艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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今回でお話は一段落となります。ひとまずお付き合いいただきありがとうございました。

とは言っても割とすぐに次回を投稿するとは思いますので、まだまだお付き合いいただける方はよろしくお願いいたします。



第14話

「な、なんで貴女がここに!?」

 

 

堤防で釣りをしていた俺の目の前に現れたのは、ここに居るはずのない人だった。

流れるような柔らかな黒髪。しとやかでいて隙のない仕草。そして、鷹のような鋭さを備えた両の瞳……

 

5年前の本土大襲撃の日。

深海棲艦に圧倒的なチカラを見せつけ、俺たちを救ってくれた艦娘が目の前に立っていた。

あの時と何も変わっていない、その表情を浮かべながら。

 

あまりの驚きに慌てて立ち上がり、姿勢を正す。

 

「ふふふ……実は今日一日中こちらにお邪魔してたんですよ?」

 

「え?一日中……って?」

 

「私は赤城型1番艦正規空母『赤城』。所属は佐世保第4鎮守府。

今日は提督の秘書艦として随伴してきました」

 

「佐世保第4鎮守府……加二倉さんの……」

 

 

信じられないほどの偶然だ。いや、まさか、これはもしかして……

 

 

「……もしかして、大将から頼まれました?」

 

「あら?バレちゃいました?」

 

そう言って赤城さんは舌を出しながらおどけてみせる。

こんな茶目っ気もある人だったのか。

 

「……いくらなんでも偶然が重なりすぎですよ。さすがにわかります」

 

「ふふ。なかなか洞察力があるみたいですね。素晴らしいことです」

 

「俺のことも聞いているんですか?」

 

「はい。提督からは、あの時に研修船に乗っていた方だと聞いています」

 

「……そうでしたか」

 

「あの時私に最敬礼をしてくださった方でしょう? 印象的だったので、私も覚えていましたよ」

 

「覚えていて下さったんですね」

 

確かに死の恐怖から解放された喜びで、思わず頭を下げた記憶がある。

しかしそんな些細なことを、しかも5年も前のことを覚えていてくれただなんて……

嬉しくて胸が詰まる思いだ。

 

「私達が艦だった時代の認識では、最敬礼は皇族や神々への敬意を表すものだったので……

そんな大したことをしていないのに、と戸惑ってしまいました」

 

赤城さんは頬を人差し指でかきながら、たははと笑っている。

 

「そ、そうだったんですね。今の時代ではそこまでの意味はないもので……」

 

「ええ。私もあとから知りました。同僚にこの話をしたら、今はそういう意味では使われない、と」

 

「でも……俺にとっては、それほど、いや、それ以上だったんです。

なにせ貴女が来てくれなければ、確実に死んでいましたから」

 

「私は提督の命令をこなしただけですよ」

 

「それでも、です。今までずっとお礼を言いたかった。……本当にありがとうございます」

 

心からの言葉とともに、あの時と同じように頭を下げる。俺の命を救ってくれた、今の生き方へと導いてくれた、目の前の貴女に。

 

「……真っすぐな方ですね。頭を上げてください」

 

「……はい」

 

頭を上げると、彼女は先ほどと同じ笑顔を返してくれた。どうやら誠意を受け取ってもらえたようだ。

 

……長年抱えていた重荷を下ろすことができた、ということなんだろうか。気持ちが少し楽になった。

 

 

・・・

 

 

随分と衝撃的な再会だったが、ようやく少しばかり落ち着いてきた。

気持ちを整えていると、赤城さんから声がかかる。

 

「ふふ。実際あなたとお会いして、妖精さんに好かれる理由がよくわかりました」

 

ふと気づくと、周りで妖精さんたちがふよふよ浮かんでいた。

お前ら浮けたのか。知らなかったぞ。

 

……しかしだ。最近似たようなことを言われるけど、あまり納得感がない。

折角の話題だし、普段から気になっていることを聞いてみよう。赤城さんなら何かわかるかもしれない。

 

「俺が妖精さんたちに好かれているということですが……その、正直言ってよくわからないんです。

何か特別なことをしたわけでもない。何か特別な能力があるわけでもない。本人たちに聞いてみても、はっきりした答えは返ってこない。

俺が選ばれる理由なんて、思いつきません」

 

横の妖精さんたちを見ると、ムスッとしていたり、やれやれといったジェスチャーをとっていたり、呆れた顔でこちらを見ていたりと、反応は様々。

共通していることは、「こいつ今更何言ってんだ」という言外のメッセージを発している点だろう。

ハッキリお前らが理由教えてくれれば、俺もこんなに悩んでないんだよ。なんで教えてくれないのさ。

 

「私は妖精さんたちと会話できるわけではありませんので、はっきりとは言えないですが……

うーん、なんとなく、というしかありませんね」

 

「な、なんとなく……?」

 

「ええ。あなたからは、とても心地いい感じを受けるんですよ」

 

「こ、心地いい? そんなことないと思いますが……」

 

俺が癒し系ってこと?こんなどこにでもいるようなアラサーお兄さんが?

まったくしっくりこない。

 

「人間相手ではどういった印象なのかはわかりませんが……

艦娘からしたら、一緒にいたいとか、この人になら任せられる、といった感じを受けるんです。例えば陽だまりの温かな光のような……それはおそらく妖精さんたちも一緒です」

 

 

……そうなの?お前ら?

 

(((……)))

 

ニヤニヤしている。それはどういうことだよ。結局俺のこと気に入ってくれてんの?

 

(さっしてください)

 

(そんなだからとうへんぼくっていわれる)

 

(そういうとこやぞ)

 

なんでこの流れでディスられねばならないのか……

 

 

「ふふ……妖精さんたちとそんなに仲良くされているじゃないですか。

それが何よりの証拠ですよ?」

 

「からかわれているだけのような気もしますが……」

 

「彼女たちは皆、いたずらとか賑やかなことが好きですから。そういう態度になってしまうんでしょう」

 

「そういうものなんですか……」

 

「まあ、今の時点で良い関係を築けているようですし、これ以上私が言えることはありません。ここから先は、あなたと妖精さんたちで築き上げていくことですからね」

 

「うーん……確かにそれはそうですね。

こいつらと上手いことやれるかわかりませんが、言いたいことをわかってやれるようにはなりたいです」

 

「ええ。その意気ですよ」

 

 

・・・

 

 

ずっと立ち話ではなんだから、との赤城さんの提案で、堤防を散歩しながら話をすることになった。

月明かりに照らされ、夜風にたなびく長髪。美しい絵画のようだ。綺麗という言葉では足りない。もはや、触れてはいけないもの、という印象すらある。

 

正直俺にはハードルが高すぎる。ものすごく緊張する。

落ち着け……クールになれ……心拍数を下げるんだ……

 

 

「実はですね。妖精さんとの関係も気になってはいたんですが、私が聞きたいことは別にあります」

 

「聞きたいこと、ですか」

 

歩き始めたところで、赤城さんが口を開く。

一体なんだろうか。

今まで何の繋がりもなかったのに、聞きたいことがあるなんて。

 

「はい。単刀直入に言いますと、

何故あなたが今の仕事にこだわっているか。

それを知りたいのです」

 

「えーと……それって、その……大将から頼まれました……?」

 

「いいえ。全くそういったことはありません」

 

こちらの考えを察してくれたのか、赤城さんはスパッと否定してくれた。

 

「私が受けたのは『あなたが何か気にかかっている事があるなら、話を聞いてくるように』という命令だけです。

それに加えてあなたの経歴や、提督として勧誘されていることも聞いてきましたが、本当にそれだけですよ」

 

「あなたが今の仕事にこだわっている理由を知りたいのは、単純に私が興味があるからです。

……まあ、私の疑問にあなたの悩みが繋がっている気はしますから、一石二鳥だとは思ってますが」

 

「そ、そうでしたか。……すいません、疑ったりして」

 

「いいんですよ。あなたは真っすぐな方ですから、そういったことが気にかかるのも仕方ありません」

 

口に手を当てて、うふふと微笑みながらフォローしてくれた。行動の一つ一つに優雅さを感じる。

こちらの態度や声のトーン、選ぶ言葉などから、心の中を感じとり、その上で気を遣ってくれているのだろう。安心感を感じるのはこういうところだったか。

 

そういうことであれば、素直に心の中を打ち明けよう。

それは礼儀だと思うし、この人には知っていてもらいたいとも思う。

 

「わかりました。正直にお話ししますね」

 

「話せる範囲で構いませんよ?」

 

「大丈夫です。貴女と無関係な話ではありませんし、隠すようなことでもありません」

 

「……そうですか」

 

正直恥ずかしいけど、この人の期待には応えたい。ふっと一息。

 

 

 

「はい。ええとですね……

5年前の本土大襲撃の日。あの日に貴女に助けられたときに思ったんです。

ホントは失くしていたはずのこの命、助けてくれた艦娘の皆さんと貴女のために使おう、って」

 

「え……? 艦娘と……私、ですか?自分のためとか国のためではなく?」

 

赤城さんは目を丸くして驚いている。

そりゃそうだ。あちらからしたら俺なんて有象無象のひとり。自分が相手の人生に影響を与えた、なんていきなり言われても、寝耳に水だろう。

 

「はい。受けた恩はできるだけ返したいんです。どれだけ返しても返し切れるものではないですが。

だからその時勉強していた技術を活かして、サポーターとして皆さんの助けになろう、と」

 

「……成程。それで艤装メンテナンス技師になったのですか」

 

「そうです。実際うまく仕事ができてると思いますし、ある程度満足しています」

 

「お話を聞くと、そのようですね。アカシック鯉住なんて呼ばれてるみたいじゃないですか」

 

「ちょ……」

 

おいマジかよ……そんなことまで伝わってんの!?

赤城さんになんてことを……クソ提督許すまじ……

 

「そ、その呼び名は忘れてください……あまり嬉しいものじゃないので……

確かに明石よりも艤装のメンテはうまいと思いますが、スピードは全くかなわないですし……」

 

「……え? 明石よりも質の高いメンテナンスができるんですか!?」

 

「え……? は、はい……そんなに驚くほどのことなんですか……?」

 

別に大した技術があるわけじゃないし、

それくらいできる技術屋なんて、いっぱいいるんじゃないの?

 

「それはもうすごいことです……多分日本に何人もいないですよ」

 

「そ、そうなんですか!?」

 

マジか。マジか。結構俺すごかったのか?

 

(((ちょうしのるな)))

 

……お前ら俺にはホント厳しいのな。

わかってますよ。天狗にならないように気を付けるから安心せい。

 

「そこまで立派な仕事をなさっているとは思いませんでした」

 

「や、やめてください。恥ずかしいです」

 

「ふふ。失礼しました。……しかしこれではっきりわかりました。

あなたが今の仕事にこだわるのは、現状に満足しているからなんですね。

提督が嫌というより、今の仕事がよい、と」

 

「はい。今のままで十分役に立てていると思いますし、性に合ってるとも思います。

だから提督になって新たなことをするよりも、今の仕事を続けていこうかなって。

 

ただ……」

 

 

「……ただ?」

 

 

「周りの皆さんが、俺なんかに提督着任を薦めてくれているのは気になるんです。

 

赤城さんのように実力ある艦娘を育てる自信もないし、

大将のように信頼されるほどうまい指揮を執る自信もない。

事務仕事も苦手だし、女性の扱いもうまくない。

 

どう考えても提督業に向いている人間とは思いません。

 

それなのになぜみんな提督業を薦めてくるのでしょうか?

みんな俺のことを買いかぶっているんでしょうか?それともやっぱりこいつらと話ができるからでしょうか?」

 

妖精さんのほっぺをぶにぶにしながら赤城さんに問いかける。

 

一番引っかかっていたのは、実はそのあたりなのだ。

提督に必要と思われる技能には、どれも適性がない気がするんだよなあ。

ホントなんで俺みたいなやつに、みんな目をかけてくれてるんだろうか?

 

 

「ああ、そんなことを気にしていたんですか」

 

 

「……え? そんなこと?」

 

……あれ?なんだこの反応。思ってたのと違う……

それでは確かに提督としてやってくのは厳しい、とか、そういう反応が返ってくる場面じゃないの?

 

「今あなたが教えてくれた悩みはですね、そんなに大したことじゃありません」

 

「……えええ?」

 

大事なことを話そうとしているからか、赤城さんは足を止めてこちらを見る。

こっちも気を引き締めて、聞く体勢をとる。

 

「いいですか?よく聞いてくださいね。

私達艦娘は、かつて日本海軍が所有していた艦が人の形を得たものです。それはいいですか?」

 

「は、はい」

 

「つまり私たちには艦だったころの記憶や、船員たちの記憶もある程度残っています。

だから戦略、戦術についても優れた能力を持っている者が多いんです」

 

「……言われてみれば、そうですよね」

 

実際に戦争、しかも最前線で戦っていた記憶があるのだ。戦火から離れたところで育った人間では相手にならないだろう。

つまり戦闘については、かなりの範囲で艦娘の皆さんだけでできちゃうってことか……

 

「だから提督ひとりで戦闘について決めることはありません。

秘書艦や、戦闘センスの高い艦娘と協力して作戦を練ればいいでしょう」

 

「そうだったんですか……大将の話を聞くと、提督の指揮能力がないとうまくいかないイメージだったんですが……」

 

うちの大将は、部下の皆さんから指揮がすごいと言われている。

だから提督はみんな指揮能力が高くないとやっていけないと思ってたんだけど……

 

「ああ。鼎大将が基準だったんですね。それではそういう反応になるのもうなずけます。

誤解があるようなので申し上げますと、鼎大将や一ノ瀬中佐の指揮能力の高さは別格です。

一般的な提督は、さっき私が言ったような方法で作戦を立てるのが普通ですよ?」

 

「あー……そうなんですか」

 

「ついでに言いますと、事務能力についても提督にはそこまで求められません」

 

「ええっ!?そんなバカな!提督と言えば事務仕事って聞いたことあるんですが……」

 

「処理すべき書類が多い、という点ではそうかもしれませんね。

これもさっきと同じ話で、事務仕事が得意な艦も多いのです。

だから細かいことや重要度の低い仕事は秘書艦に任せてしまえばいいんですよ」

 

「そんな適当な……」

 

「適材適所、というやつです。現にうちの提督も事務仕事はほとんどしないんですよ……?

自分がやるよりお前たちに任せた方が正確だ、って言って。

少しくらいは目を通してほしいんですが……はぁ……」

 

「……へ、へぇ」

 

赤城さんは眉を八の字にして額を抑え、ため息をつく。

結構苦労してるんだなあ……完璧超人に見えた加二倉さんにもそんな弱点があったとは……

 

いや、でも、赤城さんの言ってたことが本当だとすると……

 

「あの、赤城さん……? つかぬことをお聞きしますが……」

 

「? なんでしょう?」

 

「先ほどから聞いてますと、提督って能力低くてもできちゃうんじゃないですか?」

 

「はい。できますよ?」

 

「ええ……うそぉ……」

 

あっさりととんでもないことを言い放つ赤城さん。

今の話だと、提督って何もできなくてもなれちゃうってことになる。しかも実際その通りらしい。

 

「基本的には艦娘の方が人間より能力が高いですからね」

 

身も蓋もない一言である。

 

「そ、それじゃ提督って別に要らないんじゃないですか?艦娘の皆さんだけで鎮守府運営すればいいのでは……?」

 

「いえ。私達には提督が絶対必要です」

 

「その心は……?」

 

「艦娘ってすごく癖が強い娘ばっかりですよね?」

 

「あ―……はい」

 

「まとめ役がいないとまとまらないと思いませんか?」

 

頭の中に色々な艦娘の皆さんが思い浮かぶ。

……

うん。納得せざるを得ない。

 

「……あー……確かに」

 

「そういうことです」

 

 

「つまり提督として一番大事な能力は、艦娘の皆さんをまとめる能力だってことですか」

 

「そうですね。部下全員に言うことを聞かせられるかどうかが重要です。やり方は人それぞれでしょうけど」

 

「そうだったんですね……」

 

「だからあなたは他の皆さんから勧誘されるんだと思いますよ。

艦娘にも妖精さんにも好かれているんだし、一部を除いて、艦娘が従わないこともないでしょう」

 

「はぁ……思っていたことと随分違って驚きました……」

 

だから春風さんも初春型の皆さんも、信頼が一番大事って言ってたのか……

あの時は指揮能力の方が大事だと思ってたからしっくりこなかったけど、今なら何が言いたかったのかわかるような。

 

「ふふ。そうでしょう? あなたが考えているほど難しいことじゃないんですよ」

 

「そのようですね」

 

「皆さんそれをわかったうえで推薦していたんですから、無碍に断ることもないんじゃないですか?

あ、これは勧誘とかではなく、私の率直な意見ですので、気楽に答えてくださると嬉しいのですが……」

 

赤城さんはこちらに気を遣って前置きしてくれた。優しい。

 

「あー、と、そうですね。正直言って今日一日で、別に提督やってもいいかな、と思うようにはなりました」

 

(((!!!)))

 

「でも今の仕事も気に入ってるんですよ。だからどうしたもんかなぁ、と」

 

(((んもうっ!!)))

 

妖精さんたちが機嫌悪そうに服を引っ張ってくる。

やめなさい。それ以上やると服がちぎれかねない。

 

妖精さんたちを引き剝がしていると、赤城さんの口からとんでもない一言が飛び出した。

 

 

 

「それなら両方やればいいじゃないですか」

 

 

 

「……へ?」

 

「いや、ですから、どっちもやったらいいじゃないですか」

 

「いやいやそんな……」

 

いやいやいや……

 

「提督は仕事の内容を自分で決めれるんですから、緊急時以外は艤装メンテナンスをすればいいじゃないですか」

 

「そんな……そんなんでいいんですか?」

 

「いいんですよ。艦娘の期待に応えたいと言ってくださるなら、それが一番良い方法だと思いますよ?」

 

「そ、そうなんですか……」

 

「提督といっても色々いらっしゃいますので、鎮守府の方針も色々です。

最低限の防衛さえできていればいいんですから、少し毛色の違う鎮守府があってもいいと思います」

 

首をかしげてニコッと微笑む赤城さん。天使かな?

 

「ええと……」

 

「私としても、あなたが創る鎮守府を見てみたいです。無理にとは言いませんが、やってみてはいかがですか?」

 

「……わかりました。貴女にそう言ってもらえるなら、やってみます。

まともな運営ができるかはわかりませんが……」

 

(おぉーーー!)

 

(ついにこのひが!)

 

(えっくすでーとうらい!)

 

こいつら……いつの間に酒盛りを……

 

「ふふ。よかった。皆さん喜びますよ。もちろん私もすごく楽しみです。

あなたが創る艦隊は、バックアップが得意な艦隊になりそうですね。前線から離れたところに赴任できるよう、私から大将に言伝しておきます」

 

「あ、そんなことまで……ありがとうございます」

 

「いいんですよ、そのくらい」

 

どちらからともなく、お互いに頭を下げる。

 

なんだかさらっと提督をやることを決めてしまったが、赤城さんが期待してくれてるならいいかな、とも思う。推薦してくれたみんなの気持ちにも応えられるし。

 

人生の転換点って、起きてみるとこんなものなんだなあ……

 

 

 

これからの不安もあるが、出来る限りやってみようと心に決める鯉住くんであった。




次回からは第2章、鯉住くん提督編です。
今回まではプロローグみたいな感じと捉えていただければいいかな、と。

また次回から緩い雰囲気に戻っていくはずですので、よろしくお願いします。
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