艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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横浜八景島シーパラダイスで、また瑞雲イベントやるみたいですね。
神奈川県在住なので、これは楽しみです!

もちろんシーパラダイス自体も行きたい!
瑞雲や烈風だけじゃなく、色んな魚をこの目に焼き付けてやるぜ……!!



第109話

 

あまりの恥ずかしさやら嬉しさやら無茶ぶりやらで、仲良く全員精神的轟沈となったラバウル第10基地の面々。

 

しかしそんな大惨事が起こっても、何とかなるもので……

その翌日にはなんとか持ち直し、当初予定していた行動をとることができた。

 

 

すなわち、天龍龍田含めた欧州救援・輸送艦隊と、護衛対象の、資材輸送艦でもある工作艦の出撃である。

 

 

あまりの恥ずかしさから、あれからずっと部屋に引きこもっていた鯉住君も、この見送りには参加。

あれだけの啖呵切っておいて、恥ずかしいから部下の見送りに来れない、なんて超絶ヘタレなことは出来なかった様子。

……当然のことながら、死ぬほど茶化されて死ぬほどげんなりしていたが。

 

 

ちなみに天龍と龍田は、発光するレベルでキラキラしていた。

 

提督はあまりの恥ずかしさから、目を合わせて話そうとしなかったのだが……

 

天龍は、彼の頭をガッと掴んで真正面から見据え「行ってくるぜ。俺に任せてくれ」と男前な一言をかけ、

龍田は、目を逸らそうとする提督の目線の先に、自分の顔をひょいひょいと割り込ませながら「期待しててね~。旦那様♪」とクリティカルヒットな発言をしていった。

 

これを見た周囲の面々は、あまりのラブラブオーラから、胸焼けとモヤモヤが抑えきれなかったとか。

 

夕張や佐世保第1鎮守府の面々は、彼に向けてジト目を向けていたし、彼に懐きまくっている清霜や夕立は不満そうな顔をしていた。

あこがれの人である赤城が平常運転だったのが、彼にとっては唯一の救いだった模様。

 

 

 

・・・

 

 

 

そんなこんなで無事に(?)やるべきことを済ませ、今はお昼時。

面々を見送った留守番組は、全員で食堂に集合し、本日の昼食を食べている。

 

当然というかなんというか、昨日の大事件を引き起こした張本人である鯉住君が、一切触れられないなんてことあるはずもなく……

彼はテーブルの中心に座らされて、周りから質問攻めに遭っている。

 

この状況になるだろうというのは、火を見るよりも明らかだったので、実は鯉住君はひとりだけ昼食の時間をずらそうとしていた。

……していたのだが、コソコソと自室に戻ろうとするところを目ざとく見つけられ、武蔵と川内に連行されてしまった。

 

ということで今は、彼に対する事情聴取もとい尋問もとい質問責めが展開されているところである。

 

 

 

「オイ貴様。昨日のアレはこの武蔵に対してもできるのか?

あのような規格外な武装が手に入るかと思うと……フフッ!!」

 

「い、いえ、その……ちょっとそれは無理かなぁって……」

 

「何故だ!?この武蔵への信頼が足らんとでも言うのか!?

世界に誇る大戦艦だぞ!もっと頼れ!そして艤装を創ってくれ!」

 

「そういうわけじゃなくてですね……」

 

「ダメだよ武蔵さん。

龍ちゃんは愛する愛する奥さんのためじゃないと、昨日のアレは出来ないんだからさ~。

ね?そうでしょ?龍ちゃん」

 

「いや、あの、その……えぇと、まぁ……ハイ……」

 

「ムムム……!!」

 

「ひゅーひゅー!お熱いね~!!

妹たちにぞんざいな扱いされて頭に来てたけど、昨日のアレが見れたから、残って正解だったね!」

 

「そんな見世物みたいな……そんなつもりでは……」

 

「何を言ってるでありますかぁ~?

自分たちを全員揃えてから、あんなプロポーズ大作戦見せておいて、今さらそんな言い逃れは出来ないでありますよぉ?んん?」

 

「あきつ丸さんは楽しそうにしてますけど、私はあの時必死だったんですからね……

それに皆さんに見せるためではなく、必要だったから声を大きくしていただけで……」

 

「まぁまぁ!鯉住殿の心象がどうあれ、自分は大満足であります!

影絵劇場のネタがひとつ増えたでありますよ!」

 

「え、ちょ……

出来れば早急に忘れていただけると、ありがたいんですが……」

 

「アハハ!!不可能でありますな!!

艦娘であれば、恋に関心あるもの無いもの関わらず、あの光景は忘れられないでしょう!!

たとえ記憶喪失になろうと、アレだけは覚えている自信がありますよ!

そういうことなので、他の皆のためにも、鯉住殿と天龍龍田を基にした濃厚なラブストーリーを影絵で表現しなくては!!」

 

「うえぇ……勘弁してぇ……」

 

 

 

周りの勢いに圧倒される鯉住君。

ここの所属艦は恋愛についてはそこまで興味がないのだが、昨日のアレはそれどころじゃない出来事だったため、みんな一様に興奮している。

 

 

 

「しかし貴様……あの時は本当に狂ってしまったのかと思って、随分と心配したんだぞ?

この那智の心を寒たらしめることができる男など、提督と貴様くらいしかいないであろうな」

 

「それって褒めて下さってるんでしょうか……?」

 

「当然だ」

 

「そっすか……ありがとうございます……」

 

「それはそれとして、だ。

貴様、妹の足柄に対しても昨日のアレはやったのか?」

 

「いえそんなまさか……足柄さんにそんなことできませんよ」

 

「何故だ?

貴様のところの足柄とは、よく連絡をとっているのだが……随分と幸せそうにしているぞ?

少なくとも、他の足柄が羨ましがる程度には」

 

「え……そ、そうなんですか?

い、いや、それはきっと、他のみんなとの関係がうまくいっている証拠でしょう。

みんなのびのびできる運営ができているという嬉しさはありますが、足柄さんに対してそんな……俺にとっては高嶺の花です。

とてもじゃないけど、あんな完璧な女性にそんな……畏れ多いです」

 

「ワケの分からないことを……

天龍と龍田のふたりとて、相当な高水準だろうが。ふたりにあんなことしておいて、何を今更言っている。

しかしそれにしても……足柄ひとりに何をしり込みしているんだか。さっさと手を出して、手籠めにしてしまえ。この那智が許可する」

 

「ちょ……!?

お姉さんがそんな物騒なこと言っちゃダメでしょう!?」

 

「そしてその流れで奴に対しても昨日のアレをやり、艤装を出せ。

同じ妙高型であるこの那智でも、その艤装を装備することは出来るよな?」

 

「ちょっとぉ!?欲望が漏れてますよ!?

結局自分が艤装使ってみたいだけじゃないですか!!

そんなことのために妹売っちゃダメ!絶対にそんな展開にはしませんからね!!」

 

 

 

比較的常識人の那智ですらこの始末。

昼食時なので、お酒は誰にも入っていないはずなのだが。

 

 

 

「あの……那智さん……

盛り上がっているところ申し訳ないんですが……」

 

「む。なんだ夕張?」

 

「あの艤装なんですけど、本人にしか装備できないみたいなんです。

第1鎮守府の利根さんに試しに装備してもらおうとしたら、装備に入り込んでいる妖精さんから大ブーイング貰っちゃいまして」

 

「なに?そんなことがあるのか?」

 

「はい。普通の艤装ならそんなことありえないんですが……」

 

「なんとまぁ……これが愛のチカラというやつか。

つくづく規格外だな。貴様のやることは」

 

「そんなつもりはまるでないんですけど……」

 

「そうだな……やはり貴様、足柄を手籠めにしろ。

さっさと既成事実をつくってしまえ。そしてこの那智の義弟となれ。

そうすれば色々と……フフ……義理の姉の言葉だ。無下には出来まい」

 

「なんなんすか、それ……何を不穏な笑顔を浮かべてるんですか……

そんな理由で足柄さんに手なんて出しませんってば。

ていうかそもそも、部下のみんなに手を出すなんてしませんってば」

 

 

 

なんだかよからぬ妄想をする那智をなだめていると、横から大声が響いてきた。

 

 

 

「そうだ鯉住殿!!大和を娶れ!!

そうすればこの武蔵、貴様の義妹となれる!!

貴様ほどの男が義兄なら、この武蔵も反論などありはしない!」

 

「ちょ……話聞いてたんですか、武蔵さん……?

ただでさえ最近、男らしい義妹(木曾)ができたっていうのに、それに加えて那智さんに武蔵さんとか……俺の男のプライドが死んじゃいますから……

それに大和さんなんて、足柄さん以上に遥か雲の上の存在ですよ?

お友達やらせてもらってるだけでも、身に余る光栄なんですから」

 

「何を言っている貴様。

大和がどれだけ貴様のことを嬉しそうに話しているのか、知らないのか?」

 

「そ、そうなんですか……?

あーと……まぁ、多分あれでしょう。

大和さんは優しい方なので、日頃の心無い案件でストレスが溜まっちゃってるみたいですので……

それのガス抜きに使ってもらえているということでしょう」

 

「何故そう卑屈になるのだ……

あのカッコつけ大戦艦の姉がここまで素を出すなど、今までなかったことだぞ?」

 

「なんすかカッコつけ大戦艦って……

お姉さんなんだから、もっと立ててあげてくださいよ」

 

「事務仕事にかまけて鍛錬を怠っているのだ。そうそう立ててはやらんよ。

事務仕事がどれだけ負担かは、この武蔵には想像つかんが……

我等は戦艦なのだ。戦闘がその本領であろう」

 

「手厳しいっすね……

ていうか、ここ基準で戦闘力の話しちゃダメですからね?」

 

「ム?何故だ?」

 

「武蔵さんはここしか知らないので、分からないのは仕方ありませんが……

一般的に見れば大和さん、とんでもない実力者なんですよ?」

 

「フン。一般がどれだけかなど、関係ない。

大和型であるなら、そのプライドを拳に乗せ、姫級艦隊のひとつやふたつ粉砕してしかるべきだろう!!

まだまだこの武蔵、あの姉を認めてやることなど出来んな!天龍と龍田の方が余程骨がある!」

 

「なんでステゴロ前提なんですか……

ともかく、大和さんとは仲良くしてあげてくださいね?

気軽に友達付き合いできるのが私だけじゃ、寂しいでしょうから」

 

「本当に貴様は甘い男だな……まったく……

……ともかく!鯉住殿があの不肖の姉の面倒を見てくれるというなら、この武蔵も満足よ!

そしてそのついでに我が艤装も出せ!そして毎日艤装をメンテしてくれ!」

 

「やっぱりそういう話なんじゃないですか……

そんな『毎日味噌汁作ってくれ』みたいなノリで言われましても……」

 

 

 

欲望ダダ洩れの那智と武蔵の相手をして、ぐったりしている鯉住君。

大和との話が出てきたことで、夕張に疑惑のまなざしを向けられているのだが、それには気づいていない。

 

 

 

「ねー龍ちゃん。清霜たちにも艤装出してー!」

 

「夕立もおニューの艤装、欲しいっぽい!

愛してる!愛してるー!!これでいい?」

 

「ゴメンね、それはちょっとできないんだよ……」

 

「なんでー!?清霜たちのこと大事にしてくれてるでしょー!!

だったらちょっとくらいいいじゃん!!」

 

「ぶー!ケチー!」

 

「なんていうかその……ハァ……

ごめんね、ここ2,3日で色々あり過ぎて、清霜ちゃんたちの相手できるほど、エネルギー残ってないんだよ……

……そうだ、早霜さん、清霜ちゃんたちを説得してくれませんか……?

申し訳ないですけど……」

 

「うふふ……かまいませんよ」

 

「ありがとうございます。助かります」

 

「ひとばん からだをかさねた なかじゃないですか。

えんりょなんて しないでくださいまし……」

 

「ファッ!? ちょっとぉ!? 言い方ァ!!」

 

「あら なにか おかしいところが ありまして?」

 

「全部です!

なんか俺がやましいことしたみたいじゃないですか!!」

 

「うふふふ……

ごういのうえでなら やましいことなど ありませんよ?」

 

「なんで今日みんなこんなにアグレッシブなの!?やだもー!!」

 

 

 

ここにきてから鯉住君は、振り回される(物理)か気を失っている(茫然自失含む)かのどちらかしかしていない。

それでもまだツッコミを入れる余裕があるのは、流石と言えるだろう。

日々の訓練が実を結んでいるようだ。

 

もっとも、こんな形で筋トレの成果が現れるとは、思ってもみなかったようだが。

 

 

 

「ふふ。なんだかんだ言いつつも、全員の相手をしているのですから……

鯉住さんはやはり優しい方ですね」

 

「ええ。その通りですな、赤城殿。

我等メンテ班も鯉住殿に対しては、見習うべきところばかりです」

 

「鯉住さんが提督になる決断の後押しができたこと、誇りに思いますよ」

 

「それについては、赤城殿に感謝せねばなりませんな。

鯉住殿のような御方が、一介のメンテ技師で居続けるなど、我々の私情を抜きにしても、国家としても大きな損失です。

我ら憲兵隊の隊長である鮎飛栄敏殿も、鯉住殿には大変注目していらっしゃる」

 

「あら。隊長さんって、鮎飛大将のお父さんでしたよね?

そんな大物も鯉住さんに注目しているんですか?」

 

「当然ですとも。

隊長だけではなく、実際のところは鰐淵元総理も鮫島総理も、さらに言えば……

元海上自衛隊幕僚長の真黒伸二(まぐろしんじ)氏や、裏の世界では知らぬ者のいない鏑鬼平(かぶらおにへい)氏など……

不文律で直接的な接触は避けているようですが、聞くものが聞けば震え上がるような面々も、鯉住殿には注目しています」

 

「まぁ。それはすごいことですね。

確かにそのクラスの大物が、鯉住さんの隠された功績を知らないはずがありませんし……納得です。

……ところで、何故直接的な接触がNGになっているのですか?」

 

「ああ。そこはほら。

鯉住殿は一ノ瀬中佐の最有力婿候補ですので。

……下手に手を出しておふたりの関係にヒビでも入れば、どんな権力を持っていようともタダでは済まないでしょうから。

最悪それに加えて三鷹少佐を怒らせることになり……まぁ、破滅でしょうな」

 

「あー、そういうことですか……ファンクラブ関係の……」

 

「そういうことです」

 

 

鯉住君が聞いていたら失神しそうな内容で盛り上がる外野であるが……幸い彼は今テンパっている。

運よく重要情報をスルー出来た模様。

 

 

「……」

 

 

しかし運悪く、夕張には一通りの内容がガッツリ聞こえちゃっていた。

当事者の部下である彼女にとっても、それらは多方面に対して大問題である。

世の中には知らない方がいいことも多いのである。

 

 

「……今日の晩御飯、なにかなぁ」

 

 

どうやら聞かなかったことにするようだ。賢明である。

 

 

 

・・・

 

 

 

……そんなこんなで引き続き疲労を溜めつつ、鯉住君と夕張は時間を過ごした。

 

そんな感じで過ごす中、赤城から提案により、佐世保第4鎮守府の滞在は明日までということになった。

いきなり拉致られたこともあるので、その辺を気にしてくれたのだろう。

 

しかしその話をしている中、川内が突撃してきて……

 

 

「それじゃ私、明日大本営に行くからさ!一緒に行かない?」

 

 

という謎の勧誘を仕掛けてきた。

 

どうやら今回のあれこれを直接伝えに行くようだ。

そもそもさっさとメールなり電話なりすればいいじゃん、なんて当然の反応をしかけた鯉住君と夕張だったが、今さら過ぎることに気づいて、その言葉は飲み込んだとか。

 

しかしここで疑問が残る。

……どうして川内は、こちらに大本営同行を提案してきたのだろうか?

こちらとしては、大本営に用事なんてないし、横須賀方面に行く予定もないし。

 

そんな疑問を感じた鯉住君。川内に質問してみることにした。

 

 

「川内さん……またなんで、私達を誘ってきたんですか?」

 

「だって帰り道って一緒じゃん?

だったらちょっと足伸ばすくらいしてもいいと思うんだけど」

 

「……ん?……あっ」

 

「そ、そうでした師匠……

私達って、神通さんが運転する大発動艇でやってきたんでした……」

 

「そそ。大発動艇の運転は神通かあきつ丸さん、それか憲兵見習いの皆さんしかできないからさ。

あきつ丸さんと見習いさんたちはここでやることあるから、ラバウルまで送っていけないし~」

 

「あー……ということは、

どのみち横須賀発の定期連絡船で帰るしかないってことかぁ……」

 

「そそ。だからさ、ついでに一緒に行こうよ。大本営」

 

「まぁ……そうですね。

久しぶりに大和さんと元帥に挨拶もしておきたいですし。

夕張もそれでいいかい?」

 

「私は構いませんよ」

 

「よっし!それじゃ決まりね!

明日は朝イチで出発だから、寝坊しちゃダメだよ!」

 

「わかりました……って、私達は電車で行ってもいいんですよね……?」

 

「あぁ、大丈夫だよ。私も電車で行くから。

ひとりだと目立っちゃうけど、3人いれば人込み補正で目立たなくて済むからね~」

 

「なるほど……

……もしかして川内さん……俺たち誘ったのって、自分が楽したいからじゃ……?」

 

「あったり~!」

 

 

本当なら川内は、ひとりで色々乗り継いで(無断)大本営まで向かうつもりだったのだが、人込み補正がかかれば電車に乗っても大丈夫なため、ふたりを誘った模様。

 

別に体力的にきついわけではないが、使う必要のない体力を使うのは無駄ということ。

 

言ってることはわかるが、自由過ぎるんだよなぁ……

 

 

「はぁ……ま、いいか。

それじゃ川内さん、明日はよろしくお願いしますね」

 

「こっちこそ、よっろしく~!!」

 

 




義姉・那智改二
義妹・武蔵改、木曾改二

鯉住君より全員男らしいとかいう不具合。
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