艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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どうやらサンマ漁が明けて、今月末には秋イベントが始まるみたいですね!
12月開始の秋イベントとは一体……?

新艦も何隻か登場するでしょうし、楽しみですね!




第140話

 

「鯉住さーん! どうしてそんなひどい扱いするんですかぁ!?

青葉たちがいったい何したっていうんですかぁ!」

 

「どの口がそんなセリフを吐けると思ってんですか……

人のこと好き勝手おもちゃにしておいて……」

 

「何言ってんすか! 秋雲たちはこれでも我慢して我慢してやってきてるんすよ!?

この溢れ出る創作意欲を、思うように表現できないもどかしさ……ああんっ!」

 

「悶えながら喘がないでください。

ていうか、あれだけやっといて満足できてないんですか……?」

 

「いいじゃないですかー。直接迷惑かけたわけじゃないんだしー。

漣たちの創ってるものなんて、人間が創る薄いブックスとかベッドの下にしまうビデオとかに比べたらかわいいもんじゃないですかー。ブーブー」

 

「比較対象がダメなやつでしょうがそれ! ていうかなんで鎮守府で将棋指してるだけの生活なのに、そんな知識があんの!?

それに! 第一! 直接被害は確かに無いけど、間接被害は被りまくってますからね!?

アナタたち3人が色々やりだしてから、他の皆さんとの距離感も結構変わってきちゃったんですから! もちろん悪い方に! なんかこっち見た瞬間に逃げられるとか!!」

 

「あー。潮ちゃんとか蒼龍さんねー。恥ずかしがり屋なのヨ。許してあげて♪」

 

「そっちは許すというか悪く思ってないけど、アンタらは許さないですからね!?」

 

「「「 あーん。そんなことおっしゃらずー 」」」

 

「アンタらホントに息ピッタリだな!」

 

 

 他の横須賀第3鎮守府組との和やかな挨拶は、一体何だったのか。

 変態3人衆と漫才を繰り広げる鯉住君は、とても必死な表情をしている。

 

 ちなみにこの3人が創った創作物(主役は7割がた鯉住君。残りの3割でも彼氏役とかでフル登場)は本当にヒドイものだったので、彼が必死になっているのも無理はない。

 あんなものこちらの鎮守府の部下たちに広められては堪らないのだ。今まで彼女たちに我慢させてた分が膨れ上がって、鯉住君の身に危険が及ぶかもしれない。主に貞操的な意味で。

 

 

「とにかく! アナタたちに関しては、ここでの自由行動を一切禁止します!

食事や入浴の際には必ず同鎮守府の重巡以上と同席すること! もちろん浴場やプールなどの公共の施設を利用する際にも、お目付け役をつけてもらいます!

そうでもしないと良からぬ知識が蔓延しちゃいますからね!」

 

「あ、青葉は重巡なので、ひとりで活動してもいいですか?

ホラ、監視役と監視対象、ひとりふた役ってことでぇ!」

 

「保護者同伴ってこと~?

それなら重巡の青葉さんと一緒ならいいってことかな!?」

 

「目の届く範囲ならいいんでショ?

だったら索敵能力の高い飛龍さんや蒼龍さんを保護者に選べば、それはもう鎮守府内を自由移動可能なのでは?」

 

「話聞いてた!? 正気ですか!? 理屈がガバガバってレベルじゃないから!!」

 

「キャアッ! 鯉住さんの口からガバガバなんていやらしい言葉が!!

漣ちゃん! 録音しましたか!?」

 

「モチのロンですよ、青葉さん!

駆逐艦・漣! どんな時でも臨戦態勢です!」

 

「あぁっ! 本人の口からそんないやらしワードが聞けるなんて……! 濡れるッ!!」

 

「やめろぉ!! 人をおもちゃにするのはヤメロオオッ!!」

 

「いやですよ~鯉住さん!

青葉達はむしろ逆におもちゃにして欲しいほ……おっと、これ以上はお下品ですね!!」

 

「まだお昼前っすからね~! あぁ^~~~、昂ってきた……イラスト書きたいっ!!」

 

「それにぃ……漣たちはガバガバじゃないわ。し・ん・ぴ・ん・ヨ?」

 

「喧しいわ! 何が新品! ベテラン艦娘でしょうがアナタ!

あーもうメチャクチャだよ! 誰か助けて!」

 

 

 何を言っても養分にされるので暖簾に腕押し状態。

 流石にそんな哀れな鯉住君を見かねたのか、横須賀第3鎮守府組の中から、文字通り助け艦を出してくれる艦娘が現れた。

 

 

「はいは~い。そこまでそこまで。

鯉住君困っちゃってるでしょ。3人とも発情してないで、ちょっとは落ち着きなよ」

 

「飛龍の言うとおり! もっと慎みを持たないとダーメ!

ヤッホ、鯉住君! 会いたかったよー!」

 

「た、助かりました。ありがとうございます、飛龍さんに蒼龍さん……」

 

「まったく……日本の艦娘は、どうしてこう落ち着きがないのかしら……ちゃんとしなさい。

ヴォンジョールノ、コイズミ。立派にやっているようね、感心だわ」

 

「ローマさんもありがとうございます……変態を止めていただいて」

 

 

 3人の暴走を止めてくれたのは、横須賀第3鎮守府組の中でも実力者の部類に入る、二航戦コンビの飛龍と蒼龍。そして、比叡と交換留学をしているローマだった。

 

 二航戦のふたりは大学生くらいのはしゃぎようを見せることが多く、とっても快活な性格なのだが、締めるところはきちんと締めることができる。

 今も滞在先の主が困っているのを見て、見知った仲と言えど流石に失礼にあたる、なんて考えて止めに来てくれたのだろう。ありがたいことである。

 

 そしてローマは、見た目通りというか、キツイ部分もあるにはあるが面倒見がよく真面目な性格。変態3人衆の変態的受け答えを放っておくのは論外、なんてことを考えてきてくれたのだろう。

 

 とにもかくにも鯉住君としては、この3人は地獄に垂れる蜘蛛の糸そのもの。

 態度にもその気持ちはガッツリ現れているようで、菩薩を拝むような面持ちでお礼を言っている。

 

 

「もう本当に俺では止められず、どうしようかと……

ありがとうございます! 変態たちを止めてくれて!」

 

「いいのいいの、それくらい! 一緒に体からも頭からも汗を流した仲じゃん!

私の中の多門丸も、鯉住君の努力は認めてるんだから、このくらいとーぜん!」

 

「そだね。人間向けとはいえ、全くの将棋初心者が飛車角コースを走り切ったんだもんねー。

私達も鯉住君を見て、もっと頑張らなきゃ! ってやる気出せたし、ちょっとくらい恩返しさせて!」

 

「ううっ……なんて優しいんだ……!! まるで女神さまだ……!!」

 

 

 

 

 

「あぁ^~~~……! いいですよぉ……いいですよぉ、その表情!!

これを撮らずにいられるだろうか!? 否! 撮らずにはいられないっ!!」

 

「心の底から安心した澄みきった笑顔……! ハァハァ……尊みの化身かなにかですか!?

スケッチ……スケッチ……!! ハァハァ……!!」

 

「ピンチの時に大人のお姉さんに助けられ、善意の籠った熱視線を送る旦那様……!

あぁ、堪らないですゾ! キタコレェ! ハァハァ……!」

 

 

 

 

 

「アンタらホンマに!! 俺、もうどうすりゃいいのぉ!?」

 

「あー、ダメだこりゃ。久しぶりの燃料供給で、完全にトリップしてるね」

 

「そだね飛龍。いったん電源落とさないと。

……というワケで、ローマさん、お願いします!」

 

「ハァ……面倒くさいわね……アンタ達、反省なさい」

 

 

 ガシャコンッ!

 

 

「……あ、え? ロ、ローマさん? いったい何を……?」

 

「秋雲の目には展開された戦艦艤装が見えるんですけど!?」

 

「あ、これヤバい奴では……」

 

 

「少しキツイお仕置きが必要ね……全砲門、開けっ!!」

 

「「「 ちょ、待っ……!! 」」」

 

「主砲!! 撃てぇーーーッ!!!」

 

 

 ボボボボオォォゥンッッッ!!!!

 

 

「「「 ぬわーーーーーっ!!! 」」」

 

 

 ローマの戦艦主砲一斉射により、哀れ変態3人衆は仲良く大破。ボロ雑巾のようになってしまった。……いや、哀れでもなんでもない。完全なる自業自得である。

 

 

「ハァ……こんなことで弾薬を無駄にするなんて、ナンセンスもいいところよ……」

 

「ありがとうございます。ローマさん。大変スッキリしました」

 

「あぁ、身内の恥晒しを咎めただけだから、貴方は何も気にしなくていいわ」

 

「そうそう。鯉住君が絡むと、この3人熱暴走しちゃうからさー。こうでもしないと収まりがつかないのよね」

 

「普段はとっても優秀なんだけどなぁ」

 

「それはもう、よーく知ってます。

ハァ……こんなことになるんなら、やっぱり混浴対局なんてしなきゃよかったですよ……」

 

「それはまー、気にしてもしょうがないじゃん?

聡美提督が言い出したことだし、私もいいモノ見れたしさー。

鯉住君だって男なら嬉しかったでしょ? 私達のカラダじっくり眺められて!」

 

「それについては、セクハラになりますのでノーコメントでお願いします……」

 

「こらっ! 飛龍も3人のこと言えないじゃん! もっと慎みもたないと!」

 

「そんなこと言って蒼龍だってさ、鯉住君と混浴対局した後は部屋でコッソリ……」

 

「ッ!! ワーワーッ! な、何言ってんの飛龍!?

こ、この話はこれでおしまいっ!! 鯉住君もそれでいいでしょ!?」

 

「も、もちろんです。俺も妙な藪蛇したくありませんので……」

 

「よしっ! じゃあ飛龍、本題に移るわよ! ローマもイイよねっ!?

ていうかローマの方が私たちより詳しいんだから、ローマから説明しちゃって!」

 

 

 なにやら飛龍にバラされたくない事情があるようで、蒼龍は話題を進め始めた。

 あそこまで口に出されたら、彼女が隠したいことなんてバレバレなのだが、そこは見て見ぬふりをする鯉住君。彼にとってもそんな事実不都合でしかない。

 

 それはそれとして、本題とは一体なんなのだろうか?

 漫才じみたやり取りに興味を示さず退屈そうにしていたローマが、そのことについて口を開く。

 

 

「……ふわぁ。やっと茶番が終わったのね。待ちくたびれたわ」

 

「なんかスイマセン。お待たせしてしまって」

 

「別に貴方が謝るようなことじゃないでしょうに。

……まぁそれはいいわ。ちょっと貴方、頼みたいことがあるのよ。聞いてちょうだい」

 

「た、頼みたいこと……?」

 

「そうよ。ちょっとヒリュウ。悪いけど連れてきてちょうだい」

 

「オッケー」

 

「つ、連れてくるぅ……???」

 

 

 どうやら用事というのは、今ここに居ない誰か、もしくはなにかに関することのようだ。

 変態3人衆から解放されてスッキリしていたのだが、嫌な予感で脂汗がジトリと染み出てくる。

 

 そんな鯉住君の心境を知ってか知らずか、飛龍はすぐにバスに戻り、誰かを連れて戻ってきた。

 

 その誰かというのは……

 

 

「ハイ、お待たせっ! 挨拶して!」

 

「……コンニチハ」

 

「……え!? ちょ、ちょっと飛龍さん!? ローマさん!?」

 

「ま、そういう反応になるわよね」

 

「ビックリするよねー。普通」

 

「そりゃビックリしますって! だって……!!」

 

 

 

「だってこの子、いや、この個体……深海棲艦、しかも恐らく姫級じゃないですか!?」

 

 

 

・・・

 

 

 

 飛龍が連れてきたのは、人間でも艦娘でもない少女……どうみても深海棲艦、それも鬼級や姫級にあたる個体だった。

 

 青白い肌、真っ黒なワンピースとゼブラ模様のパンプス、そして海の底で見る太陽光のような、うっすら光るライトブルーのメッシュが入った黒髪。

 

 どこをどう見ても深海棲艦。そして飛龍やローマに従っている様子を見るに、知性もかなり高い……つまりは姫級クラスの実力を持っていると考えられる。

 いったい、何がどうしてこんな事態になってしまったのだろうか?

 

 そんな感じで鯉住君が混乱していると、ローマから説明が入った。

 

 

「この子はね、深海棲艦に見えて深海棲艦じゃないの」

 

「あ、えー……? いやだって、どう見ても……」

 

「ウチの鳥海と似たようなものよ。

それに、貴方のところにもいるでしょ? そういう艦娘」

 

「えー、つまり、転化体って事ですか……?」

 

 

 まさかの転化体(?)登場に、驚きを隠せない鯉住君である。

 ……と、ここでローマから追加の情報が。

 

 

「正確に言うと違うわ。

……この子は元々が艦娘で、色々とあったせいで深海棲艦の姿になってしまったのよ。

ヒリュウとソウリュウがヨーロッパ遠征に行った時に、私の故郷で見つけてきてくれたの」

 

「そうそう! この子を見つけた時はすっごいビックリしたんだから! ねー蒼龍!」

 

「ねー飛龍! 駐軍のための仮拠点を設営しようとして出くわしたから、あの時はそりゃもう驚いちゃったなぁ」

 

「はー……よくそこからコミュニケーション取ろうと思いましたね……

普通だったら姫級と対峙なんて状況、即戦闘でしょうに……」

 

「普通ならそうだけど……佐世保第4のちょっとおかしい人たちが、なんていうか片っ端から戦意を削いでいってくれてたからさ。後詰めの私達は全然戦闘無かったの。

んで、燃料も弾薬も損傷も余裕だったから、とりあえず様子見しようってなったワケ」

 

「戦意が全然感じ取れなかったってのもあるよねー。余裕もった対応できたの」

 

「なるほど。それでこの個体……って言い方はよくないか。

この子とそこから話をすることに成功したってわけですか」

 

「そうなのよ。それで色々何があったか聞いてみるとさー。ほっとけなくなっちゃって」

 

「欧州情勢は厳しいって比叡さんからも聞いてはいたけど、最近はそれでもマシになってきてたんだなってよくわかったの。この子の話を聞いてね。

欧州の救援は成功して、劇的に平和に近づいたけど……この子をそのまま置き去りにするのは、ちょっとね……」

 

「はー……なにやら相当な修羅場があったんですねぇ……」

 

「ヨーロッパじゃそれくらい当たり前だったわ。日本がうまくいきすぎているのよ。

……私も何度祖国に戻って戦おうと思ったかわからないわ。こっちに居るほうが色々踏まえると祖国のためになるし、学ぶことも多かったから、帰ることはしなかったけど」

 

「そっか。今俺たちがのんびりやれていることに、改めて感謝しないといけないですね。

艦娘の皆さんにも同じくらい感謝しなおさないと」

 

「ふーん……私達に感謝なんて、いい心がけね。それじゃ……」

 

「……それじゃ?」

 

 

 

 

 

「この子の面倒見なさい」

 

「やっぱりそうなるんですか!?」

 

 

 

 

 

 目の前の姫級っぽい艦娘(?)が連れてこられた時から、そんな展開になる気はしてた鯉住君(いつものことなので)。

 しかし実際そうなってみると、やっぱり気が重い、というか荷が重い。複雑かつヘビーな過去を背負っている様子の目の前の少女を、どうやってケアしていこうか……

 

 悩みの種がまたひとつ増えた鯉住君である。

 

 

「ハァ……分かりました……

この子すごく悲しい目をしてますので、放ってはおけないですし……ウチでお預かりすることにしますね……」

 

「……意外ね。もっと色々と難癖をつけてくるかと思ってたわ」

 

「ローマさん、普段はそういうことは向いてないって言って、こういう交渉は他の人に任せるでしょ?

それをわざわざご自身で伝えに来たってことは、そうするのがこの子にとって一番と考えて、居ても立ってもいられなくなったからですよね。

だったら、そこまでわかってて断るなんて、俺にはできませんよ……」

 

「……そう。貴方は私達のために動いてくれるんでしょ? だったら少女ひとりくらい、救って見せて頂戴」

 

「俺もこの子には元気になってもらいたいので、なんとかしてみせますよ」

 

「グラーツェ、コイズミ」

 

 

 

 

「よろしくね。俺は鯉住龍太。ローマさんと同じように、コイズミって呼んで欲しい。

俺はキミのことをなんて呼んだらいいかな?」

 

「ヨロシク……オ願イシマス……こいずみ……

ワタシハ……まえすとらーれ……デス」

 

「そっか、よろしくね、マエストラーレちゃん。

ウチは色々変わってるけど、みんないい人ばかりだから、安心してね。

……それじゃ、初めましての印に握手しようか」

 

「……ハイ」

 

 

 努めて元気よく振舞いながら握手を求める鯉住君と、おずおずといった様子でそれに応える マエストラーレ。

 なんかもう色々抱えすぎてパンク寸前の鯉住君ではあるが、こんな小さな女の子を悲しませることだけはすまいと、心に決めるのだった。

 

 





テンポの都合上、そして重すぎるのでカットした情報


新登場の子・プロフィール


・外見

 深海棲艦姫級・船渠棲姫
(元マエストラーレ級1番艦駆逐艦・マエストラーレ)


・簡易経歴

 彼女は元々とあるイタリアの鎮守府に所属していた駆逐艦だった。
 ある日彼女が重傷を負い入渠している最中に、深海棲艦の襲撃(旗艦:重巡棲姫(二つ名個体『オイルドリンカー』)の戦隊)があり、彼女を残して鎮守府メンバーが全滅してしまう。
 絶望的な状況で仲の良かった面々がやられていく音声を、何もできずにドックで聞いていた彼女。絶望と怒り、そして海の底に沈んだかのような深い哀しみにより、気が付くとそのカラダは青白いものへと変わってしまっていた。
 その姿では他の鎮守府に救助される望みもなく、かといって深海棲艦と同じ心を持つわけでもない彼女が選んだのは、何もせず、何も考えず、廃墟となった元鎮守府で、辛くても楽しかった思い出と共に朽ちていくことだった。

 ……そこから数年後、欧州救援として日本海軍から派兵された面々と邂逅。飛龍と蒼龍の真摯な説得に心動かされ、何ができるかはわからないけれど、もう一度立ち上がろうと決める。そして本編に至る。

 ちなみに深海棲艦の鎮守府襲撃は、欧州ではよくあること。彼女のいた鎮守府も守りは固めていたのだが、タイミングと相手が最悪だった。


・鯉住君に託した経緯

 本当は横須賀第3鎮守府で面倒を見られれば良かったのだが、本土のしかも人の目に触れやすすぎる環境で、それは不可能という結論に。
(そもそも将棋を中心に回っている特殊過ぎる鎮守府なので、環境になじめないだろうという意見もあった)

 そこで誰もが、いの一番に思いついたのが、鯉住君の存在。
 本土から最も遠く、そもそも現地基準でもド田舎に位置するラバウル第10基地なら、彼女の療養に最適。
 鯉住君の人柄は誰もが信頼するところだし、横須賀第3鎮守府から異動した足柄もいるので密な連絡も取れる。
 
 彼女と同郷で、駆逐艦マエストラーレの同僚もいるローマが、彼女のことを一番気にしていたので、鯉住君と直接交渉すると立候補。
 鯉住君が色々と注文を付けてくると思っていた(普通は当然そうなる)が、まさかの無条件快諾だったので、そのまま預けることに。
 人選が間違っていなかったことが分かり、一同はホッと一息である。

 ちなみにこの場に居合わせた面々の中で、鯉住君の株は爆上がりした。
 古鷹も実はずっといたので、彼女の中での株も爆上がりした(とっくに上限突破済み)。
 大破中の変態3人も不幸なことに意識があったので、彼女たちの中での株も爆上がりした。


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