艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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夜戦マスにネ級改を設置した馬鹿者はどいつだぁ!!
イベント頑張って終わらせます(残り1日)


第173話 それぞれ準備開始

 提督による無茶ぶり指令(夏祭り開催)が発令されてから束の間、異次元の実力を持つメンテ班は脅威のスピードで深海棲艦艤装のメンテを進めていた。

 歴史モダン感じる工廠では、あわただしくも活気ある雰囲気で艤装たちのパーツが外されたり研磨されたり清掃されたり、とにかく大忙しである。

 

 

「ほらしっかり見とくんだよ駆逐。普段は能天気なウチのメンテ班だけど、本気出すと世界一すごいんだからさ」

 

「スゴイ……手元ガヨク見エナイクライ動キガ早イシ正確……」

 

「そりゃそうよ。なんたってラバウル基地全体の総督府になる予定なのに、ここにいる4人だけで、その時集まる大勢のメンテ班まとめようってんだからね。ひとりひとりがトップクラスじゃないと回らないってば」

 

「ソレニシタッテ、アンナ艤装ッテ言エナイ相手ナノニ……」

 

「ああ、それはアタシもおかしいと思うわ。どう見ても海産物なのになんであんなにスムーズに艤装としてのメンテできるんだろうね? 意味わからん。アハハ」

 

「デスヨネ……」

 

 

 実際に目にすると意味の分からない状況過ぎて、マエストラーレは置いてけぼりである。北上も同じような理解度なのだが、こっちは慣れたもので『そういうもの』として受け入れちゃっている。

 

 

「ほら、マエちゃんも北上さんも、話してないでもっとテキパキ動いて!!

マエちゃんはバルターくん(クジラ型艤装)の肋骨?磨き! 北上さんは研磨カス大量に出てるから掃除機で吸い取って!!」

 

「ハ、ハイッ!!」

 

「はいはーい」

 

 

 夕張に怒られてアセアセしながら作業に入るマエストラーレに、あくまでのんびりした感じで掃除を始める北上であった。

 

 

「なぁ龍田」

 

「天龍ちゃん、なにかな~?」

 

「やっぱ暇だよなぁ。みんなして完全に艤装飼いならしてるしよ」

 

「のんびりできていいと思うけどな~」

 

「そりゃそうなんだがよ、護衛としてなんとも言えねぇっつうかなぁ」

 

「また落ち着いたら相談してみようね~」

 

「そうすっか。最近の俺、なんか蚊帳の外なんだよなぁ」

 

 

 

・・・

 

 

 食堂にて 出店班

 

 

・・・

 

 

 

「なんでっ! なんで私を呼んでくれなかったんですかっ!! 同期といえば同期じゃないですか!! 皆さん薄情です!!」

 

「いやあの、伊良湖さん……行かなくて正解だったと思いますよ……?」

 

「速吸ちゃんの言う通りですよ。私、大鯨……じゃなくて龍鳳も、いつの間にか軽空母になってたくらいには鍛えられてちょっと自信がついてたんですよ?

それなのにあんな強そうな人たちを目の前で見ちゃって……自信喪失しちゃいました……」

 

「そんなことはどうでもいいんですよ!! ここの人たちがちょっと色々とおかしいのなんてわかってたじゃないですか!!

私が言いたいのは!! 提督が気合入れながら男らしく指揮を取ってるところを、なんで私だけが見逃しちゃったかってことなんですよっ!!」

 

「いやそれもなんていうか、かなりショッキングな光景で……」

 

「速吸さん何言ってるんですか!! 好きな人の雄姿を見たくない女の子が居るはずないでしょう!?」

 

「ひぃっ、すごい迫力……」

 

「諦めましょう速吸。伊良湖は提督に夢中なんですから……」

 

「神威さん……そんな遠い目をして……」

 

 

 鯉住くんがはっちゃけていた場には、ひとりだけ顔を出していなかった。そう、伊良湖である。彼女は新作の和スイーツの研究で手が離せなかったのだ。

 それよりも鎮守府に襲来したアホみたいに強い姫級集団の方が気になるのが普通だが、そんなことよりも提督に喜んでもらえるスイーツ開発の方が優先度が上なのだろう。

 どうせ提督がなんとかしてくれるから、もっと有意義なことをしよう、なんて考えているあたり、彼女もいい感じにこの鎮守府に馴染んできている。

 

 そんな新入り達の微笑ましい(?)やりとりを遮って、彼女たちと一緒に食堂まで戻ってきていた足柄が話を切り出した。

 

 

「はいはい、その辺にしときましょ。伊良湖はまた提督の良いところみられる機会があるから、そんなに荒れないの」

 

「だって今見たかったんですもん!」

 

「だからまた見られるって言ってるじゃない。落ち着きなさいな。

……それはそうと、私たちの役目はいつも通り、料理作りね。出店班ってことで色々と作らなきゃいけないわ。秋津洲が工廠班にとられちゃってるから、ちょっと忙しいわよ」

 

「料理……そう言えば、あの転化体の方、コロラド、さんでしたっけ。あの方に料理を作って欲しいと頼まれましたね」

 

「どんなものが好みなのでしょうか? 米国では肉料理がスタンダードなのですが……」

 

「そうね。神威は艦だった時分に米国に居たことあるから、アッチの食生活について知ってるわよね。今回は明日の晩までっていう期限と、屋外で出せるようなものっていう制限がかかってるから、それも込みで喜んでもらえるものを考えないとね」

 

「出店で出せる料理ですと、下ごしらえも必要でしょうか?」

 

「そうそう。そういうわけで、バカンスしてた人たちが帰って余っちゃった食材を、片っ端から調理していくわよ。さ、タイムリミットまで気合入れていくわよ!!」

 

「「「 はい~…… 」」」

 

 

 明日の晩までとはいえ、あの大型艦の数であの人数。今からとりかかっても休む暇がないくらいには時間が足りなかったりする。

 多数の鎮守府メンバーがバカンスしてたこの間よりはマシとはいえ、それでも徹夜は避けられない気配を感じてげんなりする新入り達であった。

 

 

「う~! 提督に喜んでもらえる料理、絶対作って見せるんですから!!」

 

 

 

・・・

 

 

 艦娘寮(旅館)の大会議室(宴会場)にて 盆踊り班

 

 

・・・

 

 

 

「さて、とりあえず盆踊り班は宴会場まで来たわけですが……」

 

「日本の伝統的な踊りなんでしょ? ちょっと気になるよね」

 

「イッエ~ス! トラディショナル・ダンス!! 楽しみだヨ!」

 

「ふむ。人類というだけでなく日本の文化に興味を抱いてもらえるとは、なかなかに嬉しい事よのう。なぁ子日」

 

「そうだね姉さん! みんなで踊って仲良くなれたら嬉しいなっ!」

 

「はるなはだいじょうぶじゃないです……」

 

「榛名さんがおいたわしい感じに……ウチの班、大丈夫ですかね……?」

 

 

 盆踊り班に最初に立候補したのは、舞踊の心得が多少はあると言っていた研修生の榛名だった。

 

 それはまぁよかったのだが、その次に立候補してきたのがなんと今回のお客さんであるガンビア・ベイとアイオワ。これには榛名の表情筋もフリーズ。異文化コミュニケーションどころじゃないレベルのこんな非常識な存在を相手に出来るわけがない。この時点で榛名は大丈夫じゃなくなった。

 

 それを見逃さなかったというか見過ごせなかった古鷹。追加で立候補。榛名はこれでちょっとだけ大丈夫になった。

 そこにさらに追加メンバーとして初春子日姉妹が参加。普段やってる養蚕で出た絹から作ったアレコレを屋台に出そうかと最初は思ってたらしいが、普段からみんなに配ってるものをわざわざ屋台に出すのも違うと思ったらしい。初春にも舞踊の心得があったことからこちらに参加と相成った。

 

 大丈夫な人の比率が増えたことで、ここで榛名はかなり大丈夫になった。のだが、初春の「せっかくじゃから研修がてら、榛名に班を仕切ってもらおうかの」という無慈悲な一言を受け、完全に大丈夫じゃなくなってしまった。なにがせっかくなのだろうか。存在がピンの抜けた手榴弾みたいな転化体相手に、なにがせっかくだからなのだろうか。

 

 心の中では『榛名は大丈夫じゃないので、その辺の隅っこで空気にでも徹することにします』なんて主張しっぱなしだったが、普段から拷問じみた訓練を施されている手前「はい、わかりました」以外の返答は口から出せなかった。ああ恨めしや反射行動。

 

 そんなこんなで死んだ目をした榛名先導のもと、盆踊り班は広く使える大部屋である大会議室(宴会場)までやってきたというわけだ。

 

 

「えー、それではですね。米国生まれ……で合ってるのかな? 深海生まれ?

……とにかく、日本文化をご存じないおふたりのために、まずは盆踊りが何かってところから説明しましょうか。……榛名さん、いけます?」

 

「はい、いけます……」

 

「うむうむ。榛名は大和撫子然としているからのう。頭もよいじゃろうし、どんな蘊蓄が出てくるのか期待が膨らむのう!!」

 

「そうだね姉さん!!」

 

「あの、そんなにきたいされますと……」

 

「オーウ! ヤマトナデシコ!! なんかカッコイイ響きですネー!!」

 

「ヤマトが確か日本だっけ? どんな意味なのさ、知らないから教えてよ」

 

「えと、その……はい……」

 

 

 大和撫子だと言われた自分が、大和撫子がどんだけ素晴らしい女性なのか説明しろというのか。それどんな辱めなんだろうか。

 自分で自分のことを奥ゆかしいとかふり返られるほど美人だとか、そんな美辞麗句で懇切丁寧に説明するとか……それってどんだけ調子乗った女なんだろうか。

 穴があったら入りたい、いや、穴がなくても掘り返して収まってセミの幼虫みたいに引きこもりたい。そんな気分になること不可避である。

 

 でも興味深そうにこっち見てる人型大型機雷みたいな連中の機嫌なんて損ねられない。断って暴れられたら色々マズいことになるに決まってる。

 

 話すしかないなぁ……心底しんどいなぁ……

 そんな事を考えつつも、魂が抜けかけた榛名による説明が始まり、なんとか彼女の精神が擦切れる前に完了した。

 

 

「大和撫子、日本における理想的な美人ね。ふーん」

 

「パーフェクト・ウーマン! ステキな言葉だヨ!」

 

「おおむね……そんなかんじです。はい……」

 

「なんか元気ないね。大和撫子って言われてからあんな説明サラリとできるんだから、すっごい自分に自信あると思ったのにさ」

 

「ふぐぅっ!」

 

「普通はあの話の流れでそんだけの誉め言葉を説明するなんてできないでしょ。そこのフルタカ辺りにでも説明投げるもんじゃない?

とてもじゃないけど普通なら恥ずかしくて『私はすごく美しい女性です』なんて意味のこと言えないでしょ。日本の艦娘は自信家だね」

 

「ぅっ……」

 

「あの、ガンビア・ベイさん、そのあたりにしてあげてください……榛名さんの心が限界っぽいので」

 

「あれだけ丁寧に『自分はキレイって言われた』って説明してたくらい、自分に自信があるのに? あの魚狂い級の自信家じゃないの?」

 

「ぁぅ……」

 

「ま、まぁまぁ、それはもういいじゃないですか! そんなことより踊りですよ、レッツダンシンです!」

 

「オーケェイ!! レッツダンストゥギャザー!」

 

「い、いえーい!!」

 

「いきなりそんなノリ? フルタカ大丈夫なの? 頭のネジでも外れた?」

 

「うむ! なんだか盛り上がってきたのう!! それでは妾の舞を披露してしんぜよう!!」

 

「わぁい! 楽しくなってきたね!!」

 

「はるなは……はるなはもうむりです……」

 

 

 

・・・

 

 

 畑のすみっこ、ちょっとした広場にて 神輿班

 

 

・・・

 

 

 

「あの、大井さんさ。叢雲さん置いてきちゃってよかったの?」

 

「いいのよ。叢雲が自分から筆頭秘書艦だからって言って、あの姫級たちの相手するって言いだしたんだから」

 

「それにしても瑞鶴先輩と私が来たところで、どうにかなるもんなんですかね……? 神輿班なんて言われても、私どうしたらいいのかわかりませんよ?」

 

「別にいいのよ。どうせ実働は提督の息がかかった妖精さんがやってくれるんだから、アイデア出しだけしてくれれば問題ないわ」

 

「なんていうか雑な方針ね……」

 

「じゃあ瑞鶴に聞くけど、あの姫級達の相手できる? 出来ないでしょ、私にもどうしようもなくてお手上げなのに。それよりは神輿班なんて言うよく分かんない任務に就く方がいいでしょ」

 

「そりゃそうだけど……考えるだけ無駄かぁ」

 

「そういうこと。提督がああなった時点で、私たちはよく分からない指示を遂行するしか選択肢が無いのよ。とにかくいい感じになるように考えるわよ」

 

「あのー、その前に、私が背負ってる天城姉はどうしたらいいですかね……?」

 

「そこにベンチがあるから寝かしときなさい」

 

「あっはい」

 

 

 こちらは神輿班ということで、大井に加えて瑞鶴と葛城、そして立って話聞いてるのがめんどくて葛城にもたれかかって寝ちゃった天城の4人が集まっている。

 もっと言うと、けっこうな数の妖精さんが、鼻息荒く『はよ仕事よこせ』と言わんばかりについてきている。

 

 本当のことを言うと、神輿に興味があったということは全然なく、あの場でヤバそうなメンツの相手をしたくなかったので逃げてきたということだったりする。

 

 

「神輿ってことは、誰かがその上に乗ってみんなで担ぎ練り歩くって図が、提督の頭の中では出来上がってるはず。だったらそういう事が可能で、ある程度形式ばったデザインを考えればいいわね」

 

「簡単に言うけどそれ無理じゃない? 宮大工は……なんか妖精さんが任せろって顔してるから大丈夫だとしても、デザインだけでも難しいよ? 葛城もそう思うでしょ」

 

「いえ、デザインやってみたいです!」

 

「……マジ?」

 

「マジですよ! 私の制服艤装って着物っぽいじゃないですか。天城姉のほど着物着物してないですけど。だからそういう和風デザインって興味あって色々調べてるんですよねー」

 

「そういえば夕張ちゃんと一緒に買い物行った時も、色々とオシャレな服選んでたなぁ……」

 

「ハイ!」

 

 

 意外にも乗り気な葛城である。これには瑞鶴もビックリ。自分の知らないところでこの後輩は充実した趣味を持っていたようだ。女子力でおいてかれた気がしてちょっと悔しい瑞鶴。

 ともあれこれは渡りに船というものである。これ幸いと大井は彼女に仕事を全振りすることにした。

 

 

「それは都合いいわね。神輿のデザインは葛城に任せることにするわ。それじゃあ瑞鶴と私でそれ以外のところをカバーしましょう」

 

「それ以外って言うと?」

 

「決まってるじゃない。神輿を実際に動かすとしたらルート取りが必要よ。始点と終点を決めてその間のルート整備。

それに出店班と相談して出店の簡易店舗も作らないといけないわね。どうせあっちは料理で忙しくてそれ以外なんて手につかないでしょうから、建造物全般を私たちでやることになるでしょう」

 

「あー……よくそんなすぐに思いつくよね」

 

「戦場では臨機応変が求められるんだから、瑞鶴もこの程度出来るようになりなさいな」

 

「そういう問題なのかなぁ……」

 

 

 

・・・

 

 

 解散場所のプール 花火班

 

 

・・・

 

 

 

「fireworks(花火)とはadmiralも洒落たことを考えるものだな!! 素晴らしい! 妖精たちよ、もちろん魚類を模した花火は作れるのだろうな!?」

 

「これってその辺に浮かんでいる妖精に頼めば、それだけで好きな花火を作れるってこと!? いいじゃない、花火の音は大きくて怖いけど、それ以上に美しいのがいいわ!! まるで私のよう!! C'est merveilleux!!(素晴らしいわ!)」

 

「アメリカでもファイアワークスは親しまれていたわ! このコロラドがビッグ7の名に恥じない大迫力の逸品を作ってあげるわ! そして彼と一緒に見ていい感じになるのよ!!」

 

「フゥム、花火、デスカ。面白イデスネ、人間ガ飛ビ散ル爆発ハ見慣レタモノデスガ……フフ、美シキ爆発、タマニハ良イ」

 

「ギャハハハハハハハ!!!! コノ中デ一番ノ花火ヲ作ッテヤルワ!! 派手ニイクゼェ!」

 

「ハァ!? テメーナンゾニ一番ガ獲レルわけネェダロ、阿呆ガ! 一番爆発サセルノガ上手イノハ、コノ、私ダァッッ!!! 最高ノ爆発ヲ見セテヤルゼェ!!」

 

「ドイツモコイツモ……モノヲ知ラナイ哀レナ愚者ネ。花火トイウノハソンナ野蛮ナ考エデ作レルモノジャナイノヨ。繊細デ緻密ナ計算が必要……実践デコノ私ガ見セツケテアゲルワ」

 

 

「「 …… 」」

 

 

 花火班はそれはもう盛り上がっていた。花火班というか深海側の皆さんがそれはもう盛り上がっていた。どうやら美しい爆発というところが琴線に触れまくっているらしい。

 筆頭秘書艦の責任感でこの場に残った叢雲は、このハイテンションモンスター共をどうコントロールしようか絶賛熟考中である。

 

 ついでにこの場を離れようとして捕まってしまった金剛も絶賛現実逃避中である。

 叢雲に「旗艦としていい経験になるからアンタも残りなさい」と言われて首根っこを掴まれては、離脱することは叶わなかった。

 頭の中では「どうしてこんな罰ゲームを受けなきゃいけないんデスカ……私が何したって言うんデスカ……」とボヤいているが、妹同様に地獄の訓練を経て逆らえないカラダにされてしまっているので、それを口にすることすらも叶わないのだ。かわいそうである。

 補足すると叢雲が金剛をこの地獄めいた場に残したのは、本当に経験が積めると思ったわけではなく、単に道連れが欲しかっただけである。やっぱりかわいそうな金剛である。

 

 

 普段は落ち着いて淑女然としているアークロイヤルと、何もかもにビビり倒しているコマンダン・テストの2名も漏れなくハイテンションになっている辺り、本当に何らかの深海特効が発動しているのだろう。

 もっと言うと、ここに残ってる妖精さんたちも超絶ハイテンションが抑えきれずに踊りまくったりクルクルしてたり組体操してたりと、楽しみまくっている。深海勢だけでなく妖精さんに対する特効も発動しているのだろう。

 鯉住くんは的を見ないでどころか的があるとも知らないで引き金を引いたとしても、どうしてか的のド真ん中に命中させるのである。百発百中なのである。

 

 提督が絡むといつもこうなる、と叢雲はあきらめムードだ。そんな分かり切ったこと今さら考えたところでどうしようもないんだけど。

 提督が正気に戻ったら久しぶりに蹴りを食らわせてやろう。それくらいしても許されるはずだ。許されなくても蹴るけど。正気に戻ったらと言わず、今から行って一発かましてやろうかしら。

 そんな感じで、やることもないので無益なことを考える叢雲である。

 

 

「「「 私ガ一番ノ花火ヲ作ッテミセル!!! 」」」

 

 

「私これなんかする必要あるのかしら」

 

「お願いですカラ、この状況を放り投げないでくだサーイ……」

 

 

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