艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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皆さんイベントお疲れさまでした!
私の鎮守府では新たな仲間を数多く迎え入れることができ、ウハウハでしたね!
ジャービスが来てくれたり、なんかUちゃんが2隻も来てくれたり。


ただし御蔵、アクイラ、岸波とはついぞ邂逅なりませんでした。


岸波は一体いつウチに来てくれるんでしょうね?(昨年冬イベからずっと未邂逅)





第137話

「ふー……ようやく一息ついた……」

 

「まだ午前中なのに、一日動き回った気分よね……」

 

「提督のお知り合いは、皆さんアクがすごいですよねぇ……」

 

 

 想像の倍くらいの人数で到来した三鷹少佐一行を案内し終わり、鯉住君に秘書艦の叢雲と古鷹は、執務室で一息ついていた。

 

 なにか紹介する度に驚かれていたので、思っている以上に時間をとられてしまったのだ。いつものことと言えばいつものことだが。

 

 

 特に激しくリアクションしていたのは大鳳で……

 

 

 陸奥に「この鎮守府、貴方が想像できないくらいおかしいから」と釘を刺されたのに対して「いやいや、そんなはずないじゃないですか。陸奥さんったら驚かそうとして」とフラグを立てていたところ、見事にフラグ回収して「なんなんですかここ! どこがそんなはずないですか! 騙された!」などとセルフツッコミしていたり、

 

 豪農屋敷っぽい鎮守府棟を見て「ここが鎮守府棟……? 建物がしょぼいような……いや、ある意味すごく立派ですけど……」と呆気に取られていたり、

 

 工廠を案内したところ、なんか楽しそうなこと(合同会議)が起こるのを察知した妖精さん達が独自の祭りを開催しており(彼女たちの暴走は悲しいかないつものこと)、それを目撃して「龍太さん……妖精さんのリソースマネジメントはしっかり行ってください……」とド正論なツッコミを入れたり、

 

 艦載機に乗って紅白演習ごっこしていた妖精さんが艦載機ごと爆発。ギャグアニメのようにすごい勢いで吹っ飛んできた妖精さんが顔面に突き刺さるという、バードストライクならぬキャプテンストライクに遭遇して吹っ飛ばされたり、

 

 北方水鬼(現ガンちゃん)との激闘から続く勤続疲労が抜けきっていなかった彼女の妖精さんが、キャプテンストライクの衝撃で機械油たっぷりの機器まで吹っ飛ばされ、結果ベトベトになって気絶。大鳳はフラフラしながらも「うぅ……は、はやく真水に浸けないと……! 洗剤! 洗剤ー!」なんて叫びながら取り乱したり、

 

 流石に工業洗剤で洗うのは憚られるため、みんなして浴場まで急いで向かっていると、曲がり角から「ふんふ~ん♪ 今日のおやつはポーテートッ」と鼻歌交じりに登場した秋津洲と激突。顔面にアッツアツのフライドポテト(厚切り)を浴びることになり、「フゴイドォッ!?」と謎の叫びをあげつつ悶えることになったりと……

 

 

 まぁ、ありていに言って散々な目に遭っていた。

 その様子は同鎮守府の面々もドン引きするくらいで、とにかく不幸な山城にさえ「なんだか今日の大鳳見てると、憐みの気持ちが湧いてくるわ……」なんて言われてしまう始末だった。

 

 

「いつもはああいう役目は山城さんが担当なはずなんだけど、大鳳さん、今日は調子悪かったのかなぁ」

 

「なんでああいう珍事がいつものことで、しかも担当が居るのよ」

 

「世の中は不思議でいっぱいなんですね……」

 

 

 先ほどのてんやわんやを思い出して、仲良くため息をつく3人。

 そんなこんなだったが、無事に三鷹少佐一行を客室まで誘導することはできたので、ひと段落である。

 

 ……とはいえ今日の用事はまだ終わってはいない。

 自分たちの直属の上司である白蓮大将。彼が率いるラバウル第1基地の面々が、この後やってくる予定なのだ。

 

 

「……いつまでもだらけてたら仕事が進まないわ。さっさと書類片付けるわよ」

 

「まあね。白蓮大将がいつ来るかもわからないし」

 

「ですね。幸い書類はほとんどないですし、ササっと片付けてしまいましょう」

 

「オッケー」

 

 

 

・・・

 

 

2時間後

 

 

・・・

 

 

 

 本日の書類仕事を終えたタイミングで、三鷹少佐が来た時と同様、ブロロロ……という大型車特有のエンジン音が聞こえてきた。

 どうやら白蓮大将一行が到着したらしい。ナイスタイミングである。

 

 3人が鎮守府棟から外に出てみると、案の定そこには中型バスから降りてくるラバウル第1基地ご一行の姿が。

 その様子を見た鯉住君は、歓迎の言葉を投げかける。

 

 

「お久しぶりです、高雄さん。いつもお世話になっております」

 

「こちらこそお久しぶりです。鯉住大佐。金剛と榛名の面倒を見ていただき、感謝しています」

 

「いえいえそんな……

いつも無理難題で高雄さんのことを困らせてしまってるので、その程度のことは……」

 

「最近はそれも大本営の大和に直接対応してもらっていますので、困ってなんていないですよ。

……それよりも、異例の2段階早期昇進、おめでとうございます。

提督になりたてだった時から知っている貴方のことを、直接お祝いしたかったの」

 

「そ、そんな……ありがとうございます。嬉しいです。

正直言って階級が変わったからと言って、なにか実感があるわけじゃないんですよね」

 

「ふふ。最初はそういうものらしいですわ」

 

 

 鯉住君が日ごろから何かとお世話になっている高雄と仲良く話していると、その話に勢いよく入り込んでくる者が。

 

 

「おー! ひっさしぶりだなぁ、オイ! 元気にやってるみてぇじゃねぇか!」

 

「うおっ、ビックリした……相変わらず声がデカいっすね、白蓮大将は……

急に話しかけてこないでくださいよ。今高雄さんと話してたんですから」

 

「細けぇ事言ってんじゃねぇよ。もう大佐だろ? 堂々としてろや。

あー、しっかしアレだよなぁ。お前相変わらず女好きだよなぁ」

 

「ちょ……!? 誰が女好きですか!」

 

「だっておめぇ、俺より先に高雄に声かけたじゃねぇか。

普通はそういうの階級順だろ? ま、そういうの気にしねぇ俺が言うのもなんだけどよ」

 

「お世話になった回数が圧倒的に高雄さんの方が上だからです!

白蓮大将はもっと自覚持ってくださいよ! 俺、アナタの無茶振りで結構やられてきたんですからね!?」

 

「ガハハッ! 細けぇ事言うなっつってんだろ!

お前はそれだけ大将から期待されてると思っときゃいいんだよ!

実際お前は俺以上になるってくらいには期待してんだ。光栄だろ?」

 

「あー、もう……ホント、何言っても聞かないんですから……」

 

「あの……スイマセン、鯉住大佐……ウチの提督が……」

 

「いいんです……もう慣れましたから……」

 

「本当に申し訳ありません……」

 

 

 げんなりしている苦労人ふたりを特に意に介さず、ガハハと高笑いしている白蓮大将。

 戦闘の際には野生的な勘と確かな戦術眼で、本当に頼りになる存在なのだが……この光景を見れば誰にでも、普段の執務を高雄が全部肩代わりしている理由がよくわかるだろう。

 

 久しぶりの再会で話に花を咲かせる秘書艦ズと第1基地の主力部隊をうしろに、白蓮大将は鯉住君に対して話を続ける。

 

 

「おう。それでな、鯉住。実際のところ最近はどうだ?

話に聞くところだと大分落ち着いてきたみてぇだが、お前に関しては逆にそれが不気味でよ」

 

「心外ですよその評価……

心配していただいてるところ悪いですが、本当に何もありませんよ。

最近は元々やりたかった落ち着いた地盤固めもできていますし、民間護衛任務でも好評を頂いていますし、順風満帆というやつです。

……まぁ、今回の会議に関しては、その限りではありませんけどね……ハハ……」

 

「本当か? なんか金剛からの定期連絡からは、この世の地獄みたいな雰囲気が感じ取れるんだが。

榛名に至っちゃ連絡すら寄越さねぇしよ。あのクソ真面目な榛名が。なんかあったとしか思えねぇんだが」

 

「あ、それは私も心配でした。

鯉住大佐のことですから心配はしていませんが、一方で鯉住大佐なので厄介ごとに巻き込まれているのではないかとの不安もあり……」

 

「高雄さんまでそんな……ハァ。

ふたりにはちょっと激しい研修プランでやってもらってますので、そのせいだと思います。

毎日頑張って食らいついてきてくれてるんですが、そのせいであまり余裕がないみたいで」

 

「……ちなみにおめぇ、研修ってどんな内容だ……?」

 

「ちょっと提督! なんで研修内容を把握してないんですか!?

提督が『金剛と連絡とるから任しとけ』って言うからノータッチでしたけど、研修元が内容を知らないなんて、ありえませんわ!」

 

「あーあーハイハイ。それで、どうなんだ?」

 

「話を聞きなさい!」

 

 

 どうやら白蓮大将は今回の研修に関して、高雄に色々雑な説明をしていたらしい。

 そんなこといつものことだろうに、高雄は毎度諦めることなく諫めているのだろう。秘書艦の鑑のような性格である。

 

 それはそれとして、別に隠すこともないので研修内容を開示する鯉住君。

 金剛と榛名の目標が『深海棲艦密集地帯の解放』ということで、『欧州の二つ名個体討伐レベル』を想定した研修設定にしたことから、一般から見れば常軌を逸した、佐世保第4鎮守府基準ではあまりにもヌルいと言える内容を、毎日こなさせていることまで。

 

 それを一通り聞いたふたりの反応は……

 

 

「やっぱお前頭おかしいわ」

 

「ひどい……」

 

「いやいやいやいや!

おふたりの望むところをなんとかするには、これくらいしないとなんですって!」

 

「まー、二つ名個体を嫁にしてる奴の言うことだから信じるけどよ。

そりゃ金剛も榛名も死にかけてるわけだぜ。……死んでねぇよな?」

 

「そんなわけないじゃないですか。ウチをなんだと思ってんですか……

ちゃんとふたりには応急修理要員を積んでもらってるので、沈んでも大丈夫ですってば」

 

「ヒエッ……沈む前提で研修なんて……

……鯉住大佐、ついに頭がおかしく……」

 

「おかしくないですから! 普通ですから俺ぇ! 一般的な平均的な提督!!」

 

「普通の奴は訓練でダメコンなんて持ち出さねぇよ」

 

「そもそも実弾で訓練なんて、聞いたことがないわ……」

 

「しょうがないじゃないですかぁ! 目標が目標なんだもの! そのくらいしないと対抗できないんだもの!

俺は悪くねぇ! 俺は悪くねぇ!!」

 

 

 ドン引きする白蓮大将と高雄に対して、必死で猛抗議する鯉住君。

 しかしすでに色々と実績が山積みなため、彼の叫びは青空に木霊するだけで、誰の心にも響かないのであった。

 

 

「なんでみんなわかってくれないの!? チクショウメェェェッ!!」

 

 

 

・・・

 

 

 

 鯉住君がひとしきり無意味な弁解をし終えると、見計らったかのように叢雲と古鷹が声をそろえて

 

「「 それじゃ、大将と高雄さん以外の皆さんを鎮守府案内に連れてくわ(いきますね) 」」

 

 と言って、お客さんたちを連れて行った。

 

 鯉住君の扱いがいつも通りだったので、彼の弁解を一緒にしようだとか、金剛と榛名に受けさせている研修がどれだけ効果的か、とか、そういったフォローをするつもりは無かったようである。無慈悲。

 

 味方ふたりに置いてけぼりにされた鯉住君は、ガックリと肩を落とす。

 

 

「なんつーか、あれだな。俺が言うのもなんだけど、お前の扱いひでぇな」

 

「分かってるんなら、もっと優しくしてくださいよ……」

 

「古鷹も叢雲も、元々ウチに居た時はもっと世話焼きだったと思うんだけど……

……ほ、ほら、鯉住大佐が凄く信頼されている証よ! ケッコンしてるほどですもの!

だ、だから元気を出してください! 話をマトモに受け止められなかったことは謝りますわ!」

 

「なんかフォローありがとうございます、高雄さん……うぅ、提督ってつれぇや……」

 

「何言ってんだ。部下全員嫁にして楽しんでるくせに。

男だったら別嬪やボンキュッボンに囲まれて、ニヤニヤしちまうだろ?」

 

「そりゃそうですけど、って、楽しんではないですよ……そんなの最初だけです……

それにずっと一緒に過ごしてると、楽しむっていうよりは気を遣っちゃうでしょ……?」

 

「そうか?」

 

「あぁ、白蓮大将じゃそんなことわかりませんよね……」

 

「すげぇ失礼だな、お前。まぁ気にしねぇけどよ」

 

 

 男同士のゲスい会話に高雄がジト目を向けていると、白蓮大将から違った話題が飛び出してきた。

 

 

「ところで鯉住よぉ。

ちょうど立場あるメンツだけになったし、ついでに切り出すが、ちょっと真面目な話がある」

 

「……真面目な話?」

 

「おう。今からの話は、金剛と榛名を送りこんだ理由でもある」

 

「……と、言いますと?」

 

「おい高雄、説明してやってくれや。順序だった話するの俺は苦手だからな」

 

「はい、わかりました」

 

 

 

「鯉住大佐。最近日本海軍の統括エリア全域で、深海棲艦におかしな動きが散見されるというのは知っていますね?」

 

「ええ、はい。鼎大将から呉鎮守府の異常を聞いてますし、ラバウル基地報でも書いてありましたよね。

『従来と違う編成の敵部隊が、ラバウル基地全域で確認されている』って」

 

「はい。最近は動きの変化もほぼ無かったのですが、この度大きな動きが確認されました。

……私達ラバウル第1基地が抱える解放不可海域……多くの犠牲を払っても解放できなかった、強烈な密度で深海棲艦が生息する海域。

そこから深海棲艦が漏れ出てくるようになりました。まるで、溢れ出るように」

 

「!! その海域って、金剛さんの妹さんたちが犠牲になったっていう……!」

 

 

 

「……はい。比叡と霧島だけでなく、多くの艦娘が眠る海域。そして、私達の前世である軍艦そのものが無数に眠る地。

その海域、またの名を……鉄底海峡(アイアンボトム・サウンド)と言います」

 

 

 

「アイアンボトム・サウンド……そうだったんですね」

 

「ご存知でしたか」

 

「名前だけは。しかし、まさか金剛さんと榛名さんが言う海域が、艦の墓場とも言われる例の場所だったとは……」

 

「私達艦娘とおそらく深海棲艦のモデルは、大東亜戦争……WW2(第2次世界大戦)と言った方が適切かしら。ともかく、その時に生みだされた軍艦です。

このラバウルの地で起こった激しい海戦、それに伴う悲劇を考えれば、深海棲艦が無数に出没するのも納得できるかと」

 

「それは……そうですね。

……そして今、その海から深海棲艦が溢れ出してきている、と」

 

「はい。そういうことで……恐らくこのままいけば、パンデミックが起きます。

圧倒的な数の相手に先手を許せば、待っているのは目も当てられない未来でしょう」

 

「つーわけだ。近いうちに、日本海軍始まって二度目の『緊急事態宣言』が発令される運びになるだろう。

もちろん1回目は『本土大襲撃』の時な」

 

「そっかぁ……ついに大きな戦いが……」

 

「オウ。日本海軍ではこれまで何度も『小、中規模作戦』や『大規模作戦』が発令されてきた。つってもそれはあくまで『羅針盤に従う以上、不測の事態は起こらない』レベルのもんだった。

だが、今回はそのレベルじゃねぇ。欧州みたいなメチャクチャな戦いを強いられる事になりかねん。『羅針盤の指し示す方向を無視して出撃しなきゃいけねぇ』とかな」

 

「う……羅針盤を無視しなきゃいけないって……!」

 

「はい。敵の侵攻を深い部分まで許してしまい、民間人が住む地域への危険が及ぶなどした場合、いかに羅針盤が逆の方向を指し示していようとも、出撃しなければならないのです。

……当然そうなれば、生きて帰ることができる保証はありません。轟沈の可能性はついて回ります。

私達の本来の使命。敵を打ち倒し、命を守るという行いをしなければならないのです。たとえ自らの命が尽き果てようとも」

 

「そう、なりますか……」

 

「もちろんそうはさせねぇ。そのために俺たち提督が居る」

 

「……」

 

 

 さっきまでコントみたいなことをしていたところに、緊急事態宣言発令というとんでもない話が飛び込んできた。

 話の流れが急すぎて、うまく受け止め切れていない。とはいえ……

 

 

「……分かりました。その時に備えて、準備しておきますね」

 

「お? 驚いたな。随分肝が据わってるじゃねぇか。

こんな話急に切り出されたら、どんなに神経太い奴でもビビるもんだが」

 

「さっき自分で言ったじゃないですか。『そのために俺たちが居る』って。

俺達だって、ただのんびりしてきたわけじゃない。史上初の後方支援特化鎮守府の実力、お披露目させていただきますよ」

 

 

 どちらかと言えばおとなしい鯉住君がズバッと言い切ったことが意外で、白蓮大将と高雄は驚いて目を見開く。

 彼の口から自信過剰ともいえる言葉が出てくるなど、想像していなかった。

 

 

「お? おォ? ……ガハハハッ! オイオイ!啖呵切るじゃねぇか!!

テメェみてぇなヤツがそんな態度とるなんて、よっぽど自信があるんだなぁ!?」

 

「自信があるとかじゃなくて、部下を信用してるんですよ。

彼女たちが居ればなんだってできるし、やってみせます。負ける気も、誰かを沈める気も、毛頭ありません」

 

「……クハハ! いい! いいぞぉ! いい目だ!

よし、決めたぞ! 高雄よ、今回の作戦はコイツの鎮守府を総督府とする!」

 

「はい、承知しました」

 

「……ファッ!? え、ちょ、総督府って……!?」

 

「あんだけ大見得切ったんだ! 自分の言動には責任とれよ!」

 

「言動に責任とれとか、アナタがそれ言います!?

高雄さんも止めてください! こっからじゃアイアンボトム・サウンドはかなり遠いでしょ!?」

 

「確かに少し距離はありますが、前線基地をいくつか設営すれば問題ありません。

……私にもようやくわかりました。何故龍田や大井のような気難しい子たちが、あなたを信頼していたのか」

 

「そ、そう言ってもらえるのは嬉しいけど……! 荷が重い……ッ!」

 

「どうせお前将官になるんだろ!? だったらそのくらいやって見せろ!

お前に散々鍛えてもらった金剛と榛名もいるし、俺が最前線で命張ってやるからよ!」

 

「ちょ!? なんすか!? 白蓮大将自ら出撃するんすか!?」

 

「ガハハハッ! 部下にだけ命かけさせてられっかよ! 一蓮托生なんだよ、こーいう時は!

特に『あそこ』には、無線妨害してくるなんかが居るからな! 直接指揮が必要だろ!

ま、それに俺が戦場でおっ死んでも、お前らに後のこと丸投げすればいいしな!」

 

「「 縁起でもないこと言わないでくださいっ!! 」」

 

 

 自分の命をスナック感覚で賭けようとしてる白蓮大将に、好き勝手振り回されるふたりである。

 

 

「とにかくこの話はまだ未確定だから、あまり気にすんな!

あ、それと最重要機密でもあるから、他所では触れ回るんじゃねぇぞ!」

 

「うえっ!? また最重要機密っすか!? もう、そんなんばっかりだよ……」

 

「もうお前はそういう立場なんだよ。諦めろ」

 

「ヒドイなこの人は!? ……ハァ……分かりましたよ。

……とにかく、準備だけはしっかりしておきますから、できるだけ早めに全体に周知してくださいね?

他の鎮守府の皆さんも、心と艦隊の準備が必要でしょうから……」

 

「俺の部下に『想定外でした』なんて言うような腑抜けはいねーよ。

それに兆候があるとはいえ、藪をつつかなきゃ蛇は出ねぇだろ、って状態だ。調査することも山ほどあるし、発令はもう少し先だな」

 

「それを聞いて少し安心しましたよ……ハァ……」

 

「その時が来たら、よろしくお願いしますね。鯉住大佐。私も貴方を信頼しているわ」

 

「いや、もう、なんていうか……

さっきはああ言いましたけど、頼られ過ぎると胃が痛くなるといいますか……」

 

 

 突然降って湧いたとんでもない話に、またひとつ胃が痛くなる鯉住君。

 仕方ないことだし、避けられないことだとはいえ、災禍の中心に自分が据えられる未来を思い描いてしまい、げんなりするのであった。

 




 三鷹少佐の転化体ホームステイ依頼からの、日本海軍全体での緊急事態宣言発令とかいう特大の厄ネタ。
 無慈悲なデスコンボのせいで、鯉住君の胃はもうボロボロ。




おまけ



 ラバウル第10基地 とあるランキング(新入り加入版)


甲・天城、足柄、天龍、龍田、神威、大鯨、間宮

乙・明石、大井、速吸、伊良湖

 越えられない壁

丙・初春、秋津洲、アークロイヤル

 越えられない壁

丁・叢雲、古鷹、夕張、北上、子日


 いったい何のランキングだろうなぁ?(すっとぼけ)
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