艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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イベントを無事完走しました!ワーイ!
投稿が遅れちゃってごめんなさいね。次の話もすぐ投稿しますので。


イベントは乙丙丙丙丙とかいうゆとり仕様でした。いいんです。最低限必要な装備はもらえたし。

掘りの進捗状況は、秋月、ガングート、サラトガのみ。
イントレピッド、アイオワ、ベイと護衛3隻、同志中くらいのはまだ出てきてくれません。

E4丙だとS勝利限定とか、鬼畜すぎるんですけどぉ!(血涙


第120話

 

「それでは元帥、大和さん、お世話になりました」

 

「うむ。瑞鶴君と葛城君のこと、よろしく頼む。大佐」

 

「はい。なんとかウチの空母ふたりを説得しますので」

 

「私からもお願いしますね。第1艦隊旗艦としても、筆頭秘書艦としても」

 

「最善を尽くさせていただきます。大和さん」

 

 

 大本営に来てから色々とあったが、本日は定期連絡船が出る日。つまり出発の日である。

 

 今は色々お世話になった面々に、夕張を連れてあいさつ回りをしているところ。まずは大佐への昇進を認めてくれたらしい元帥のところに、お礼も兼ねて出向いたというわけだ。

 

 

「しかし大佐は本当に驚かせてくれるな。提督不在で運営する鎮守府で海域解放など、前代未聞だぞ。普通ならば近海哨戒と護衛任務で手一杯になるものだが」

 

「あはは、ウチの部下は本当に優秀ですから。まぁ、今回は、色々とあったのも影響していまして……」

 

「そうか。しかしどの道、大佐の功績を非公開な部分まで加味すると、中将もしくは大将程度であるのだ。階級が大佐でも、まだ適正とは言えない」

 

「いやそんな……大将なんてそんな……」

 

「『深海棲艦との意思疎通』という実績ひとつでも、将官昇進クラスの重要度である。

誰もが理想としながらも、現実と天秤にかけ、もしくはできるとも思わず、諦めていた事柄であるからな。君含め、鼎君の関係者には驚かされてばかりだ」

 

「そうですよ。鯉住大佐のおかげで、どれだけ深海棲艦への理解が深まったのか考えれば、妥当な昇進です」

 

「大和さんまでそんな。なんと言いますか、先輩方は確かに規格外ですけど、私はもっと普通だと思うんですが……

それに鼎大将みたいなスゴイ人にはなれませんよ。大佐でも身に余るくらいなのに、中将とか大将なんて、そんなそんな……」

 

「……まぁ、よい。この話はこのくらいにしておこう」

 

 

 鯉住君は未だに、自分は一般人だと思っているらしい。

 元帥はそんな彼にひとこと言おうかちょっと考えたが、特に必要ないと判断したようだ。

 

 

「とにかく、わざわざこちらに出向いてまでの欧州救援に関する報告、ご苦労だった。

成り行き上とはいえ、瑞鶴君と葛城君の面倒も見てもらうことになってしまって、頭があがらんな」

 

「い、いえいえ、滅相もないです」

 

「ちなみに大佐は……ああ、そうだな、ふむ……」

 

「「「 ??? 」」」

 

 

 珍しく何か言い淀む元帥を見て、頭にクエスチョンマークを浮かべる3人。

 

 

「すまないが、今から重要な話をしたいと思う。夕張君は席を外してくれるか?」

 

「わ、私ですか?」

 

「うむ。別に聞いてもらっても構わんのだが、不都合なこともあるかと思ってな」

 

「不都合なこと……? は、はい。よくわかりませんけどわかりました」

 

「それじゃ夕張は、先に荷造りのほうを済ませてきてもらえるかい? 元帥、そのお話ですが、あまり長くはかかりませんよね?」

 

「そうだな。かかって10~20分といったところだろう」

 

「そういうことでしたら、承知しました。それじゃ先に私は部屋に戻ってますね。師匠も話が済んだら戻ってきてください」

 

「わかった」

 

 

 なんだか元帥から重要な話があるようだ。内容は不明だが、言われたとおりに席を外す夕張である。

 

 

 

・・・

 

 

 

「すまないな、大佐。無理を言ってしまって」

 

「いえ、大丈夫です。夕張も気にしてませんから。それで、いったいどのようなお話なんでしょうか?」

 

 

 色々な真実を知ってる夕張にも隠したいこと。思い当たることと言えば、最重要機密であるハワイへの遠征作戦だが、実際のところは……

 

 

「大佐は一昨日、私の孫と会ったそうだな?」

 

 

「「 ブフッ!! 」」

 

 

 想定外な一言に吹き出してしまう鯉住君。そして大和も。

 

 

「そ、それをどこで!?」

 

「もちろん孫からだ」

 

「そ、そりゃそうか」

 

「どうやら大佐と孫は昔馴染みだったようだな」

 

「え、ええ。まさか元帥のお孫さんが南ちゃんだとは知らなかったので、とても驚きました」

 

「孫は大和君とも仲良くすることにしたそうだな」

 

「あ、は、はい。すみません、黙っていて……」

 

「よい。日本海軍にとって重要というわけでもない、プライベートのことだからな。報告義務などない」

 

「提督に隠し事をするつもりなど、まるでないのですが……その、ちょっと、思うところがあって、昨日から気が気ではなかったと言いますか……」

 

「ふむ。大佐との見合いについて考えていたのか?」

 

「!! ……それは、その、そうでないと言えば嘘になると言いますか、そういうわけでもあると言いますか……」

 

「な、なんかすいません」

 

 

 元帥の指摘が図星だったのだろう。大和は顔を真っ赤にして、もじもじしてしまっている。それを見る鯉住君は、なんだか罪悪感を感じちゃってペコペコしている。

 

 

「うーむ。しかし大佐は昨日、夕張君を本当の意味で伴侶として受け入れたのだろう? この話にどう決着をつけるべきか」

 

「……えっ? 龍太さんが、夕張さんと……?」

 

「は、恥ずかしいですね、改めて言われると。

……あれ? そういえば、なんで元帥がご存じなんですか? 昨日の今日で誰にも話していないはず……」

 

「瑞雲パラダイスの憲兵から憲兵隊経由で、大佐が遭遇した事件の報告を受けている。あそこは日本海軍も共同運営している場所なので、こちらへの報告義務があるのだ」

 

「そうなんですか。い、いや、それにしても、俺と夕張の関係まで報告する義務はないのでは……?」

 

「そこはまぁ、私の推測だ。誠実な人柄である大佐が、そういう対象でないと言っていた部下と逢引きしていたのだ。上司と部下の関係でなく、男女の関係に進展したと考えるべきだろう」

 

「推測だけでそこまで……すごいですね、さすがは元帥です」

 

「それほどでもない。大佐を知っていれば、誰でもわかるだろう。

それでだ、大佐。この推測が正しいということは、以前相談してもらった部下との関係性について、答えが出たということか?」

 

「……はい」

 

「聞かせてもらっても?」

 

「大丈夫です。色々と悩みましたが……」

 

 

 

 そこから鯉住君は、元帥と大和に自分がどうして部下の気持ちを受け入れることになったか説明した。

 

 部下の大半に好意を寄せられていることは察していたが、その可能性を切り捨てて物事を判断し、無意識に好意に気づかないようにしていたこと。

 

 そのようにしていた大きな理由に、艦娘は自分よりも大事にされなければならない、横に並び立つことなどおこがましい、という信念があったこと。

 

 しかし彼女たちと接するうちに、そして、彼女たちの考えに触れるうちに、その距離感で本当に彼女たちを幸せにしてやれるのか疑問に思い始めたこと。

 

 彼女たちの気持ちを受け止めてやりたいと思う反面、全員の気持ちに応えた結果、一夫多妻制のような状況になることに対する抵抗感が強かったこと。

 

 しかし佐世保での『天龍龍田に愛を叫ぶ事件』、そして先日の『夕張に愛を叫ばれる事件』をきっかけに、自分の本当の気持ちと彼女たちの強い思いを再確認し、このままではいけないと思い立ったこと。

 

 一夫多妻となるであろう未来と、上司と部下という体裁もあるので、普通の夫婦のような関係は望めないけども、その中で自分たちにとっての最善の関係を探していくと決めたこと。

 

 

 このような話をふたりに語っていった。それを聞くふたりは、話の間ずっと真剣な態度を崩さなかった。

 

 

「……ということでして。部下のみんなに対して、改めて向き合うことを決めたんです」

 

「ふむ。大佐は強いな」

 

「……そう、なんですね。それは……素晴らしいことです。そこまで大事に女性として考えてもらえるなんて、大佐の部下の皆さんは幸せです」

 

「そ、そうですかね? それならいいんですが」

 

「私が提案した『ひとりに決めて、他の相手には納得してもらえ』というのは、一般的には最善の解決法だったのだがな。そこまでの覚悟が決まったというのならば、そのような無粋なことを言う気はない。何も心配はいらないな」

 

「元帥にそう言ってもらえると安心できます」

 

「ご立派ですよ。大佐」

 

「大和さんも、ありがとうございます」

 

 

 ひとしきり思っていたことを言葉に出した鯉住君は、どこかスッキリしている。今までずっとモヤモヤしていたものに、ひとまずの決着がついたのだ。無理もないことだろう。

 その様子を見る元帥は満足げだ。

 

 

「うむうむ。大佐が前に進めたようで何よりだ。これで私も安心して見合い話を進めることができるな」

 

「……え? ちょ、ちょっと待ってください」

 

「どうした大佐?」

 

 

 ここでまさかの話題再燃である。びっくりして話を切る鯉住君。

 

 

「そ、その話は、私が昇進するアテがなかったら、ということでしたよね? 部下の働きのおかげで大佐まで昇進できましたし、天龍と龍田が欧州で頑張ってくれるだろうから今以上の功績も積めるだろうし……それでも将官には全然足りないということでしょうか?」

 

「実のところを言えば、おそらくだが見合いは必要ない。

そもそもとして、将官になるためには『万人が納得する権威』のようなものが必要であり、それは普通に活動しているだけでは手に入れることが難しいものだ」

 

「はい。それはわかっているつもりです。だからこそ、権力者とすごく近い方との見合い話が出ていたんですよね?」

 

「うむ。その通り。しかし見合いがなくとも、大佐についてはその問題は解決するはずだ。

今回の欧州救援作戦が成功すれば、作戦に参加した者へそれなりの功績が積まれるのは当然だろう。欧州諸国からのお墨付きがある提督となれば、将官への昇進も当然の措置だと言える」

 

「やっぱりそんな感じになりますよね。あの人たちが負けるなんて想像もできませんし、ウチのふたりも問題ないでしょうし、救援成功はほぼ間違いないとみています。だから実は、将官にも問題なくなれる、なんて、軽く考えていたのですが……」

 

「実際その通りだろう。欧州救援まで成功したとなれば、大佐の積み上げた功績は大将程度にまでなる。将官昇進程度、問題なく話が進むだろう」

 

「それは言い過ぎでは……と、とにかく、それでしたらお見合いは必要ないのでは?」

 

「なに、私の個人的な意向だ」

 

「えぇ……?」

 

 

 まさかの元帥の私情だった。昇進に関係ないとなると、上司としてもひとりの人間としても尊敬する人の頼みということになる。心情的に非常に断りづらくなってしまう。すごく困る。

 

 

「大佐は実質一夫多妻を受け入れることにしたのだろう? だったら私の孫も、もらってやってはくれまいか」

 

「いや、あの、普通はそんな女たらしみたいな男の下に身内を嫁がせるなんて、言語道断だと思うんですけど。自分で言うのもなんですが……」

 

「私の一族でその辺を気にする者はほぼいない。そもそも大佐が、そのような情けない人物でないことは重々わかっている。孫も全く問題ないと言っていた」

 

「南ちゃん……豪傑すぎるよ……」

 

 

 一般常識を「それはそれ」で片付けてしまうとは、とんでもない一族だ。言葉がうまく見つからない鯉住君。

 

 

「と、とにかく、まずは部下たちひとりひとりと向き合わなければいけませんので、見合い話は保留ということで……」

 

「うむ。前向きに考えてくれれば嬉しい。もちろん孫だけではなく、大和君との話もな」

 

 

「 ブフッ!? 」

 

 

 まさかの名前が出てきたせいで、再度吹き出してしまう鯉住君。

 

 

「え、ちょ、元帥!? 元帥が計画しているお見合いって、南ちゃんとの話だけじゃないんですか!? てっきり大和さんとの話は『もしかしたら』程度のものだと思ってたのに!」

 

「まあ、そのつもりだったのだがな。大佐が嫁を複数娶るということなら、見合いが複数あってもいいだろう?」

 

「そ、そんなわけないでしょう!? 大和さんだって、そんなついでみたいな扱いされたら嫌ですよね!?」

 

「……」

 

「や、大和さん……?」

 

 

 夕張が退出して話が始まったころは、大和はいつも通りの雰囲気だった。

 しかし今の彼女は、普段よりも冷静であるように努めているように見える。

 そんな大和は、少しだけ突き放すような話し方で意見を述べ出した。

 

 

「……そうですね。私と大佐では夫婦になれないと思います」

 

「……!!」

 

「……ほう? 大和君、理由を聞いてもいいか?」

 

「昨日色々と考えたんです。私は大本営の筆頭秘書艦として、人類と艦娘の橋渡しをし、この国に平和を取り戻すという大きな目標を持っています。だから大本営を離れることはできません」

 

「ふむ」

 

「そして鯉住大佐は、部下の皆さんと、これまでにない理想的な関係を築き上げようとしています。それこそ、私達艦娘が初めて顕現した時から今までに、誰も築くことができ無かった関係を、です。

そんな大佐を今の基地から引き離すことなどできません。この国にとって、大きな、とても大きな損失となるでしょう」

 

「……そうだな」

 

「だからこそ……私と大佐は、共通の目的を見据えれど、完全に同じ道を歩むことはできません。それぞれが重要な、それでいて違う役割を担っていると考えます」

 

「……」

 

「提督。私と大佐の見合い話は無かったことにしてください。大佐の将官への昇進に目途がたった以上、余計な話で大佐の心労を増やすのは望ましくありません」

 

「それも、そうだな。……大佐はそれでいいか?」

 

「……はい。大丈夫です。

私としても、大和筆頭秘書官と夫婦の契りを結ぶことは、望んでおりません。これまで通りの気のおけない関係が、お互いのベストだと思います」

 

「そうか」

 

「大和さん……色々と気を遣わせてしまい、大変申し訳ありませんでした」

 

 

 そう言って深々と頭を下げる鯉住君。

 

 

「……ふふ。やっぱりお優しいですね。頭を上げてください、龍太さん。私は気にしてないわ」

 

「恐縮です。ありがとうございます」

 

 

 先ほどまでの態度から一変し、ニコッと微笑む大和。

 

 

「ふむ。それでは時間をとらせてすまなかったな、大佐。大和君との見合い話はこれ以上しないこととするが、孫と一ノ瀬中佐との話は出すこともあるかもしれない。その時はよろしく頼む」

 

「よろしくできるかはなんとも言えませんが、わかりました」

 

「それでいい。では、挨拶回りの続きをするといい」

 

「武運を祈っていますよ。鯉住大佐」

 

「はい。おふたりとも、ありがとうございました。それでは失礼します」

 

 

 暖かく送り出してくれたふたりに対し、ペコリと一礼して退出する。

 

 

 

・・・

 

 

 

 元帥と大和のいる執務室から退出し、夕張が荷造りをしている部屋へと向かう道中。ポポンと現れたいつもの妖精さん達が、話しかけてきた。

 

 

(こいずみさんこいずみさん)

 

(ちょっとききたいことがー)

 

 

「どしたお前ら」

 

 

(どうしておみあいことわったです?)

 

(やまとさん、かんぜんに『ほのじ』ですぞ)

 

(おせおせどんどんで、はーれむよういん、ついかできたのになー)

 

 

「お前らなぁ……大和さんがちゃんと理由言ってただろ? 俺はフラれたんだって」

 

 

(えー? だってー)

 

(やまとさん、むりしてましたよねー)

 

(ほんとはねー、いっしょになりたかったとおもうんだよなー)

 

 

「野暮なこと言うんじゃないよ。俺だってそのくらい気づいてる」

 

 

(ほー、へー、かわりましたねぇ)

 

(だったらなんでことわったの?)

 

(おとこみせてもよかったのに)

 

 

「……あの人はすごく優しくて、すごく強い人だからな。大和さんがそう決めたなら、俺がどうこう言えることなんてないだろ」

 

 

(えー? ほんとうにござるかぁ?)

 

(こいずみさんだって、やまとさんすきでしょ?)

 

 

「そりゃ俺だって男だから、大和さんみたいなステキな女性と一緒になれたら、なんて想像したりもするさ。それはもちろん、夕張や他のみんなと比べて、とかじゃなくてな」

 

 

(そういえばよかったのに)

 

 

「言えるわけないだろう。大和さんは、自分の気持ちよりも自分の役目が大事って決めたんだから。俺がその決断を邪魔しちゃいけないし、邪魔したくない」

 

 

(かっこつけてるですかー?)

 

(どっちも、すなおになればいいのに)

 

(はー、もー、おかたいんだから)

 

 

「カッコつけてるわけじゃなくて、大和さんのことを大事にしたいんだよ。お前らからしたら、めんどくさいことしてると思うかもしれないけどな。

……だから俺はこれから、大和さんのことは何があっても支えていくことにする。できることは少ないと思うけど、その少ない中でのできる限りをするつもりだ。それが俺にできることで、俺がしたいこと」

 

 

(そのはなし、めろんちゃんにはしないでくださいね?)

 

(よめがいるってのに、このおとこほんま……)

 

(ちのあめがふりますからね? それはもうざーざーと)

 

 

「怖いこと言うなよ……夕張にわざわざ言うことじゃないし、黙ってるって。今までとやることがそんなに変わるわけでもないし、部下の仕事を増やすつもりもないからな」

 

 

(そういうことじゃないんですよねぇ……)

 

(それはそれで、もやっとしますね……)

 

(ばくはつしろ)

 

 

 

 そのあと鯉住君は夕張と合流し、他の面々への挨拶回りを済ませた。

 

 具体的にみんなというのは、以前お世話になった大本営第1艦隊の皆さん、一緒に異次元演習を見学した第2艦隊の皆さん、そしてちょっとだけ罪悪感を感じている伊良湖に対してである。

 

 どのみち瑞鶴と葛城の見送りに行くから、ということで挨拶はあっさりしたものに終わったのだが、仕事があって見送りにこれない伊良湖からは、かなり別れを名残惜しまれた。

 

 「絶対に貴方の下へ向かいます!」と決意がこもった目をしながら宣言しており、非常に対応に困ってしまった。困った要因には、夕張が隣でジト目を向けていたせいで、うかつな返答ができなかったのもある。

 

 

 そんなこんなであっという間に時間は過ぎ、定期連絡船出発の定刻となった。

 

 

 




大和さんは鯉住君の話(部下と腹を割って話す)を聞いて、心が決まったみたいですね。

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