艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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精神的ダメージを受けつつも、なんとか書き終わりました。
自分で書いたものでダメージ受けるとか、私は何をやってるんでしょうね?

目が離せないほどの美人が居たら、口説かないと逆に失礼とかいう、地中海式イタリアンメンタルを参考にしています。




第108話

 

「なんだなんだ?鯉住殿は一体どうしてしまったのだ?

この武蔵の眼には、気が触れているようにしか映らんが」

 

「このような破廉恥なことを口に出すような方ではなかったと思うのでありますが……

夕張殿、鯉住殿に何があったのですか?

頭がパーになってしまったのでありますか?」

 

「い、いやいや、違うんです。かくかくしかじかで……」

 

 

 

「お、おい、貴様等、何故鯉住の奴は、こんな意味の分からんことをしているのだ……?

工廠を貸すにあたって、どのような話になっていたのだ……?」

 

「あぁ、那智殿……それが我々にもさっぱり……

工廠を貸した理由は、天龍殿と龍田殿の艤装メンテをしたいからということでしたので、どうにも今の状況とのつながりが見えず……」

 

「我々も那智殿よりほんの少し先に到着したばかりですので、事情はよくわかっていないのです」

 

「鯉住殿に似つかわしくない内容の大声がしたので、なにかと思って来てみたのですが……」

 

「そ、そうか……

清霜たちに連れまわされ、あまりの疲労から、発狂してしまったとか……?

危害を加えた側がこんなこと言うのもなんだが、気の毒に……」

 

「我々メンテ班も、もっと鯉住殿のお心を理解して差し上げるべきでした……」

 

「ち、違うんです!憐れまないであげてください!

師匠がおかしいことしてるのには、ちゃんとワケがありまして!

かくかくしかじかで……!」

 

 

 

「龍ちゃんどうしたのかなー?

なんかすごく辛そうだけど……大丈夫かな?」

 

「頭おかしくなったっぽい!

今の龍ちゃん、すっごく私と気が合いそう!

フィーリングカップル!クレイジー!」

 

「そういうわけじゃないんですよ、清霜さん、夕立さん……

師匠が狂人っぽくなってるのには理由がありまして……かくかくしかじかで……」

 

 

 

「川内さん、早霜さん、鯉住さんは何故このような奇行を?

普段の様子からは想像もできないのですが……」

 

「あ、赤城さん。

なんか龍ちゃん、妖精さんにやらされてるっぽいよ?

天龍と龍田のためにスゴイ艤装を出すんだってさ」

 

「スゴイ艤装?」

 

「ええ どうやら けんぞうろから よいぎそうをだせるらしいのです。

わたしたち かんむすへの『あい』をさけぶことで……」

 

「まぁ、それだけで強力な装備が?

それは素晴らしいことですね」

 

「だよね~。

それにしても龍ちゃん、すっごく憔悴してるね」

 

「こいずみさん 『しゃい』なおかたみたいですので……

あのときも もっと よくしてくれてもよかったのに……」

 

「部下全員奥さんなのに、そういう経験してないのはおかしいよね~。

なんだろう?あれかな?不能なのかな?」

 

「それは……もし本当なら、同情を禁じ得ないですね……」

 

「こいずみさん……おきのどくに……」

 

「ちょ、ちょちょちょっと待ってくださぁいっ!!

そういうわけじゃありませんから!

師匠が……その……そういったアレだとか……そういうことじゃありませんから!

ていうか、師匠が変なことしてる事情がわかってるのに、なんでそんな話になるんですか!?」

 

「えー。あれだけ美少女をたらしこんでるのに、手を出してないとかさ。

そういう疑惑が出てきても仕方ないっしょ。

ウチみたいに純粋な実力向上目的の指輪進呈とは違うんだし」

 

「師匠は真面目なだけなんです!!

私達のことを真剣に考えてくれてるから、そういうことしないだけなんです!!

……ていうか、そうじゃなくて!それは関係ないでしょう!?

師匠がちょっとおかしい事してる理由わかってるんなら、温かく見守ってあげてください!」

 

 

 

・・・

 

 

 

「「「 …… 」」」

 

 

 

諸々の片づけを終えて工廠までやってきた輸送艦隊メンバーの目に映るのは、控えめに言って意味不明な光景だった。

 

 

建造炉に両手をつきながら、肩で息をしている鯉住君。

 

彼を足でゲシゲシしながら、「しょーもないなこいつは」と言わんばかりの表情で、呆れかえる妖精さんたち。

 

彼の奇行に対して、好き勝手言いたい放題言っている佐世保第4鎮守府メンバー。

 

そして、必死になって提督の汚名を晴らすために奔走している夕張。

 

 

てんやわんやのお祭り騒ぎである。

 

 

「な、なぁ龍田……

もしかしなくても、提督って、俺達のこと言ってたよな……」

 

「え、えぇ……

ここに来るまでに何度か提督の声が聞こえてきたけど、私達の名前が出てたしぃ……

それに、その、あ、愛してる……って……」

 

「なんつーか……スゲー嬉しいんだけどよ……

死ぬほど恥ずかしいぜ……」

 

「て、提督……どうしちゃったのかしらぁ……

頭でも打ったのかなぁ……?」

 

 

なぜか巻き添えを喰らっている天龍と龍田は、真っ赤な顔をして、物凄く恥ずかしそうにしている。

 

それは仕方ないだろう。

ここに到着するまでに何度も「愛している」だの「信頼している」だの、恥っずかしいセリフが、とんでもない声量で響いてきたのだ。

普通の感性を持つ者なら、誰でも動揺してしまうというものである。

 

現に今ふたりの頭の電探ユニットは、気持ちを表すかのように、スゴイ勢いで発光・明滅していたり、ギュルンギュルン音を立てて回転していたりする。

 

 

「うわぁ……なんじゃあ、このわちゃわちゃした感じは……?」

 

「なんだか色々凄すぎて……

取材大好きな青葉でも、この中に突入して取材する気は起こりませんね……

すごく気にはなるんですけども……」

 

「こんなの絶対おかしいよ……」

 

「なんか……うん……ここって軍事施設だよね……?」

 

 

一般的な感性を持つ佐世保第1鎮守府の面々は、当然のことながらすごく困惑している。

 

 

「と、とにかく何が起こってんのか知りてぇ。

夕張に確認してみようか……」

 

「そ、そうね~……

夕張ちゃんが色々知ってるみたいだし、彼女に聞いてみましょ……」

 

 

 

・・・

 

 

確認中……

 

 

・・・

 

 

 

「……ということなんですよ」

 

「そ、そうか……それで提督はあんな、似合わねぇことしてんのか……」

 

「私達のためって……恥ずかしいなぁ……」

 

「ああ……こんな大勢の前で、そんなこと言われると、な……」

 

 

事情を聞いて納得はできたし、そこまで自分たちのために動いてくれていることに、ふたりはとても強く嬉しさを感じている。

そして同時に、物凄い恥ずかしさも感じている。

 

……しかしそれ以上に、慣れないことをして息も絶え絶えになっている提督を、心配する気持ちが大きい。

 

彼女たちだって彼のことを、これ以上ないくらい大事に想っている。

彼が自分たちのために頑張ってくれる嬉しさよりも、自分たちのせいで死にかけている心配を、優先する程度には。

 

だからふたりは現在、溢れる嬉しさと戸惑い、そして羞恥心により、

頬を緩ませながらも、眉を八の字にして困っているという、よくわかんない表情を作ることになっている。

 

 

「おふたりとも、なんて顔してるんですか……」

 

「だってなぁ……なんつーか……なぁ?……へへっ」

 

「うふふ……そうねぇ……提督が心配なのはもちろんだけどぉ……

あそこまでしてくれるなんて、嬉しいっていうかぁ……ふふっ……

すっごく恥ずかしいんだけど、それ以上に……うふふ~……」

 

「まったく……おふたりばかりズルいです……」

 

 

なんだかんだ嬉しそうなふたりを見て、羨ましいと感じる夕張である。

 

 

 

・・・

 

 

 

(はー、まだかかりそうですかー?)

 

(あといっかいで、きめるんじゃなかったですかー?)

 

(こころのとびら、いつになったら、ひらくんですかー?)

 

 

「ゼェ……ゼェ……そんなこと言ったって、お前ら……」

 

 

(こいずみさんのことばには、こころがつまってないですよ)

 

(おしいんだよなー、すごく)

 

(おおきなこえだして、すとっぱーはずしてもらおうとおもったのになー)

 

 

「ハァ……ハァ……心は込めてるつもりなんだけど……」

 

 

(こもってるにはこもってます)

 

(ただし『かんむす』にたいしてですよね?)

 

(てんりゅうさんと、たつたさん、

それぞれにたいして、こころをひらいてください)

 

 

「うっ……」

 

 

(ずぼしー。わかってんじゃないですかー)

 

(そんなんじゃ、だめだーめ)

 

(なにいまさら、はずかしがってるんですかー)

 

 

確かに鯉住君は、心の底から感謝の込もったシャウトをしてはいる。

しかし妖精さんたちが言うように、それは『艦娘としての』ふたりに対しての感謝であり、『個人としての』彼女たちへの気持ちとは少し違うのだ。

 

今回求められているのは、鯉住君と天龍、鯉住君と龍田、それぞれの間にある感情。

艦娘と人間という枠組みを超えた感情である。

 

……彼も頭では把握できているようだが、その関係性は今まで棚上げし続けてきたものだ。

そうすんなりと心で受け入れるのは難しいのだろう。

 

 

「……どうすればいいんだ……」

 

 

(しょーがないおとこですよ、まったく)

 

(わたしたちに、おんぶにだっこなんだから)

 

(かんたんなことに、きづいてないんですから)

 

 

「……簡単なこと?」

 

 

(これからおふたりは、げきせんくにむかうんですよ?)

 

(もう、あえなくなるかも、しれないんですよ?)

 

(それなのに、きもちをつたえないんですか?)

 

(もっとはなしておけばよかったと、こうかいするんですか?)

 

(こころでおもってるだけで、つたわるんですか?)

 

 

「……!!」

 

 

(あなたがつたえて)

 

(つたえられて)

 

(すてきなものが、うまれるのです)

 

 

 

「……そうだな」

 

 

(いいですよ)

 

(わかってくれたなら)

 

(なにごとも、こころひとつです)

 

 

あの人たちに着いていく以上、十中八九安全とはいえ……

確かに今から俺が彼女たちを送り出す先は、地球上で最も激しい戦闘地帯だ。

万が一だってあるかもしれないし、二度と会えなくなることも十分に考えられる。

 

それなのに、そんなことをさせるというのに、俺は何をやっていたんだ。

 

恥ずかしいから?慣れてないから?

彼女たちは命懸けだというのに。

 

そんな理由、言い訳にすらならない。

 

 

「……フーッ……よし」

 

 

(おっ?おっ?)

 

(しおめがかわりましたね?)

 

(わくわく)

 

 

「お前ら……まぁいい。気づかせてくれたしな」

 

 

(ほうしゅうは、うわのせしてくださいね)

 

(おかしましましー!)

 

(ぎぶみーすこんぶ)

 

 

なんだかんだいつも通りの彼女たちにくるりと背を向け、天龍と龍田の方に視線をやる。

 

 

「天龍、龍田、こっちに来てくれないか」

 

「うおっ!?……お、おう」

 

「は、はい……」

 

 

突然の指名に狼狽えながらも、おずおずと彼の方に近寄るふたり。

周囲からの好奇の視線が突き刺さるが、今の彼の言葉には、それを上回るほどの引き付けるチカラを感じる。

 

 

「まずは、そうだな……巻き込んでしまってすまない。

恥ずかしかったろう?」

 

「あ、ああ。

そりゃそうだけどよ、その……事情は聞いてるし……」

 

「そ、そうね~……

しょうがないと言うかぁ……なんと言うかぁ……」

 

 

顔を真っ赤にして、もじもじしてるふたり。

明らかに恥ずかしがっているのはわかるが、今の彼にはそのようなこと些細なことだ。

しっかりと彼女たちの目をまっすぐ見ながら、話を始める鯉住君。

 

 

「今から俺は、キミたちにすごく大事なことを伝える。

聞いてくれるかい?」

 

「「 は、はい…… 」」

 

 

 

「天龍。

キミはいつも出撃したがっていて、戦闘が本当に好きだけど……

それは戦うこと自体が好きだからじゃない。

戦って仲間を護れるのを誇りに感じるからこそ、戦いが好きなんだよな?

……大事な人たちが傷つくよりことも、自分が傷つくことを選べるということは、すごく素晴らしいことだ。

キミのその誇り高い生き方、俺は尊敬しているよ」

 

 

「て、提督……ッ!!」

 

 

「龍田。

キミは天龍といつも一緒で、そのせいで他の人から白い目で見られることもあったって聞いてる。

色々言う人もいるかもしれないけど、大事な人と過ごしたいという気持ちは大事なものだ。

誰に何を言われても、その姿勢を崩さないというのは、俺はすごくいいことだと思う。

……そして天龍と同じくらい、他の仲間も大事にしてくれてるよな。普段を見てればわかる。

俺はそのことを、すごく嬉しく感じてるよ」

 

 

「あ、ありがとう……ございましゅ……」

 

 

「ふたりとも立派で素晴らしい戦士だよ。

自分の強い意志で、誰かのために戦うことができる。真っすぐな瞳で。

キミたちのような誇り高い部下を持てて、提督として本当に嬉しい。

 

……それでもだ。いくらふたりが戦いを受け入れているといっても……

俺は、本当のことを言えば、ふたりにはいつも無事でいてほしい。

本当は少しも危険なことなんてしてほしくないし、ケガを負うことも、負わせることも、してほしくない。

いつだって、笑顔で帰ってきてほしいんだ」

 

 

「「 ……ッ!! 」」

 

 

「だから俺は今から、ふたりが思うように戦える艤装を作る。

どんな状況でも、自分の戦いができるように。

やむを得ず。どうしようもなく。仕方なく……

そんな言葉が出ないような、いつでも自分が納得して戦えるような……

キミたちがどんな現実にも負けず、芯を貫けるだけの強さを引き出せるような、そんな艤装を創り出す。

 

 

……ふたりとも。

俺はキミたちの生き方を心の底から尊敬しているし、ふたりのすべてが、とっても魅力的だとも思っている。

上司として、提督として、仲間として、人間として……そして、ひとりの男として……

キミたちのことを……愛しているよ」

 

 

 

ギュウッ……

 

 

ふたりのカラダを、強く優しく抱きしめる。

 

 

「「 あぅ…… 」」

 

 

あまりのことに、言葉がでてこないふたり。

そんなふたりから離れると、くるりと建造炉に向き直る。

 

するとなんと、すでに建造炉からは、青い冷光が迸り、穏やかなうなりが聞こえている。

建造炉稼働ボタンを、まだ押していないというのに。

 

 

((( じゅんびおっけーです!! )))

 

 

「良し……!!

……彼女たちが思い通り動けるような艤装、俺が頭に思い描く艤装……!

どんな攻撃でもかわし、相殺し、受け流し……傷ひとつ負わせないために……!

俺にできるのはここまで……ならば、精一杯のものを……!!

頼むっ……!!」

 

 

 

ポチッ!!

 

 

 

……ウィーン……ッ!!

 

 

 

ついに建造炉は、眩しい光を放ちながら稼働を始めた。

 

普段の建造炉から出てくる光よりも遥かに強く、周囲を優しく包み込むような光。

快晴の日に海中から天を見上げたときのような、心安らぐ陽光。

 

 

 

((( きたきたきたーっ!!! )))

 

 

 

「頼むっ!!

彼女たちの命を、心を、護ってくれっ!!」

 

 

 

……かしこまりー!!

 

 

 

建造炉から謎の声が響くと同時に、光が一層強くなって……!

 

 

 

((( おーばーふろーっ!! )))

 

 

 

ピカーッ……!!

 

 

 

シュウウゥゥゥ……

 

 

 

……眩い光と低いうなりが落ち着き、建造炉の扉が開く。

その中から出てきたのは……

 

 

 

ポポポンッ!!

 

 

 

「おぉ……こんなに妖精さんが……」

 

 

(はじめましてー!)

 

(よばれてとびでて!)

 

(にゅーびー、たんじょうですー!)

 

(よろしくですよ!ますたー!)

 

 

「そうか……よろしくな。ふたりのこと、頼んだぞ」

 

 

((( おまかせあれー! )))

 

 

まるでポップコーンが弾けるように建造炉から出てきたのは、20を越える数の妖精さんたち。

 

 

(ひゃー!さすがはこいずみのあにきー!)

 

(わたしたちのそうぞうよりも、ずっとすごいことを、へいぜんとやってのけるぅー!)

 

(そこにしびれる!あこがれるぅ!)

 

 

先程とはうってかわって、お供妖精さんたちはテンションアゲアゲになっている。

彼女たちからしても、この結果は想像以上だったようだ。

そして建造炉の奥には、新品の、キラキラと輝く艤装が4つ。

 

前代未聞の光景からいち早く立ち直った夕張が、建造炉に駆け寄る。

 

 

「こ、これって……!

ボイラー?タービン?……とにかくそれがふたつと……

増設機銃付の高角砲に、爆雷の噴進砲……?

……こんな艤装、見たことない……!」

 

 

何から何まで予想外の展開に驚く夕張に対し、信じられないくらい落ち着いている鯉住君が説明を始める。

 

 

「ふたりがどんな状況でも、自由に動けるようにと思っていたんだけど……

そうか。機動力強化のための艤装が出てきたか。

……ちなみにこっちは天龍のための機銃付き高角砲。

こっちは龍田のための爆雷投射機だな。

やっぱり天龍は対空、龍田は対潜で活躍してもらうのが、一番しっくりくるからさ」

 

 

彼の頭の中でイメージしていた天龍龍田の動き。

それを再現するために必要な艤装が現れた。そういうことだろう。

 

そしてそれだけに留まらず……

 

 

(それじゃー、わたしたちは、こっちでがんばるですー!)

 

(じゃあわたしは、こちらでありますー!)

 

(まってまってー!)

 

 

 

……すぃーっ

 

 

 

先ほど大量に出現した妖精さんたちが、たった今出来上がった艤装と、ふたりの基本艤装に吸い込まれていく。

 

艤装をどうやって動かしているかなど、誰も知らないこと。

使用している本人でさえ、『なんとなく』という感覚で操っている。

……だが、この様子を見るに、妖精さんたちが艤装の操縦に何か関係しているのは一目瞭然だろう。

 

 

(わー!すごいですねー!)

 

(てんりゅうさんと、たつたさんのぎそうが、おおはばにぱわーあっぷしました!)

 

(『おくたこあ』ですよ『おくたこあ』!

しょりのうりょく、おおはばあっぷー!!)

 

 

「オクタコア……あぁ、8人で動かすってことか……

艤装ってそういう構造してたんだな……」

 

「オ、オクタコアって……

確かに妖精さんたちは、基本艤装に8人ずつ入っていきましたけど……

そういうものなんですか……?」

 

「そういうものなんだろう。

なんとなくだけど、俺も納得できてるし、彼女たちの協力には感謝だな」

 

「は、はぁ……」

 

 

感覚で理解って……

自身の師匠がなんだか一般人離れしているのを感じ、何も言えない夕張。

さっきから理解できない事ばかりなので、頭が回らないのも仕方ないと言える。

 

そんな状態の夕張であるが、呆けることはまだ許されないようだ。

 

 

「……ところで夕張、お願いがあるんだけど」

 

「は?へ?……な、なんですか?師匠」

 

「すっごく申し訳ないんだけど……俺、もう限界……」

 

「はぁ……」

 

「というわけで、今から部屋に引きこもりたいと思います……」

 

「はい……ハイ!?」

 

「……ホントごめん!!必ずこの埋め合わせはするから!!

あとは任せた!それじゃっ!!」

 

 

ダダダッ!

 

 

「あ、ちょ!!待って師匠!!おいてかないでー!!

このカオスな空間を丸投げしていかないで下さーいっっ!!」

 

 

どうやら鯉住君は、キリがついたところで一気にガタがきてしまったらしい。

にっちもさっちもいかなくなった彼は、

最終奥義『逃げるんだよおぉーーーッッ!!』を発動した模様。

色々やらかした後始末を夕張に全部丸投げするという、外道極まりない一手に打って出たのだ。

 

ポジティブに見れば、夕張のことは全部丸投げできるほど信頼しているともいえるが、それにしてもあんまりである。

 

 

「うぅ……!!そんなの無理……!!

こんなメチャクチャな状態から場を収めるなんて……!!」

 

 

夕張の目の前では、一連の流れによって生み出された、ごっちゃごちゃな空間が広がっている。

 

どんな感じかというと……

 

 

 

・・・

 

 

 

「ヤバいな。鯉住殿。ヤバい。

この武蔵が完全に、空気に呑まれてしまうとは……」

 

「ヤバいでありますな。アレはヤバいであります。ヤバイ」

 

「な、何だったんだ今のは……ヤバすぎるだろう……

何から何まで、ヤバすぎる……」

 

「そうですな、那智殿……ヤバかったですな……

我々メンテ班から見れば、まさに奇跡の光景でございました……」

 

「龍ちゃんスゴイ!!ヤバい!!

夕立も見たよね!?さっきの!!すごかったなー!!」

 

「妖精さんがポポーンって飛び出たっぽい―!!

ヤバいっぽい!!」

 

「うわぁ……龍ちゃんヤバすぎっしょ……

あんなんされたら、オチない艦娘いないわぁ……ヤバ……」

 

「元々素晴らしい方だとは知っていましたが、ここまでヤバいとは……

鯉住さんの言う愛は、エロスではなくアガペーですね。

しかもとても純度の高い」

 

「うふふふふ……やばいですね……すごくやばい……

あぁ……わたしも あんなふうにせまられたらとおもうと……あぁ……」

 

 

 

鯉住君の暴挙(?)により、佐世保第4鎮守府の面々からは語彙力が消失しちゃっており……

 

 

 

「あ、愛して……フフフ……!!

提督……そこまで俺のことを……フフフフフ……!!」

 

「わ、私も、提督のことを……うふふ……

うふ、うふふふふ……!!」

 

「お、おーい!大丈夫かー!?貴様等ー!!」

 

「ダメみたいですね……

利根さんが目の前でブンブン手を振っても、まったく反応しません……」

 

「し、思考回路が、ショートしちゃってるね……うぅっ……」

 

「な、何だったんだい、今のは……

ボク、夢でも見ているのかな……?」

 

 

 

天龍龍田は完全に理性が崩壊。

佐世保第1鎮守府の面々は、いきなり濃厚な告白シーンを見せつけられたことで、物凄く動揺しちゃっている。

瑞鳳は鼻血出しちゃってるし、時雨は夢と現実の区別がつかなくなっちゃっている。

 

 

 

「もー!!私だっていっぱいいっぱいなのに!!

こんなのどうしたらいいのー!!?」

 

 

 

「ギャー!!

天龍と龍田が過呼吸でぶっ倒れおった―!!

筑摩ー!!ちくまー!!助けて筑摩ー!!」

 

「利根さん落ち着いて!?筑摩さんいませんから!!

す、すぐに安静にしないと!!布団を持ってきましょう!!」

 

「ここ工廠だよ!?こんなとこに寝かせちゃダメ!!

医務室に運び込まないと!!

瑞鳳じゃふたりは運べないから、利根さんと青葉さんで何とかして!!

……ズズッ……!!」

 

「あぁもう!瑞鳳はまず鼻血止めないと!!

天龍と龍田はふたりに任せて、一緒に医務室に行きなよ!!

ほら、まずはこれで鼻血拭いて!」

 

「時雨ちゃん、ありがとう……ズビーッ!!」

 

「あぁ!!時雨に瑞鳳、なにしとるのじゃ!?

それはちり紙ではなく、今回の作戦概要書類ではないかー!!」

 

 

 

混乱がどんどん激しくなるカオスな空間にひとり残された夕張は、あとで提督に必ずご褒美貰ってやると、強く決意したのだという。

 

 





今回のパワーアップ



出てきた艤装(カッコ内は☆による能力向上未反映状態の数値)


・改良型艦本式タービン+新型高温高圧缶 ☆+10 ×2(天龍型専用)
(回避+20 高速+化)

・10cm連装高角砲+増設機銃 ☆+10 (天龍専用)
(火力+2 命中+2 対空+9 回避+1 装甲+1)

・試製15cm9連装対潜噴進法 ☆+10 (龍田専用)
(対潜+15 命中+1)



基本艤装の強化


天龍改二

火力 48→64
雷装 12→53
対空 70→95
装甲 50→63

龍田改二

火力 37→50
雷装 35→80
対空 62→80
装甲 50→63


専属妖精さんがいっぱいついたので、こんな感じになりました。

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