆゆゆいのイベントのせいでエピローグ東郷の更新遅くなると思う(正直)



エピローグ/結城友奈

 

 

 

 

ガラガラと音を立てて、紅葉は病室の扉をスライドさせる。 扉横の名札には『結城友奈』と書かれていた。

 

「んぎゃ」

「うおっ」

 

 

紅葉の腹に衝撃。 ぼふっ、と何かがぶつかる。

 

「なんだよ」

「ああもう、タマっちったら……」

「杏? ……ってことはタマっちか。」

「きゅう……」

 

友奈が乗っているベッドの側から、『伊予島杏』の子孫である杏が駆け足で近付いてきた。 紅葉の腹に、『土居球子』の子孫である球子が張り付いていた。 ―――――ややこしさを覚えているのは紅葉だけの問題ではない。

 

 

顔面から衝突して目を回している球子を小脇に抱え、友奈の元に歩く。

 

「紅葉くん……いいんだよ? 毎日来なくても。」

「こうやって監視してないと抜け出されそうだからな。」

「そんな夏凜ちゃんじゃないんだから…………。」

 

 

いまだリハビリを続けている友奈は、皆が退院した後も病院に残っていた。

 

体の殆どを散華した事で、他の勇者よりも体がガタガタなのだから、仕方ないのだが。

 

 

「で、あんタマは暇潰しか?」

「タマっちがどうしてもって聞かなくて……ごめんなさい。」

「あー良いよアンちゃん! 退院するまで毎日来ても!」

「扱いの差よ。」

 

呆れたように頭を振って、紅葉はベッドの向かいのソファーに目を回したままの球子を投げると杏と並んで座った。

 

「来年には、こいつも杏も讃州中学一年生か。 感慨深いな。」

「今度からは紅葉先輩って呼ばないとですね。」

「私たちも三年生、樹ちゃんは二年生で風先輩は卒業かあ……」

 

 

友奈と杏は、上がる学年や新しい学校生活に思いを馳せる。 言葉は悪いが―――美森が世界を壊していれば、こんな話題を出すことすらできなかった。

 

世間一般に真相を知られでもすれば、美森は悪とされ、友奈は善と扱われるだろう。 きっと昔ならそうなっていた。

 

 

「…………変わったな、世界も、俺たちも。」

「紅葉くん……?」

「なんでもねー。」

 

つい口から出た言葉を誤魔化し、手荷物のビニール袋から飲み物を出す。

 

 

「お前は緑茶、杏はココア、タマっちは炭酸。 おーい、起きねえと振るぞ。」

「復活!」

「ほい。」

「投げるなよ!?」

 

ソファーに寝転がっていた球子は、起きると同時に慌ただしく投げられた炭酸飲料をキャッチする。

 

今開けたらブシュッてなるよな……と言いながら、テーブルにそっと炭酸を置く球子。

 

 

「お前らなに話してたの。」

「……うーん、昔のこと? 西暦にはあれがあったーとか、これがあったーとか。」

「―――ああ。」

 

友奈には、西暦の記憶が流れ込んでいた。

 

つまり知っているのだ。 過去の戦いと、日常を。

 

 

「別に昔話は構わんが、程々にしろよ。 重要機密もいいとこなの自覚してくれ。」

「わかってまーす。」

 

ほんとかよ。 と内心で思うが言わないでおく。

 

 

「あ、そうだ。 なあにーちゃん、これ見てくれよ。」

「どうした?」

 

不意に球子が紅葉の元に近寄り、懐から取り出した一枚の写真を見せる。 それには、園子が紅葉の記憶復元に利用した浴衣姿の勇者と巫女と紅葉が写っていた。

 

 

「これ、タマとあんずと、にーちゃんとねーちゃんだよな? 他はわからんが。」

「…………どこでこれを手に入れた。」

「? ……あー、本棚のアルバムに挟まってたんだけど……」

「なるほど、くそ、杏かひなただな……」

「わ、私ですか……?」

「いやお前じゃなくてね」

 

「ややこしいね?」

 

「タマ頭痛くなってきたぞ」

「俺もだよ」

 

 

ややこしい。

 

頭痛のような痛みと面倒臭さを覚え、目の間を指で押さえる紅葉。

 

 

「―――――今から説明するのは全て事実だ。」

 

 

色々と諦めた紅葉は、杏と球子の祖先の事や自分の事、結城と高嶋の違いなどを説明することに決めた。

 

 

重要機密とは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明を受けた二人は、顔を見合わせ、眉を潜めた顔を作って唸る。

 

「つまりタマとあんずのそせん? は元勇者で、にーちゃんと顔が同じのねーちゃんも一緒だったんだな。 うーんわけわからん」

「しかもあの乃木家と上里家の人が仲間だったなんて……」

 

小学生なりに理解しようとしているのだろう。 遺伝なのも含めて元々地頭が良い杏はともかく、今の球子には難しい話だった。

 

 

「あはは……驚いてるね。」

「そりゃそうだろ。」

 

頬を掻く友奈にシンプルに返す紅葉。

 

おずおずと、杏が紅葉に聞いた。

 

「あの……ちょっと整理する時間を貰っても良いですか……?」

「ああ。 自分の病室に戻りな、おいタマ、着いてってやれ。」

「…………おう……」

 

 

うんうん唸っていた球子とギブアップした杏を見送り、病室に二人になる友奈と紅葉。

 

 

「良かったのかなぁ……」

「あいつらの祖先が勇者だった以上、どうせいつか知ることだ。」

「まあ、そうだけど。」

「杏はともかく、球子の子孫だろ? あいつは馬鹿だがマヌケじゃない。 歳を重ねれば自然と理解するさ。」

 

 

球子が置いていったままの炭酸を一気に呷り、ゴミ箱に投げ捨てる。

 

「ストラーイク。 …………あーそうそう、お前、もう少しで退院できるってよ。」

「ほんと!?」

「酒呑童子の力が混ざってるせいか回復力が勇者以上俺未満くらいに上がってるらしい。」

「そ、それでも紅葉くんの方が回復力あるんだね……」

「らしい。」

 

苦笑いをして、友奈は緑茶の残りを飲み干す。

 

間を置いて、紅葉に声をかけた。

 

「…………ねえ紅葉くん、高嶋ちゃんの事なんだけど……」

「……あいつが、なに。」

「約束守れなくてごめん、だって。」

 

 

その言葉に、紅葉は僅かに苦い顔をする。

 

「約束ねぇ……別に怒っちゃいねえよ、あの最後の戦いで三人揃って戻ってこれるかもなんて欠片も思ってなかったしな。」

「……高嶋ちゃんじゃなくて、若葉ちゃんか千景ちゃんが死んでたかも……ってこと?」

「そう言うことだ。 」

 

パイプ椅子の背もたれに体を預け、深くため息をつく。

 

 

「あんまり過去の事は……特に、高嶋友奈の事は考えない方がいい。 お前とあいつは色々と顔を含めて似すぎてるからな、意識を塗り替えられる可能性だってある。」

「ぅ……気を付けます……」

「よろしい。 退院したら演劇の練習が待ってるんだ、我慢出来ずに脱け出すなよ。」

「………………はぁい。」

 

 

しゅんとする友奈を余所に、ふと、紅葉のスマホが揺れる。

 

そこには非通知と映っていた。 勇者部以外から滅多に連絡なんて入らない事から、大赦関連と結びつける。

 

 

「……悪い、電話来たから出るついでに帰るわ。」

「うん。 またね、紅葉くん。」

「ん、またな。」

 

手を振って見送る友奈に手を振り返し、紅葉は病室から出て電話を繋げた。

 

 

 

「何処の誰で何の用か手早く言え。」

『……随分と、苛立っているようですね。』

「今の大赦には失望してるもんでね。 あれから230年くらいか、よくもまあ滅ばなかったもんだぜ。」

『勇者様と巫女の尽力あってこそでございます。』

「どの口が言うんだか。 それで何の用だ、聞くだけ聞いてやる。」

 

 

大赦の人間にしては珍しい女神官の声、苛立ちと敵意を隠さず、紅葉は電話越しに聞く。

 

『ゴールドタワーを拠点に働く防人部隊を支える巫女、国土亜耶様がどうしても先人様に一目お会いしたいと申されまして。 もし可能であれば、是非とも来ていただきたいのです。』

「防人だぁ? …………確か芽吹ちゃんが居るところか。 しかしあれから巫女を監禁する事は止めなかったみたいだなぁ?」

 

買い換えたばかりのスマホを、力強く握り締める。

 

勇者以上に貴重とされる巫女を、不慮の事故なんかで失うわけにはいかない。

 

言い分はわかる。 理解は出来る。 ただ、紅葉は納得しない。

 

 

「(監禁して巫女として人生を捧げさせて、巫女の力が無くなる年頃になればポイか。 『正義』と『大義名分』は物事を正当化できる魔法の言葉じゃねえんだがなぁ。)」

 

 

狂気染みている大赦の『神樹絶対主義』に、紅葉は、寒気のようなものを感じる。

 

「その亜耶って子、何歳だ。」

『12歳。 今年の11月に誕生日を迎え、来年で中学二年生でございます。』

 

紅葉に迷いはなく、歳を聞いて即答した。

 

 

「わかった。 会いに行ってやる、但し明日から数日だけだ。 俺にも学業があるんだからな。」

『構いません。 ご助力感謝します。』

「その気持ち悪い言い回しやめてくんねえかな。 言っとくが亜耶ちゃんの為にそっちに行くだけだからな、お前の言うこと聞いた訳じゃねえからな。」

『わかっています。』

 

ならよし、と言い、紅葉は電話を切る。 ツンデレ臭い言い回しになっていた事には気付いていない。

 

 

「12……か。 みーちゃんとひなたが居たら亜耶ちゃんと仲良くなれたのかもなぁ…………。」

 

昔馴染みと大事な仲間の一人を思い浮かべ、スマホをポケットに仕舞い―――――ポケットから手を出すと、手のひらに灰が付着していた。

 

 

「なんだこれ。 砂? 灰……か?」

 

出所不明の灰を適当に払い、歩き出す。

 

 

「なんだったんだ…………?」

 

 

ぶつぶつと疑問を口にしながら病院を出た紅葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅葉はその灰が、自分の手の一部が崩れたものだとはまだ気付いていない。

 

 





くめゆ組の誕生日はゆゆゆいにくめゆ組が実装されたり私がノベルを読みきるまでやる予定はないです。 書こうと思ったんだけどまだ本編に出てない以上矛盾とかでやべー事になりそうなんでやめました。
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