艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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第125話

 

 

 ザッ、ザッ、

 

 

「ねぇ大佐。ホントにあんな感じでよかったの?」

 

「いやぁ、その……」

 

「よくないよね? わかってるよね?」

 

「なんと言いますか……はい……」

 

「私と葛城のこれからにも悪影響が出そうなんだから、もっとちゃんとしてくれないと。研修生の身でこんなこと言うのは失礼だと思うけど」

 

「いや、瑞鶴さんのご指摘は尤もです……」

 

 

 艦娘寮(旅館)の廊下にザッザッと響き渡るのは、提督である鯉住君と、研修生である瑞鶴の足音。ふたりとも屋内なので、備え付きの室内用草履を履いている。

 

 昨日の歓迎会+αから一夜明け、ふたりは研修についての前準備に取り掛かったところ。

 すなわち、研修の指導をしてもらえるように、転化体のふたりに頼みに行こうとしているのだ。

 

 まずはアークロイヤルと交渉。

 葛城は姉妹艦である天城に任せるつもりだし、話もスムーズにいくと踏んでいるので、心配していない。

 アークロイヤルを優先したのはそういうことだ。瑞鶴との相性はいいのか悪いのか、判断が難しいところだからだ。

 そもそもアークロイヤルは天上天下唯我独尊な感じであり、運動部のエースで頑張り屋といった感じの瑞鶴とは、どういう関係になるか読めない。

 

 不確定要素が多いからこそ、ふたりの正式な顔見せはさっさと済ませておきたい。そんな心持ちである。

 

 

「だって……大佐ってば、昨日雲隠れするように会場を出てったじゃない?

私にも好きな人がもしもいたとして、あんな放置みたいな事されたら……それはちょっと許さないと思うよ?」

 

「流石にあの数の酒乱に囲まれながら、場を収めるのは……」

 

「大佐が優柔不断だからこんなことになってるんでしょ? それに酒乱とか言わない。

夕張ちゃんひとりにさっさと決めてれば、こんなことにはならなかったのに」

 

「それは……ひとりを特別扱いするわけには……」

 

「上司としては大したものだと思うけど、ひとりの男性としてはダメダメだよね」

 

「うっくぅ……なんも言えねぇ……」

 

 

 流石は鯉住君。研修生である瑞鶴にさえも尻に敷かれている様子である。早速である。

 

 こんな感じでずけずけと言いたい放題言われているのは、昨日の歓迎会後半戦の最後で鯉住君が逃亡したから。

 場がすごくヒートアップしてきた中での雲隠れだったので、彼が居なくなった後は、愛のこもった罵詈雑言が会場に飛び交ったとか。

 

 鯉住君としては、あの場の勢いでこれからの個別面談の内容を決められたくなかった。

 だって「添い寝まではOKかどうか」だとか「提督の部屋に入り浸ってよいか」だとか「デートはひとりづつ順番に」だとか、触れてはいけない意見しか出てこなかったからだ。酔った勢いにしても、本能に忠実すぎる。

 

 そんな混沌とした状態で、叢雲が『天龍龍田に愛を叫んだ事件』の話を始めたので、これはいけないと危機感知。みんなの注目が叢雲に集まった瞬間を狙って、とんずらこいたというわけだ。

 個別面談の内容については、今回の場で出た意見は無かったことに。それについて何か言われても「聞いていないから、イチから相談しよう」と言って逃げ切る所存。

 

 

「とにかく。大佐がすごくモテるのは分かったから、ちゃんとみんなの手綱握ってよね。大いなるチカラには責任が伴う、って、誰かが言ってた気もするし」

 

「そんな大げさなことでは……あ、着きました。この部屋ですね」

 

 

 なんやかんや話をしながら歩いていると、アークロイヤルと天城の相部屋へと到着した。

 この旅館は3階建て+屋根裏なので、部屋数もかなりのもの。部屋まで向かうだけでも、そこそこに時間がかかるのだ。

 

 

 ……コンコンコン

 

 

(……誰かしら?)

 

「俺だよ、アークロイヤル。今入っても大丈夫かな?」

 

(ああ、admiral。貴方ならいつでも歓迎よ)

 

 

 すぅーっ……とんっ

 

 

 声の主が提督だとわかったとたんに、アークロイヤルによってふすまが開かれる。

 出迎える彼女の表情は柔らかいものだったが、鯉住君のうしろに瑞鶴が立っているのを見ると、その表情からは色が抜け落ちる。

 

 

「……あら、ひとりではなかったのね。何の用事かしら」

 

「ああ、瑞鶴さんは研修でやってきたって、昨日の歓迎会で伝えただろ?

その関係で話がしたくて」

 

「ふぅん……まぁ、どんな話かの見当はつくわね。

いいわ、入って頂戴。そこの空母も入りたければどうぞ」

 

 

 そう伝えるとアークロイヤルは、さっさと部屋の中に戻ってしまった。入ってきてもいいとは聞いたが、どうにもつっけんどんな態度である。

 

 

「……なんか感じ悪い。大佐、大丈夫なの?」

 

「あー……そうだなぁ……まぁ、なんとかするよ」

 

「大佐がそう言うなら信用してもいいけど……」

 

 

 どうやらアークロイヤルは、瑞鶴のことを快く思っていない様子。悪い予感が的中といったところか。

 鯉住君は頭を抱えたくなるが、これから交渉しようというのに不安感を与える仕草は見せられない。なんとかやせ我慢してみせる。

 

 

 

・・・

 

 

 

 招かれるまま入室したふたりは、部屋の中央に鎮座する机、そこにセットされた座椅子に腰かける。すでに座っていたアークロイヤルに対面する形だ。

 ちなみに奥まったスペースでは、天城が布団に籠ってスヤスヤしている。いつも通りである。

 

 

「それで、一体どういう用事かしら? admiral」

 

「それがね、かくかくしかじかで……」

 

 

 瑞鶴の研修における、筆頭教導艦を頼みたいと伝える鯉住君。もちろん彼女の経歴、実力もしっかりと伝達。本人による補足ありの説明だ。

 大本営第1艦隊の空母として活躍していること、艦隊レベルではあるが、転化体と渡り合える実力をつけたいと思っていることも伝える。

 

 瑞鶴の気合の入った自己PR付きで、一通りの説明を聞いたアークロイヤルは……

 

 

「ふぅん、そう。悪いけど、admiral。その空母にそこまでの実力をつけられるとは思えないわ」

 

「なっ……!!」

 

「いやいや、アークロイヤル……俺はそんなことないと思うけど……」

 

「そんなことあるわ。そこの空母の存在なんて、その程度のものよ」

 

「黙って聞いてれば、好き放題言って! 私の実力を実際に見てもいないのに、そんなこと言われる筋合いはないわ!!」

 

「ふん。その程度で熱くなる時点で、器が知れているわ。admiralには悪いけど、お帰り頂いて」

 

「何を勝手な……!! 自分の提督が決めたことなのよ!? そんな失礼な発言、許されると思ってるの!?」

 

「貴女が許さまいが、世間が許さまいが、私にはそんなことこれっぽっちも関係ないし、そもそもadmiralなら許してくれるわ。

貴女とadmiralでは器の大きさが違うの。わかるかしら?」

 

「むきーっ!!」

 

 

 最悪の予想がドンピシャで当たってしまった。

 何が気に入らなかったのか、今回の話をまったく歯牙にもかけないアークロイヤルに、それに真っ向から不満をぶつける瑞鶴。

 もうこれは一触即発。頭を抱えている場合ではない。キリキリと痛む胃を抱えながら、仲裁に取り掛かる鯉住君。

 

 

「お、落ち着いてください、瑞鶴さん。あとアークロイヤルも、もうちょっと歯に衣着せて……」

 

「なんでほぼほぼ初対面なのに、こんな失礼なこと言われなきゃならないの!? ホントに腹立つ!!」

 

「私は子守をする趣味はないのよ。

貴女の提督である元帥は人間にしてはマトモだったけど、部下はそうでもないみたいね。イチからやり直したらどうかしら?」

 

「なんなのよもう!! アンタこそイチから礼儀を学びなおしなさいよ!!」

 

「ストップストップ!! いったんふたりとも冷静に!! 俺が仕切るから!!」

 

「admiralも大変ね。こんなのの御守りをしなきゃならないなんて」

 

「ぐぬぬぬ……!! タダじゃおかない……!! タダじゃおかないわ……!!」

 

「ふたりの気持ちはわかるから、お互い冷静になろう!!

とりあえずお互いの意見を聞くから、それを踏まえて話進めるからね!!」

 

「仕方ないわね。admiralがそう言うなら、協力するのもやぶさかではないわ」

 

「今さら何を聞こうってのよ!? 大佐はもっと部下の躾をした方がいいんじゃない!? それでも大佐なの!?」

 

「……admiralを悪く言うのはやめておけ。……沈めるぞ?」

 

「……ッ!? じょ、上等よっ!! 返り討ちにしてあげるから!!」

 

 

 ガタタッ!!

 

 

「わーっ!! やめてふたりとも!! 座って! シッダウンッ!!

俺は全然気にしてないから、もっと穏便に進めさせて!!」

 

「……admiralに感謝することだな」

 

「そ、それはこっちのセリフよっ!!」

 

 

 ……スッ

 

 

「もっと理性的に、理性的にいこう……ハァ……」

 

 

 

・・・

 

 

 事情聴取中……

 

 

・・・

 

 

 

「それじゃ、ふたりの言い分をまとめよう……

アークロイヤルは、教導艦をやる事自体には問題ないけど、瑞鶴さんのことをどうにも認められない。だからやだ」

 

「そういうことになるわね」

 

「瑞鶴さんは、日本海軍のためにも、日本そのもののためにも、大本営の顔として活躍できるためのチカラをつけたい。だから転化体であるアークロイヤルか天城に、直々に師事したい」

 

「そうよ!! こんな失礼な人だとは思わなかったけど!!」

 

「ハァ……わかりました。お互いの気持ちは、よくわかりました」

 

「流石はadmiralね。わかってくれるとは信じていたけど」

 

「……やっぱり、今のままの瑞鶴さんでは、納得できないかい?」

 

「ちょ、ちょっと大佐……どういうこと?」

 

 

 何やら鯉住君にはアークロイヤルの真意がわかっているらしい。

 それがよくわからない瑞鶴は真意を確認しようとするが、そんな彼女を無視してアークロイヤルは話を進める。

 

 

「そうね。admiralの考えているとおりよ。

何度も言うけど、私は子供の御守りをするつもりはないし、お人形遊びをする趣味もないの。ごめんなさいね」

 

「いや、こっちこそ、急に話を振って済まなかったね。……また出直してこようと思うから、その時は話を聞いてくれるかい?」

 

「当然よ。私の心は貴方のもの。そこまでわかってもらっていて、誘いを断ることはないわ」

 

「ありがとうね。……それじゃ退出しましょう、瑞鶴さん。詳しいことは別室でお話しますので」

 

「……納得いく説明をしてくれるんでしょうね」

 

「はい、そのつもりです。……それじゃ失礼するよ、アークロイヤル」

 

「それじゃあね、admiral。貴方ならいつでも歓迎するわ」

 

 

 

・・・

 

 

 

 不満を隠しきれずにムスッとした瑞鶴をなだめつつ、鎮守府棟(豪農屋敷)の娯楽室(お茶の間)まで移動。

 幸い利用者はいなかったので、入室してそのまま、机を挟んでお互いに座布団の上に腰かけた。

 

 

「……で、なんでアイツは私のことをあんなにバカにしたわけ? ちゃんと説明してもらうから」

 

「まぁまぁ、落ち着いてください。ちゃんと説明しますので……」

 

「当然でしょ!? あんなにバカにされる謂れはないもの!! 私の何が間違ってたっていうのよ!!」

 

「ひとまず落ち着いてください。私にもアークロイヤルの気持ち、わかりますので。瑞鶴さんの何が気に入らなかったのか、よくわかります。

そして瑞鶴さんは別に間違っているわけではありません」

 

「そんなよくわかんないこと言って! 大佐も私のこと、バカにするの!?」

 

「滅相もないです。……瑞鶴さんは責任もって、日本海軍を支えようとしている。誰にでもできることじゃない。誰にでも決められる覚悟でもない。素晴らしいことだと思います」

 

「それじゃ、一体何が気に入らないっていうのよ!」

 

「そうですね……」

 

 

 理由は分かるが、うまく伝えるための言葉が見つからない。そういった事柄のようだ。

 鯉住君は顎に手をやり、目を瞑り、うーんと唸っている。なんと言おうか言葉を探している様子。

 

 

「……瑞鶴さんには、戦う以外の過ごし方……趣味とかってあります?」

 

「……は?」

 

 

 なんだかいきなり予想外の質問が飛び出してきたことに、間抜けな声を出してしまう瑞鶴。

 

 

「それ……今回のことに何か関係あるの?」

 

「関係あります。で、どうですか?」

 

「それは……たまに翔鶴姉や葛城と街に買い物に行く、くらいかな」

 

「つまり瑞鶴さんは、大事な人と買い物をしている時が最高に幸せ。そういうことですか?」

 

「えーと、翔鶴姉や葛城と一緒に居るのは幸せだけど、『最高に幸せ』って程じゃないかな……訓練も任務もない暇なときに出かけるってくらいで、そこまでじゃ……」

 

「それじゃ、瑞鶴さんにとっての『最高に幸せ』ってタイミングは、どんな時ですか?」

 

「……どうだろう。自分が強くなったって実感できる時……かな」

 

「そうですか。つまり瑞鶴さんは、心の中では、この戦いが終わることを望んでないってことですか?」

 

「んなっ!?」

 

 

 とんでもないことを言い放つ鯉住君に、驚いて目を丸くする瑞鶴。

 

 

「そんなわけないでしょ!? 何言ってんの大佐!?」

 

「でも、そういうことじゃないですか?

戦いってのは、相手が居なければ成立しません。そして艦娘の言う『強くなりたい』は、『深海棲艦と戦うチカラをつけたい』と同義です」

 

「そ、それは……!!」

 

「強くなることに喜びを見出しているということは、この戦いを終わらせたいと思っているということには繋がりません。

戦いの場で活躍したいと思っている。もしくは、今よりも強くなった自分が好き。それだけです」

 

「そんなこと……」

 

「それじゃ聞き方を変えますね。

……瑞鶴さんは、深海棲艦と人類との戦いがもし終わったとしたら、何をやりたいですか?」

 

「……!!」

 

 

 鯉住君の質問に、瑞鶴は言葉が詰まってしまう。何故なら……

 

 

「……そんなこと、考えたこともないわ。

そんなことよりも、今が大事。このまま私たちが負けてしまったら、守りたかった日本が、壊滅しちゃうもの……」

 

「それは、その通りです。瑞鶴さんの考えは一般的だし、全くもって正しいことです」

 

「だったらなんで、そんなこと……」

 

「でもそれは……そうだな、なんと言おうか……。それは……そう。『兵士』としての正しい考え方です。

今の自分のできることだけに集中し、目の前のことに注意を払い、強くなり、敵を打ち滅ぼし、勝利する。それが平和へとつながる唯一の方法で、自分に与えられた役割。そういうことですよね」

 

「え、ええ」

 

「でもそれはつまり、人から与えられたことをしているということ。

貴女が信じているものは、貴女の意志ではないのではないですか? 貴女が信じているものは、現実とつながっていますか?

アークロイヤルが言った人形遊びとは、そこを指しています。絶対強者として生きてきた彼女は、それを許しません」

 

「……もう少し、わかりやすく言って」

 

「はい。では……瑞鶴さんが自分で考えて、自分が大事だと思って決めたことって、何がありますか?

元々生まれたときから持っていた『艦娘として深海棲艦を打ち滅ぼし、日本という国の盾となる』という役目を抜きにして」

 

「……」

 

「私はそういった『兵士』の生き方が間違っているとは、全く思いません。だから心の底から気に入らないと思ったなら、私の意見は無視してください。

もちろん研修だって、アークロイヤルに絶対見てもらわないといけないってことはない。いくらでもやりようはあります」

 

「……ちょっと、考えさせて。すぐには飲み込めないわ……」

 

「考えもしなかったことをいきなり言われて、そうやって素直に受け止めようとできるのは、とても素晴らしいことだと思います。

そんな瑞鶴さんだからこそ、将来的に日本を背負うことができるようになるとも感じます。

……ウチの部下や、元帥、大和さんたち第1艦隊の皆さんに、一度この話を聞いてみてください。

ウチの部下はみんなその辺のことをわかってるし、私の知る限りでは元帥と大和さんもよくわかっているでしょう」

 

「うん……わかった」

 

「みんな瑞鶴さんには期待しているんです。もちろん俺も。

生きていく中で一番大事なことですから、じっくりと考えてみてください。もちろんその間、自由に生活してくださって構いませんので」

 

「……さっきはゴメンね。怒っちゃって」

 

「いえ、気にしないでください。こちらが失礼な振る舞いだったのは間違いないですし」

 

 

 瑞鶴はこれまで我武者羅にやってきた。それには艦だったころの記憶も手伝っている。

 

 あの時の絶望。

 

 日々悪くなっていく戦況。絶対的な物量差。自分に後を託して消えていった先人達。物資の枯渇により生きることで精一杯な国民。必ず来る敗北。受け入れがたいがはっきり見える、無条件降伏という最悪の未来……

 

 最後の機動部隊として戦った記憶、乗組員の戦時特有の覚悟と狂奔を知っている彼女だからこそ、二度と日本国民をあのような目には遭わせたくない。

 

 彼女は正しい。絶対的に正しい。

 誰もが回避すべき未来を回避するために、できることをする。できないことも実力をつけ、できるようになる。この国、国民のために、命を懸ける。

 勝利し、栄光を掴むというよりは、敗北をなんとしてでも避け、集団が生き地獄に突入するのを回避する。それを彼女は、その身で背負おうとしている。

 

 

 

 

 

 彼女は正しい。

 

 

 もし、それが、本当に、そう、今やっていることが……本当に『戦争』だったなら。

 

 

 

 

 

「ありがとう、大佐。頭が冷えたわ。

正直大佐が言っていたことはまだわからないし、私に何が足りないのかも、頭ではうっすらわかっているけど、心が認識してくれてない。

……だから時間をいただくわ。大佐の好意に甘えさせてもらうことにする」

 

「はい。存分に、納得いくまで時間を使ってください。それだけでも貴女は今よりも、余程強くなるはずです」

 

「そう言われるのは悪い気がしないけど……確信があるみたいな言い方ね」

 

「ええ、そうですね。よく知っていますから。そういう強い人たちを、沢山ね」

 

「……そう」

 

 

 我武者羅に強くなろうとしているだけではいけない。そういう段階に来たのだ。

 そうやって自身を無理やり納得させ、一歩先へと踏み出す覚悟を決める瑞鶴なのであった。 

 





ギャグ路線にあるまじき小難しい話……!!
鼎大将組以外の真面目枠な人たちが関わると、ちょっとだけ真面目になります。

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